ラブライブ!ダブルサンシャイン!!バトルスピリッツSC EPISODE0   作:アポロ雄将

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 この作品は作者のなりきりアカウントによる記念小説です。
 また、独自の設定が加えられてますので苦手な方はブラウザバックしてください。
 それでも構わない方は、是非お楽しみください。


1LIVE「異魔神襲来」

 あれは2年前、Aqoursが結成されてから少し経ってわたし達は東京スクールアイドルワールド運営委員会から招待されて東京に行くことになったんだ。

 

 開催から前日、わたし達は新幹線の中で盛り上がっていた。

 

 「今回優勝出来ればスクールアイドルの夢の舞台、【ラブライブ】に出場出来ますわ!」

 

 一番張り切ってるのはお嬢様口調……というより、地元の名家のお嬢様の黒澤ダイヤ。

 誰よりもスクールアイドルが大好きで伝説のスクールアイドル【μ's】のことなら何でも知ってるんだ。

 

 「ダイヤ、張り切るのはいいけど今はトレインの中だから静かにね?」

 

 英語混じりの喋り方をするのはアメリカと日本のハーフの小原鞠莉。

 スクールアイドルに誘った最初は興味がなくて断られたけど、なんとか粘ってメンバーに迎え入れたんだ。

 

 「と、言いつつ鞠莉も張り切ってんだよね?」

 

 そして笑顔で鞠莉をいじるのはこのわたし、ダイビングショップの娘の松浦果南。

 何故わたし達がスクールアイドルを始めたのはダイヤが【μ's】に憧れてて付き合ったのもそうだけど、もう一つ理由があるんだ。

 実はわたし達が通う学校【浦の星女学院】は廃校を迫られてて、出来ることはないかと考えた結論がスクールアイドルをやるという結論に至ったんだ。

 まだ結成して少ししか経ってなかったけどダイヤの熱心で作った練習メニューのおかげで数々のライブが成功して、この通り出場出来たんだよね。それが原因で鞠莉とダイヤが筋肉痛による悲痛の叫びをよく聞いたんだけどね……。

 でもまさか短い期間で【ラブライブ】の出場チャンスが到来したのはこの苦労が招いた結果だと思うんだ。

 それが今に至るってところだね。

 

 「ふふっバレた?」

 

 鞠莉は微笑む。

 

 「ま、小学生の頃からの付き合いだからもう大体わかるよ」

 

 そう、ダイヤと鞠莉は小学生の時からの長い付き合いなんだ。

 

 「あの出会いからもう何年経つのでしょうか……幼馴染の3人でスクールアイドルを結成し、ステージに立つなんて思いもしなかったですわ」

 

 「きっと、これも運命だったのね……。マリーはこの三人でステージに立ってられるのはとても嬉しいわ」

 

 「それはわたしもダイヤも同じだよ。ホント、しつこく誘った甲斐があったよ」

 

 「えぇ。ですが気を抜いてはなりません!スクールアイドルを始めた以上、この3年間をどうするかが課題ですわ!」

 

 「そんなに気張らなくても……」

 

 でもダイヤの言う通り、スクールアイドルとしてやってられるのは3年間だから寿命が短い。

 更に言えば学校の名を広げるにも時間が少ないからよく考えて計画をたてなくちゃね。

 

 「とにかく!学校の廃校を免れるためにも、全力でやりますわよ!」

 

 「イエス、マム!」

 

 電車の中だから静かにしようと言った鞠莉も結局、ダイヤに流されて熱くなる始末だね。ま、物事に熱くなることは悪くないけど。

 

 わたしが微笑んだ瞬間一人の黒い革ジャンの男の人が通り過ぎ、三枚のカードを落としていった。

 

 「……?これは……?」

 

 落としたカードを手に取り、確認してみると黒い背景に‘BS‘と書かれていて裏返すと一枚目は【蜂王(ほうおう)フォンニード】、二枚目は【森羅龍樹(しんらりゅうじゅ)リーフシードラ】、この二枚は字がボケて読むことすら出来ない。

三枚目は白紙でなにも書かれていなかった。

 

 「果南?それってバトスピカードございますか?」

 

 ダイヤがわたしに聞く。

 確かにこれはバトスピカードだけど、この一枚真っ白なカード見たこともない。

 どうしてダイヤとわたしがをバトルスピリッツ―――――通称バトスピを知ってるのか、それは中学生の時に鞠莉に強引に誘われてやってみたらとても面白かったから3人で遊んだことがあるんだ。そして今も現役。ちなみにわたしは青緑デッキだよ。

 

 「エラーカード?ある意味希少ないカードを落とすってことはもしかしてバトスピ開発に関する人じゃないかしら」

 

 わたしは疑問に思う。このカード、タダのエラーカードじゃないと思うんだ。持ってるだけで力が感じるんだよね。

 

 「ん~とりあえず貰っておけばいいんじゃない?とあるガキ大将も『俺の物は俺の物、拾った物も俺の物』って言ってたし」

 

 それを言うなら『俺の物も俺の物』じゃないかな?

 

 「いけませんわ!こんなある意味貴重なカードを落としてたら大参事ですわ!今頃探してるはずですから、届けに参りましょう!さあ、果南さん!」

 

 確かにね。こんなカードを落としてたらまず気づくはずだよ!

 

 「うん!確か落とした人は向こうへ行ったよ!」

 

 ダイヤにわかるように行った先を指で指す。

 

 「行き先が分かってたなら話が早いですわ!まだそんなに遠くに行ってないはずですわ!」

 

 「う~ん……エラーコインじゃないから別に貰ってもバチは当たらないと思うんだけど……」

 

 「当たりますわ!さあ、行きますわよ!」

 

 ダイヤは持ち主を探すために通路を走る。

 

 「ダ、ダイヤ!通路を走っちゃ危険「あぁ!」……はぁ」

 

 注意した瞬間に曲線を通り、ダイヤはバランスを崩してしまい他の利用者に当たりダイヤは謝罪をする。

 

 「早いところ持ち主見つけないと!」

 

 それぞれ半分、ダイヤには待機してもらって手分けしてわたし達は男の人を探すことにした。

 

 でもどの車両でも革ジャンを着てる男の人は見つからない。

 もしかして見間違い?そう思いながらわたしは元の席に戻る。

 

 「鞠莉、落とし主は見つかった?」

 

 「ううん、果南が言ってた男の人は見つからなかったわ」

 

 やっぱりか……もしかして途中で降りた?それともトイレ?

 

 「果南さんのほうはどうでしたの?」

 

 わたしが探したほうも見つからなかったことを二人に話した。

 

 「そうですか……でもその内こちらに来ると思いますから気長に待ちましょう」

 

 「そのほうがいいみたいだね」

 

 その後も東京に着くのを待ちながら持ち主と会うまで待ってたけど、東京に着いてもその男の人と会う事はなかった。

 

 「見つからないわね……」

 

 「そうだね……」

 

 「と、と、とりあえずこの件につきましては……あ、後にしましょう。今は明日に備えてのライブの……じゅ、準備をしましょう……!」

 

 ダイヤの滑舌がいつもより回らないのは、過去に東京で迷子になってトラウマになったからだそうだよ。

 

 「そうね。このエラーカードはライブが終わった後、バトスピカードの製造社に直接届けた方がいいわね」

 

 「そうだね。それと、早いところここを離れなきゃね。ダイヤの心が不安定だとライブの準備どころじゃないから」

 

 

 この一枚のエラーカードがわたし達の運命を狂わせた。

 

 

     〇

 

 

 「秋葉原ですわー!」

 

 東京駅から離れ、わたし達は緊張を晴らすためアキバで観光しに行った。

 

 ダイヤはこの通り、駅から離れればすぐ回復するんだよね。

 

 「アキバはアイドルの聖地だから一番早い回復方法としてはここで観光するのが一番ね」

 

 ライブの準備もしなくちゃだけど、まあ折角来たんだから楽しまなきゃ!

 

 「これは……!もう手に入ることが出来ないと思われた【μ's】のメンバー扇子ではありませんか!買いましょう!今すぐ!」

 

 【μ's】のグッズを見ればダイヤの眼はまさに宝石のように輝く。

 

 「ダイヤ、無駄遣いはしないでね?」

 

 「使いすぎて今月のお小遣いがピンチになっても知らないよ?」

 

 「【μ's】の為なら何千、いや、何十万も使いますわ!!」

 

 はぁ……お金持ちっていいよね。

 

 何気なく周りを見てたら見慣れないものがわたしの眼に映った。

 

 「果南?どうしたの?」

 

 鋭くて大きな爪、モンスター?でもどこかで見たことがあるような気が……。

 

 「もう果南ってば!」

 

 「……っ!」

 

 わたしは鞠莉に呼ばれてたことに今気が付いた。

 

 「こういうところいつも果南はダイヤを見てるだけだけど、アイドルのグッズをいつもより熱心に見てるような気がしてたの」

 

 え……?もしかして見えてない?

 

 「果南さん、もしかしてアイドルの本当の魅力が分かってきましたか?」

 

 「あ、いや……その……わかって来たというか……あのユニットも、かわいいなって」

 

 わたしが指さしたのは、3人のユニットポスターの方だった。

 

 「果南さんが見る目もよくなりましたわ!そう!あのスクールアイドルはかつて【μ's】と互角に競い合い、惜しくも敗れた永遠のライバルユニット【A-RISE(アライズ)】!」

 

 ダイヤの熱い解説をしてる中、わたしは不思議に思った。

 

 あれは実物のモンスターなのか、それとも幻影なのか。わたしはこの謎について深く考えるけど、なかなか答えを出せない。

 

 「きゃあ!」

 

 突然鞠莉の悲鳴が耳に聞こえた。一体何が……!?

 

 「この女の子の命を助けたかったらぁ、あなた達が持つ物ぜぇ~んぶ置いてもらおうかしら?」

 

 三人の頭は包帯で顔を隠し、帽子と黒いサングラスに黒いコートを着た集団が鞠莉が人質に捕られてる!

 

 「あなた達、何者ですの?」

 

 ダイヤは3人の黒ずくめの女に聞く。

 

 「動くな!それ以上動いたらこの女の命はないぞ!」

 

 鞠莉にマシンガンを向けられ、わたし達は身動きが出来ない。

 ダイヤはその悔しさで唇を噛み締めるが、今の状況じゃ――――――――― 

 

 「ダイヤ、ここはこの人たちに従うしかないよ。……悔しいけど」

 

 「フン、話がわかる女だな。わかったならさっさと持ってる物を置け!」

 

 女の言う通り、買い物カゴと、スマートフォン、財布を床に置く。

 

 「なんで……こんな人たちに……!」

 

 「ついでに貴様らも人質になって貰おうか」

 

 わたし達は所持品を置いたらすぐに身柄を拘束され、人質になってしまった。

 

 

 

 

     〇

 

 

 立てこもり事件から三時間、三人の黒づくめの女が要求してきたのはワゴン車と現金1000万円。要求する時のテンプレだね。

 

 そして見張りに一人のソフト帽の女がマシンガンを持ってる。

 

 「果南、ダイヤ、見たところあれは本物の銃よ。下手に動いたら命が危ないわ」

 

 「そんな!?じゃあわたくし達にはどうする術もないということですの!?」

 

 鞠莉は見る目がいいから鞠莉がいうならあれは本物の銃だ。あれで撃たれたら終わりだ。

 

 「今のところはね。とりあえず警察がなんとかしてくれるはずだから今は無事を祈ろう」

 

 「貴様らが変な真似さえしなければ命は助けてやる」

 

 ソフト帽の女は言う。

 

 「まあまあ、どの道助けてあげっから気長に待って頂戴」

 

 ミルキー帽の陽気な女は軽々しい気でわたし達に話しかける。

 

 「じゃ、一つゲームしよっか~」

 

 陽気な女はバトスピカードを裏に4枚並べた。

 すると短髪の女はカードを並べた手を掴む。

 

 「式鬼(シキ)、何度言えばわかる?他人にカードを見せるなと言ったはずだ」

 

 陽気の女は式鬼と呼ぶそうだ。

 

 「つれないねぇ、(シュウ)姉は。別にいいじゃ~ん、わたしの手で精神的にショックさせれば記憶消せるし~」

 

 式鬼が言うことがまるでわからない。けど言ってることは恐ろしいことはわかってる。

 なんでバトスピカードを見せちゃいけないのかわたしには理解できなかった。

 

 「全く、これだから貴様と組みたくないんだ。余計なことをされる前に貴様から始末をしてやろうか?」

 

 呪は睨みつけるように片手でマシンガンの銃口を式鬼に向ける。

 

 「ちょ、ちょっと待って!いくらなんでもそれはネタで言ってるんでしょ!?!?」

 

 式鬼は焦って命拾いをするかのように手を挙げる。

 

 「それぐらいにしておきなさいよぉ。仲間割れは嫌よぉ?」

 

 最後の一人おっとりした茶髪のキヤスケット帽の女がマシンガンを下すように触った。

 

 「全く、(アヤ)がいると式鬼を始末出来ないな」

 

 「そういわないでよぉ、式鬼ちゃんがいなきゃ異魔神(イマジン)を使いこなすことが出来ないかったかもしれないわよぉ?」

 

 「妖姉……!うぅ……味方してくれるのは妖姉だけだよぉ……!」

 

 式鬼は泣いてるのか包帯の眼の辺りに濡れる。

 

 「ほらほら、泣かないの」

 

 妖は式鬼を胸にうずめて慰める。

 

 「……なんなんですの?この人たち」

 

 「わたしに聞かないでよ……。わたしでも理解が追い付かないんだから」

 

 わたしはダイヤの質問を拒否する。わたしが男の子なら『俺に質問するな!』って言いたいよ……。

 

 「でももしかしてだけど、異魔神ブレイヴのことを指してるんじゃないの?」

 

 確かに、言われてみればこの人たちカードに関係するようなことを言ってたよね。

 

 「もう、二人だけで勝手に話を進めないでくださいまし!わたしにもわかるように説明してくださりませんか!?」

 

 ダイヤが理解してなかったのかわたしたちに怒る。

 ダイヤは3人の中でバトスピカードを二番目に買ってるほうなのにそれでも負けるんだよね。

 

 すると銃声が鳴り響き、上から銃弾が落ちてボールのように床に弾かれる。

 

 「騒ぐな。次騒いだら貴様の命はないと思え」

 

 ダイヤは目の前に非現実的なことが起きたのが原因か気を失い、倒れてしまった。

 

「ダイヤ!?ダイヤ!!」

 

 わたしたちはダイヤを呼ぶが意識が戻る気がしない。

 

 「だぁ~めっ、気を失わせちゃったらお話にならないでしょぉ?だからこれは、ぼっしゅっと」

 

 呪が持つマシンガンは妖に没収された。

 

 すると500人ぐらいの警察が突入し、銃撃戦が始まろうとしてた。

 

 「あ~あ、呪姉のせいで来ちゃったじゃん」

 

 式鬼はジト目で呪を見る。

 

 「でも退屈してたからいいんじゃなぁい?」

 

 妖は少し楽し気に言いながら呪にマシンガンを投げ渡す。

 

 「フン、来たなら返り討ちにするまでだ」

 

 呪は自信満々に戦闘に備える。

 

 「さあ、ショータイムよぉ」

 

 三人の黒づくめの女はそれぞれ二枚のカードと青い石を放り投げ、モンスターを呼び出した。

 

 「これは……バトスピのスピリット!?」

 

 わたし達の目線の左から【暗黒龍騎ダークス】、【聖龍騎パラディウム】、【魔界七将ベルドゴール】、【キャメロット・ナイト】、【鎧闘鬼ラショウ】、【ゴシック・グラーヴ】が並んでいる。

 

 「な、なんだあれは……!」

 

 警察たちはざわめく、こんなのが現実に現れることはまずありえないから困惑するのも無理はない。

 

 「そしてこれがわたし達の力……!」

 

 三人が持つカード一枚のカードを見せびらかすとカードは消滅し、透けて見えるように召喚されそれぞれカードの持ち主の背中に移動した。

 

 「異魔神ブレイヴ……!?」

 

 そう、彼女らが召喚したのは、異魔神ブレイヴだ。

 

 「異魔神ブレイヴなんて、どこにいるの?」

 

 鞠莉は見えないのか周りを見回し、異魔神ブレイヴを探す。

 

 そうだ、異魔神ブレイヴは実体を持たず合体(ブレイヴ)条件に合うスピリットと合体(ブレイヴ)することで初めて実体を持つ……!

 

 なのにどうしてわたしは見えるの……!?

 

 呪には【呪魔神(じゅまじん)】、式鬼には【式鬼魔神(しきまじん)】、妖には【妖魔神(ようまじん)】がそれぞれ持ち主の後ろに立つ。

 

 黒ずくめの女3人は掛け声をかけそれぞれ異魔神1体につきスピリット2体と合体(ブレイヴ)―――――――――いや、憑依し異魔神達は姿を現す。

 

 「果南……!」

 

 異魔神の姿を見た鞠莉はわたしに体を寄せ付け、安心できるように震える手を握る。

 

 異魔神達は憑依した瞬間、カードの持ち主の顔を隠すためのアクセサリーを力の解放での衝撃波で吹き飛ばす。

 

 黒づくめの女達は顔を露わにし、顔をよく見れば年齢はほぼわたしとほぼ同じぐらいだった。

 

 

「さあ、わたし達と遊ぼぉ?」

 

 

 NEXT LIVE……?




 ついに二作目の番外編を作ってしまったアポロです。
 ホントは1話で納めたかったのですがなかなか納められず、話数を重ねることになってしまいました。予定としては4話で完結予定です。
 疑問に思った方もいるでしょうがタイトルの『EPISODE0』にはちゃんと意味があります。
 そう、ネプテューヌ編の連載終了後にラブライブ!サンシャイン!!を舞台に改めて連載する可能性があるからです。
 原作の前作も考えましたが作者の世代事情、難しいと判断してこのような決断を下しました。
 ネプテューヌ編にはなかった、世界観に下味をつける戦法で作者は新作が思いつく度に描いていくと思います。
 こんな痛い作者ですが、よろしくお願いします。
 

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