妖剣使いがヒロアカに転生した件   作:シャリル

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こんばんは!
出来てしまった…
今回は試験といっても違う試験です!どうぞ!


七話:試験だ!

あれから十ヶ月経ち、試験まで残り一週間になった。

俺は今日もいつも通り人気のない場所に仮面を持って来た。

けど、今日は、いつもの特訓とは違う。カシャリアによる最終試験だ。

内容は簡単。被った時に、昔と同じようにこれと同調出来るかだ。

出来なければ、意識はこいつの力に飲み込まれ、昔と同じ過ちを。

出来れば、仮面の目に穴が開いていないから見えないはずなのに、こいつの力を通して景色が見えて、力を得ることが出来る。

 

が、もし出来なくても雄英は通る。しかし、俺の目指すヒーローにはなれない。

 

将来をかけた、一か八かの真剣勝負だ!

 

“刀!覚悟はいいか?言っておくが、この仮面に宿った俺の力は前よりも比較にならないぐらいに我が強くなりやがった!気を引き締めろ!”

 

「了解!」

 

息を整え、深呼吸をする。

仮面を顔の近くまで持ってきて、その力の一部を感じ取る。

 

ドクン…ドクン…

 

仮面は生きてるかの如くに脈を打ち、その周辺は歪みが生じている。

 

勝負の時間

 

乗っ取られるか、乗っ取るかの、真剣勝負。

その戦いに気持ちが高ぶってくる。

俺は、ゆっくりと仮面を被った。

その途端、目の前が真っ暗になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も見えない真っ暗闇の空間。

辺りを探っても何もない。

自分の体も何も見えず、途方に暮れる。

しかし、それを狙ってくるかのように、何かが俺を掴む。

暗くて見えないが、感覚でそれが俺を沈めていたのが分かった。

しかし、それがわかっていたはずなのに俺は何もしない。

ただ、それに任せ、沈んでいた。

暗い暗い闇の底に。

俺は恐怖も感じず、ただ、それの核を探した。

それはすぐに見つかるも、核はびくともしない。

けれど、このままでは底に沈められる。

俺はある剣をイメージしながら、腕を上に上げる。

そしてその手に白い、とても純白な、穢れを知らない刀を取る。

そのまま、その剣は光り輝き、眩しくなって、俺は目を閉じた。

 

 

 

 

 

人の騒ぐ音が聞こえる。

秋らしい風の音も聞こえ、目を開ける。

その場はいつもの人気のない場所。

しかし、違うのは、その近くにカシャリアがいないこと。

俺は、カシャリアに同調することが出来たのだ。

 

“おめでとうさん!刀!これでお前は昔踏めなかった第一歩を踏み出せたな!”

 

頭に直接響くカシャリアの声。

嬉しさのあまり、目に涙が溜まった。

 

だけど、これで俺の特訓は終わった訳ではなかった。

 

“さて、刀!制御出来て、感動に浸ってるとこ悪いが、次、行くぞ!”

 

「え!?これで終わりじゃねぇのかよ!」

 

“はいはい。声はもう出さなくていいぜ?てめえが考えたことは全部わかるから。”

 

珍しく呆れた声を出すカシャリアに驚きつつ、同時進行で辺りを見回す。

元から、カシャリアの事もあって人気のない場所にして居たこともあり、誰も居なかった。

 

“次にするのは、『この仮面の力に慣れろ』だ。”

 

(仮面の力に慣れろって……どういうことだ?)

 

話が長くなりそうなので、念の為人目につかないよう地面に座った。

 

“お前は知ってるよな?この仮面が被れるようになったら、その力が使えるって。”

 

(ああ。だから、一族の間でも、与えられた仮面以外に他の仮面を望んだ奴もいたんだしな。)

 

昔の大事件とも言える事件を思い出しながら、カシャリアの話を聞く。

 

“そして、同時に俺と同調している。つまりは、『(カシャリア)』の体に近づこうとしている。もっと簡単に言えば、体が変化するんだ。これは、一族の血を引く体なら問題はないんだが、お前は今はその血引いていない。それが原因で、お前はこれから先、後戻りは出来ない。血を引いていれば、一瞬にしていつもの体に戻るがな。だから、これからの日常の為にも俺に近づきつつある体を慣らさなきゃならねぇ。わかったか?”

 

俺は、あまりの展開についていけていないが、これだけは言わせて欲しい。

 

「それを先に言えぇぇぇええ!」

 

少しづつ、人ならざる者に変わっていく俺はまずは相方に文句を言った。

 

 

 


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