咲-saki- 四葉編 episode of side-M   作:ホーラ

31 / 91
レオごめんな……
こんにちは、超ご都合展開


第29局[悪待]

目を覚ますそこは一高の控え室であった。

周りには七草先輩や渡辺先輩、達也と深雪がいた。

 

「お姉様、お加減はいかがですか?」

 

「深雪、少し体が重いけど大丈夫だわ」

 

七草先輩が言うには倒れたのはサイオンを一気に放出したことによる一時的なサイオンの枯渇もあるが熱中症が主な原因らしい。いつもは精霊魔法で日差しの威力を弱める効果を常に発動しているので感じることはないが今回全力を出したことによりその精霊魔法がきれインドアの私に日差しがが襲い掛かって日差しに弱い私は倒れたのであろう。何やってるんだ私は。

 

「申し訳ございません、お手数かけて」

 

「全然問題ないわよ、あんなレースの後だったら倒れちゃうのもわかるわ、それと優勝おめでとう」

 

「優勝おめでとう咲」

 

「ありがとうございます」

 

昨日に引き続き2回目の優勝であるが単純に嬉しい。

 

「おい咲、勝つのは氷帝!勝者は四葉のコールはなんだ」

 

達也の言葉に私の表情は固まった。聞いて欲しくないことを聞くものだ。

 

「あ、あれは本当はクラウドボールの三回戦と準決勝だけだったはずなのに観客がみんなノリノリで、仕方なしにやってるだけよ!本当よ!」

 

「そうですよお兄様、あのお姉様のウインクはなかなか見れるものじゃありません、やってもいいじゃないですか」

 

深雪はどっちの味方なのか。

 

「まあいいか"氷帝の歌姫(ディーバ)"」

 

新しくついたあだ名で達也が呼んでくる、死体蹴りやめてほしい。

 

「もし達也さんが競技に出ることになったら私の力であのコールやるんで覚悟しといて下さい」

 

「あいにく俺は競技者ではなくエンジニアだ。俺が試合に出ることはないだろう」

 

私は明日一日中悪待ちで達也を呪ってやろう。

 

 

 

 

 

 

九校戦7日目

 

新人戦は4日目、今日から本戦で行われていない競技が始まる。今日はミラージとモノリスコードの予選だ。ミラージは本来深雪が参加する競技のはずだが渡辺先輩が怪我をしたことにより本戦に出場することになっている。新人戦は女子が上位独占したことが3回もあって新人戦優勝も視野に入っていた。

今日達也はミラージバットのエンジニアとしてまた働いている。

 

 

今日私は達也に呪いを仕掛けている。

 

竹井久

能力は悪待ち、5面待ち嫌ってドラ地獄単騎したり風神と牌の取り合いをして勝つなどするトリッキーな打ち手だ。この世界に能力を置き換えると、ほとんどありえない確率の低い出来事が現実になる…….こともあるという能力だ。しかもそれがありえなければありえないほど現実になった時事態が好転している。

まあ簡単に言えばありえないことの確率が上がる能力だ。

 

私は達也が選手になるように悪待ちの呪いをかけていた。

 

 

 

ミラージバットは予選と決勝の2試合しかないが1試合が15分×3ととても長い。1試合でもフルマラソンレベルのスタミナがいると言われている。予選は午前中にあり夕方に決勝があるが、インターバルが長いとはいってもきついものはきついであろう。

 

深雪と私が歩いて会場に向かうといろんな目が向けられるが私が目を向けて微笑むと話しかけられることはなかった。しかし会場に入ると大会役員と思われる人に話しかけられた。

 

「四葉咲さんですね?」

「そうですが何か御用でしょうか?」

「九藤閣下がお会いになりたいそうなのですがお時間よろしいでしょうか?」

 

なるほどやっときたか。

 

「大丈夫です、深雪先行っといてちょうだい、後で合流するわ」

「わかりましたお姉様」

 

深雪は少し残念そうだった、久しぶりに私と一緒に居れる日であったのでずっと一緒に居たかったのかもしれない。

 

深雪と別れて特別対談室のような場所に連れていかれた。

 

「閣下お連れしました」

「入れ」

 

そこに居たのは老師1人であった。

 

「お久しぶりです、老師」

「実に10年ぶりか、まあ座れ」

 

私は綺麗にお辞儀した後、老師の対面に座る。

 

「ご用件とはなんでしょうか老師」

「君が私に君を呼ばせたのだろう」

「老師がそうするよう仕向けたのでは」

 

2人の目線の先で火花が散っている。私は当然戦闘態勢だ。枕神怜もこんなクソジジイいてまえーとかいっている、口が悪い。

 

「老師一つお願いがあります」

 

「なんだ、いってみなさい」

 

「今度、再び対戦の機会を設けてもらってはいただけないでしょうか」

 

私は老師だけには勝てないでいる。それは5歳の頃ことだが勝ち逃げされるのは許せない。

 

「機会は設けるものではなく、来るものだ。その時が来るのを待ちなさい」

 

「じゃあその時を今作ります」

 

もう既に久は解除してある。戦いになるならそれに合わせた神依をするためだ。

 

「血気盛んなことだ。だがあいにく機会は今ではない。いつか必ず来るであろうその時を待ちなさい」

 

「わかりました。では失礼します」

 

私は興が冷めたので退出する。相手に戦う意思がないならもう話すことはないという意思表示だ。

 

「咲は相変わらず「感情」に従うのだな」

 

烈は咲がいなくなった部屋でそう感情のない声で呟くのであった。

 

 

 

 

私は会場に戻り深雪たちを見つける。

席を取ってもらったことの礼を言い着席する。

 

「で、老師とどんな話していたんだ?」

 

「まあ、いろいろとね…」

 

私がはぐらかすように言うとレオたちは追求してこなかった。この友人たちのこういうところが美点であろう。

 

なんか競技より私たちの方が注目されている気がする。いつも注目されるが、1人でいる時よりも深雪が横にいることでそれが強化されている気がする。私が出場したクラウドボールの後は、私1人かエリカ達と見ることが多く、深雪と並んで見るのは3日目のバトルボード以来だったのだ。

私も深雪も1人でいても十分注目される。私が1人で見るときはステルスモモ使っているので問題ないが、流石に友人達といるときにつかえない。

私もいろいろやらかしたことにより無駄に注目を集めてしまっているのだろう。しかし私達の四葉という名にビビって話しかけられることはなかった。

 

 

 

ミラージバットはスバルもほのかもなんなく予選を突破した。次はモノリスコードだ。

 

本当は私は一番モノリスコードに出たかった。魔法競技も楽しいのだがやはり魔法を使った戦闘が一番楽しい。相手を力でねじ伏せるのもよし、幻術で惑わせるのもよし、遠距離からチクチクするのもよし、やりたい放題できそうなのに女子なので出れないのが残念であった。

 

 

 

 

私と深雪はモノリスコードの試合を見るために一高テント本部に向かった。

 

私たちが最初に観戦したのは一高vs四高

ステージは市街地

 

四高は試合が始まるとすぐ破城槌を使ってきた。なるほど知覚魔法と併用だと一撃で決まるし賢いと思っていると本部内で悲鳴が上がった。

どうやら破城槌は室内で人がいる場合だと、殺傷ランクがAになるらしい。別にビルの瓦礫ぐらい障壁魔法貼ってその間に2.3秒で周りの瓦礫全て吹っ飛ばす魔法組めば問題ないし、こんな魔法がAなのかと私は思っていたが、選手達はそれができなかったらしい。病院に運ばれ手当を受けている。

 

このまま一高が棄権になった場合新人戦は三高の結果次第となるらしい。だが三高には一条家次期当主の一条将輝とカーディナルコードを発見した吉祥寺真紅郎がいるので負けることはほぼないであろう。

 

新人戦も負けたくない私はどうすることもできないので明日は三高に呪いでもかけるかなどと考えていた。

 

ミラージバットは事故の影響も達也が取り除いてくれたのだろう、ほのかとスバルが優勝した。

 

 

 

その夜、私と達也は一高のミーティングルームに呼び出されていた。

 ミーティングルームで達也を待っていたのは、七草先輩、十文字先輩、渡辺先輩、市原先輩、服部先輩、中条先輩の一高幹部であった。

先輩達は表情が硬かった。よほど言いにくいことなのか。

 

「ご苦労様。今の段階で新人戦の準優勝以上の得点を稼げたのは間違いなく達也君や咲さんのおかげです」

 

「ありがとうございます」

 

私は一礼して返答する。

 

「自分の方は選手が頑張った結果です。自分は何もしてません」

 

 

達也は謙遜しているが私も含め周りはそう思っていないだろう。深雪、雫、ほのかは誰が担当しても結果は変らなかっただろうが、他の選手は達也がエンジニアにつくことで活躍できた部分も大きい。

 

 

 

その後一言二言話を交わすがなかなか本題に進まない。何時まで経っても本題に入ろうとしない上級生に、私は若干の苛立ちを覚えていた。いうなら早くして欲しいなあと思って視線を七草先輩に向けると、彼女は十文字先輩を視線で抑えていているようだ。

 

「先ほど言ったように、今の段階で既に当校の新人戦準優勝以上は確定しています。仮にモノリス・コードを棄権したとしても、新人戦の目標であった準優勝以上は達成できます」

 

この口ぶりだと明らかに達也がモノリスコードの選手として選ばれる展開だ。今日一日中悪待ちで呪い続けた甲斐があった。私は悪い笑みを浮かべているが七草先輩の話は続く。

 

「三高の一条君と吉祥寺君の事は知ってる?」

「はい」

 

逆になんで私が呼ばれたかわからなかった。あの氷帝コールがとうとう怒られる時が来たのか。本当は一高にしようと思ったのだが勝つのは一高は流石にダサかったので却下になったのであった。

 

「そう……一条君は十師族で同じだし、吉祥寺君の事は達也君の方が詳しいわよね。あの二人がモノリス・コードでチームを組んだ、三高がモノリス・コードを取りこぼす事はほぼありえないわ。始まる前は準優勝で十分だって思ってたけど、ここまで来たら優勝を目指したいの」

 

私も優勝を目指したい。なので明日のために呪いの準備をしなければならないので早く部屋に帰りたい。

 

「選手が負傷した場合でも、代替は認められてません。」

 

やはり達也がモノリスコードの選手になる展開だ。私の氷帝コールで達也を困らせてやろう。それでなぜ私が呼ばれたのだろう。

 

「十文字君が交渉してくれたおかげで、選手の代えが認められました。そこで私たち幹部で話し合った結果、達也君と咲さんにお願いするのが一番だと言う事になったの」

 

「「は?」」

 

「も、申し訳ございません、お見苦しい言葉を発してしまって」

 

驚きすぎてこの世界に来て久しぶりに神依無しで汚い言葉を発してしまった。こんなことになるなら未来を見とけばよかったと後悔するが後の祭りだ。

 

「あの、すみません、まだ特例として1000歩譲ってかろうじて俺はわかるんですが、咲は女子、しかも二種目に既に出場してますよ。まずその選出は通らないと思うんですが」

 

達也がまっとうな意見を返す。横目で達也を見ると何言ってんだこいつらのような目を先輩達に向けていた。私もそう思う。流石に他の学校が許さないだろう。

 

「咲の参加がないと逆に代用を認められないらしい。どうやら上から圧力がかかっているようだ。他の学校については既に咲の試合がまた見れるぞと言ったら全学校が了承した」

 

流石に他の学校がちょろすぎる。即落ち2コマレベルではない。

私としては優勝したいのとモノリスコードに出たかったので願っても無い展開であることは事実だ。

 

「それで受けてくれますか?」

 

「はい、全校叩き潰します」

 

達也は頭を抱えたが一高幹部はホッとしたようだ。他校を全部ゴッ倒せば新人戦優勝は私たちである。新人戦二位とかそんなの許せるはずないから。二位抜けとかカッコ悪すぎでしょ。

 

残り1人は吉田君に決まった。理由は私も達也も魔法特性を知っているからだ。

 

 

 

 

 

清澄の悪待ちは本当にすごい、そう思わせる一件であった。

 

 

 

 




原作通りなら本編や他の作品読めばいいしなあと思い、超ご都合展開にしました。
ここまで信者がいたら実際モノリスコードに出ても認められそうな気もする。




京太郎と原作宮永咲を劣等生の世界に入れたラブコメのものとか、この世界の咲やキリトやキンジなどの人間やめ人間である俺TUEEE系主人公を四葉の分家にぶち込んで世界征服するほとんどオリジナル展開の
緋弾の咲 四葉編 episode of side-SAO
みたいなのも構想にあるんだけど書こうか迷い中。どこに需要あるんだこれ…需要あるなら暇だし書こうかな…
-追記-
少なからず需要があると言われたので投稿しました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。