IS 幻夢vsIS   作:稲葉 優

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投稿遅れてすみません、ただでさえ遅いのに春休みが終わるから更に投稿が遅くなるかもしれません。できるだけ早く仕上げますのでどうか待っていて下さい。それでは第16話スタートします。


なんじゃこりゃあ?!恐怖のハイウェイデスマッチ!

簪side

私は本音と一緒に控え室に備え付けられたモニターで予選の様子を見ていた。そして、二人で頭が痛くなる思いをしていた。

 

「…本音、こんなの絶対ISでの予選じゃないよね?」

 

「確かに〜これはちょっとね〜」

 

そう言って私達はもう一度モニターに目を戻す。そこには2人3脚のように足をロープで縛りながら、それぞれのペアが相手を妨害しつつ走っていた。

 

そう、予選とは2人3脚サバイバルレースとかいうなんか色々混ぜました感半端ない内容だったのだ。

 

ルールとしては単純。

 

1 ロープを切らずに学園内を一周する。

 

2妨害OK

 

3ISを使ってはいるが、飛ぶのは禁止

 

この3つだ。当然何でこんなルールで予選にしたのかと選手達から講義があった。そして、お姉ちゃんがその理由を説明することになったんだけど、曰く『今回はタッグトーナメント、でもこの時期では相方が代表候補生だったりするとその一人の力で予選を勝ち抜いたりする組が出るから、コンビネーションが鍵となるこの競技にした。因みに飛行禁止はズルを禁止するだけでなく、立派なIS操縦者となるにはまずISを長時間動かせるだけの体力が必要だから。』ということらしい。

 

因みに代表候補生とは専用機を持っているものだけではない。私の周りの代表候補生は専用機持ちばかりだから分かりにくいけど。何せ国によっては100人単位でいるようなものなのだ、それら全員に専用機を与えていたら、数が足りない。なので実は専用機を持たない代表候補生というのもかなりいる。というか1割にも満たない人達が持っているだけだ。そんなことを思っているとモニターでは上位4組が熾烈な争いをしていた。

 

『今現在の順位は1位、ティナ・ハミルトン&翔野 ナツコのテキサスファイターズそれに続くのは2位、鏡 ナギ&国津 レミのミラーラビリンス、3位、相川 清香&夜竹 さゆかのバンブーストリーム、4位、鷹月 静音&四十院 かぐらのサイレント・フェスティバルズとなっているわ。』

 

その4組以外は割と序盤の方で脱落した。なぜならISを着て、走るということに慣れている人がいなかったからだ。つまりこの4組が本選出場決定なのだが、未だに争っていた。理由としては順位のいい方から対戦相手を指名できるから、その枠を争っているのだ。

 

『あーっと、全チームゴールまで後200Mといったところで武器を取り出したぁ!少しでも上の順位に行こうと必死に相手の脚部を狙って

撃ちまくるぅ!』

 

最後の攻防とばかりに争う4組。しかし、4組ともお互いに邪魔をしているため、順位の変動が中々起こらない。そんな中、膠着状態を何とかするために4位のサイレント・フェスティバルズが動き出した。

 

二人とも近接ブレードを取り出して、思いっきり槍のように投げる。そして、それを次々と繰り返す。しかし、1位のテキサスファイターズを超えてはるか先に刺さる。それを見て、安心したのか、他の3組はサイレント・フェスティバルズから注意を逸らす。やがてある程度投げたところでサイレント・フェスティバルズは全速力で走る。そして、ゴールまで後50メートルといったところで前の3組の足が止まる。なぜなら…

 

『上位3組の前にISの近接ブレードでできた迷路が3人の進行を阻むぅ!そんな間にサイレント・フェスティバルズが3組に追いついたぁ!』

しかし、サイレント・フェスティバルズはそのまま全速力で迷路に向かうと迷路の直前でジャンプした!

 

『サイレント・フェスティバルズ、助走をつけてジャンプすることで迷路を飛び越えたぁ!そして、悠々とゴールに向かっていくぅ!』

このままサイレント・フェスティバルズが逆転1位になるかと思ったらそうは問屋がおろさない。

 

『テキサスファイターズ、木の枝に捕まったかと思うとそこから次の木の枝に飛び移り、着々と進んでいくぅ!』

 

テキサスファイターズは迷路の横に立ち並んでいた並木道の木を利用して確実に前に進む。

 

『バンブーストリームは大量に刺さったブレードの峰を蹴って、その勢いで素早く迷路の中を進むぅ!一方、ミラーラビリンスはその後を追って迷路に入っていくぅ!』

 

やがてサイレント・フェスティバルズにテキサスファイターズが追いつく。このまま2組でラストスパートかと思われたが、後ろから突如として近接ブレードが飛んでくる。迷路の件もあり、思わず足を止める2組。後ろを向くと近接ブレードを投げながら、近づいてくるバンブーストリーム。

 

やがて3組が横一直線に並ぶ。ゴールまで後20メートル。後少しでゴールテープを切れると思った矢先、急に上位3組の動きが止まる。

 

『あーっと、これはどうしたことだ?!上位3組、突然動きが止まったぁ!』

その時、上位3組の後ろにキラリと光る糸のようなものが見える。そして、それは後ろのISブレードに括り付けられていた。

 

「かんちゃ〜ん、あれは多分…」

 

「うん、多分ワイヤーをそれぞれのチームの足にでもつけて、それをISブレードに括り付けたんだと思う。しかも適当に投げたとはいえ、ブレードは地面に埋まっているからそう簡単には抜けない。」

 

事実、3チームとも頑張って前に進もうとするが、一歩も動けてない。

そんな間にミラーラビリンスが3チームを追い越す。

 

「へへっ、お先〜♪」

とミラーラビリンスのセミロングの方の国津 レミが3チームにそう声をかけて進んでいく。因みにミラーラビリンスの二人は髪型以外はほぼ似た容姿のため、私は髪で区別している。ロングの方が鏡 ナギ、セミロングの方が国津 レミだ。

 

『そうこうしているうちにミラーラビリンス、ゴールまで後10メートル、残り3チームは未だに動けず。これは1位確定かぁ!?』

 

するとそのミラーラビリンスに猛然と迫る影があった。テキサスファイターズだ。後ろに折れたISブレードを引きずりながら、進んでいる。

 

『テキサスファイターズ、力づくで脱出!ゴールまで残り5メートル。これでこの2チームに1位は委ねられたぁ!』

 

するとテキサスファイターズの金髪ロングヘア碧眼のティナが国津 レミに話しかける。

 

「悪いけど、1位はあたしたちが頂くわ。あたしは一回戦で当たりたい組があってね。そのためにも1位になりたいのよ!」

そう言うとテキサスファイターズは更に加速していく。しかし、ミラーラビリンスも必死に追いつかれまいと全力で走る。やがてゴールテープが切られて、2チームともゴールした。そして、それに遅れてバンブーストリーム、サイレント・フェスティバルズの順番でゴールした。そして、1位の決定…私の目にはほぼ同時に見えたけど。どうやら恒例のスロー映像での判定らしい。やがてスロー映像での判定が終わったのか、お姉ちゃんが出てきて、結果を言う。

 

『スロー映像での確認が終わったから1位の発表よ♪予選1位通過は…』

 

この時、2チームに緊張が走る。

 

『テキサスファイターズよ。さあ戦いたい専用機チームを選んでね♪』

 

「やったわね、ナツコ!」

 

「ええ、あなた、戦いたいチームがあるって言ってたけどどこなの?」

 

「それは…ザ・レッド・レインズよ。勝負よ!鈴音!」

 

鈴音side

 

「鈴音、あの金髪の方と知り合いのか?」

 

「ええ、クラスメイトでルームメイトよ。」

 

「えらい闘志を燃やしているようだが、何故なんだ?」

 

「実は専用機があるからってあたしが転校してきた途端、担任がクラス代表を変えたのよ、ティナからあたしにね。」

 

するとあたしの返答にラウラは控え室の机を叩いて返した。そして、言う。

「幾ら何でも横暴すぎるだろ!?そんな専用機を持っているからってより強いってことにはならないのに!じゃあ彼女はそのことで鈴音を恨みに思って…」

 

あたしはそう言うラウラを手で制する。

「多分そうじゃないわ。ティナはむしろあたしとは転校したその日に友達になろうと言ってきたわ。しかもルームメイトよ。ラウラ、あんたは気に食わないやつと一緒に生活できると思う?」

 

「…無理だな。そんなのが同室なら部屋を変えてもらうなりするな、それほど手間のかかるものでもないし。」

 

「でしょ?多分ティナはあたしへの恨みであたしを指名したんじゃない。担任に見せつけたいのよ、専用機じゃなくても強いってことを。だからこそあたしを指名したの、自分の実力は決してクラス代表のあたしに劣っていないってね。だからあたしがやることは一つよ。」

 

「ああ、一つだな。」

 

「「全力を持って…相手をする!」」

あたし達はモニターに目を戻す。

 

すると他のチームも対戦相手を決め終わっていた。

 

1回戦

第一試合

ザ・レッド・レインズ(鈴音&ラウラ)vsテキサスファイターズ(ティナ・ハミルトン&翔野 ナツコ)

 

第二試合

エンプレスズ(セシリア&シャルロット)vsミラーラビリンス(鏡 ナギ&国津 レミ)

 

第三試合

はぐれサムライコンビ(一夏&箒)vsサイレント・フェスティバルズ(鷹月 静音&四十院 かぐら)

 

第四試合

リトルシスターズ(簪&本音)vsバンブーストリーム(相川 清香&夜竹 さゆか)

 

『それではそこの組み合わせで1回戦を始めるわ。鈴音ちゃんとラウラちゃん、出てきてね〜♪』

トーナメントの組み合わせが発表された後、会長からの放送があたし達に入る。

 

「行くわよ、ラウラ。」

 

「ああ、私達のチームワークを見せてやろう!」

そう言ってあたし達は控え室からアリーナまで出て行った。

 

 

あたし達がアリーナに着くとティナ達は準備を済ませて待っていた。

 

「負けないわよ!鈴音!」

 

「それはこっちのセリフよ!ティナ!」

 

『あの〜やる気満々なところ悪いんだけどまだ始めないでね。まだ会場のセッティング終わってないから。』

 

「セッティングって…別に何もいらないでしょ?せいぜいがアリーナの地面の整備だけど別に予選ほぼアリーナ使ってないし。」

 

『いやー毎年それだと芸がないからね〜♪だから特別ステージを用意したわ。これを見よ!』

 

すると画面の中の会長が何か赤いボタンのついたスイッチを押す。

 

ゴゴゴ

 

すると何かがせり上がってくる音が聞こえる。見るとアリーナの地面から何か岩山のようなものが4つほどせり上がってきており、それの中腹ほどのところにはそれぞれ鎖が付いており、その鎖の先にはプロレスのリングのようなものが付いている。

 

やがてそれはアリーナの地面から800メートルほど上がったところで止まる。

 

「「「「こ、これは一体?!」」」」

 

『ふふっ、これが今回の試合形式、その名もハイウェイデスマッチ!』

 

「「「「は、ハイウェイデスマッチ?!」」」」

 

『ルールは簡単。あなた達にはその岩山の中央に括り付けられたリングで戦ってもらうわ。ISの戦闘は何も広い屋外だけじゃない、狭い室内でも戦闘が起こることだってあるのよ!だから今回はルールとしてISでの飛行は禁止、因みにリングアウトもダメね。勝敗は相手チームのシールドエネルギーをゼロにしたら勝ち。後、広さの関係上、最初は1対1でお願いね♪パートナーはリングロープの外で待機!』

 

そのルールに疑問を持ったあたしはその疑問をぶつける。

「会長ー、でもそれだとタッグマッチの意味が…」

 

『そこは抜かりなしよ!最初は1対1といったわね、でも試合が始まったら、2人がかりで一人を落とすというのもアリよ!まあ、相手側もその乱入する相手を邪魔するってのもできるわ!後、きつくなったらリングロープの外で待機しているパートナーに手をタッチすることで交代が出来るわ!それじゃ4人とも準備はいい?』

 

それに対しあたし達はこくりと頷く。

 

『それじゃリングの上に飛んで行ってね♪後それと先発決めてね♪』

 

そう言われ、あたし達は空を飛びリングの上に降り立つ。

 

そして、リングについた2チームはそれぞれ先発をどうするか決める。

 

「ラウラ、先発はどうする?」

 

「鈴音、あんた先に出なさい!テキサスファイターズはあたしが先発で行くわ!」

ラウラと話そうとしたら、ティナからあたしの指名と自分が先に出ることを言われる。

 

「…話すまでもなく決まったな。鈴音、先発を頼む。」

 

「任せて、全力でぶつかって来るわ。」

 

『先発は決まったようね、ザ・レッド・レインズ先発 凰 鈴音 テキサスファイターズ先発 ティナ ・ハミルトン それでは〜試合開始〜♪』

 

そう言われると同時にあたしとティナは駆け出す。するとティナはISを解除して、あたしの足の間を通り抜ける。そして、そのままあたしの後ろに回り、すぐさまISを展開するとあたしを足払いで転ばせる。

 

「はっ、このパターンはまずい!鈴音、それは食らったらまずいぞ!早く抜けるんだ!」

 

「もう遅いわ!」

そうティナは言うと同時にあたしを仰向けにすると同時にあたしの片足を取り、自分の足を差し込んでその足を軸にして自ら回転してあたしの足を締め上げる!

 

「これがあたしが先輩から受け継いだ技、スピニングトゥーホールド!」

そう言いながらあたしの足をどんどん締め上げていく。足が悲鳴を上げていく。

「う、うああああ?!」

 

「鈴音?!」

 

あまりの痛さにあたしは頑張って抜け出そうとする。

 

「あたしの技から逃れようなんてそう簡単には行かないわよ!」

すると技の効果を高めようとしたのか姿勢をしゃがませてよりきつく締め上げに行く。

 

「どう?今なら足はまだ無事で終われるわよ?」

 

「ふっ、姿勢をしゃがませたわね。それがあたしの狙いよ!」

あたしは締め上げられた足の方のISを部分解除する。するとそれまで掴んでいたものが細くなったせいで前につんのめるティナ。そのティナの頭を足で挟んで後ろに投げる。するとリングロープに当たってティナは止まる。

 

「やるじゃない。まさかスピニングトゥーホールドをそんな方法で抜けるなんてね。」

 

「ええ、勝負はこれからよ。」

そう言ってあたしとティナは同時に駆け出した。

 

 




如何でしたか?この話書いていて、もはやアリーナすら別物になったぞ、これもはや原作ブレイクってレベルじゃないぞと思いつつある稲葉 優です。多分これからも原作ブレイクがそこそこ起こると思います。ですが、温かい目でどうか見てください。それではまた次回お会いしましょう。

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