比企谷八幡の憂鬱   作:可愛いは正義

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今回は短めです。

八幡要素を入れてみましたが違和感が出てしまっているところもあるかもしれないので感想や意見などおまちしております。

※修正4月12日
目から鱗→目から汁



クラスメイト2

「.........ハルヒ」

 

教室から飛び出し屋上に来た俺はハルヒに呼ばれて振り返る。

 

「全く。あんたはなにやってんのよ」

 

「別に.....」

 

「はぁ....私の評価なんてどうだっていいんだから庇うことなんてないのよ?」

 

ハルヒは俺に近寄りながら言ってくる。 

 

「別にお前を庇うために言ったんじゃねえよ....俺がそうしたいと思ったからしただけだ」

 

「ほんっと、ひねくれてるのよね。でもどうするのよ、教室、雰囲気最悪だったわよ?」

 

「うっ.....そこで今追い打ちかけてきますかね...」

 

「あはは、冗談よ。あっ、そうだ。八幡、あそこの別館にある文芸部に昼休み来なさい」

 

「どうしてだ?」

 

「見つかったのよ。部室がね」

 

「部室?」

 

「覚えてないとは言わせないわよ?」

 

忘れてるはずがない。

俺が提案したことだしなにより部活を作るために必要なことも調べてある。

 

「忘れてるはずないだろ。ちゃんと部活を作るために必要なことも調べたしな。でも俺が調べなくてもハルヒ知ってただろ?」

 

しっかりと部室確保している辺りハルヒは概ね部活を作るために必要な項目は既に調べてあるのだろう。

 

「何言っているのよ。私が全部最初から答えを教えたら八幡のためにならないでしょ?八幡は我が部の一番最初の団員なんだからっ!」

 

時々思うがこいつもかなりひねくれていると思う。

 

関係ないがウインクしながら指を此方に向けてくるのは止めてほしい。ほんと可愛いから、俺の持ってるパラメーターじゃ直視すると死んじゃうレベル。でも目をそらしながら見ちゃう、だって男の子だもん。

 

「どうしたのよ?なんか挙動不審よ」

 

誰のせいだ、誰の。

 

「んなことねえよ。それよりも昼休みに別館の一番奥の部屋だな」

 

「そうよ。絶対来なさいよ?来ないと死刑だからっ!」

 

「行くよ。他に行く場所もないしな」

 

てかほんとにウインクは止めなさい。

 

 

一時間目をサボって教室に入った俺とハルヒはクラスから視線を集めていた。

 

ハルヒは何も気にならないといった感じに席に戻り、俺もハルヒのあとに続き席に座る。

次の授業まで5分ほどあるので持ってきていた小説を開き周りを気にしないようにする。

 

「な、なあ」

 

誰かが近くで話しているのだろうか。呼び掛けているんだから呼び掛けに答えてあげればいいのに。

 

「なあ、おい。比企谷」

 

ほら比企谷君呼ばれてるよ?名字が俺と同じで俺が呼ばれてると勘違いしちゃうから早く答えてあげて。

 

「なあ、比企谷。さっきは悪かったって....だから話を聞いてくれないか?」

 

.......ん?

 

俺は顔をあげると先程ハルヒのことで口論になった、確か....えーと.....谷....谷川さんだっけ?

が立っていた。

 

「ごめんよ、谷口も悪気があったわけじゃないんだよ。あっ、僕は国木田って言うんだ、よろしくね」

 

谷川さんじゃなくて谷口さんって言うらしい。

 

笑顔で握手を求められてるがコミュ力高いな、俺には結構厳しい状況だ。

 

「あー、よろしくな。国木田さん」

 

握手はせずに言葉だけ返すと苦笑いを浮かべながら手をさげた。

 

「あはは....さんはいらないよ。同じ一年生なんだし」

 

「おい!国木田!俺が話そうとしてるのにどうしてお前が話してるんだよ!」

 

「いや、なんか話にくそうだったから」

 

「今の方が話しかけづらいわ!」

 

話しかけずらいとか本人の目の前で言うお前のが凄いよ。てか流石に傷つくんだが...あれ?なんか目から汁が出てきた。

 

 

キーンコーンカーンコーン。

 

「ああ!休み時間終わっちゃったじゃねえーか!」

 

「僕のせいじゃないと思うよ?」

 

「いーや!完全にお前のせいだ!」

 

「ほらそこ、授業が始まるんだから席について」

 

「はーい....」

 

朝倉さんの一声で谷....なんとかさんは静かになり自分の席に戻っていった。

 

 

二時限目は化学だった。

一時限目は数学だったらしいが....でも何故放送で呼び出しがかからないのだろうか、一時限目からサボったら放送で呼び出されてもおかしくないはずだが。

 

「えーとそれじゃあ。次の問題を.....比企谷君答えてみて」

 

考え事をしていると化学教師に当てられて問題を見る。

 

問題を見ると言い回しは難しいが難易度は高いものではなかった。

 

物質の化学式の問題。

分子で、存在する物質のうち単体を物質名で述べでください。

 

「水素,酸素,窒素,塩素です」

 

「全て正解です。流石ですね」

 

教室が少しざわつくがそんなに難しい問題だったか?

 

「今の問題が一番正解率が低かった問題でこのクラスでも出来たのは4名だけです。塩素が抜けてる人が多かったですね」

 

教室では、「はーい」や「俺全部わからなかった....」とか言ってるやついるけど大丈夫か?てかここって一応倍率高いから入学するの難しい筈なんだけどな.....。

 

 

「えーでは次は谷口君。空気中で最も多い原子はなんでしょうか?」

 

「へへ!楽勝じゃないですか!答えは酸素ですっ!」

 

どや顔で自信満々に答えているが答えは窒素だ....。この学校大丈夫か?

 

 

「一番間違いが多い解答をありがとうございます。では国木田君。空気中で最も多い原子とはなんですか?」

 

「はい。窒素です」

 

「正解です。この問題はよくテストに出るので間違えないように気を付けてください」

 

自信満々の谷なんとかさんは開いた口が塞がらないのか呆然としている。うん、勉強って大事だわ。

 

化学の授業が終わり3時限目は体育だというので移動することにした。

 

「ハルヒ、女子はここで着替えられるから楽でいいよ.......な?」

 

女子は教室で着替えて男子は移動して着替えるのだが、ハルヒは未だ男子が残っているのに自分の制服のリボンをほどきはじめており今にも脱ぎ出しそう、というより脱ぎ始めていた。

 

「.....ちょっと待て」

 

制服をそのまま脱ごうとしたハルヒの腕を掴みなんとか脱ぐことを止めさせる。

 

「何よ、八幡」

 

「男子がいるのに脱ごうとするな」

 

「ん?あー八幡がいたわね。ごめんなさい」

 

いや他の男子もいますよね?

 

「それじゃ、さっさと移動しなさいよ。私早く着替えたいのよね」

 

「....分かった。でも俺以外の男子が出てってから着替えてくれ」

 

「はあ....めんどくさいわね。分かったわよ。その代わりこれは貸し一つだからね」

 

この状況で貸し一つって理不尽じゃないか...。

 

「分かったよ....一回だけ何でも言うこと聞いてやる」

 

「言ったわね?約束は守りなさいよ!」

 

凄くいい笑顔なんたけど...貸し一つで俺何されちゃうの?

 

男子はトイレで着替える人や空いている教室で着替える人、部室に行き着替える人でそれぞれだった。

 

俺は適当に空いている教室で着替えてグラウンドに出ると既にハルヒはグラウンドに出ていた。

 

「あ、八幡。遅かったのね」

 

「着替える場所を探しててな。それよりも....」

 

俺はハルヒの髪型に目を奪われていた。

普段は腰まで伸ばした髪を下ろしているのだが今はポニーテールにしてある。

 

「どうしたのよ?」

 

「いや、その。似合ってると思ってな」

 

「?この体育着のこと?」

 

は?体育着似合ってるよとか言う高校生いたらそれは変態だろ。

 

「違う。その髪型だ」

 

「ああ、これね」

 

ハルヒはポニーテールを持ち上げながら言ってくる姿はさながら運動部系女子だった。

 

「走るのに邪魔だから結んだのよ」

 

「え?走る?」

 

なにそれ八幡聞いてない。

 

「あーあんた休んでたものね。女子と男子に別れて今日は50メートル走のタイムを計るんですって」

 

「へえ....うっ、急に持病の腹痛が」

 

「はぁサボるんじゃないわよ?」

 

「いや、この腕じゃ走れないから」

 

「確かにそうね」

 

ハルヒは女子の列に並び俺は先生の元に行くとストップウォッチを持たされ計測を手伝えと言われた。

要は雑用係である。

一度に3人走るようでトラックの中に入る。

 

既に腐れ縁の域なのか、国木田とたに、たにー.....谷なんとかだった。

 

「ふっ、見るがいいぜ!俺の走りを!」

 

いちいち煩い谷なんとかは放っておく事にする。

 

「よーい....スタート」

 

体育教師のかけ声で一斉に走り出す。

 

結果から言えば谷なんとかが一番で国木田が二番、後名前が分からないクラスメイトが三番だった。

 

 

「ふぅ....」

 

50メートル走を走るより計測係のが疲れるんじゃないかってくらい精神を持っていかれた気がした。なんか走り終わった奴皆比企谷何秒だった!?って聞いてくるし友達だと思っちゃうだろ。

 

男子全員が走り終わり女子が走ることになった。

 

ハルヒが最初に走るらしく見ていると圧巻の一言だった。

 

「はえ.....」

 

ハルヒのタイムは6秒08だった。

男子でも中々このタイムは出せないだろう。

 

勉強も出来てスポーツも出来る。

 

見た目もいいときた。

 

神様って奴はどうもひねくれているらしい。

 

これでハルヒが普通の女の子なら誰もが放っておけないほどの人気が出るはずだ。

 

「まっだからこそ俺は...」

 

「だからこそ俺は?」  

 

「げっ....朝倉さん」

 

「げっは酷いんじゃないの?」

 

「すいません....」

 

「くす。まぁいいわ。それより今何を考えていたの?」

 

「.....俺が何を考えていてもいいだろ....」

 

「そうね、確かにそうだと思うわ。でもね、気になるから教えて♪」

 

「.......」

 

なんだ、この有無を言わせないような圧力は....朝倉さんと初めて会ったときから何回か感じたことがあるが正直俺は朝倉さんが苦手だ。

 

「ねえ、ほらほら。言っちゃいなよ~♪」

 

「.............あーさっき谷.....谷川に呼ばれてたんだ。また今度な」

 

俺は逃げるように谷なんとかさんの方に走っていった。

 

「名前も覚えてない人に呼ばれてるなんて嘘だよね?」

 

最後に言った言葉は俺に聞こえることはなく、授業の終わりを告げる鐘の音と共に消えていった。

 




次は長門が登場すると思います。ミクルちゃんも多分出ます。


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