IS 幻夢vsIS   作:稲葉 優

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まず、はじめに言いたいことがあります。更新遅れてどうもすみませんでしたぁぁぁぁ!今回に関しては色々と考えすぎた結果、なんか色々とごちゃごちゃになっていますがすみません。それでは第20話どうぞ!


戦慄!これが英国淑女の切り札だ!

セシリアside

 

『これより準決勝第1試合、ザ・レッド・レインズvsエンプレスズを始めるわよ〜♪』

 

第3アリーナで向き合っているわたくし達と鈴音さん達はそんな会長さんのアナウンスを聞いていた。というか明らかに聞こえてはいけない音がなっていたのにもう復活するとは…

 

「鈴音さん!あなたの技、わたくしが破って差し上げますわ!」

 

「師匠から受け継いだ技、そんな簡単に破らせないわよ!」

 

「はは、あの二人が燃えているな。ならこっちは…」

 

「こっちでやろうか?」

 

『ああっーとどうやら両陣営お互いの対戦相手の目標を絞ったようね♪虚ちゃん?』

『そうですね。もうこうなってしまうとタッグの形をとってはいますが完全なシングルマッチ対決ですね。』

 

『さあてともう焦らすのもアレだから始めちゃうわよ〜♪試合開始〜♪』

 

そうして試合開始のアナウンスが流れた瞬間にわたくしは…

 

「さあ!ブルーティアーズの奏でるワルツで踊りなさい!」すぐさまビットによる先制攻撃を放つ!

 

「甘いわね!セシリア!そんなの簡単には喰らわないわよ!」

そう言って鈴音さんは縦横無尽に飛び回り、避けながら狙いを定めにくくしてくる。

 

「タイミングは…今!」

そう言うと鈴音さんは全速力でこちらに向かってくる。そうして突撃してくる鈴音さん、そして物の見事にわたくしのボディに突き刺さり、そのまま壁に激突する。

 

「どう?セシリア?あんたの武器はこれだけ密着して仕舞えば使えないでしょ?」

 

鈴音さんは不敵な笑みを浮かべながらわたくしに言う。しかし、わたくしは…

「ふふふ、確かにわたくしの戦闘は武器が中心でしたわ。でもわたくしとていつまでも弱点を残したままにはいたしません!」

鈴音さんのセリフに対して毅然と返す。

 

わたくしはボディに刺さった鈴音さんを引き抜き、そのまま鈴音さんをパイルドライバーの体勢に持っていく。

 

「セ、セシリア?!あんた、この技…」

 

「目には目を歯には歯を…ですわ!」

 

それと同時に地面に着地する。わたくしは鈴音さんに追撃を掛けようと鈴音さんの足を掴んでジャイアントスイングの体勢に持っていく。

そして、投げる!しかし、壁に激突する寸前、鈴音さんは体を反転させて壁を思いっきり蹴りつける。そして、わたくしのところに戻ってくる。

 

「セシリア!今の程度じゃダメージなんて微々たるものよ!これでも喰らいなさい!」

そう言って鈴音さんは左脚を横に突き出してそのまま突っ込んで行く。

 

「フライングレッグラリアート!」

 

「壁からわたくしまで距離がある状態では軌道も読めてしまいますわ!ここは華麗にかわし…」

 

「そうは行かないわよ!」

そう言って鈴音さんは空いている手を思いっきり後ろに引っ張るような動作をする。すると…わたくしの体が鈴音さんの方に引き寄せられていきますわ!

 

「喰らいなさい!セシリア!フライングレッグラリアート!」

 

「そうは問屋が卸しませんわ!」

しかし、わたくしはあえて地面を蹴り自ら鈴音さんの懐ヘ潜って行く。

「鈴音さん!その技の弱点は相手に踏み込む隙を与えると蹴りを与えるのが遅れることですわ!」

わたくしはガラ空きの鈴音さんのみぞおちに対して掌底を叩き込む。

 

「グハァ?!」

再度鈴音さんは壁に吹き飛ばされるもなんとか体勢を立て直して壁への激突を防ぎ、地面へ着地する。

 

『なんとセシリアちゃん、近接戦を十八番とする鈴音ちゃんに対して逆に近接戦での読み合いに勝利したぁ!』

 

 

「セシリア、やっぱ一筋縄では行かないわね。でもそうこなくっちゃ面白くない!」

 

「そちらこそわたくしを今までと同じと思わないでくださいまし。」

 

そう言った瞬間、わたくしと鈴音さんは同時に駆け出し、手4つの体制となる。しかし、やはりというか鈴音さんの方が有利でだんだんと押されてしまってますわね。

 

「あたしの甲龍に力比べだなんて不利なんじゃないの?セシリア?」

 

「ええ、確かに甲龍の馬力は100万、わたくしのブルーティアーズは96万。僅かですがパワー負けしていますわ。でも…パワーの高さを利用することもできるんですのよ!」

 

「えっ?!ちょっ?!」

 

わたくしが急に力を抜くと鈴音さんは思いっきり力を込めていたために思いっきりつんのめる。そして、力が緩んだところを…

 

 

「このまま投げて仕舞えば…」

上体を反らしてそのまま後ろに投げようとした。

 

「そうはいかないわよ!」

 

しかし、鈴音さんは自分の足をわたくしの足にクラッチさせ、投げられないように踏みとどまっている。

 

「これで…どうよ!」

鈴音さんはそう言うとわたくしにヘッドバットを仕掛ける。投げに移行する途中の体勢だったため、防ぐことができずにみぞおちにくらってしまった。

 

「くうぅ?!」

思わず手4つの状態を解除してしまうわたくし。

 

「まだよ!」

すると鈴音さんは追い打ちを掛けようとわたくしに覆い被さり、地面に倒す。

 

「このまま行くわよ!」

そう言って鈴音さんは腕を振りかぶり、わたくしに向けてパンチを繰り出す。

 

「そうは行きませんわ!」

わたくしはとっさに鈴音さんの脇に両膝をつけて、パンチを出せなくする。

 

「休ませませんわよ!そらそらそらぁ!」

わたくしはそのまま下から鈴音さんの頭を揺さぶるようなパンチを次々と繰り出す。

 

「両腕、両足が使えないのなら…こうよ!」

すると鈴音さんが勢いよくわたくしの額に自らの頭をぶつけてきた。

 

「くぅ!」

 

わたくしがひるんだスキを逃さずに鈴音さんは素早く体を反転させ、わたくしの右足をとり、アンクルホールドにねじり上げる。

 

「その程度、想定内ですわ!カントレリ・ネック!」

わたくしは極められている右足を回転させ鈴音さんを投げ飛ばす。

 

「グゥ!」

投げ飛ばされた鈴音さんは素早く体を回転させて体勢を立て直す。しかし、その足元はふらついている。

 

(ふふふ、うまく効いてきましたわね。鈴音さんは最後の手段としてヘッドバットをよく使う癖がありますわ。現にわたくしの攻勢から逃げるために二度もヘッドバットを使っている。しかし、そんなことをパイルドライバーで頭を強打した状態でしたなら…こうなるのが必然ですわ!)

 

「あの技を出すなら…今ですわ!」

そう思い、わたくしは鈴さんの元へ駆け出した。そして、鈴音さんを空中へ跳ね上げた。

 

そして、円を描くように上昇し勢いをつけた後、わたくしは体をねじり上げながら鈴音さんに向かっていく。鈴音さんを空中でキャッチし、自らの体のねじれを鈴音さんに与えていく。そして、投げとばし…

 

「行きなさい!」

ブルーティアーズのビットを鈴音さんの周りに高速回転させる。そして、わたくし自身は空中で鈴音さんをお手玉のように高速で回転させる。

 

「これこそわたくしの切り札…セシリア流アイス・ロック・ジャイローッ!」

 

「なっ?!こ、この技は…か、体がぁぁぁ?!」

 

 

『な、何?!この技は?!鈴音ちゃんの体がどんどん凍りついていくわ!虚ちゃんは分かる?』

 

『いえ、全くギミックがわかりません。一体どうやって凰さんを凍らせているのかが!』

 

あまりの光景に司会役の二人も含めて唖然となる会場。それに対してわたくしは解説をする。

 

「この技は高速で宙を舞うことで空気中の水蒸気を鈴音さんの体に付着させそれにビットの高速回転で冷たい風を発生させ体に付着した水蒸気を凍らせていくことで水蒸気の付着している鈴音さんの体をも凍らせる技ですわ!」

 

解説をしているうちに鈴音さんの体が全て凍りつき、氷の塊となっていた。

 

「これで終わりですわ!エルボードロップ!」

そして、そのまま氷の塊となった鈴音さんに対してエルボードロップを当ててそのまま地面へと落下していく。

 

「はっ、鈴音!」

アリーナの逆側でシャルロットさんと戦っていたラウラさんが鈴音さん救出に動き出す。しかし…

 

「行かせないよ!」

 

「くっ、シャルロット!そこをどけぇぇぇぇ!」

シャルロットさんの妨害で上手く進めない。

 

地面まで後10メートル。

 

「くっ、これでもくらえ!」

 

「わ?!目に砂が?!前が見えない!」

 

地面まで後5メートル。

 

「くそっ!間にあってくれ!」

 

「ごめん、セシリア!抜かれた!」

 

どうやらシャルロットさんはラウラさんに砂で目潰しをされて抜かれた様子。でも…

「これで終わりですわ!」

 

「鈴音ーー!!!!」

そして、激突!結果は…

 

 

 

 

「ふふふ、なんとか間に合ったな。」

 

 

 

 

 

わたくしがエルボードロップで地面に落下させていた鈴音さんの氷塊を身を呈して庇うラウラさんの姿があった。

 

 

『あーっと鈴音ちゃんをラウラちゃん、身を呈してあわやというところで救ったぁー!』

 

 

「ふふふ、鈴音さんを仕留め損なったのは大きいですがかといってわたくし達の有利には変わりありませんわ!」

 

わたくしはすぐさまエルボードロップを解除すると氷塊を抱えたラウラさんを蹴り飛ばす。

 

「がはぁ!」

やがてラウラさんは壁に叩きつけられて苦悶の声を上げる。

 

「くっそ…」

するとラウラさんはすぐさま立ち上がり、氷塊を抱えて体勢を立て直そうとする。

 

「休ませないよ!ラウラ!」

そこに足元を狙って立たせないように右腕に装着したガシャコンバグヴァイザーで攻撃するシャルロットさん。

 

「くっ?!ならば…」

立てないと分かるとラウラさんは氷塊とともに地面を転がって回避する方針に切り替え、シャルロットさんの銃撃をかわす。

 

「もらいましたわ!」

 

「しまっ?!」

わたくしはラウラさんの回避先を予測してスターライトmk3で追撃をかける。どうやら直撃したらしく爆発が起こる。

 

「これで致命傷は間違いないはず…」

 

やがて爆風が晴れるとそこには…

 

「なっ?!そんな馬鹿な?!」

 

鈴音さんの氷塊がラウラさんを守るように立っていた。

 

ラウラside

私は今驚愕している。確かに私は今セシリアのレーザーが直撃しそうになっていた。すると鈴音の氷塊が私を守るように私の前に立ち、レーザーから身を守ってくれたのだ。私は思わず氷塊に抱きつく。

 

(鈴音、お前は氷塊になってまでもタッグパートナーの私を守ろうと…鈴音は精一杯私を守ってくれた、だから今度は…私が恩を返す番だ!)

 

私は氷塊を再び脇に挟んで持ち、目の前のセシリアとシャルロットに視線を戻す。すると

 

「セシリア!接近戦で落とそう!接近戦なら遠距離のような仕留め損ないもないよ!」

 

「そうですわね。ラウラさんをこの2対1の状況のうちに落として仕舞えばわたくし達の勝ちは揺るぎないものですわ!」

 

遠距離で私を仕留め損なったために接近戦で確実に落とそうとしてくる。しめた!私は二人をギリギリまで引きつける。

 

「「ラウラ(ラウラさん)、覚悟ぉぉぉ!」」

 

今だ!私は拡張領域に入れていたあるものを取り出して投げる。

 

「これは…スモーク弾?!」

 

「ま、前が見えない?!」

 

よし!今のうちに!私は鈴音の氷塊を地面に寝かせ、右腕を引き、ベルリンの赤い雨の構えを取る。

 

(一回戦で最後に出せた時のようにベルリンの赤い雨に炎を纏えれば、この氷を溶かすことが出来るはずだ!)

 

しかし、どうしても振り下ろすことができない。もし失敗すれば鈴音の命が危険に晒されてしまう。しかし、迷っていれば絶好のチャンスを逃してしまう。私が迷っていると…

 

(ラウラ、あんた何迷ってんのよ!自分に自信を持ちなさい!だってあんたはあたしが組もうと決めたタッグパートナーなんだから!)

 

そんな鈴音の激励が聞こえたような気がした。

 

(そうだ!何を迷っていたんだ、私は!鈴音は氷塊になっても私を守り、励ましてくれた!私が自分を救ってくれると信じて!だったら私が出来ることはその鈴音の信頼に応えることだ!)

 

「ベルリンのおおお赤い雨ぇぇぇぇ!」

ようやく覚悟を決めた私は右腕を振り下ろす。しかし、いつまでも炎は手に宿らない。しかし、私の心に焦りはなかった。

 

(ベルリンの赤い雨、師匠〈レーラァ〉から受け継いだ技。この技に師匠〈レーラァ〉はいつも助けられ、そして自分の家に伝わる伝統的な技だから誇りを持っているとも。師匠〈レーラァ〉の信頼を一身に受けた技、だから私も信頼を置こう。ベルリンの赤い雨、私のタッグパートナーの命はお前にかかっているんだ。確かに私は師匠〈レーラァ〉の直系の子孫ではない。でも友の期待に答えたいという師匠〈レーラァ〉の意志は継いでいる!だから私に…)

 

「力を貸してくれぇぇぇぇ!」

すると私の手に炎が宿る。そして、そのまま氷塊に向かって振り下ろされた。

 

セシリアside

「けほっ、けほっ、スモーク弾とはとはやってくれますわね。ですが…」

先ほどから足音やスラスター音が聞こえない。ということは同じ場所に留まっているということだ。

 

(どこから来るのかわからない。という恐怖で攻めあぐねさせて、このうちに作戦を考えるというためだったのでしょうけど…わたくしはその手は喰いませんわ!)

 

そう思い、わたくしはラウラさんのいた方向にレーザーの狙いを定めた。そして…

 

「百戦百勝脚!」

 

わたくしは次の瞬間、自分の体に強烈な蹴りを叩き込まれ、吹き飛ばされる。そこに異変を感知したシャルロットさんがわたくしの体を受け止める。

 

「大丈夫?セシリア?」

 

「ええ、ですが今の技は…」

 

わたくしは今の技を言った声に聞き覚えがあった。いや、そんなはずがない。先程、完全に凍らせたのだからこの試合中に復帰するなんてありえない。やがてスモーク弾の煙が晴れてきた。するとそこには…

 

「ふぅー、さっきのお返しよ!セシリア!それとラウラ、ありがとね。あたしを助けてくれて。」

 

「なあに気にするな。何故なら私達はタッグなのだからな。お互いがお互いを助ける…当然のことをしたまでさ。」

 

凍り付けから解放された鈴音さんと右手に炎を宿したラウラさんの姿があった。

 

「よくもあたしがいない間、好き勝手やってくれたみたいじゃない。」

 

すると鈴音さんは左手をわたくし達にラウラさんは炎の宿ったままの右手を出して、くっつけたままわたくし達に宣言した。

 

「「さあ、反撃開始よ!(だ!)」」




如何でしたか?大分、ご都合主義過ぎたかな?と思わなくもないです。後、途中でなんかセシリア達がえらい悪辣になってますが真剣勝負なので熱くなってついということにしておいて下さい。それでは次回の更新でまたお会いしましょう。ではでは〜。

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