楯無side
私達と鈴音ちゃんがお互いの事情を話し合った翌日の放課後の生徒会室、前日と同じように私、簪ちゃん、本音ちゃん、虚ちゃん、鈴音ちゃんでお菓子でも食べながら雑談をしていると突然鈴音ちゃんがこんなことを言い出した。
「そういえばあんたたちの使っているあれ…ゲーマドライバーとか言ったっけ?あれで変身した後の名称って何かあるの?」
鈴音ちゃんの疑問に私は
「そういえば私達って基本名前つけてなかったわね。」
「じゃあ会長が国家代表として活躍している時に出ている機体名は?」
そう私はロシアの現役国家代表なの。日本じゃない理由はロシアに先にスカウトされたのと日本の国家代表はすでにいたこと。それなら日本の代表候補生になって将来国家代表になればと思うだろうが、簪ちゃんがすでに日本の代表候補生のため私まで日本の代表候補生になると姉妹で国家代表争いが起きるかもしれない。だからロシアの国家代表になった。簪ちゃんとは争いたくないしね♪
「あれは政府が名前ないのは不便だからということで便宜上つけた名前。でも私はあれ気に入ってないのよね。」
私がそう言うと鈴音ちゃんは
「それなら今決めましょう!ついでに簪と本音と虚先輩もね。」
というわけで私達は変身後の名前を考えることになった。
10分後
楯無side
「それじゃ発表してもらいましょうか!まずは〜やっぱり会長からかな?」
何で鈴音ちゃんが仕切っているの?とは思ったが、振られた通り私は紙に書いて発表する。
『ブレイブ』
「会長は何でこの名前に?」
「それは私が使ってるこのガシャットに由来するわ。」
そう言って私は水色のガシャット『TADDLE QUEST』を取り出す。
鈴音ちゃんはすぐさまガシャットを手に取り、
「これが会長の使うガシャットかあ。これと何の関係が?」
「このガシャットはRPGをモチーフとしたものなの。」
「RPGってあのゲームのやつ?ドラ○エみたいな?」
「そうよ。だから勇者→ブレイブってわけ。」
「何か安直ねえ。」
「それは言わないでよ。」
私がそう言うと簪ちゃんがフッフッフッと不気味な笑いをしながら
「お姉ちゃん、甘いね。私は考えたよ。お姉ちゃんよりもすごいのを。」
「むっ、言ってくれるじゃない。じゃあ簪ちゃんはどんな名前にしたの?」
私がそう言うと簪ちゃんは自信満々に名前を書いた紙を私に向かって見せてきた。
『スナイプ』
「えっとこの名前の由来は?」
「…BANG BANG SHOOTINGガシャットがシューティングゲームモチーフだから、スナイパー→スナイプ」
「それ、あんまり私と変わらないじゃない?!」
「お嬢様、落ち着いて下さい。いいじゃないですか、別に安直でも…」
そう言う虚ちゃんに私と簪ちゃんは聞いてみる。
「そう言う虚ちゃんはどんな名前にしたの?」
私と簪ちゃんは期待の目で虚ちゃんを見る。
「そんなに期待しないで下さい。では行きますよ。」
そう言うと虚ちゃんは私達に名前の書かれた紙を見せる。
『レーザー』
「虚ちゃん、由来は?」
何かもう答え丸見えな気がしたけど一応聞いてみる。
すると先ほどの私と同じように黄色のガシャットを取り出し、
「このガシャットBAKUSOU BIKEがレーシングゲームなのでレーサーでは安直かなと思って、レーザーと」
私と簪ちゃんはほぼ予想通りな解答にやっぱりねと顔を見合わせる。そして、まだ見ていない本音ちゃんの方に顔を向ける。
「本音ちゃん、出来た?」
「うん、それじゃあ〜、見せるね〜、オープーン。」
そう言って本音ちゃんは持っていた紙をくるりと裏返し、私達に名前の書いてある方を見せてくる。
『エグゼイド』
「えっと本音ちゃん?これ何?全然由来が分かんないんだけど?」
「そーゆーのはないよ〜。だって〜、これ直感だし〜。こう頭にピーンと来たんだよ〜。」
私達は途中から何も話さなくなった鈴音ちゃんの方を見ると
「あっ、終わったー?」などとのんびりせんべいでも食べながらくつろいでいた。
「いやいや鈴音ちゃん、言い出しっぺで最初仕切ってたのに何フェードアウトしたかと思ったらのんびりせんべい食べてるのよ?!」
「だって、割と安直な名前多かったし、途中から飽きちゃって…でも本音のエグゼイドはナイスね。少なくとも一番マシだわ。ところで疑問だったんだけどあの変身の時に流れる音声ってあれどういう基準なの?それに何でゲームモチーフなの?」
そういえばと思い、私は一番その辺りの事情に詳しそうな簪ちゃんの方を向くとどこから用意したのかいつの間にか回転椅子に座って、後ろを向いている。そして、くるりとこちらの方を向くと今までで一番の笑顔になって
「…私の趣味。いいでしょ?」
ズコッと音が聞こえそうなほど簪ちゃんを除く私達全員は勢いよくこける。
やがてすぐに復活した鈴音ちゃんが
「ゲームモチーフなのも趣味?というか愉快な音声考えてる簪を思い浮かべると何か笑えてくるんだけど?」と言いながら苦笑している。
しかし、簪ちゃんはその言葉を聞いた後真面目な顔になって
「ゲームモチーフなのはISが兵器然としているのに対抗して遊び心全開で作ったの。それにあのゲームキャラっぽいので殺し合いとかそういったものをしようなんて思わないでしょ。それにあの音声は趣味もあるけど、後々のためかな?あんな音声が鳴ってゲームキャラっぽいので戦っていたら、体感できるゲームじゃない?女尊男卑の社会が終わったら、これはエンターテイメントとして人を楽しませる道具にしたいの。私はそれの主催者になるつもりなの。」
そう言うと簪ちゃんは目の前に置かれていたお茶を飲み、一息ついた。
簪ちゃんがそこまで考えていたなんて…私以外のみんなも感心していた。
だったら簪ちゃんの姉として私が出来るのは…
「それなら、早くこんな世の中を終わらせないとね。簪ちゃんのその思いを叶えるために」
その手伝いをすることだ。
「そうですね。妹の本音共々協力します、簪様。」
「かんちゃんが〜主催者の〜エンターテイメント〜早くやって見たいよ〜。」
「簪、私もそれに参加するから主催者権限でシード枠とかにしてよね♪」
私が返した後、それぞれ思い思いに返していく。後鈴音ちゃん、シード枠もらうとかそんなセコいこと考えない。
「ところでもうタイトルは決まってるの?その主催するものの名前。」
「うん、私達の変身後の名前が最初に来るの。」
「私達が変身するもの?それってさっき決めた固有名じゃないよね?」
「というか変身音声で言ってるよ。私達がどういう存在なのか。」
「えっ、変身音?」
私は簪ちゃんにそう言われ変身音でそういったものに該当するものがないか考えてみる。やがて…
「降参よ、簪ちゃん。答えは何?」
「えっ、お姉ちゃん分からないの?他の人達は分かったみたいだよ。」
嘘だ!と思い、後ろにいる本音ちゃんと虚ちゃん、それに鈴音ちゃんを見てみるとえっわからないの?みたいな表情してこっちを見てた。
未だにわからない私に簪ちゃんは呆れた表情で答えを言った。
「変身の時に言ってるでしょ。アイム ア カメンライダーって。」
「言ってるけど、そもそもカメンライダーって何?」
「仮面ライダー、人間の自由と平和を守る戦士っていう私の考えたオリジナルのヒーロー」
「分かるわけないじゃない?!でも人間の自由と平和を守るって…」
確かに言われてみれば女尊男卑をなくす→自由、ISをなくす→戦争の被害を減らす→平和と考えれば確かに私達は人間の自由と平和を守る戦士かもしれない。
「じゃあこの言葉とさっきの固有名を足して、私は仮面ライダーブレイブ。」
「私は仮面ライダースナイプ。」
「わたしは〜仮面ライダー〜エグゼイド〜。」
「では私は仮面ライダーレーザーですね。」
「あたしは…ってあたしだけゲーマドライバーじゃないから仮面ライダーって言えないじゃない?!」
そう言うとハブられてしまった鈴音ちゃんが机に「の」の字を書いて体育座りの状態になる。
「鈴音、まだ今の段階じゃ迂闊に増産して世に出すことが出来ないから無理だけど、安心して増産できるようになったら真っ先に渡すから機嫌直して。」
すると鈴音ちゃんはすぐさまこちらに向き直って、
「ほ、本当?!約束だからね?!」と喜びながら簪ちゃんの手を握り、ぶんぶん振る。
「や、約束するから落ち着いて。」
ようやく鈴音ちゃんも落ち着き、話を聞く態勢に戻る。
「それで話を戻すと私達と同じような存在…仮面ライダーとなってプレイするエンターテイメントなの?」
「うん、だからこう名付けようと思うの。」
簪ちゃんは一拍おいた後その名前を口にした。
「『仮面ライダークロニクル』」
ということでようやく仮面ライダーの名称が出せました。そして、簪の言ったゲームの名前は本編のあれとは別物と思って下さい。そして、急遽予定を変更して日常回を行ったこともう一度深くお詫び申し上げます。それでまた次回お会いしましょう。