咲-saki- 四葉編 episode of side-M 作:ホーラ
次の日、私は目を覚ますと同時に顔を青ざめた。
「天」、天江衣の麻雀のスタイルは蹂躙スタイルなので、もしかしたら深雪に酷いことを言ってしまったかもしれない。相手をゴッ倒したり叩き潰すのはいつものことだが、その後敗者に鞭を打つことはしたくなかったのだ。
急いで階段を降りると、もう既に深雪は起きていた。
「深雪おはよう、私昨日酷いこと言わなかった?」
「おはようございますお姉様、少し言われましたけど後でちゃんと謝ってもらったので気にしていません」
「ありがとう深雪、そしておめでとう深雪、4年の努力が実ったわね」
深雪は4年間淡に負け続けていたのだ。勝った喜びは格別だろう。
「ありがとうございます、でも…」
「私も天照大神使いこなせるように練習しなくちゃいけないわね、深雪は気にする必要ないわ、単に私が大人気なかっただけ」
深雪が気にしているのは私が負けたから衣を出したことだろう。これは単に私の使いこなしが甘いことを証明しており、これからは天照大神の使いこなすことも練習していかなければならないだろう
「わかりました、それでお姉様これが昨日の魔法ですが対策方法わかりますか?」
深雪が昨日私が使った魔法を書いて並べてある紙を見せてきた。これは新しい神を見せた後の恒例行事のようなものだ。さすがにヒントなしで神に勝てというのは酷だ。なので新しい神を見せた後はこうやって2人で作戦会議をしているのだ。倒されるのは自分自身だが。
天江衣の原作の能力は4つ
夜の帳が下り月が満ちるに連れて能力上昇
海底撈月
一向聴地獄
場の支配
海底撈月も一向聴地獄も場の支配の一部だが別の能力として考えた。
この世界にこの能力を落とし込むと
まず夜の帳が下り月が満ちるに連れて能力向上はそのままである。
一向聴地獄は残り1となる状況が起きると能力上昇、昨日でいうと柱が残り一本になった場合である。
場の支配は場の書き換えである。昨日の試合でいうと夜の創造である
ここまではイメージが簡単だったのだが海底撈月はとてもイメージが難しかった。なんせ魔法にラストドローもないし、当然海底牌もないからである。
そこで咲は海底撈月(はいていらおゆえ)ではなく海底撈月(かいていろうげつ)で考えた。
海底撈月(かいていろうげつ)は実現不可能なことに労力を費やして無駄に終わることのたとえである。
これをこの世界に対して置き換えると、干渉力で負けない限り自分が対象にしたものは変わることがないとイメージした。海に映る月を掬い取ろうにも変わらないように。普通は干渉力で負けていても深雪がやったようにニブルヘイムインフェルノのコンボなどで破ることはできるのだがこの能力はそれすらも無効化してしまう。
逆に言えば一点集中でもいいので干渉力で勝てばこの能力は無効化できる。しかしそれを補う他の能力、我ながら隙のないイメージを
したなと思う。だができる限り深雪にアドバイスしていく
「ピラーズブレイクで例えるとまず相手の残り本数を一本にしたらまず負けるわね。残り1になると魔法力が上がる能力があるの。あと戦うなら昼間の新月の時かそれに近い時がいいかしら、5割も力出せないと思うわ」
「昨日のように夜にされ満月を作り出された場合はどのようにすればよろしいのでしょうか?」
「とりあえず月は壊さないと厳しいわね。夜になったなら、こちらも人口太陽など光源を作って対応するのが一番だと思うわ」
深雪はそんなに光波系魔法が得意ではない。そこはほのかに聞くのが得策であろう。
「こちらの魔法を無効にした情報強化系の魔法はなんなんでしょうか?」
「あれはね…干渉力で勝たないと対象のものは変化しないという能力ね。今までのアドバイスはこれを破るためでもあるわね。攻略のアドバイスとしては干渉力を上げるのが一番いいと思うわ」
深雪と達也の封印が解かれ深雪が全力状態になったとしても衣の神依には干渉力において今のままだと勝てないだろう。なんたって衣は全国屈指の高火力選手、つまり干渉力が高い神依だからである。
「最後に、お姉様昨日流星群をお使いになったんですがそれは衣ちゃんの能力なのでしょうか?」
言われてみて太ももを触ると、確かにせっかく貯めたお母様の力がほとんどなくなっている。
「それは衣ちゃんの能力ではないわ。これは達也さんにも本家にも秘密なんだけど、神依関係なしに私は親しい人の固有魔法を貯めておくことができるの。方法は秘密だけど」
「わかりました。お姉様との秘密は守ります」
ちょうど朝の修行から達也が帰ってきたので作戦会議はお開きとなった。
太ももといえばあの人
衣より高火力麻雀できるなら勝てるって簡単だな(なお、全国で高火力選手で一番最初に出てくるのは衣な模様)
書きだめが40話分ぐらい溜まったから1日二回投稿にしようかなあ…