バカとテストと優等生   作:黒揚羽蝶

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どうも~、ハーメルンでは初投稿の作者です。
作者はpixivでも執筆中ですのでよかったら読んでくださいね、まぁ駄作だけどw
それと私は誹謗中傷コメントどんとこいです。
私は売られた喧嘩をもとに改善していきますから何卒よろしくお願いします。
後私姫路と島田大っ嫌い!なんで構成の余地はございません。
明久君は優子ちゃんとイチャイチャしてればいいんですよ。
それと長くなっちゃいましたが本編へGO!


まずは死ぬ気で勉強だよね

優等生その言葉はその名前の通り優秀な生徒につけられる。

僕とは真反対なもの…だけど僕はそんな彼女に憧れた。

一目見た時に僕は恋に落ちたのが分かった。

だから僕は優等生の彼女につりあうために努力を始めた。

その事を悪友に話すと

 

「ほぉ…お前に思い人か」

 

と言って、ニタニタと笑ってきやがったよ。

さっすが雄二だよ。

 

「いいんじゃねえの、俺は応援してやるよ」

「本当!?」

「あぁ、明久がそこまで言うんなら俺は何も言わねえよ」

「ありがとう雄二」

「礼なんていらねえよ、これでFクラスだったらマジで喧嘩してやるからな明久」

「それは勘弁だから、まじめに勉強するよ」

 

僕がそう言うと雄二は満足そうに笑って去っていった。

さてじゃあ僕が今日からやることは

 

「まずは死ぬ気で勉強だよね」

 

ってことで僕は死を覚悟して鉄人のもとまで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

僕はすぐにてつじ…西村先生のところまで向かい、頭を下げてお願いした。

最初はそれは驚いてたよ、でも理由を話すとすぐに納得してくれて承諾してくれた。

そして僕の地獄の日々が始まった。

朝から夜まで補修プリント…そして普段の授業も眠らずに真面目に聞いて質問もしに行った。

正直やめたい何度も思った…けどあの子と肩を並べられるためならばと思ったら自然と僕の右手はペンをもってプリントを解いていた。

 

「雄二よ、少し質問いいかの?」

「どうした秀吉?」

「最近明久と都合が合わないのじゃが何か知っておるかの?」

「あいつAクラス目指してんだよ」

「そうかAクラスにの…なんじゃと!?」

「…それは初耳だ」

「ムッツリーニか、相変わらず気配消すの上手いな」

「…簡単に悟られては盗聴ができない」

「それはもはや犯罪じゃがの…しかし明久のやつも水臭いの」

「いいじゃねえか、好きな女追っかけて釣り合いたいなんて言ったら何も言えねえよ」

「…明久に好きな奴が?」

「なんと…それは驚いたのじゃ」

「…一体誰だ?」

「そこは明久の想いが叶ったらわかることだ、あんま探ってやるなよムッツリーニ」

「…それは分かっている」

「しかしあの明久がのう…一体誰なのじゃろうか?」

 

そう言えば姉上が最近家での態度が軟化してきておったの…ずぼらな恰好などせんようになったし、趣味だったBLも断ち切って料理もし始めたのじゃ…もしや姉上は明久が好きなのかの…姉上はAクラスに入ると言っておったし…まさかの

 

「まぁ、あんま探ってやるなよ…奴らにばれたら面倒だからな」

「それは分かっておるのじゃ」

「…了解した、明久の危険が高まるようなことは俺もしたくない」

「わかってくれて何よりだ…さて帰るか」

「じゃな」

「…そうだな」

 

三人はそう言って帰宅した。

一方明久は遠月学園誰もが恐れてやまない補修室でもくもくとペンを進めていた。

 

「先生、ここの数式計算が合わないんですが何かまちがってますか?」

「どれどれ…吉井この数式のここ()をつけ忘れているぞ、初歩的ミスだな」

「あっ、本当だ」

「気を付けろよ、数学は少しでも間違えたらすべて間違うからな」

「はい、気を付けます」

 

(しかしあれから一か月か…吉井のやつも休まずここにきているし、学力も比例して上がっている…もともと頭は良かったのだろうな、このままいけば首席クラス…いやこの成長速度を見るとそれ以上になるかもしれんな)

 

そう思いながら西村は明久を見る。

その明久の手は休まることなく問題を解き続けていた。

 

(吉井の観察処分者も外さないといけないな、次のテスト次第で職員会議で話してみるか)

 

そう決めた西村であった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

そして明久は休日だからと言って手は抜かず町の図書館に行ってはひたすら勉強をしていた。

 

「やっぱり落ち着いた環境って良いよね」

 

家にいるとゲームとかの誘惑があるからね…

 

だが今の明久はゲームなど全くやる気が起きないので実質家でもあまり大差はない。

だが一応念の為に図書館に来て勉強しているのだ。

 

「今日は物理と生物に化学かな」

 

明久はそう言って早速机に教材を広げ勉強を開始する。

だがそこに思わぬ人物がやってきた。

 

「吉井君?」

「えっ…優子さん?」

 

それは明久の思い人である木下優子本人だった。

 

「め、珍しいわね」

「僕が勉強してる姿ってそんなに珍しいの?」

「えっ?いや、そうじゃないのよ、図書館にいることが珍しいと思って…」

「あぁ…まぁ普段は来ないからね」

「そうなんだ…」

「優子さんも勉強しにこっちに?」

「えぇ、今日は秀吉のやつが友達連れてきててね」

「もしかしたら雄二たち?」

「そうよ…そ、そのてっきり吉井君も来るかと思っていたのだけど」

「僕は行けないよ、最近は少し付き合いが悪いからね」

「喧嘩でもしたの?」

「違うよ、みんな僕の目標のために手伝ってくれてるだけなんだ」

「目標?」

「そうだよ、僕は来年Aクラスに入ることを目標にしてるんだ」

 

吉井君がAクラス?急にどうして!?

 

「そんな驚いた顔しなくても…」

「あっ、ごめんなさい…でもどうして?」

「…僕はどうしても肩を並べたい人がいるんだ」

「それって女の子?」

「あ…うん、そうだよ」

 

女の子…つまりはそういうことよね…吉井君は好きな人と一緒に居たくて…

 

「彼女はね同学年では優等生って呼ばれているんだ」

「そう…だからAクラスに」

「うん、でもこれは僕の我儘でさ、馬鹿な僕が彼女に似合う男になるためにはやっぱり勉強できなきゃっていう僕の自論でね…まぁそれで振られちゃったら悔いはないかなって」

「そんな頑張ってる吉井君を見たら断る女の子なんていないと思うけど」

「…それは例えば優子さんでも?」

「えっ?」

 

優子はまさかそこでいぶんの名前を出されるとは思っておらず顔を朱に染める。

 

「いや…私は…絶対断らないと思う…」

「そっか…なら良かった」

 

良かった?…なんで吉井君はそんなに安堵した顔をしてるの

良かった…これで嫌だとか言われたら告白する前に振られちゃってるしね…まぁ簡単には諦めきれないけどね

 

「さて、話ばっかしてるのもあれだし勉強しよっか」

「え、えぇ、そうね…」

 

二人はそこでいったん話を終わらせ勉強を開始する。

そこで優子は明久が持っていた教材を見て驚きで目を丸くした。

 

「吉井君それ大学受験用の教材じゃない」

「ん、そうだよ、将来結局受けるわけなんだし今からやっておいても損はないかなって」

「私はそこまで考えてやってなかったわ…吉井君はどこか目指してるの?」

「特には決めてないかな…でも親の都合で海外に行くかもしれないからその時用に英語は話せるようになっておきたいなって思ってるかな」

「えっ…海外?」

「うん、僕の両親はアメリカに住んでてね、姉さんもそうなんだけど、もしかしたら向こうに来いって言われるかもしれないから一応だけどね」

「そうなんだ…」

「まぁ、本当に可能性は低いと思うけどね」

 

例えそうなったとしても行くつもりはないけどね

 

「またお喋りしてるね僕たち」

「あっ…そうね」

「でも優子さんと話してると楽しいから良いけどね」

「えっ…それって…」

「でもあんまりしゃべりすぎるのも良くないから、集中するね」

 

明久は優子の言葉を遮るようにそう言った。

今の明久君の言葉…それって…それって…

馬鹿か僕はまだ結果も出してないのに何言ってんだよ…その言葉はもっと先の事だろうが

 

それから二人は黙々と勉強した。

その合間に少し話しながら勉強を進めていると気づけば閉館時間を迎えていた。

 

「もう閉館時間だね」

「そうね、今日はなんだか早く時間を感じたわ」

「僕もだよ、優子さんといると早く時間が過ぎてる気がするよ」

 

あぁ…また僕はこうして口滑らせてるんだな…何やってるんだよ

 

「ねぇ…」

「何かな優子さん?」

「明日も来るの?」

 

その優子さんの言葉に僕の世界は停止した。

まさかの彼女の方からの提案…これってそういうことなのかな…

 

「うん、家にいると誘惑が多いからね」

「そ、そうよね!」

 

とたん優子さんは明るい声になった。

やっぱり可愛いよね…その笑顔とか見せられたら僕勘違いしちゃいそうになるよ

やった、明日も吉井君に会えるんだ…嬉しいな///

 

「じゃあせっかくだし時間とか決めようか、いつごろからなら空いてる?」

「私は10時頃からかしら」

「だったら迎えに行くよ」

「本当?」

「うん、最近変な噂も聞くしね」

 

下手くそな嘘だな…やっぱり苦手だなぁ誤魔化すの

時間決めて迎えに来てくれるって…デートよね、デートでいいのよね?…お弁当とか作ったりしても大丈夫よね?

 

「な、ならお願いするわ」

「うん、頼りないボディガードかもしれないけどね」

 

そう言って明久は軽く笑った。

そう話しながら二人が外に出るともう夜になっていた。

 

「流石に暗いね」

「そうね」

「優子さん一人じゃ危ないし送るよ」

「でも時間が…」

「大丈夫だよ、僕一人暮らしだしね」

 

そこで優子はさっきの明久との会話を思い出す。

 

「なら、お願いしてもいいかな?」

「うん、喜んで」

 

明久がそう答えると二人は並んで歩きだす。

 

「悪いわね、なんか」

「気にしないでよ、これは僕がやりたくてやってるんだから」

「そ、そう…///」

 

もうこれってそういうことでいいのよね…吉井君は私のこと…

流石にばれちゃったかな…でもはっきりとした言葉は言わないよ…まだ僕は努力している最中だから。

だから僕の努力が実って胸を張れるものになったら君に伝えるよ。

そしてその後明久は優子を家に送り届けた後明久も帰宅した。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

そしてその二か月後年度末試験が行われた。

明久は今までの努力をすべてその試験につぎ込んだ、そして出た結果に学年中が驚いた。

 

一位 吉井明久

二位 霧島翔子

三位 姫路瑞希

 

「僕が一位!?」

「やったじゃねえか明久」

「…吉井はやれば出来る子だった」

「確かに今回は予想してきた範囲が出てきてたけど…まさか霧島さんを超えるとは思っていなかったよ」

「翔子が勉強で負けるのも珍しいがそれが今のお前の実力ってことだろ」

「…雄二の言う通り、私は手を抜いて試験に挑んだことは無いから」

「まぁ、わざわざ手を抜いてるなんて事するのは雄二ぐらいだしね」

「俺はやりたいことがあるからな」

「…もったいない」

「僕もそう思うよ」

「別に良いんだっつうの、アフターケアの対策もしてあるしな」

「一体何考えてるのか僕は心配だよ」

「大丈夫だっての、ちゃんと正当な物だからよ」

「…なら大丈夫…けど」

「あぁ、またしばらく一緒にはいられねえな、我慢してくれ翔子」

「…じゃあ今日デート」

「わかってるっての、どこ行くつもりだ?」

「…考えてなかった」

「ったくお前らしいな…どっかよって適当に回るか」

「…うん」

 

ちなみに言い忘れてたけど二人は付き合っている。

何がきっかけだったのかは僕も知らないけど一年の夏休みごろから付き合いだしている。

正直その時はびっくりした。

でもいずれそうなるだろうとは思っていたけどね。

 

「…これで吉井も告白?」

「…一体どこから情報漏れてるんだろう」

「俺は何も言ってないな…翔子はなんで知ってるんだ?」

「…吉井の目線の先見ていたらわかる、女子は視線に敏感」

「そうだったんだ…まぁ、相手には僕の気持ちばれちゃってるだろうけどね」

「それで告白すんのか?」

「まだできないよ、この結果はまだ最初の一歩目でしかないからね…だから次また霧島さんに勝てたら僕はその時彼女に告白する」

「…次は振り分け試験…私もリベンジしなきゃいけないから手は抜かない」

「そうしてもらわないと僕も困るよ、本気の霧島さんに勝たないとね」

「翔子にライバルってのもおもしれえな」

「…吉井がライバル?…確かにそうかもしれない」

「霧島さんのライバルなんて光栄だよ、でも僕の目標は邪だから何とも言えないね」

「いいんじゃねえの、好きな女子に告白なんてな」

「…私もそう思う…雄二にプロポーズされたときは嬉しかった」

「プロポーズ?」

「翔子それは捏造しすぎだ、それは将来俺が言うんだからちゃんと待ってろ」

「…うん」

 

良かったびっくりしたじゃないか…でも雄二はそこまで考えてるんだな…僕も優子さんと

そのとき放送が校内にかかった

 

「一年吉井明久、至急職員室まで来るように」

「僕だ」

「なんかやったのか?」

「多分また観察処分者の手伝いだと思うよ」

「…そっか吉井は観察処分者だった」

「そういやそうだったな、最近そういうこと無い上に明久が勉強してるからな」

「とりあえず僕は行ってくるよ」

「おう」

「…いってらっしゃい」

 

僕は二人と別れた後すぐに職員室へ向かった。

 

「失礼します、一年吉井明久です」

「おや、本当に態度までよくなってるじゃないかい」

「学園長?」

 

呼び出された職員室には学園長と教師陣たちが座っていた。

 

「ちゃんと学園長って呼んでくれるなんてね、あんたを観察処分者に任命した時の妖怪ババアはどこ行ったんだい?」

「その節は大変失礼なことをして申し訳ありませんでした」

 

そう言えばそんなこともしてしまったと思い出し明久はすぐに頭を下げて謝罪した。

 

「…これが本当にあの吉井かい?」

「はい、観察処分者で西村先生の大切な本を売った大バカ者の吉井明久です」

「…そのこと知ってるってことは本当にあの吉井明久だね」

 

まぁ、僕が観察処分者になった原因だしね。

あの本もいつかちゃんと返さないといけないからね

 

「それで学園長、自分はどうして呼ばれたのですか?」

「あんたに関係することだからだよ、まぁ座りな」

「後数分で授業ですが」

「そのくらい大目に見てやるさ、あんたらは教室に向かいな」

 

学園長がそう言うと授業がある先生たちはそれぞれの教室に向かった。

そしてその場に残ったのは学園長と西村先生と僕だけになった。

 

「吉井、今日限りであんたを観察処分者から外すことが決まったから、今日ここに呼んだのさ」

「僕を観察処分者から外すですか?」

「これはな吉井、教師全員で話し合いをした結果過半数以上しめ決まったことだ」

「そういうわけさね、これであんたは問題児じゃないってことになる」

 

僕が観察処分者じゃ無くなる…嬉しいけど、それでいいのか?

いや駄目だろ、迷惑かけてしまっていたのだからその分働くのが普通だろうが。

 

「あの」

「何だい、用はそれだけだよ」

「いえ、その件ですがもう少し続けさせてもらえませんか?」

「ほぉ…理由を聞こうじゃないか」

「自分はまだ教師の方々にかけてしまったご迷惑の分働いてはいません、ここでその甘い誘惑に乗ってしまえば、きっと自分は後で後悔すると思います、ですから自分はもう少し観察処分者を続けさせてもらいます」

「…つまり自分で自分をまだ許せていないと?」

「簡単に言うとその通りです、僕はご迷惑をおかけした分働いて返していかなければいけないと思っています」

 

そう言うと学園長は満足そうな顔をしていた。

 

「なら都合がいいさね」

「?」

「後は西村に聞きな、あたしも仕事があるんでね」

 

そう言って学園長は職員室を出て行った。

 

「一体どういうことですか?」

「先ほどの吉井は観察処分者でありたいといったな」

「はい」

「だがな、学園の事を考えると首席が観察処分者などという汚名を着せたくはないわけだ」

「それは…まぁ、理解はできますね」

「そこでこの学園には教師補佐生徒というものがある」

「…つまり自分がそれを?」

「そういうことだ、やることは基本教師の雑用だから観察処分者と何ら変わりはない」

「…わかりました、受けます」

 

やることが同じなら迷うことなんてないよね。

ちゃんと迷惑分は返さないといけないんだから。

 

「なら良いんだ」

「後教師補佐という言葉が気にかかるんですけど他にも何かするんですか?」

「その他の仕事は二年になってからが主になるな、例えばお前らの学年が試召戦争をしている日に吉井がその戦争に参加していなかった場合は一年の教師の代わりをやってもらったりだな」

「…明らかに大変なのが目に浮かびますよ、でもやります、やらせていただきます」

 

確かに大変だろうけど…雄二がやろうとしてるからな、一応悪友のしりぬぐいはしてやらないとね

 

「明らかに観察処分者より大変だが、良いのか?」

「構わないですよ、僕がやらなければならないのは分かってますから」

「ならよろしく頼む、本当に大変なときは俺に相談してくれ、できるだけ仕事を回さないように頼むからな」

「お気遣いありがとうございます、本当に辛いときは相談します」

「あぁ、話はこれで終わりだ」

「わかりました、失礼いたしました」

 

最後の明久は一礼して職員室を後にして、自身のクラスへ戻って行った。

 

 

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「じゃあ明久はまた面倒なことやんのかよ」

「まあね、基本は二年生になってから増えるみたいだけど」

「…吉井大変」

「今まで迷惑かけたから少しでも先生たちが楽になれればそれでいいよ」

「ったく、頭良くなってお人好しなのは変わんねえな」

「…それが吉井の美点」

「だな」

「そんなに褒められると流石に恥ずかしいって…」

「でもまぁ、頑張れよ」

「二年になったら雄二に迷惑かけられるんだけどね」

「そりゃ悪いな」

「雄二の目標知ってるから僕は何も言わないって」

「…やっぱり二人は仲良し」

「まあな、明久とは悪友だしな」

「そうだね一緒にバカやってた仲だしね」

 

僕と雄二はそう言った後拳を突き合わせて笑っていた。

霧島さんはそんな僕たちをほほえましそうに見ていた。

 

そしてそれから二週間後に振り分け試験が行われた。

その結果は春休みが開けてからのお楽しみだ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

それから春休み僕は勉強をしながらも雄二たちと遊ぶひびが続いていた。

だけどそんな楽しい時間はあっという間に過ぎて僕らは二年生になった。

 

「さてと結果どうなってるかな?」

「翔子が上か明久が上かってのは気になるな」

「…私は全力で取り組んだ、簡単に負ける気は無い」

「そうじゃないと勝っても僕も示しがつかないからね」

 

僕と雄二と霧島さんは三人並んで遠月学園に向かっていた。

 

「む、明久に雄二ではないか」

「秀吉」

 

急に声をかけられたので振り向くとそこには秀吉と優子さんがいた。

 

「おはようなのじゃ」

「うん、おはよう二人とも」

「お、おはよう、吉井君」

 

そう言って木下姉は顔を少し朱に染めてもじもじとしていた。

明久…これって完全に脈ありじゃねえか

…吉井は焦らし上手

やはり姉上が好きなのは明久じゃな…当の本人には言えんがの

 

「秀吉は振り分け試験の手ごたえは?」

「全くないのじゃ」

「演劇ばかりに時間を使いすぎなのよ」

「だね、ボクも優子さんと同意見かな」

「面目ないのじゃ…して明久はどうじゃ?」

「僕はやれるだけはやったつもりだよ、後は結果を待つだけだよ」

「そうか…最近明久を知的に感じることがあるが強ち思い違いではないのう」

「それって酷くない?」

「勉強できないお前がよっぽどバカだったってことだな」

「今は少なからずできているほうだと思うよ、自画自賛はあまり良くはないけどね」

「…吉井の言葉レパートリーが増えてる?」

「そうかも知れないね…前は四字熟語なんて言ったことなかった気が…」

 

そう言い明久は思い出して苦笑した。

そうか黒歴史になったんだな…

全員がそう察して明久が更生したことを改めて感じた。

そんなこんなしているうちに明久たちは学園前に到着した。

 

「おはようございます、西村先生」

「よう鉄人」

「おはようなのじゃ、鉄人殿」

「…おはようございます」

「おはようございます、西村先生」

「うむおはよう諸君、坂本、木下弟、何度鉄人と呼ぶなと言ったらわかるんだ」

「つい癖で出てしまったのじゃ」

「すみません、いつか気を付けます」

「雄二謝る気ないね…」

「まぁ良い、これがお前たちの結果だ」

 

そう言って西村先生は僕たちに封筒を渡してきた。

 

「ずいぶん古典的ですね」

「学園の予算も今年は少し厳しくてな」

「なるほど、システムの制御と運営にはコストがかかりますからね」

「その通りだ」

「ではさっそく見てもいいですか?」

「あぁ、もちろんだ」

「…吉井勝負」

「もちろんそのつもりだよ、じゃあせーのっ!」

 

僕の掛け声で霧島さんと僕は一斉に封筒から紙を取り出した。

そこに書いてあったのは

 

Aクラス 首席 吉井明久 6476

Aクラス 次席 霧島翔子 6474

 

という文字だった。

 

「よしっ!」

「…後2点足りなかった」

「6000点overか…下手したら教師レベルじゃねえか」

「凄いわ、二人とも」

「雄二よ教師陣レベルがAクラスに二人もおることが判明したぞい」

「いいじゃねえか、強い敵程勝負事は燃えるだろうが」

「吉井に霧島は昨年の年度末試験より大幅に結果を残しているなよく頑張った」

「ありがとうございます」

「…ありがとうございます」

「坂本、木下弟は勉学以外にかまけすぎだ」

「さっき姉上たちにも釘刺されたのじゃ」

「わかってるっての」

「木下姉も昨年からの努力が実っているなよく頑張った」

「ありがとうございます、西村先生」

「うむ、あぁ一年間楽しんで勉強に取り組むように」

 

そう言った西村先生は次に来た生徒に封筒を渡しに行った。

 

「…これでようやく言える」

「ん、何か言ってた吉井君」

「ううん…いやいうことがあったなそう言えば」

 

明久のやつ早速言うつもりか?

…吉井は大胆

薄々気づいておったが明久もなのじゃ…

 

「え、何かあったの?」

「うん、木下優子さん」

「は、はい」

「僕はあなたが好きです、なので僕と付き合ってもらえますか?」

「…え!?///」

 

…優子顔真っ赤

本当に言いやがった…まぁ、半年間ずっと募らせてた思いだからな

やはりそうじゃったのじゃな

 

「え、えっと…///」

「うん」

「…私も吉井君が好きです、こんな私でもよければお願いします」

 

明久の告白を優子は受けた。

瞬間明久は優子を抱きしめた。

 

「良かった、すっごく嬉しい」

「よよ、吉井君!?///」

「振られちゃったらどうしようかなって思ってたから…ありがとう優子さん」

「っ…///」

 

明久はそう優子の耳元で囁くように言う。

瞬間優子の顔は最高潮で真っ赤になった。

明久の奴よくこんな生徒たちの目の前でできるな

…雄二私もあれしてほしい

二人っきりの時な…

…うん!

やれやれなのじゃ…じゃがおめでとうなのじゃ二人とも

 

そう秀吉が心から祝福していても邪魔する彼らは絶対に現れる。

 

「諸君我らは何だ!」

「我らは愛を捨て哀に生きるもの」

「よし、吉井をぶっ殺せぇェェええ!」

「…君たちはいつもそうやって…いい加減黙ってよ…踏み潰すよ?」

 

異端審問会たちがそう明久にとびかかって行った瞬間、明久は鬼の形相でそいつらを睨み付けた。

瞬間やつらは動きが止まった。

今間違いなく手を出したらこっちが殺られる、そう本能的に感知したからだ。

 

「僕と優子の邪魔するなよ…わかったね?」

「い、Yes!!!」

 

そう言った後異端審問会は蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。

 

明久マジで怒ってたな

…仕方ない、吉井の想いはそれだけ強いもの

まぁ理解はできるがな、俺も翔子との時間邪魔されたくねえし

…雄二がそんなこと言ってくれるなんて嬉しい///

こっちもやれやれなのじゃ…

 

「よ、吉井君?」

「ん、ごめんね怖い顔見せちゃって」

「ううん、その…それだけ私が大事なんだって思えたから…嬉しい」

「僕は本気だからね、それと優子さん名前で呼んでくれる?」

「えっ!?」

「駄目かな?」

「ううん…あ、明久君///」

「うん、これからよろしくね優子」

「はい、こちらこそよろしくお願いします///」

 

明久の努力はこうして報われた。

だがその二人を気に入らない眼で見ていた二人のことを誰もまだ知らない。

 

 




ここであとがきバカテストやるよ
問題はできるだけ私で考えてキャラクターたちに解かせるつもりです、それじゃあどうぞ!

第一問 バカテスト

科学
青魚に多く含まれているDHAとEPAの名称と化学式(分子式)を答えなさい。

吉井明久・霧島翔子の答え

ドコサヘキサエン酸  C22H32O2
エイコサペンタエン酸 C20H30O2

教師のコメント
いやこれを知っているとはすごいですね…
流石霧島さんと吉井君ですね。
吉井君は本当に賢くなって私としても嬉しい限りです


木下優子の答え

ドコサヘキサエン酸  C22H32O2
エイコサペンタエン酸 無回答

教師のコメント
惜しかったですね木下さん、確かに分子式はパッとは出てきませんよね。


Fクラスの答え

炭酸 C
炭酸 C

教師のコメント
後で全員補修室行きです、それと炭酸はH2CO3という化学式です


姫路瑞希の答え

硝酸  HNO3
塩酸  HCl

教師のコメント
!?姫路さんあなたは日ごろどんな青魚を食しているんですか…後で職員室へ来るように。


次回

「教師って大変だね…」

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