『僕のヒーローアカデミア』   作:Ph.D

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今回は修行パートとなっておりま...せん!!
修行の描写が入るのは次回になりましたm(_ _)m

それはそうと

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投票者4人

ありがとうございます!!
目ん玉を飛び出させながら鼻水とおしっこ垂らし逆立ちをして喜んでました。
冗談ですが。
感想や投票のおかげで楽しく小説を書くことが出来ています!!!m(_ _)m
今後もどうかよろしくお願いします。

それでは本編です!









出会い

 「はぁ...はぁ...っ!」

 

 失敗です、大失敗をしました。

街で見かけた好みの男性に襲いかかり(性的な意味は無いです)なぶりいたぶり多量の失血をさせて、ようやく切り刻もうと、初めての殺人を完遂させようとした、その瞬間のことです。

その瞬間、爆炎が襲いかかってきました。

死にかけの男がいたからか、私の見た目から侮ったのか、炎はかなりの低温で直撃をとっさに避けた私は腕に軽い火傷を負うだけで済みました。

まぁ、その時は。ってだけなんですけどね。

あれから15分くらいでしょうか?

ずっと逃げ続けています。

追ってきているのはエンデヴァーとかそんな感じの名前のナンバー2ヒーローみたいです。

炎を操る個性みたいで接近戦が取り柄の私には少し、というよりかなり荷が重くて体中が煤だらけになってます。

 

ところで、あんな気難しそうでヒーローよりむしろヴィランみたいな顔つきをしてるくせにナンバー2ヒーローで、しかも名前が「努力(エンデヴァー)」って...面白い人ですね。

まぁ、どうでもいいんですけど。

なんで私がこんな現実逃避めいた考えをしているかというと、

 

 「追い詰めたぞ...ヴィランめ!」

 

絶対絶命のピンチだからです。

崖っぷちです。

もちろんそれは比喩表現で実際にはただの袋小路ですが。

人間、どうにもならなくなると冷静になるって本当ですね。

冷静な頭でここまでの状況を振り返ってみても、まったく意味がわかりません。

せっかく色々準備して、ヒーローに見つかりにく穴場スポットとか上手な逃亡生活の送り方とかたくさんお勉強して、ようやく殺してあげられると思ったのに、むしろ殺されかけてるなんて...

まぁ、ヒーロー相手だからさすがに殺されるなんてことはないと思うんですけどね。

だけど、なんであんなところヒーロー、しかもナンバー2ヒーローがいたんですかね。

きっと一生の謎です。

その一生ももうすぐ終わると考えると感慨深いものがあります。

そんな感じで私が追い詰められ生きることを諦めようとした、その時です。

 

 『おいおい、マジかよ』

 『父親並の年齢のおっさんがうら若き女の子を煤だらけって...』

 『まったく、ヒーローは何してるんだか』

 

 傷だらけの王子様が救いに来てくれたのは。

 

 『煤だらけの女の子(シンデレラ)は時代遅れだぜ?』

 『今の時代は素足JKだ』 

 

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 「追い詰めたぞ...ヴィランめ!」

 

 相手はただの弱小ヴィランだった。

おそらく最も優秀な息子と同じくらいの歳の、それも女だった。

だから油断し甘さがあったのか、と言われると否定はできない。

そもそも今回雄英高校の周辺にある裏路地をパトロールしていたのは、先日雄英高校に侵入し校舎全壊(なぜか直っていたらしいが)とプロヒーロー複数名に精神的ダメージを与えるという暴挙に出たヴィランを警戒していたためだ。

奴の名はスパイラル。

螺子を操り多数のプロヒーローを一蹴し、あのオールマイトとも互角にやり合った奴に名付けられたヴィラン名だ。 

そんな凶悪ヴィランを警戒していたから余力を残しておきたくて、いつ奴が襲ってくるからわからないから警戒をして、だから女ヴィランへの追求の手をやや弱めにしていたと、そんな言い訳をしてしまうのはプロ失格かもしれんが...

 

 『おいおい、マジかよ』

 『父親並の年齢のおっさんがうら若き女の子を煤だらけって...』

 『まったく、ヒーローは何してるんだか』

 

 目の前にいる男は思わず、咄嗟に、そんな言い訳を考えてしまうほど異常であった。

 

 『シンデレラは時代遅れだぜ?』

 『今の時代は素足JKだ』 

 

 眼帯じみたマスクに学ラン、両手に持っている螺子。

十中八九スパイラルだろう。

 

 「貴様、そこをどけ」

 「これ以上私の仕事を邪魔するようなら、ヴィランとして処理をするぞ!」

 

 しかし、まだその確証はない。

とりあえず公務執行妨害でしょっぴいて雄英高校での暴挙についてはその後裏を取れば良いだろう。

 

 『んー、それはできない相談だ。』

 『理由は3つ』

 『1つ、僕は弱い者の味方だから傷ついている女の子を見捨てることはできない。』  

 『2つ、最近覚えた技の復習をする必要があるから』

 

 

 『3つ、僕が主人公(ヒーロー)だからだ』

 

 ヴィランごときがヒーローを自称するとは...

 

 「何をふざけたことを...」

 「そこの女もろとも消し炭にしてくれるわぁぁあ!」

 

 セーブするのをやめ、爆炎でヴィラン共を攻撃する。

前後左右上下、全方向からの逃げ場のない爆炎が奴らを包む。

 

 「フン、他愛もない」

 「なぜオールマイトの奴はこんなのに遅れをとっ......っ!?」

 

 『滾る氷柱(ヒートアイス)』

 『空気中の分子の運動を止めた。』

 『ま、運動が0ってわけじゃないけど...』

 『君の炎は、君の熱は、届かないぜ』

 

 無傷の奴が笑っていた。

マスクがあるから顔が見えたわけではなく声の調子が、という意味だが。

熱を操る個性か...

確かに悪くない個性だ。

だが、プロは一芸だけじゃ務まらん!

 

 「フンッ!」

 

 間合いをつめ右のストレート、炎を纏った激熱のストレートを奴へ放つ。

 

 ...が、拳は届かない。 

 

 『彼方通行(ディレクションスカラー)』

 『激熱のストレート(笑)のベクトルを彼方へ』

 

 攻撃は届かずむしろ自分が吹き飛ばされた。

...なぜだ?

奴の個性は熱を操るだけじゃない?

息子のように複合個性か?

むしろ全く別系統の個性を応用して使ってる...?

そういえば最近覚えた、とさっき言っていたな...

ふむ、ならば...

...いや、考えていてもしょうがないな

 

 「スパイラル...」

 「さっき貴様は『僕はヒーロー』と言ったな」

 「ならばなぜ」

 「なぜ、貴様は暴れている!」

 

ヴィランの手の内がわからなければ出来る限り足止めをし援軍が来たら物量戦を仕掛ける。

不本意ではあるが、雄英の校舎を一瞬で破壊しオールマイトと渡り合った奴を捕らえるのであればこれが上策だろう。

 

 『ん、理由?』

 『理由ねー...特にないけど』

 

不気味に奴が答える。

 

 「っ...ならば聞くが、『僕はヒーロー』とはどういう意味だ」

 

 『いや、それはもののたとえというかー』

 『安心院さんの病気がうつったというか...』

 

 「安心院さん...そいつの差し金か?」

 

 『あー、いや...』

 『ふむ、これは困ったなー』

 

『安心院さん』というキーワードを手に入れ少し浮ついてしまったのかもしれない

今日の俺は最高峰プロヒーローとしての自覚、覚悟などがかけていたのかもしれない

さっきと同様言い訳をしてしまうが、しかしあれは言い訳のしようがない、正しく「油断」というやつだったのだろう。

 

 『よし、この話はなかったことにしよう!』

 

名案のように言ったやつのセリフの意味を深読みしているうちに

 

 『運動の慣性(フィジカルセンス)』

 『出る杭に撃たれる(カウンターリアクション)』

 『僕の運動能力と視界中の慣性の法則、作用反作用の法則を操る』

 

 『じゃ、ヒーロー(笑)』

 『消えな』

 

無数の螺子を体中にたたきこまれる。

その場に留まろうとするが、螺子の勢いに押され街の大通りの方へ飛ばされる。

ビルに縫いつけられ、そして意識を失った。

 

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 『さてさて...』

 

ナンバー2ヒーローを無傷で退けたその人はいつの間にかに傷を治して私の方を見ている。

なんで傷だらけだったんだろ...なんてくだらないことを考えてしまいながら、私を意を決して話しかけた。

 

 「あ、あの!」

 

 『ん、なんだい?』

 

 「わ、私を、トガを、連れ去ってくれないですか?」

 

 『...』

 

ダメですかね?

やっぱり突然こんなことを言われても困るですかね?

私が意を決して口走ってしまったことに焦り不安を抱いていると、少しの沈黙のあと彼が口を開きました。

 

 『ふむ、これは...安心院さん的に言えばルート分岐イベントってやつかな?』

 

なんの話ですか?

 

 




トガちゃんの口調と高校物理で習うような物理の法則がよくわからないでした。(トガ風)
次回はなじみ荘に帰って説明(+修行(笑))が主な内容の回(の予定)です。



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