IS 幻夢vsIS   作:稲葉 優

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第11話まで来ました。今回から1章クライマックスとなります。なんとか総力戦を行おうとしてみました。では第11話どうぞ。


襲来!謎の刺客と4ライダーとISガールズ

セシリアside

 

わたくしと鈴音さんの対戦中に突如割って入った謎のIS。

アリーナには侵入者対策のバリアが張ってあるというのにどうやって?そう思い、謎のISが入ってきたアリーナの天井を見るとバリアが割られていた。まさかアリーナのバリアを破ってきたというのですの?!そんなことを思っていると鈴音さんが

 

「セシリア、あいつこのアリーナのバリアを破ってここに来たって言うことは…」

 

「ええ、おそらくアリーナのバリアを破るほどの高出力の武器を持っている…ということですわね。」

 

「ならアリーナの観客が避難するまであたしたちで持ちこたえるしか…」

 

『凰さん、オルコットさん、逃げて下さい!あのISは危険です。今すぐ教員部隊が制圧に…ってアリーナへ通じる道の隔壁が全て降りてしまっている?!こ、これじゃあ…』

わたくしたちが話していると山田先生が管制室からそういった声が聞こえてくる。

 

「山田先生、ここはわたくしたちが食い止めますわ、今最速で動けるのはわたくしたちですし、先生はその間に生徒の避難誘導とアリーナの隔壁のロックの解除を」

 

「ただし、できる限り急ぎ目でね。」

 

わたくしたちがそう言うと山田先生は

『わ、わかりました。すぐ協力して…』

 

「うおおおお!これでもくらえェェ!」

山田先生の返事を待つ前に織斑さんが観客席に張られているバリアを破って入ってきた。ああもう、それを破ってしまったら観客席の生徒はあのISの攻撃を直撃する羽目になるじゃないですの?!わたくしが焦っていると簪さんから通信が入る。

 

『セシリア、あのISの鎮圧に私も協力する。』

 

「簪さん、あなたは今観客席にいるからバリアを破らない限りわたくしたちを助けるのは…」

 

『手助けに行ける方法がある。そのためにはセシリア、鈴音の腕に捕まってて。』

 

「それが何に…って言っていても仕方ありませんわね。わかりましたわ。」

そう言いわたくしは鈴音さんの腕に捕まる。

 

「ちょ、何よ、セシリア、こんな時に?!」

 

「簪さんからこうするように言われたのです。」

 

「ああ、なるほどアレを使うのか。セシリア、驚くんじゃないわよ。」

 

「えっ、それってどういう…」

 

『ステージセレクト』

わたくしたちが話しているとそんな音が流れ、わたくしたちの目の前が真っ白になった。

 

山田先生side

先ほどまで通信をしていたオルコットさんと凰さんが突然アリーナから消えてしまいました。あの謎のISと一緒に…。私は慌てて二人のISに通信を入れる。

 

「オルコットさん、凰さん、どうしたんですか?!返事をして下さい!」

 

『山田先生、セシリアですわ。わたくしたちは無事ですわ。今あのISと対峙していますの。場所はそちらで確認して下さい。わたくしは何処だかよく分かってませんので。』

 

「とりあえず範囲を絞りたいのでどんな場所か教えてくれませんか?せめて何か特徴的なものでも…」

 

『採石場よ』

私とオルコットさんの通信に凰さんが割って入る。

 

「わかりました。今から場所を特定し次第、向かいます。お二人は頑張って下さい。」

私はそう言って通信を切り、二人の場所の特定を始めた。

 

簪side

「何とか間に合ったね。」

 

『ステージセレクト』キメワザスロットホルダーのボタンをガシャットを入れない状態で押すと、ゲームのステージ選択のようにランダムで出た場所に移るという能力。ただし、これが適応されるのは私の開発したもしくは同系統の武装を持つもののみ、それ以外の人が入るには今回のセシリアのようにするか移動した場所に直接来るくらい。

 

「それにしても採石場か〜。簪ちゃん、微妙なの引いたわね。」

 

「被害が出ないのはいいことですけど、ここまで開けた場所だとIS相手だと分が悪いですね。」

 

「確かに〜でも何とかなるんじゃない〜、リンリンとセッシーもいるし〜。」

私達がそんなことを話しているとセシリアが全力でこちらにやって来る。すると私の両腕を掴んで体ごと振る。

「か、簪さん、こ、これはどういうことですの?!わたくしたち先ほどまでアリーナにいましたわよね?!気づいたら何処かの採石場に来ていて、何故か簪さんだけでなく、他の生徒会の皆さんもいるんですけど?!」

 

興奮して一気にまくし立てるセシリアを私は落ち着かせる。

「後で説明するから。今はとりあえずあれを先に倒そう。」

 

「早くしてよね、変身の時間くらいはあたしとセシリアで稼ぐから」

そう言ってさっきのオーラを纏ったまま鈴音とセシリアは敵に向かって行く。

 

私達はゲーマドライバーを4人同時に付け、ガシャットを起動させる。

すると採石場にチョコブロック、宝箱、ドラム缶、トロフィーが散らばって行く。

『MIGHTY ACTION X』

 

『TADDLE QUEST』

 

『BANG BANG SHOOTING』

 

『BAKUSOU BIKE』

 

「「「「変身」」」」

 

『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム?!アイム ア カメンライダー』

 

そして、レベル2ヘレベルアップしようとした時、本音がこんなことを言い出した。

 

「大変身」

 

『レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクショーンX』

 

「えっと本音、それ何?」

 

「だって〜何も言わないのは寂しいかと思って〜。」

 

「なら私も第弐戦術」

 

『レベルアップ!ババンバン!バンババン!バンバンシューティング〜!』

 

「えっ、簪ちゃんも言うの?!ええっとじゃあ、術式レベル2」

 

『レベルアップ!タ〜ドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト〜!』

 

「私だけ言わないのも微妙ですしね。はあ、2速」

 

『レベルアップ!ばーくそう!独走!激走!暴走!爆走バイク!』

 

「じゃあ行こうか。」

 

私はすぐさまガシャコンマグナムを取り出し、地上から援護射撃をする。

 

「簪ちゃんに負けてられないわね♪よーし。」

お姉ちゃんはガシャコンソードを取り出すとすぐさま氷モードにして振り、敵まで氷の道を作る。そして、そのまま敵に斬撃を加える。

 

「本音、乗って!」

 

「お姉ちゃん、待って〜」

本音は虚さんに乗って採石場に積み上げられた石を登って行き、一番高いところでジャンプ。すると敵のISのちょうど真上に来る。

 

『BAKUSOU CRITICAL STRIKE』

 

タイヤとマフラーの火が敵の頭部にあたり、バランスを崩す。

 

「これでもくらいなさい。烈火太陽脚!」

 

「わたくしのティアーズ、受けてみてくださいまし。」

 

それに鈴音とセシリアがそれぞれ蹴りとビットで追撃する。

敵は地面へ真っ逆さまに落ちて行き、やがて大穴を開けて地面に激突する。

 

「遅いわよ!でもナイス!ってところで虚さんは?」

 

「そういえば見当たりませんわね。3人とバイクはあるのですけど」

私達を見て3人しかいないと判断する2人。すると本音の乗っていたバイクが「私はここですよー。」と喋った。

 

「え、ええええ、ば、バイクが喋りましたわぁぁぁ?!」

 

「この声、ひょっとしてそのバイク虚さん?」

 

「そうです。鈴音さん。」

 

すると私に視線を向けるセシリア。説明しろってことかな?

 

「虚さん、仮面ライダーレーザーのレベル2はバイクなんだよ。」

 

「ひ、人がバイクに変形?!それは一体どんなISですのぉぉぉ?!」

 

そんなツッコミを入れるセシリアに思わず苦笑するセシリア以外の5人。

 

「ってそんなことやってる場合じゃない。早くあのISのパイロットを捕まえないと。」

 

「そうですわね、なんで学園に襲撃をかけたのか聞かないといけませんしね。」

 

そう言って敵の落下した穴に近づく私達6人。私達が近づいた途端、その穴からすばやく出てくる。見るとそこには敵がまだいた。しかも、

何一つ傷ついた様子がない。

 

「あ、あれで傷一つないなんてどんだけ頑丈なのよこいつ。」

 

「おかしいわ。いくら絶対防御があるとはいえ、地面に激突してるのに頭がクラクラしていないなんて普通脳震盪を起こしても不思議じゃないくらいなのよ?」

 

「それに〜さっきから〜私達が〜喋ってる時はあんまり攻撃して来ないよ〜。」

 

お姉ちゃんと本音の言葉にはっと何かに気づく私を含めた他の4人。でも、ありえない、そんなIS聞いたことがない。でもそれ以外考えられない。だから私は言った。

 

「つまり、あのISは無人機?」

 

「ありえないけどそうとしか思えないわよね。」

 

「ええ、でも無人機のISなんて一体どこの国が?」

 

そんなことを言っているとお姉ちゃんが待ったをかける。

「はいはい、その辺でとりあえずストップ。その辺りのことは後で考えましょ。あれが無人機なら…思いっきりやれる。そう思わない?」

 

お姉ちゃんの言葉に頷く私達。

 

「それなら思いっきり行こう。」

そう言って私はオレンジ色のガシャットを起動させる。それに合わせてお姉ちゃんは黄色、本音は赤、虚さんは一度レベル1に戻ってから黒のガシャットを起動させる。

『JET COMBAT』

 

『DOREMIFA BEAT』

 

『GEKITOTU ROBOTS』

 

『GIRIGIRI CHAMBARA』

 

私達4人はゲーマドライバーの空いている左側のスロットにそのガシャットをセットし、一度扉を閉じた後再度開く。

 

「第参戦術」

 

『ジェットジェットインザスカーイ!ジェット!ジェット!ジェットコンバッ〜ト!』

 

「術式レベル3」

 

『ド・ド・ドレミファ・ソ・ラ・シ・ド!OK!ドレミファビート!』

 

「大・大・大変身」

 

『ぶっとばーせ!突撃〜!ゲキトツパンチ!ゲキトツロボッツ!』

 

「3速」

 

『ギリ・ギリ・ギリ・ギリ・チャンバラ〜!』

 

「行くよ、みんな」

 

私がそう言うと私達は一斉に駆け出した。

 

山田先生side

通信を切った後、私はオルコットさんと凰さんのIS反応を元に場所を特定しようとしていた。やがて二人のISの反応がする場所を見つける。

 

「この学園から約2キロ離れた採石場ですか。そうとわかったら、早速行って…」

 

「待って下さい。山田先生」

行方を掴んだ私はすぐさまオルコットさん達の元へ向かおうと管制室を出ようとしたら、隣にいた織斑先生に止められる。そして、とんでもないことを言い出す。

 

「ここは一つあいつらに任せてみませんか?」

 

「何を言ってるんですか、織斑先生!生徒を救うのが教師の役目です。それにあの二人は試合の途中でシールドエナジーが少ない状態で戦っているんですよ?!」

 

「心配なら私の弟の一夏を向かわせる。私の弟だ、実力は十分ある。」

 

「あの二人は代表候補生です。中途半端な援軍は却って足を引っ張ります。ここは教師である我々が…」

 

「一夏の実力が信用できないとでも?それに一夏は専用機持ちです。」

そう言って織斑先生は睨みを利かせていますが、私も譲るつもりはありません。

 

「このようなトラブルに対処するためにIS学園の教員は優秀なIS操縦者から選んでいます。だからこそこういう時は生徒に任せるのではなく…」

 

「非常時の作戦指揮官は私です。私の判断がここでは絶対です。一夏を向かわせます。山田先生はここで待機を。」

織斑先生にそう言われ、私は思わず歯噛みする。こんな時に生徒を助けに行けないなんて…そんなことを思っているとある一人の好々爺が管制室に入ってくる。そして言う。

 

「織斑先生、今回は山田先生の判断が正しいですよ。いくらあなたの弟とはいえISを動かしてからまだ1ヶ月も経ちません。それよりもかつて日本の代表候補生としての経験のある山田先生が行けば、彼女達のサポートができます。専用機でないと言ってもね。」

 

「り、理事長?!し、しかしもし万一のことがIS学園の教員にあったとなれば世間体が悪く…」

 

「織斑先生、教師という立場の人間が一番しなければならないこと、それは生徒の身を守ることです。世間体なども重要ですが、この場合生徒を助けに行かない教師の方がよほど世間体が悪いのではないですかな?」

 

理事長の言葉に織斑先生は黙る。そして、理事長は言う。

 

「山田先生、生徒のことよろしく頼みましたよ。」

 

「は、はい!わかりました。行ってきます!」

理事長の言葉に返事を返すと私はすぐさま管制室を出て、学園のIS格納庫で学園に配備されている『ラファール・リヴァイブ』に乗って、オルコットさん達のいる採石場ヘ全速力で飛ばしていく。

 

「オルコットさん、凰さん、待っていて下さい。今行きます。」

 

 

 




というわけで次回に続きます。戦闘回が次回に続くのって地味に初?次回は多分決着まで行くと思います。ではまた次回お会いしましょう。

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