近いうちに球磨川くんの人物像について解説、という名の言い訳用に活動報告をするかもしれません
もし、活動報告が更新されたら見てください!
今回と次回は緑谷出久くんが主役です
球磨川くんの活躍が見たい人はもう少し待っていてください!
すみませんm(_ _)m
では10話をどうぞ!
ついにこの日がやってきた!
…みたいな顔をしている緑谷くんは、まぁ確かに「この日」と呼べるような日を迎えることができた。
そう、雄英高校の実技入試の当日だ。
「ま、間に合った…」
今朝方ようやく海岸の掃除という名のトレーニングを全て終わらせ…もちろん彼がやっていたトレーニングもしくは訓練と呼べるものはその限りではないのだけれど。
それはともかくとして、ナンバーワンヒーロー(笑)の個性を受け継いだ彼はなんとか試験開始(正確に言えばその入室開始)時間に間に合い、はじめの一歩を踏み出…
「ぁ…」
せなかった。
そう、彼はよりにもよってはじめの一歩をつまづいてしまったのさ。
「大丈夫?」
ただ、掬われる足あれば救う女子あり。
少し後ろを歩いていた女子受験生の個性によって浮かばせてもらい、無様に転ぶようなことにはならなかった。
いやー、めでたしめでたし。
まぁ球磨川くんとおおよそ4ヶ月程度実践形式の訓練をし続けた緑谷くんなら、普通に前受け身なりなんなりをして事なきを得ていただろうけどね。
「大丈夫?」
「…個性っ!?」
「ごめんね、勝手に…でも、転んじゃったら縁起が悪いもんね!」
「緊張するけどお互い頑張ろうねぇ」
じゃーねーと言って少女は去っていく。
緑谷くんは(女の子と喋っちゃった〜〜!!)みたいなことを考えていそうな顔をしているが、ところがどっこい残念ながら、あれは会話というより独り言のぶつけ合いだから喋ったとは言い難い。
つまづく直前にあった幼なじみの彼との一悶着の時も会話が出来ていなかったし、もしかしなくても緑谷くんは友達が少なく(というよりおそらくいない)コミュニケーション技術が一定水準に至っていない、いわゆる残念な奴ってやつなんだろう。
まぁ知ってたけど。
ヒーローになりたいのに無個性で、それゆえに友達が存在せず、唯一の幼なじみからはいじめに近い扱いを受けている。
そんな
と、そんなことを考えているうちにも歩みを進めていた緑谷くんはとっくの昔に着替えも済ませ、実技試験の会場である模擬市街地演習場の1つの入口付近に着いていたようだ。
----------------------------------------------------------------
ふぅ…緊張するなぁ。
これから始まるのは実技試験、油断をすることも気負いしすぎるのもダメだ。
球磨川さんと実践形式の訓練をやっていた時と同じようにリラックスをして望まなきゃいけない。
ふぅ…。
よしっ!
心は落ち着いてきたけどそれ以上の問題がある。
それは、「持ち込み自由」のルールだ。
入試要項にはっきりと明記されていたはずなのに、今さっきプレゼントマイクに言われるまで完全に忘れていた…。
実質的には無個性と変わらない僕が実技試験をパスするためには絶対に道具が必要になる。
なのに、僕はこの実技試験の会場にそれらをほぼ全て持ってきていない。
鉄パイプもブラックジャックも鎖鞭も冷蔵庫もない。今手元にあるのは、制服用のベルトと万が一のためにいつも持っているスリング用の幅広のネクタイと小さなカッターだけだ。
といっても、この問題も言うほど大きな問題というわけでもない。
もちろん、仮想
つまり、精神的にも装備的にも(不安はあるけど)大きな問題はないってことだ。
あとはスタートの合図を待つ…いや、もう始まっていると思わなきゃダメなんだった…。
『出久ちゃん、戦いの場っていうのは丁寧に用意されているわけじゃないんだぜ』
『むしろ、いつだってどこだって戦場になる可能性があるんだ』
『それは外を歩いている時かもしれないしシャワーを浴びている時かもしれない、もしかしたら少年ジャンプを読んでいる時かもしれない』
『だからね、出久ちゃん』
『いつだってスタートを切れるように、その心構えだけは忘れちゃいけないよ』
いつだったか球磨川さんに言われたことを頭の中で反芻しているとスタートの合図が出た。
スタートの準備が出来ていない他の受験生の間を駆け足ですり抜けて、仮想敵を探しに演習場へ足を踏み入れる。
----------------------------------------------------------------
《標的捕捉!》
《ブッ殺ス!》
…なんでこんなことを言うようなプログラムを組んだんだろうか。
仮想敵のプログラムに疑問を抱きつつ、早速倒すための算段を立てる。
『出久ちゃん、戦う時にはコツってのがあるんだ』
『いや、別に難しい話じゃないさ』
『戦う時のコツ、それはね…』
それは
僕の目の前にいる仮想敵は1
小さいといっても大きさは僕の2倍近くだし、小さくて脆い代わりに速さ素早さは1番ありそうだけど。
試しにネクタイスリングで落ちていた鉄くずを飛ばしてみる。
テキトーに投げた鉄くずは仮想敵の右腕(?)の非装甲部を壊しその機能を失わせた。
そのまま何度か投げたり攻撃を避けたりしつつ周りを観察しているうちに次のことがわかった。
①非装甲の部分は結構脆く出来ていてスリングはもちろん、鉄パイプを使えば僕の筋力だけでも壊せること。
②代わりに装甲の部分は頑丈に出来ていて1Pのやつでも簡単には壊せそうにないこと。
③仮想敵は機体についているカメラで周りの状況を把握しているのか、カメラが壊されるとグルグルその場を回るようになること。
④1Pのサイズは3mくらいで素早い代わりに直線的な動きしかできず、また武器がガトリング砲で全体的に機体が脆いため射線を避けて攻撃をすれば比較的容易に壊せること。
⑤2Pのサイズは4.5mくらいで四足歩行をして近中距離の武器を持っているためバランスが良いけど、1Pよりだいぶ愚鈍で武器がひとつしかないのでそこを突けば壊せそうだということ。
⑥3Pは6mを超える大きさでほぼ固定砲台と化しているが、10門のミサイル発射口と強固すぎる装甲のせいで僕の力じゃ付け入る隙がないということ。
⑦周りの受験生を見る限り、仮想敵の使う武器は直撃しても死にはしないものの当たりどころが悪いとかなり酷い状態になりそうだということ。
とりあえずわかったのはこの7個。
つまり、僕は1Pを中心に倒しつつ2Pをたまに倒す、この戦いをするのが現状ではベストだってことだ。
正直ここまで冷静に細かな分析が出来ていることにびっくりだけど、これもどれも球磨川さんとのトレーニングのおかげなんだろうなぁ…。
心の中で球磨川さんへの感謝を述べつつ次の行動へ移る。
敵戦力の分析が済んだ後に行うのは装備の準備だ。
ジャージを脱いで左腕に巻き付け、分析のために破壊した1P仮想敵の装甲の中で1番小さいものを選びジャージを巻いた自分の左腕に合わせる。
そのまま制服のベルトで真ん中を縛って固定し、浮いている両端を仮想敵からカッターを使って取り出した細めのコードで止める。
これで簡易的な盾の完成だ。
さっきの分析でわかった通りかなりの強度があるからきっと盾としてちゃんと機能してくれるだろう。
盾が完成したあとは仮想敵から適当な大きさの鉄パイプを取り出して右手で構える。
スリングを使う時は左手に持ち替えればいいし、これで攻守ともに近距離遠距離で戦える。
鞭とか紐系の中距離攻撃ができないのは痛いけど贅沢を言っても仕方がない。
これで準備は終わりにしよう。
よしっ、攻撃開始だ!
実技試験終了まで残り…8分20秒
▽出久くんが転びそうになった時、原作と違い「個性っ!?」と反応できたのは訓練の賜物です
▽出久くんに友達がいないというのは完全な捏造ですが、原作の一話を見る限りおそらくいないでしょう。
▽原作通り「持ち込み自由」のルールがあるのに出久くんが忘れてしまったのは、作者がそのルールの存在を忘れていたからですm(_ _)m
▽スリングの威力と命中精度が高いのは努力の賜物です。
▽仮想敵のポイントはゲーム(スマッシュタップ)基準で考えました。
▽仮想敵の大きさは原作からテキトーに想像し、「1Pは出久くんの倍近いくらい」「10Pは首が生えた軽トラくらい」「15Pは小さめの二階建ての家くらい」と判断しました。
▽ジャージは「2月だけど運動すれば暖かくなるし大丈夫でしょ!」と考え、脱いでもらいました。
▽鉄パイプは頑張って取り出しました。
次回は実技試験終了までとそれを見たオールマイトの反応が主な内容となります!
この他不明な点があったら感想までお願いします!
今回も最後までありがとうございました!
感想や評価がモチベとなるので、気が向いたらお願いします!!!