簪side
「本音、そろそろ出番だよ。」
「わかった〜、作戦はどうする〜?」
「まあ無難に1対1に持ち込んでの分断作戦かな?連携されると厄介だしね。」
私と本音は試合が始まるので控え室で簡単に作戦を立てていた。えっ、第3試合どうなったって?量産機コンビのサイレント・フェスティバルズが勝ったよ。具体的には…
「ここまで準決勝に上がったのは実力派なチームばかり、弱体チームにはご退場願いましょうか。ねえ、織斑 一夏さんに篠ノ之 箒さん?」
と挑発を仕掛ける四十院 神楽さんに対して、
「な、なにィ⁉︎弱体チームだとその言葉取り消せーっ」
「そうだ、私は篠ノ之束の妹、一夏はブリュンヒルデの弟だぞ!」
と簡単に挑発に乗った馬鹿二人。
それを聞いた瞬間笑い出す四十院さん。
「ふっ、ははははは。最初に身内の話が出る時点で実力はお察しでしょう?」
「「許さん!!!!」」
「うおおおおお、零落白夜!!」
「篠ノ之流の剣技をとくと見よ!」
そう言って刀を持って突っ込む馬鹿二人。その二人に対してサイレント・フェスティバルズの二人はロープを利用して勢いをつけた上でドロップキックを放つ。そして両手を掴んで引っ張った状態となり、二人とも反対側のロープに激突する。
「グボオァ!?」
「ゲヘラァ?!」
そんな声を上げてダウンする馬鹿共。綺麗にみぞおちに入ったね、あれは。後は気絶した二人をリングから地面に向けて投げる。そして…
『試合終了!織斑、篠ノ之両者シールドエネルギーゼロ!勝者、鷹月 静音ちゃんと四十院 神楽ちゃんのサイレント・フェスティバルズよ!』
こんな感じで割とあっさり終わったため、私達は自分達の試合が迫っていた。
「じゃあ行こうか?かんちゃん?」
「そうだね。」
本音に対して軽く返事を返して私達はアリーナへと向かった。
少し経ってようやく私達と相手側であるバンブーストリームの戦いが始まろうとしていた。こちらの先発は本音、向こうは相川 清香さんだ。
「それじゃ〜始めようか〜キヨキヨ〜」
「そうね、本音。でも一筋縄でいくとは思わないでね。」
『さあ1回戦もついに大詰め!最後は私の妹!簪ちゃんと本音ちゃんのチーム、リトルシスターズと未知数の実力を持つさゆかちゃんと清香ちゃんのチーム、バンブーストリームの試合よ!ああ、楽しみだわ〜簪ちゃんの試合。お姉ちゃん、張り切って撮っちゃうんだから♪』
モニターに目を向けるとそんなことを言って手にハンディカムを持ってハッスルしているお姉ちゃんがいた。正直恥ずかしい。
『ほうほう、それはよかったですね〜お・じ・ょ・う・さ・ま?』
『いいい?!う、虚ちゃん?!さっき言ってた用事は?!』
『もう終わったから戻ってきたんですよ。さあてと私のいない間に少しばかりハッスルしすぎてますよね?』
『う、虚ちゃん?今から試合始まるから私には司会進行という役割が…あいたたた?!う、虚ちゃん?!あ、頭がミシミシ悲鳴を上げてるからそのアイアン…クローを…や…め…て。』
途中で虚さんがお姉ちゃんを止めるためにやって来た。虚さんの用事ってなんだろ?後で聞いてみよう。そう思っているうちに虚さんはアイアンクローをお姉ちゃんに決めて黙らせている。あっ、お姉ちゃんが沈んだ。
『さて…と生徒会長は原因不明の頭痛により倒れてしまったため、ここからの司会進行は私、布仏 虚が務めさせていただきます。』
「お、お姉ちゃん…」
「あはは、大変だね〜かんちゃんも」
「本音〜お願いだからお姉ちゃん交換して〜」
「う〜ん、無理…かなあ?」
お騒がせなお姉ちゃんを交換したかったから駄目元で本音に頼んで見たけど無理だった。ちくせう。
『両チームとも準備はいいですね?』
「はい。」
「大丈夫だよ〜。」
虚さんの問いに本音と清香さんが答える。
『では試合開始!』
「行くよ〜大・大・大変身!」
『レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!』
『アガッチャ!ぶっとば〜せ!突撃!激突パンチ!ゲキトツロボッツ!』
どうやら本音はいきなりレベル3で行くみたいだ。私は空を飛べないルール上レベル2で待機しているが…
『それでは試合を開始して下さい。』
本音side
試合が始まったと同時にわたしはガシャコンブレイカーソードモードを右手に持って駆け出す。するとキヨキヨも乗ってくれるのか近接ブレードを取り出してわたしに接近する。わたしが袈裟斬りを決めようとするとキヨキヨは上半身を反らして避けてわたしの手を狙ってくる。ガシャコンブレイカーを落とす気だろう。でもそんなのは…
「喰らわないよ!」
そう言ってわたしは左手のロボットアームで近接ブレードを受け止める。そして、思いっきり力をこめて近接ブレードを握り潰そうとする。それに気づいたキヨキヨはすぐさま近接ブレードを手放してわたしから距離を取ってアサルトライフルを構える。しかし、わたしには当たらず、後ろに抜けていく。それなら…
「えい!」
わたしは左手に握っていた近接ブレードをキヨキヨ目掛けて投げる。
「えっ、ちょっとそんなのアリ?!」
なんとかギリギリで避けるキヨキヨ。その間にわたしは接近して左手のロボットアームで腹部を殴りにいく。
「清香!私に任せて!」
するとタッケーがカットに入ろうとする。しかし…
「本音!こっちは気にせず、確実に一人落として!」
そう言ってかんちゃんがガシャコンマグナムでタッケーに対して牽制する。
「決めるよ!」
そう言ってわたしはゲキトツロボッツガシャットを抜く。後はキメワザスロットに差すだけ…
「それを待っていた!」
するとすぐさま姿勢を低めてガシャットを持っている方のわたしの腕に向かってハイキックを決める。その威力に思わずわたしはガシャットを手放してしまい、空中にガシャットが打ち上げられる。
「わたしのガシャットが〜」
「この試合のルール上、飛行は禁止だからこれで取りに行けないわ!さらに…」
そう言うとキヨキヨはさらにわたしの懐に入っていく。しまった?!ガシャットに気を取られて反応が間に合わない!
「こうするのよ!」
わたしのドライバーに手をかけて扉を閉じる。すると…レベル1になってしまった!
「そして、このまま決めるよ!」
わたしを足払いでコケさせてそこに蹴りを叩き込む。わたしはそのままコロコロと転がっていく。でも…
「このステージにはロープがある!それで止まって…」
そう思って見るとロープがない!まさか…
「さっきのアサルトライフルの射撃でロープを!?」
「そう言うこと〜じゃあね〜」
わたしは落ちる直前前方向に向かってジャンプしてリングから落下していった。
簪side
「本音?!」
私は慌てて夜竹さんに強烈な光弾を当ててのけぞらせた後、落下していった本音を見る。するとそこには…
「あ、危ない危ない。」
そう言ってリングを支えるための鎖をつけている岩山の一つにガシャコンブレイカーを差して捕まってなんとか落下を防いだ本音の姿があった。でもあれじゃもう戻ってこれないだろう。つまり…
「実質的な1対2ってこと?」
「「そういうこと!」」
その言葉と同時に左右からそれぞれ蹴りを放つ。慌てて私は両腕でガードして防ぐも今度は顔面に向かってパンチ。これを私はしゃがんで避ける。そして、ガラ空きのそれぞれの腹部に向けてパンチを放つ。
「くっ、流石に代表候補生。体術も抜かりなし、か。」
「でもそれも限界が来る。それまで私達は攻め続ければいい。」
そう言って今度は近接ブレードを使って中距離戦を行う。これを私はガシャコンマグナムで迎撃する。
しかし、ガシャコンマグナムは一丁しかない。一発は相川さんに当たって怯ませられたが、夜竹さんには避けられ接近される。そして、夜竹さんが近接ブレードを上段から振り降ろす。私はガシャコンマグナムを横にして近接ブレードを防ぐ。私は後ろに後退しようとするも…
「くっ、後ろはロープ?!これじゃもう下がれない!だったら…」
私はヤクザキックを夜竹さんの腹部に叩き込む。それによって夜竹さんを後退させる私。くっ、今はまだ大丈夫だけどこのままジリ貧だ。でも…なんとしてでももたせてみせる!私は本音が戻ってくることを信じて2対1の戦いに身を投じた。その時、私の耳にローラー音が聞こえた気がした。
本音side
わたしは岩山に差したガシャコンブレイカーを両手で持って地面に落下しないようにしていた。
「うーん、なんとかリングに戻りたいけど…どうすれば…」
ルール上飛んじゃダメだからかんちゃんに渡されたレベル5のガシャットは使えない。大体ゲキトツロボッツが吹き飛ばされた以上わたしに他のガシャットは…ある!
「そうだった!かんちゃんに内緒で勝手に作ったやつがある!」
そう言ってわたしはガシャコンブレイカーから左手を放して、その空いた左手で懐からガシャットを取り出す。それは本体カラーが濃い黄色で通常黒い取っ手部分が赤色になったガシャットだった。わたしはその起動スイッチを押す。
『JUJU BURGER』
そしてそれをドライバーの左のスロットに差し込む。
「大・大・大・大変身!」
わたしはゲーマドライバーの扉を開く。
『レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!』
『アガッチャ!バ〜ガ〜!バ〜ガ〜!ジュ〜ジュ〜バ〜ガ〜!』
こうしてわたしはバーガーアクションゲーマーレベル4になった。この形態の特徴は何と言っても…足にあるローラースケート!これ意外と優れもので壁面走行もできちゃうのだ。
「よーし行くよ〜」
わたしはガシャコンブレイカーを支えにして岩山の斜面に立つ。そして、ガシャコンブレイカーを抜いてそのまま岩山を登っていく。やがて岩山とリングを結ぶ鎖のところまで行くとわたしは鎖に足をかけてそのままその上を滑っていく。
「か〜んちゃ〜ん、お待たせ〜」
鎖を伝ってリングに戻ろうとするもそうはさせまいとかんちゃんを一旦放置してから鎖に向かってアサルトライフルを撃つキヨキヨとタッケー。
ビシィ
ここまでのバトルと今のアサルトライフルによる射撃ですぐに鎖にヒビが入り始める。
「ここまで戻ってきてもらって悪いけど、落ちてもらうよ!」
バキィ
そう言った瞬間、リングと岩山を繋ぐ鎖が切れる。バランスを崩しそうになるわたし。しかし、慌てずにリングの方を見定めてリングに向かって思いっきりジャンプする。
「くっ、それなら空中で落としてやる!」
ジャンプして空中にいるわたしにアサルトライフルを向ける二人。しかし、忘れていないだろうか…これがタッグマッチだということを。
『BANG BANG CRITICAL FINISH』
「逃げて、さゆか!うわぁ?!」
「清香?!」
キヨキヨの背後から光の奔流が襲い、飲み込まれて行く。やがて光が収まるとその先にはガシャコンマグナムを構えたかんちゃんがいた。それを確認した後、ちょうど落下し始めてわたしはリングに着地する。
『相川清香さん、シールドエネルギーゼロ。リタイアです。』
「本音、ごめん。フォロー入るのが遅れた。」
「いいよ、気にしなくて。さてと残りは一人。」
「そうだね、そろそろフィニッシュと行こうか。」
わたしとかんちゃんは軽く言葉をかわすとわたしはドライバーからジュージューバーガーをかんちゃんはガシャコンマグナムからバンバンシューティングガシャットを抜く。
『JUJU CRITICAL STRIKE』
『BANG BANG CRITICAL STRIKE』
「行くよ!はっ!」
わたしはオーラを足に纏うとそれをふってタッケーにぶつける。オーラはハンバーガー型となり、タッケーを拘束する。
「くっ、動けない!」
そのままわたしはジャンプして空中で回転して飛び蹴りの体勢になる。同じくかんちゃんもわたしと同時にジャンプして空中で縦に一回転して飛び蹴りの体勢になる。
「せいや〜」
「これで…終わり。」
そのまま拘束されたタッケーに向かって落下していくわたし達。そして、二人のキックが今ダイレクトに決まった。
「う、うわあああ?!」
そして、起こる爆発。やがて爆風が晴れるとそこには地面に倒れたタッケーの姿があった。
「ご、ごめん、清香。庇ってもらったのに…勝てなかった…よ。」
そう言い残すとそのまま気絶するタッケー。そして…
『夜竹 さゆかさん。シールドエネルギーゼロ。リタイアです。よって勝者、布仏 本音&更識 簪のリトルシスターズです。』
「終わったね、かんちゃん。」
「そうだね、本音。」
短く言葉を交わした後、わたしとかんちゃんはリングに倒れているキヨキヨとタッケーを抱えて降りていく。そして、地面で待っていた救護班の担架に運ばれていった。
『それではここで1回戦が終了しましたので、準決勝の組み合わせを確認しておきます。準決勝第1試合、凰 鈴音選手&ラウラ・ボーデヴィッヒ選手のザ・レッド・レインズvsセシリア・オルコット選手&シャルロット・デュノア選手のエンプレスズ。続く第2試合は鷹月 静音選手&四十院 神楽選手のサイレント・フェスティバルズvs布仏 本音選手&更識 簪選手のリトルシスターズとなっております。』
組み合わせ発表の後、おねえちゃんは続けるように言う。
『なお先ほどの試合でリングと岩山を繋ぐ鎖が切れてしまったため、準決勝以降は普通のアリーナとなります。そのため、今から15分ほど休憩を取ります。選手は体を休め、観客席の方々はお手洗い等を済ませておいて下さい。』
それを聞いた後、私たちは控え室に戻った。
一方その頃…
ザ・レッド・レインズでは…
「ベルリンのぉぉぉ赤い雨ぇぇぇぇ!」
ラウラは必殺技をスパーリングドールに決める。しかし…
「これではダメだ!あの時のように空気と手の摩擦で炎が出なければ完成とは言えない!」
一回戦で控え室に戻った後、すぐさまトレーニングルームで特訓をしていた。
その横では鈴音も…
「よっし、パーフェクトに決まったわ!でもこんな基礎技ばかりで本当に凄い技になるの?でも他の技を学ぶ時間なんてないし…」
新しい技の開発をスパーリングドール相手にしている。お互いでやらないのは万が一怪我でもしたら出場できなくなるからだろう。
その一方エンプレスズも…
「はあああ!」
ビットを高速回転させながら動いているセシリアの姿があった。
(なんとかビットと自分が同時に動くくらいは出来るようになりましたけど…肝心の攻撃が…)
見るとトレーニングルームの壁は穴だらけ。しかし、設置した的には一発も当たっていない。
(やはりあの技しかないのでしょうか?でもあの技は…)
セシリアには一つだけ技があった。しかし…
(相手を空中に放り投げるまではいいのですがその後の落ちてくる相手に回転を加えていくのが腕が辛すぎますわ。)
「セシリア、準決勝ではあの技を出す気でしょ?」
シャルロットがそう聞いてくる。
「ええ、でもなかなか回転が上手くつけられなくて…それでビットの方を鍛えようかと…」
セシリアがそう言うとシャルロットはため息をつく。
「セシリア、一回戦で射撃ほぼ封じられた状態になったんだからそう言う時のためにこの技はあった方がいいよ?」
シャルロットにそう言われ、セシリアは考える。
(相手は鈴音さんとラウラさん、この二人は接近戦を好んでいます。だから懐に入られたらほぼアウトでしょうね。だからこそのこの技なのですが…そうですわ!何もそのままやらなくてもいいんですわ!)
「シャルロットさん?こういうアレンジはどうでしょう?」
そう言ってセシリアはシャルロットに耳打ちする。いつ誰が聞いているかわからないのだ。情報は漏れない方がいい。
するとシャルロットは納得した顔をして
「その方法ならセシリアの懸念もなくなるね!でも一度やってみた方がいいんじゃないかな?」
「そうですわね、そこにあるスパーリングドールで実験しましょうか!」
元々鍛えてもあまり意味の薄いシャルロットではなく、セシリアに焦点を絞って特訓していた。
サイレント・フェスティバルズも…
「1回戦で手札切らなくてよかったね〜。」
「そうだね。準決勝はこれを使って絶対優勝だよ!」
その手にはヘッドホンのようなものが置かれていた。
こうしてそれぞれの準備が行われながら、準決勝は今にも始まろうとしていた。
いかがでしたか?なんか勝手に付け足ししまくりで原作2巻の内容をやっているはずなのにほぼバトルしかしてないというね。多分こんなにバトルしかしていないIS2次創作ってここくらいですよね?次回もまたお会いしましょう。