IS 幻夢vsIS   作:稲葉 優

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ガシャポンのガシャットで5回連続ジェットコンバットを引き、思わず「不均一アソートォ!!!!!」と叫びたくなった稲葉 優です。それと更新遅くなってすみません。バトルのネタを考えるのに時間がかかりました。では第12話始まります。


攻略!4ライダーとISガールズ

簪side

 

一斉に駆け出した私達はそれぞれ無人機に攻撃を加える。セシリアは頭にヘッドショットをかまし、お姉ちゃんは

 

『TADDLE CRITICAL FINISH』

 

さっきと同じように氷の道でISに向かって上昇してから横一閃、必殺技を叩き込む。慌てて無人機は腕でガードする。

 

「そうはさせないよ〜」

と言ってお姉ちゃんが作り出した氷の道を登って来た本音がお姉ちゃんの頭を踏んで思いっきりジャンプして、無人機の上から急降下して

 

『GEKITOTU CRITICAL STRIKE』

 

左腕にオーラを纏いながらそのまま無人機の頭部に向かって振り下ろす。頭部に直撃した無人機はそのまま落下していく、しかし、

 

「逃がさないよ〜、いっけ〜」

そのまま追撃するかのごとく左腕をまるでロケットパンチのごとく落下中の無人機に向かって発射する。しかし、ただではやられないつもりかスラスターを吹かせながら、アリーナのバリアを破った高出力レーザーを出してロケットパンチを押し戻そうとする。

 

「私がいるのを忘れないで下さい!」

いつの間にか無人機の真下に来ていた虚さんが弓形の武器であるガシャコンスパローを構えて、

 

『GIRI GIRI CRITICAL FINISH』

 

するとガシャコンスパローからエネルギー体の一閃の矢を撃ち出す。

すると空中で無数の矢となり、無人機の周りを取り囲むように配置される。

 

「これで終わりです!」

すると虚さんの左回し蹴りに合わせて矢が撃ち出される。無人機は当然防ぐ手段もなく、全弾直撃する。あまりの背後からの攻撃にバランスを崩すもスラスターを吹かせ、なんとか持ち直す。しかし、今の状態で本音のロケットパンチを食らってはまずいと思ったのか急にレーザーの出力が上がる。

 

「うう、後ちょっと、後ちょっとなのに〜」

次第にレーザーに押し返されていく本音のロケットパンチ。

 

「そうはさせない。」

 

『BANG BANG CRITICAL FINISH』

そのままエネルギー弾を本音のロケットパンチに当てる。エネルギー弾に押されてロケットパンチがレーザーを押し返していく。しかし、すぐさま無人機は空中に浮くためのスラスターを切ったかと思うとさらにレーザーの出力を上げてきた!やがて本音と無人機の中央で拮抗するレーザーとロケットパンチ。

 

バキィ!

 

ロケットパンチから何か嫌な音がする。見るとレーザーと私の出したエネルギー弾の間に挟まれたロケットパンチの表面に傷が浮かび上がり、悲鳴を上げている。

 

「こ、このままじゃあ〜」

 

「うん、多分無人機にぶつかる前にロケットパンチが壊れる。かといって負担を軽くするために私のエネルギー弾をやめると押し戻されちゃうし、後ろから押そうにもかえってその攻撃で壊れかねない。」

そんなことを言っているとますます傷が広がっていく。

 

「せ、せめて何かスキが出来れば〜」

 

すると無人機に向けて左からはレーザーが右からは双天牙月が迫ってくる。防ぐ手段のない無人機はそのままレーザーと双天牙月を食らい、バランスを崩す。ここでスラスターのエネルギーまで切ったのが効いてきた。レーザーの発射に全てを費やしていた無人機は何もできなかった。それが勝機だった。

 

「今だ!はああああ!!!!」

それに合わせて本音がロケットパンチを思いっきりレーザーに向けて押し込む。そのままレーザーを押し返して、無人機はレーザーの光の奔流に飲み込まれた。

 

『やったー!!!!』

ついに無人機を撃破したんだ。喜んでいると鈴音とセシリアのISが解除され、二人は真っ逆さまに落ちていく。

 

「まさか、あの攻撃でシールドエネルギーがゼロになって…」

 

私がそういった瞬間、お姉ちゃんは慌てて二人を救うべく氷の道を作っていく。しかし、落下速度の方が早く、追いつかない。本音は帰ってきたロケットパンチを撃ち出そうとするもレーザーに当てられ続けてロケットパンチが使えないほどボロボロになっているため、慌てて駆け下りるも間に合わない。

 

「間に合って!」

私は全速力でスラスターを吹かして二人の元へと直行する。よし、セシリアは捕まえた。後は鈴音をと思い、鈴音の元へ向かおうとするが、背後から爆発音が聞こえる。見ると下からボロボロになりながらもしつこくレーザーを撃ってくる無人機がいた。途端に私はバランスを崩し、地面に不時着する。虚さんは鈴音を受け止めようと向かおうとするが、無人機にレーザーで牽制される。

 

『GIRI GIRI CRITICAL FINISH』

ひらりと身をかわした虚さんは無人機に向かって必殺技を叩き込む。やがて大爆発を起こし、無人機は沈黙した。その後、慌てて鈴音に駆け寄ろうとするも鈴音と地上の距離が近くなっており、もう間に合わない。

 

「鈴音ー!!!!」

地面にぶつかりそうになり、私は思わず目を瞑ってしまう。しかし、いつまでも地面との衝突音がせず、恐る恐る目を開けるとそこには…

 

「大丈夫ですか。鈴音さん?」

ラファール・リヴァイブを身に纏い、鈴音をお姫さま抱っこで腕の中に抱えた山田先生がいた。やがて鈴音が目を覚ます。

 

「う、ううん?って、山田先生?!どうしてここに?」

 

「鈴音さんとセシリアさんを助けるために来たんですよ。もっとももうすでに終わってしまった後みたいですけど…」

そう言って山田先生はこの場にいないと思っていた私達4人を見る。

 

「事情は学園に帰ってから聞きます。それにしてもみなさんよく無事でしたね。ところで例の襲撃してきたISは?」

山田先生がそう言うと虚さんが近寄り、何か黒い物体を渡す。

「えっと布仏さん?これは…」

 

「はい、襲撃してきたISのコアです。先生に預けて置きますね。」

 

「ええええ?!コアが出ているってことは操縦者は?!」

虚さんにコアを渡されると慌てる山田先生。普通のISだとその心配があるけど今回は…

 

「先生、今回の襲撃者は無人機のISです。」

 

「そ、そんな無人機のISだなんて、そんなこと出来る訳…」

 

「「「「「「いえ、本当(です。×3)(よ。)(だよ〜。)(ですわ。)」」」」」」

山田先生の言葉を遮るように私達は全員でそう答える。

 

その言葉に項垂れる山田先生、うんそりゃそうだよね。明らかに面倒臭い出来事な上、こんなこと出来る人なんてほぼ犯人確定のようなものだもん。

 

そのような感じで私達は学園に帰ることになった。

 

楯無side

学園に帰った後、今回の事件関係者が呼ばれて事情聴取が行われた。ちなみに織斑先生と織斑君にはすでに理事長が処分を下したらしい。

 

「みなさん、今回の事件の解決お疲れ様でした。」

開口一番、理事長がこの場に集まった人をねぎらう。この場に集まったのは理事長、私、簪ちゃん、本音ちゃんに虚ちゃん、鈴音ちゃんとセシリアちゃん、後山田先生の計8人。

 

「では生徒会長、今回の事件について報告を」

理事長にそう言われて私は今回の事件について纏める。試合中に襲撃を受けたこと、簪ちゃんのステージセレクト機能でとっさに周りの生徒達を守ったこと、襲撃者は無人機のISだったことなどなど。やがて私の報告が終わると

 

「ありがとうございます、生徒会長。では早速今回の事件に使われた無人機のISのコアですが…山田君、如何でした?」

 

「はい、コアの番号を確認したところ未登録のISコアでした。」

 

「ということは犯人は…」

 

「多分理事長の考えている通りだと思います。みなさんもわかりましたよね?」

 

『篠ノ之 束』

全員が声を合わせて言った。ISの生みの親にして、現在国際指名手配中の人物、未登録のコアが出てきた上、それが何処の国でも実現していない無人機のISだった段階でもう確定だ。仮に何処かの国やらが開発に成功したならもっと大きな話題になるだろうしね。

 

「彼女の目的は恐らく無人機のISの性能テストだと思われます。」

 

山田先生の言葉に私は付け加える。

 

「それに加えて多分彼女がやりたがったことがもう一つあります。」

 

「ほう、それは一体?」

理事長が笑顔でこちらを見てくる。恐らくこの人は分かっているだろう。それは…

 

『織斑君に花を持たせるための壮大な茶番』

私と理事長はそう言った。

 

「確かにあの時の織斑の出てくるタイミングは…」

 

「はい、少し唐突な上にあまりにも都合がよすぎます。」

 

鈴音ちゃんとセシリアちゃんはそう言う。そう、たとえ出てくるにしても事態が起こってすぐに出てこれる訳がない。ましてやあの時、あの無人機はバリアを破って入ってきただけでまだ具体的には何をするか分かっていなかった。だから鈴音ちゃんとセシリアちゃんは通信をしつつ、相手の出方を窺っていた。その通信の途中にあの無人機を敵だと決めつけ、バリアを破ってアリーナに入ってくるなど不自然すぎる。しかも織斑君はブリュンヒルデの弟とはいえ普通の男子高校生だ。そんな人がいち早く判断して行動するなど出来るわけがない。

 

「そして、決定的な証拠が山田先生に出した命令にありました。」

 

「はい、実はみなさんの元に向かう前に…」

理事長の言葉に合わせて、山田先生は私達のいる採石場まで来る前のやり取りを話す。その話を聞いた後、私はあまりに露骨すぎると思った。代表候補生の二人が戦っている現場に素人を助っ人に出そうだなんて普通の人は考えない。

 

「私は今回の事件でもう一つおかしいと思った点があります。」

 

「ほう、それは何だね、生徒会長?」

私に聞いてくる理事長。

 

「それは何故今頃になって468機目のISを作ったのかです。」

そう、篠ノ之束は10年前に467機のISを作ってからそれ以降コアを作っていない。だから世界全体でのISの数は467、そして篠ノ之束以外コアを作れないことからずっと同じ数を保ってきた。

 

「ISの生みの親ですし、昔作ったものを今回のために引っ張りだしたのでは?」

山田先生がそう言うが、私は首を横に振る。

 

「いいえ、それなら今回の襲撃でより多くのISを投入してくるはずです。より多くのISを倒した方が目立ちますし、それに何より10年前に467で止めたのが良い証拠です。」

 

「えっとそれは一体如何いうことですか?」

 

「そもそも何で467で止めたのかということです。普通の人ならそこは500せめて470とか切りのいい数字で作るはずです。でも篠ノ之束は467で止めた。その理由は…」

 

「…何かこの467に意味があるかもしくは材料の問題?」

私の言葉に簪ちゃんがそう言う。

 

「ふむ、そう考えるのが自然でしょうな。ですが、前者はありませんね。今回の事件で468機目が出来てしまったのですから。となるとやはり後者ですな。いくら天才といえども0から1を作り出すのは不可能でしょう。」

 

「ISコア以外は篠ノ之束以外の技術でも出来ているものです。となるとコアを作るのに何か希少なものが?」

 

「いいや、多分違うと思う。もし仮にISコアに希少な物質が使われているとするなら何処かの国でISコアの生産に成功してもおかしくはない。大国なら希少な物質を集めるくらい余程のものじゃなければ調達できるだろうし。個人の篠ノ之束が出来て国に出来ないことなんてそうそうない。出てすぐとかならともかく世界各国が10年経っても作れないなんて不自然すぎる。」

山田先生の発言に返す簪ちゃん。確かに個人よりも国という集団の方が出来ることが多い。

 

「ふむ、つまり更識君はこう言いたいのですかな?ISを作るにはISコア以外に何か必要なものがあるということですか。」

 

「はい、それが何かはわかりませんが。」

 

「わかりました、その線であの無人機のコアを解析してみます。最もそう簡単には出ないでしょうが。何か分かったら連絡します。それとここで話したことは他言無用でお願いします。それと山田先生、今回の事件で教師として適切な対応、ご苦労様でした。これから非常時の指揮官はあなたになります。今回の事件で織斑先生の指揮権はあなたに移譲されます。」

 

「ええええ?!わ、私が非常時の指揮官ですか?前に立つのはともかく指揮となると…」

山田先生は突然の指揮官任命に驚き、自信なさげに言う。

 

「はっ、はっ、はっ。何も一人でやろうとしなくてもいいんですよ、山田先生。むしろどんどん周りを頼って下さい、この学園にはこの場にいる生徒のように頼れる人材がいます。だからあなたがやるべきことはただ一つ。彼らの身に危険が及ばないよう考え、行動することです。」

そんな山田先生にそう言う理事長。やがて山田先生は顔を上げて、理事長の方を向き、

 

「わかりました、その役目お受けします、理事長。」

 

「ではこれにて解散!」

そう理事長は締めくくり、今回の事件は終わりを告げた。

 

黎斗side

「そうか、彼女がついに動いたか。」

幻夢コーポレーションの社長室でライダー達の目に搭載されたカメラを通して私はIS学園で起こった事件を知った。今回の事件は解決できたが、篠ノ之束の妹があの学園にいる以上篠ノ之束はまた学園にちょっかいを出すに違いない。

 

「ふむ、これは5人のライダーを集合させておく必要があるな。」

そう思い、私は電話をかけ、社長室に来るように伝える。するとすぐさまドアのノック音が聞こえる。どうやら着いたようだ。

 

「入って来なさい。」

 

私がそう言うと金髪のショートヘアにアメジストの瞳をたたえた少女が社長室に入ってくる。

 

「黎斗社長、何か御用ですか?」

固い表情で彼女はそう言う。

 

「この場はプライベートだ。いつも通りでいい。」

私がそう言うとすぐさま柔らかい表情になって、

 

「何か用?お兄ちゃん?」

 

「頼み事があるんだ。IS学園に行って簪達を支えて欲しい。」

私はそう言うとゲーマドライバーと紫色のガシャットを彼女に渡す。

 

すると彼女は少し不機嫌な表情になる。

「久しぶりに会えたと思ったのに…簪達のこと、大事なんだね、お兄ちゃん?」

 

「そりゃ大切だよ、私の家族のようなものだからね、簪達は。」

 

「簪達だけじゃなくて私もお父さんもお母さんも黎斗の家族だよ?そ、それに家族が欲しいなら僕ならいつでも(ボソッ」

そう言いながら彼女は顔を赤くする。

「そう言ってくれると嬉しいよ。後半の方が聞こえなかったけど、なんて言ったんだい?」

 

「な、何でもない。わかった、行くよIS学園に。だからいつものやつお願いね。」

 

彼女がそう言うと私は彼女を思いっきり抱きしめる。

 

「いってらっしゃい。」

 

「行ってきます。」

抱きしめながらそう言った私に彼女はそう返した。

 

 




はいということで第1章はこれにて終了となります。最後に出てきた子が誰かみなさんもうお判りですよね。それではまた次回お会いしましょう。

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