ラウラside
『セシリアちゃん、失神KO!失格よ!』
「ッ?!そんな?!セシリアが?!」
「鈴音が勝ったか。なら私も続かねばな!」
そう言いながら私はシャルロットの顔面にハイキックを決める。しかし、シャルロットは地面に倒れて、その蹴りを回避する。
「ラウラ、やってくれるね。だったらこっちも…そりゃ!」
そう言うとシャルロットは地面に倒れた状態で私の脇腹に蹴りを入れて私と距離を取る。
「見せてあげるよ!僕のとっておきの切り札を!」
するとシャルロットは懐から五つのガシャットを取り出した。そして順々に起動しては地面に捨てていく。
『GEKITOTSU ROBOTS』
『DOREMIFA BEAT』
『JET COMBAT』
『GIRIGIRI CHAMBARA』
『SHAKARIKI SPORTS』
するとロボットゲーマ、ビートゲーマ、コンバットゲーマ、チャンバラゲーマ、シャカリキゲーマが飛び出してくる。
「そんなに一斉にゲーマを出して一体どうするつもりだ?まさか多人数でのリンチが切り札ではないだろうな?」
多分違うと思いつつも一応聞いておく。
「プッ、あはははは!そんな訳ないじゃん、見せてあげるよ!僕の切り札を!」
するとシャルロットはゲーマドライバーの扉を閉じてレベル1に戻る。
そして、キメワザスロットホルダーのボタンを押す。
「行くよ!ゲーマ合体!」
『ゲーマドッキング!』
するとシャルロットの周りにいたゲーマ達が次々と別の形に変形していく。ロボットゲーマは巨大な腕パーツに変形し、ビートゲーマは形こそロボットゲーマの変形後に似て
一方コンバットゲーマは真ん中部分から折れてロケットの先端部分がつま先となるように足パーツに変形する。チャンバラゲーマは正面の兜パーツのみが分離して空中に待機し残りのパーツは腕が後ろに回ったくらいでほぼ何も変わっていない。
しかし、その一方でシャルロットの本体であるゲンムはかなり変わっていた。まず四肢のパーツがずんぐりむっくりとした胴体内に格納され顔パーツが体力ゲージを表している画面のところまでスライドで降りてくる。するとスライドした顔パーツの代わりに下からゲンムレベル2の顔がぴょこんと飛び出してくる。
その状態からゲンム本体、ロボットゲーマ、ビートゲーマ、コンバットゲーマ、チャンバラゲーマが空中に浮き、ロボットゲーマはゲンム本体の右腕、ビートゲーマは左腕、コンバットゲーマは右足、チャンバラゲーマは左足として合体していく!
そして、そのまま空中で待機していたチャンバラゲーマの兜パーツを右腕で掴み、そのまま頭にはめる。最後にスポーツゲーマがちょうど真ん中のところで2分割して2丁拳銃のような形で腕に持つ。そうやって体長5メートルほどのロボットへの合体が完了するとシャルロットは宣言した!
「完成!ゲンカイオー!」
『えええええええええええ?!』
アリーナ中からそんな驚きの声が聞こえてきた。それはそうだろう。一応IS(名目上)としているものがまさか合体して巨大ロボになるとは想像もつかないだろう。
ドスン
しかし、そんな驚きの声はゲンカイオーの地面への着地音でかき消されていく。
「これが僕の切り札、幻想合体ゲンカイオーだよ!そして、ここからはずっと僕のターンだよ!」
そう言うとシャルロットは私に向かって走り出した。私も迎え撃つように構えるが、突然シャルロットの姿が消える。
「なっ?!どこに消えた?!」
私が戸惑っていると急に横から強い衝撃を感じ、私は壁まで吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「ごはっ?!ゲホッゲホッ?!」
あまりの強い衝撃に肺の中の空気が一気に吐き出されせき込む私。叩きつけられた壁を見ると方針円状に壁にひびが入り、破壊力の凄さを表していた。
(こんなものをもう一回食らったらシールドエネルギー残量とか絶対防御とか関係なくまずい!ここは様子見を…)
そんなことを考えていると再びシャルロットの拳が私に襲いかかる!
「くっ?!」
私はバックステップでアリーナ中央に向かいつつその拳を避ける。
「逃がさないよ!」
すると今度はスポーツゲーマを変形させてできた2丁拳銃を次々と撃っていく。私はそれをも右に左にかろうじて避けていく。
「へえ、なかなかやるね。ならこれならどうかな?」
そう言ってシャルロットは2丁拳銃を合体させて1つにする。すると銃口には先ほどとは比べ物にならないほど大きなエネルギー弾が一瞬で作られる。その大きさは約5メートルもあるゲンカイオーが全て隠れてしまうほどだ。
「喰らえ!スポーツダイナミックストライク!」
そう言いシャルロットは銃の引き金を引く。そして、エネルギー弾は凄まじい勢いで私の方へと向かってくる。私は全力で回避しようとシュヴァルツァ・レーゲンのスラスターを全開にする。しかし…
(だ、駄目だ!間に合わない!こうなったら…)
私は背を向けて逃げていたのを反転しエネルギー弾を受け止める。そして、そのままスラスターを全力で吹かせる。
(エネルギー弾を押し返しこのまま奴にぶつけてやる!)
「ははは、そうするんだ。でも…そんな程度で押し返せると思わないでよね!」
するとシャルロットは銃を2丁の状態に戻し巨大なエネルギー弾を避けるように連続で撃つ。
(シャルロットめ、確実に勝つためにエネルギー弾を受け止めてて無防備な私に対して…もう駄目だ。おしまいだ。)
(『何を諦めている?お前は私の○○○だろう?ならば力を示せ。それこそ我○○○○○の血を引くものの運命だ。』)
何やら壮年の男性のような声が私の脳内に語りかけてくる。
(なんだ、この声は?何故私に語りかけてくるんだ?それにこの声の主は私のなんだというんだ?)
私はそんなことを思いながら脳内の声に耳を傾ける。
(『…覚えていないのか。まあいい。その体少し借りるぞ。』)
声の主がそう言った瞬間私の意識は暗く深い闇の底に沈んでいった。
ラウラに語りかけて来た謎の声の主、一体誰なのか。一応構想はあるのですがそこまで書けるかな?このタッグマッチトーナメント編が終わったら次の章ではあいつが出てきます。ヒントは狂乱です。わかった方はすごいです。ではまた次回お会いしましょう。