IS 幻夢vsIS   作:稲葉 優

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今回、更新が遅くなってすみません。今回の話でどこまで入れようかと考えていたら遅くなってしまいました。それとこの章はバトルが多いため、更新が遅くなるかもしれません。また、原作のタッグトーナメントとは別方式になると思います。その辺りを注意しておいて下さい。では今回はタイトル通りシャルロットの秘密です。では第14話どうぞ


シャルロットの秘密

楯無side

シャルちゃんが簪ちゃん達のクラスに転校してきた。なんであの子が急に?その辺りをどうやら本人から放課後生徒会室で説明してくれるということでまた生徒会室に集まっている私達4人+鈴音ちゃん。すると扉をノックする音が聞こえる。どうやら来たようね。

 

「どうぞ。」

 

「失礼します。」

 

そう言って入って来たのはシャルちゃんとラウラちゃん。あれ?呼んだのはシャルちゃんだけだったんだけど。

 

「はじめまして、生徒会長。私はラウラ・ボーデヴィッヒ。鈴音からあなた達の話は聞きました。女尊男卑を無くそうと動いているということも。」

 

そう言ったラウラちゃんに私達(鈴音ちゃん除く)は警戒を強める。ラウラちゃんはドイツ軍所属、ひょっとしたらドイツ軍にこのことを報告されるんじゃ?と思いながらラウラちゃんを見る。するとラウラちゃんは私達の考えていることが分かったのかこう言った。

 

「安心して下さい。このことを軍に報告しようなんてしません。というよりも私からのお願いは…あなた達の女尊男卑を無くそうという運動に私も参加させて欲しいんです。」

 

「何が狙いなの?」

 

「同志達の仇と師匠≪レーラァ≫の解雇の原因となった女尊男卑を無くしたいんです。」

 

「そう言ったラウラちゃんの瞳は真剣な眼差しをしていた。詳しく事情を…聞かなくてもいいわね。こんな目が出来る子が遊びでこんなことをしようなんて考えるはずがない。そう自己完結した私はラウラちゃんを信用することにする。後ろを見ると簪ちゃんや本音ちゃん、虚ちゃんまでさっきラウラちゃんを見ていた警戒の眼差しではなく、仲間意識のある目をしている。最後に私はラウラちゃんに聞く。

 

「あなたの熱意はわかったわ。よろしくね、ラウラちゃん♪」

 

「ああ、よろしく頼む。」

 

「ところでさっき鈴音ちゃんに聞いたって言ってたけど、二人は知り合いなの?」

 

「ああ、直接会ったのは今日が初めてだが、私の師匠≪レーラァ≫と鈴音の師匠が仲間同士でね、師匠経由でよく話を聞かされていたんだ。」

 

「ええ、『我が生涯最大の難敵の忘れ形見の弟子か、これはお前のいいライバルになるぞ、鈴音』ってよく言われたわ。』

 

二人の関係性が分かったところで私は今回の本題であるシャルちゃんに目を向ける。

 

「それでシャルちゃん?何であなたがここにいるの?」

 

「お兄ちゃんに言われて来たんだ。『簪達を助けてやってくれ』って言ってね、僕にこれを託してくれたんだよ。」

 

そう言ってシャルちゃんは生徒会室の机の上にあるものを出して置く。それは…ゲーマドライバーと紫色のガシャットだ。

 

「えっ、ということはこの子仮面ライダーなの?」

 

シャルちゃんのことを知らなかった鈴音ちゃんがそう聞く。

 

「仮面ライダー?」

これまた仮面ライダーを知らないシャルちゃんに私は仮面ライダーのことを掻い摘んで説明する。

 

「そういうことなら僕は仮面ライダー…ゲンムってことになるのかな?」

 

「ゲンムか〜、いい名前ね。少なくともこの四人よりは」

そう言って鈴音ちゃんは私達4人を指差す。

 

「「「「えっ、そんなに私達の名前って悪い(んですか)(の〜)?おもわす」」」」

思わず4人の声が一つになる。

 

するとシャルちゃんが引きつった顔で

「えっ、そんなに酷い名前付けたの?とりあえず聞こうかな?」

 

すると私達は答える。

「ブレイブ」

 

「スナイプ」

 

「レーザー」

 

「エグゼイド〜」

 

「ああ〜確かにこのラインナップなら鈴音の意見が正しいかな?」

 

「シャルちゃん、(シャルロット)(シャルロットさん)(シャルルん)後で屋上(ね。)(行き。)(です)(だよ〜)」

 

「わ、悪かったって4人ともだから屋上はやめて〜」

 

「とりあえずここに来た訳は分かったんだけど、あんたの名前デュノアってことはあのデュノア社の娘よね?そんな子が何でこんなことを?」

 

デュノア社、IS開発会社の中では量産型ISのシェアが世界第3位のフランスを本社とする企業にしてイグニッションプランから外されつつもここ1年で第3世代型の開発に他国より一歩進んだ企業。ちなみに山田先生が愛用しているラファール・リヴァイブもデュノア社製。そんな恵まれたところのご息女が女尊男卑撲滅に動くってのが鈴音ちゃんには不思議みたいね。

 

「そういえば、鈴音?だっけ?彼女には話してないよね?僕のことを。」

 

「ええ、流石に本人に許可なく言うのもどうかと思ってね。」

 

「鈴音、君はデュノア社の事情を知ってる?」

 

「ええ、ここ1年で第3世代の開発に進んでいる企業ってことくらいは。」

 

「実はその1年前にはデュノア社は倒産の危機にあったんだ。」

 

そう言われて驚く鈴音ちゃん、そりゃそうよね。今をときめく企業が1年前には潰れかけだったっていうんだから。

 

「理由は単純に技術不足。僕の父であるエリック・デュノアが創設したのがデュノア社。つまり他の国のIS企業に比べて歴史が浅いんだ、当然集められる技術力にも限りがある、もちろん資金にもね。」

 

「なるほどね。だから潰れかけだったのか。でもそこからどうやって?」

 

「鈴音が言った1年前にデュノア社はある企業と共同研究及び開発を行うことになったんだ。そのある企業っていうのが…幻夢コーポレーションなんだ。」

 

「共同研究及び開発記念パーティーで僕は幻夢コーポレーションの社長である壇黎斗、お兄ちゃんに初めて会ったんだ。」

 

「でもそれを快く思わなかった人がいたんだ。それが社長夫人であるアネット・デュノアだよ。元々女尊男卑主義者でデュノア社は父であるエリック・デュノアの方針で男女平等主義を取っていたから肩身の狭い思いをしてたんだ。そこに今回の幻夢コーポレーションとの提携、幻夢コーポレーションも男女平等主義の企業だからくっつかれたらますます自分の立場がなくなる。だからアネットは僕と父、それにお兄ちゃんを殺そうとクーデターを起こしたんだ。まあお兄ちゃんがゲーマドライバーで鎮圧したんだけどね。」

 

「ちょ、ちょっと待って?!その話だとあんたの母親は自分の夫と娘を殺そうとしたように聞こえるんだけど?!そんな簡単に家族を切り捨てられるなんて!」

 

「アネットにとっては自分さえよければそれでいいんだろうね。元々父も会社を創設当時、資金がなかったのを援助してもらった家からの頼みで断り切れなかったんだ。事実上の政略結婚だね、だからアネットは父に未練なんてないし僕とアネットは赤の他人だからね。殺すのなんて躊躇わないさ。」

 

「あんたとそのアネットってのが赤の他人ってつまり…」

 

「そう、僕はエリック・デュノアとその愛人であるエミル・デュノアの娘だよ。でもお父さんは本当は僕のお母さんと結婚したかったみたいでね、アネットにバレないようにこっそりと僕と母の住む家に1ヶ月に一度こっそり来ては生活費を渡して、家族3人でゆっくりと過ごしては帰って行ったよ。父とはたまにしか会えなかったけど、よく僕と遊んでくれて嬉しかったよ。でもそんな生活にも終わりが来た。」

 

「どうなったの?」

 

「アネットに親子3人で過ごしているところをバレてしまったんだ。アネットは僕のお母さんを事故に見せかけて殺したんだ。恐らく自分の社長夫人という地位を脅かすと考えたんだろうね。」

 

「お父さんはそれからというもの会社で男女平等主義を押し出し始めた。その理由を聞いたら、『シャルロット、お前にもいつか私とエミルのような関係になれる人に出会うだろう。でもその頃まで女尊男卑が続いていたら、シャルロットもしくはその旦那さんになる人に今回のエミルのような事態が起こるかもしれない。そのような事態を避けるために私は自分の出来る範囲のことをやっているんだ。』ってね。」

 

「へぇ〜、いいお父さんじゃない?大事にしなさいよ〜」

 

「わかってるよ。話を戻すとちょうどその頃にイグニッションプランの話が出て、さっき言った通りデュノア社は新興企業だったのがここで効いてきた。第3世代の開発が滞った結果、国からの支援も減って倒産の危機に陥ったんだ。そこを幻夢コーポレーションとの提携で難を逃れたんだ。」

 

「で、そのパーティ中にクーデターが起きた。って感じね。」

 

「うん。その時はね…」

 

 

1年前、パーティー会場にて

シャルロットside

幻夢コーポレーションとの提携を祝ったパーティーを共同でやることとなり、デュノア社と幻夢コーポレーションの社員全員が参加して会場を貸し切ってパーティーを開いたんだ。そこで僕は社長の娘としてパーティーに出ることになってお父さんに連れられて幻夢コーポレーションの社長と会うことになったんだ。

『シャルロット、こちらが今回の提携相手である幻夢コーポレーションの社長、壇 黎斗氏だ。』

 

『初めまして、シャルロット嬢。私が今回の提携相手である壇 黎斗だ。どうぞよろしく。』

 

『よ、よろしくお願いします。え、えっと随分とお若いですね。』

僕が黎斗に会った時の第一印象は若いだった。会社の社長というからかなり年をとった男の人かと思ったら、見た目は僕より少し年上くらいにしか見えない。

 

『シャ、シャルロット?!す、すみません。娘は何分こういった場に出るのは初めてでして…』

 

『いえ、構いませんよ。私は今年18になります。それに今日は無礼講です。敬語は結構ですよ。』

 

『ええええ、会社の社長をやっているのに僕と3つしか違わないの?!』

僕が驚いている横でお父さんも驚いていた。そりゃあまさか提携を結んだ企業の社長が高校生くらいの年齢とは思わないだろうしね。

 

『まさかそんなに若いとは思わなかったよ、てっきり20代だと…』

 

『ははは、よく言われますよ。とりあえず乾杯しましょう。年代物のワインを用意しておきましたから。』

 

『これはありがたい。いただこうか。』

そう言って社長2人は年代物のワインを開けてグラスに注ぎ、乾杯する。一口飲んだ後、父は黎斗に聞く。

 

『今回、我が社との提携を結んでくれたことを感謝します。でも何故うちと?言っては何ですがうちはもう潰れかけですよ?』

 

すると意外な答えが返ってきた。

『それはあなたの会社が男女平等を推し進めているからです。うちも男女平等を進めていましてね。なかなかないんですよ、今の世の中女尊男卑の会社ばかりでやれあれをこーしろだの男は出しゃばるなだの言う企業が多くてね、全くかないませんよ。そんなことではISを作るどころの話ではありません。』

 

『それはそうですね。うちも妻がいちいち口を挟んで来て今回の提携だってどれだけ文句を言われたことか。』

 

『でも男女平等の会社と提携ができて良かった、男女両方の視点を取り入れることでより革新的なものを作り上げられますからね、どちらともそう言った姿勢でないといいものなんて出来ませんよ。』

 

そんなことを二人が話していると突然明かりが消える。その瞬間、銃撃音が会場内に鳴り響いたんだ。慌てて明かりをつけるとそこには…ISをつけたアネット・デュノアとその取り巻き達がいたんだ。

 

『私達はその提携を認めないわ!ISの世界に男は不要!しかも男女平等なんて馬鹿げた理想を掲げたそこの社長2人には消えてもらうわ。』

 

『今回の提携には賛成したんじゃなかったのか?!』

 

『ええ、賛成よ。こうやって社会のゴミを二人始末するための処刑場を作るためのものとしてはねえ!何が『男女両方の視点を取り入れて革新的なものを』よ。反吐が出るわ、女尊男卑こそが世界の絶対正義よ!男なんて役に立たないゴミ以下じゃない?!そんな奴らの考えなんて聞く必要はないわ。』

 

『ふざけるな!そんな考えのためにエミルはお前に殺された!女尊男卑のような無駄な犠牲者しか生まない考えなんて間違っている!だから私はあるべき形に戻そうと…』

 

『デュノア社長の言う通りだ。そんなもののために私の父は…』

 

『あるべき形?そんなもの女尊男卑こそがあるべき形でしょう?ISという史上最強の兵器を使える女こそが至高の生き物、男は奴隷。これこそが理想の世界よ!何か間違えている?まあ、こんなことを言っても仕方ないわよね。だってあなた達は…死ぬのだから今ここでねぇ!ククク、そうだ、どうせなら最悪の方法で仕留めて上げましょうかねぇ!』

 

そう言ってアネットは銃口を僕の方に向けて来た。

『あんたの娘を先に天国に連れて行ってあげる♪娘一人守れない無力さを恥じながら死になさい!』

 

そう言うと銃口から銃弾が放たれる。

『危ない!シャルロット!』そう言ってお父さんは僕の前に僕を守るように僕の上に覆い被さる。

 

思わず僕は目をつぶってしまう。けれどいつまで経っても弾丸が当たるような音がしない。恐る恐る目を開けてみるとそこには…

 

『全く、自分の夫や娘を殺そうとするとはね。』

そう言いながら僕達を庇うように背を向けて立っている黒いアンダースーツに黒いツンツン髪をしてゲームキャラのような目をした人だった。するとその人は僕達の方に振り返って

 

『大丈夫ですか?デュノア社長、シャルロット嬢?』

 

『その声、まさか黎斗さんですか?』

僕は目の前のツンツン髪のゲームキャラが黎斗だと思えず、聞いてみる。すると首を小さく縦に振って肯定する。

 

『ば、馬鹿な?!男がISを?!でもそんなふざけた見た目のやつに負けるわけがないわ。』

 

そう言って再び銃弾を黎斗に向けて、放つ。しかし、黎斗はそれを右手に持っているパッド型の武器から光弾を発射して防ぐ。

 

『さて、掃除の時間と行こうか。』

そう言うと黎斗は黄緑色のゲームカセットのようなものを取り出して、スイッチを押す。

 

『SHAKARIKI SPORTS』

すると真ん中の扉を閉じた後、ベルトの左側のスロットにそれを差し込む。

 

『グレード3』

そして、再び扉を開く。

 

『レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティーアクショーン!X!シャカリキ!シャカリキ!バッド!バッド!シャカっとリキッとシャカリキスポーツ!』

 

するとさっきの姿の上からピンク色と黄緑色でできた自転車がアーマーのように変形し、上から被さる。

 

『セ、セカンドシフト?!こんなタイミングで?!』

セカンドシフト…ISが経験を蓄積することでより本人に最適化した進化形態。しかし、僕はそれは違うと思った。あのゲームカセットのようなものを差してからあのアーマーがついた、恐らく後付け武装のようなものだ。

 

そんなことを考えていると黎斗は左腰についたホルダーに黄緑色のゲームカセットのようなものを差し込む。

 

『SHAKARIKI CRITICAL STRIKE』

するとアーマーの両肩についていた自転車のタイヤパーツを取り外して、ブーメランのように投げる。

 

『ふん、こんなもの飛べば躱せるわ。』

そう言って上空に逃げようとするアネット、しかし同じことを考えた取り巻き達とぶつかり、上手く上昇できない。するとそこに黎斗の投げたタイヤが直撃!やがてタイヤは黎斗の元に戻ってくる。しかし、黎斗はそれを手で掴んだかと思うと腕を思いっきり後ろに伸ばして勢いをつけた状態で再び投げる!それを5回ほど繰り返したあたりでISのシールドエネルギーが尽きたのかISが強制解除され、彼女達は会場の警備員に確保された。

 

『くっ、覚えてなさいよ!女を軽く見たデュノア社は破滅するわ!いずれね!』

そんな捨てゼリフを吐きながら連行されるアネット。

 

するとお父さんがこう言う。

『破滅するのはお前達の方だ!確かに女はISに乗れるのかもしれない。だが、そのISを整備するのは未だに男の技術者が多い。それこそ事故に見せかけてIS操縦者を殺すこともできるだろう。しかもその動機となるには十分なほどの女尊男卑だ。だが、我が社と幻夢コーポレーションはそんな過ちは犯さない!今は少しずつでも女尊男卑の風潮を無くすため、走り続けるのだ!』

 

それに続けるように黎斗が言う。

『デュノア社長の言う通り、本来男と女に上も下もない!この提携は2社の相互援助という目的だけではなく、男女平等に過ごせる職場を作るという大きな一歩でもある。この方針に反対の者は直ちにこの場を去りなさい!』

 

その言葉が終わると同時に会場の出席者全員から拍手の音が響き渡る。こうしてデュノア社と幻夢コーポレーションの提携記念パーティーは終了したんだ。

 

シャルロットsideout

 

鈴音side

シャルロットの話を聞き終わった後、あたしはこう言った。

「なるほどね。お父さんの仕事仲間であり同志だから黎斗に協力してるってわけね。」

 

「まあ、簡単にまとめるとそうなるね。でもそれだけじゃないんだよ?黎斗はね、僕のお母さんを生き返らせてくれたんだ。」

 

「「「「「人を生き返らせたぁぁ?!」」」」」

あたしだけでなく、他の4人もこう叫ぶ。

 

「いやいや、そんなこと神様じゃあるまいしできるわけが…」

 

「本当だよ?その証拠にこれ見て?」

そう言ってシャルロットはスマホを見せてくる。それには日付が2週間ほど前のシャルロットとデュノア社長、それにシャルロットによく似た女性が3人で写っていた。

 

「えっとこのシャルロットによく似た女性は?」

 

「それが僕のお母さんだよ。パーティー騒動の後、お兄ちゃんから僕とお父さんはガシャットのことや女尊男卑を変えようとしていることを教えてもらったんだよ。その時に『この白いガシャットを完成させるには死のデータが必要なんだ。心当たりないかい?』ってお兄ちゃんが言ってね、それでお父さんがお母さんのお墓に連れて行ってね、土葬していたから死体が残っていてお母さんの死体に白いガシャットを差したら、生き返ったんだよ。」

 

「ガシャットって人を生き返らせることもできるの?!」

あたしは開発者である簪に聞いてみる。

 

「実は私にもよくわからない。そもそもガシャット内のデータがどんなものか詳しいことはわかってない。お姉ちゃんを見返そうとIS作りの参考になるものを探していた時にコンピューター内にオレンジ色のツブツブみたいなのが見えてね、これは使えると思ったから自分なりに形を考えて、ゲームカセットのような形で入れるのが最適だと分かってね、それでガシャットを作り出して、そしてそれを出すための装置としてゲーマドライバーを作ったんだよ。」

 

「そうか〜、でもそれなら気になるわね、そのオレンジ色のツブツブってのが何なのか」

 

あたしがそう言うとみんな考え込む。やがて会長が

「とりあえず、今は考えるのはやめましょう?簪ちゃんも完全な解析を諦めた訳じゃないんでしょ?」

 

「もちろん、必ず解析してみせる。」

 

「それなら私達は目の前のことに集中しましょ?」

そう言って会長は一枚の紙をあたし達に見せてくる。

 

「えっと『IS学園タッグトーナメント開催』って…」

 

「一年生はこの時期にタッグトーナメントをすることになってるの♪みんなには事前に伝えとこうと思ってね♪タッグパートナー決めなきゃいけないでしょ?」

 

確かに有力な生徒は早めに目をつけておかないといけない。それに今の時期なら専用機持ちに殺到するだろうし、そう思うとあたしはラウラと目が合う。

 

「ラウラ、あたしとタッグ組んでくれない?」

 

「いいだろう。その代わり条件がある。」

 

「条件?」

 

「明日にでも模擬戦をしてお前の力を見せてくれ。やるからには優勝を目指したい。」

 

「ええ、分かったわ。師匠から教わった力、とくと見せてあげようじゃない!」

そう言うとあたしとラウラの目の間に火花が迸る。

 

「じゃあ、私は本音と組もうかな?」

 

「うん、かんちゃ〜ん、頑張ろうね〜。」

 

「僕はセシリアと組もうかな?この間のクラス対抗戦を見る感じ、なかなかの実力みたいだし」

 

あたし達が決まると他のメンバーも次々と相手を決めて、チームを作る。

 

「ああ、後タッグチームの登録にはチーム名がいるから考えといてね〜♪」

一通り組むメンバーが決まったと思ったら、会長がそんなことを言い出す。

 

「な、何でそんなことを?」

あたしがみんなを代表して聞く。

 

すると会長は途端に真剣な表情になって

 

「それは…」

 

「「「「そ、それは…」」」」」

思わず固唾を飲んでしまうあたし達。やがてその先を口に出した。

「そうでもしないと二人の名前にペアつけただけみたいな単純な名前ばっかりになってしまうんだもの、それにこっちの方が楽しそうじゃない♪それじゃ今日はここまで解散!」

 

そんな返答に気が抜ける思いがしつつも生徒会室を出るあたし達。そんな中、あたしはラウラとの模擬戦について考えるのだった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?次回は最後の方でも書いた鈴音とラウラの戦闘です。ある意味因縁の対決となります。それでは次回またお会いしましょう。

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