IS:織斑家の長男   作:ロック・ハーベリオン

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事件の後始末

俺は今ドイツ軍の基地に保護されている

それと同時に取り調べを受けている

保護された時に持っていたAK用の武器と背中のブースターについて聞かれているのだ

 

「だからそれについては今は話せないと何度も言っているだろ、クラリッサ・ハルフォーフ」

 

そう、俺を保護したIS乗りは黒兎の副官になるクラリッサ・ハルフォーフだったのだ

 

「そうはいきません。そちらにも事情があると思いますが流石に武器については見逃せません。記録にも残っているんですよ。話して貰わない限りは帰すことはできません」

 

ちっ、これだから軍人は…

頭の固い奴らだ

まあ、自国に武器を持ち込まれてるって観点では間違った対応ではないんだけどな

ただ、本当のことを話しても冗談としか受け取られないだろうしな

あー、早く来いよ

 

コンコンコン

 

おっ、来たのか?

 

「失礼するぞ」

 

「隊長?どうかされましたか?」

 

思っていたやつと違った

そこにいたのはまあまあ年のくった女だった

恐らく黒兎の前任者だろうな

年の所為でIS部隊の実働部隊から外された感じか

ヴォーダン・オージェも無いしな

クラリッサにはあるのに…

 

「ああ、一応そいつに報告をな」

 

「・・・」

 

「織斑春也で間違い無いな」

 

「ああ、そうだ」

 

「そうか。いい報告と悪い報告があるがどちらから聞きたい?」

 

「…悪い方から聞こうか」

 

「テロリストは一部を除き完全にロスト。つまり、逃がした。下手したらまた狙われるかもしれないという事だ」

 

「まあ、そうなるな」

 

一応、腐っても元亡国だ

そう簡単に捕まるわけがないか

 

「ほう、まるで奴らのことを知っているかのような口振りだな」

 

「…まあな」

 

「なら、話して貰おう」

 

「と言われてもな、俺もそこまで情報は持ってない。兎に襲ってくるかもしれないと言われただけだからな」

 

すまん、束さん

あんたを言い訳に使っちまった

まあ、反省はしないがな

 

「兎?」

 

「IS開発者と言えばわかるだろう?」

 

「篠ノ之束博士か…。お前は連絡先を知っているのか?」

 

「知るか。一方的に言ってきただけだ」

 

「そうか。テロリストの目的については」

 

「それはそこの奴にも話したが姉貴の棄権だ。理由は知らん」

 

「…クラリッサ」

 

「ええ、確かにそう聞いています」

 

「そうか…。さて、それではいい報告でもしようか。織斑千冬がモンド・グロッソの二連覇を成し遂げた」

 

「そうか」

 

「…それだけか?」

 

「うちの姉貴だ。それくらいはやる」

 

実際そうだろ

原作チートキャラその2だからな

えっ、1はって?

そんなもの兎に決まってるだろ

 

「ふっ、信頼しているのだな」

 

「家族だからな」

 

コンコンコン

 

「入れ」

 

「はっ、失礼します!織斑千冬様とディアナ・ハイライン様が織斑春也様に面会に来ています」

 

「ディアナ・ハイライン?誰だ?」

 

「NEVECヨーロッパ支部の支部長だと伺ってます」

 

「…何でそんな奴が面会に来る?」

 

「俺の関係者だからだ。どうせ俺の言葉だけでは信用しないと思ってな。俺が呼んだ」

 

「…。まあ、いい。2人を通せ」

 

「はっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、姉貴とディアナが入ってきた

 

「春也!」

 

「よう、姉貴。優勝おめでとな」

 

「そんなことはいい!お前、怪我は無いのか!?」

 

「ああ、この通りピンピンしてる」

 

「そうか…。すまなかったな」

 

「謝る必要はねぇよ。これが一番良かったんだからな」

 

その通りだ

これで姉貴のドイツ軍行きは決まったし、決勝も行われ、一夏も無事だ

唯一の誤算といえばドイツ軍に武器を見られてしまったことぐらいか

まあ、その説明のために彼女を呼んだのだからな

 

「そろそろいいかしら、ボーイ」

 

「ああ、直接会うのは久しぶりだな、ディアナ」

 

ディアナ・ハイライン

エクストルーパーズの原作ではフロンティアベースの教官を勤めていた人物である

この世界では旧亡国で研究者をしていたのをスカウトしたのだ

今ではNEVECのヨーロッパ支部を任せてある

こんな感じで他にもエクストルーパーズのキャラはこの世界に何らかの形でいるのだ

他のメンバーも知っているが紹介はまた今度にしよう

さて、

 

「ええ、そうね。呼んだ理由はなんとなく察したけど」

 

「悪いな、急に呼んで」

 

「別に良いわよ、ボーイ。暇してたから」

 

「そうか、さて」

 

俺はドイツ軍人二人の方に向き、

 

「話を続けようか。まだ聞きたいことがあるんだろう」

 

「ああ、そうだが…」

 

隊長と呼ばれていた軍人はディアナの方を見るが

 

「その話をするために私は呼ばれたの。話をするというより証人として呼ばれたものだけど」

 

「そういうことだ。さて、何が聞きたい?」

 

「…お前の持っていた武器や背中についていた機械についても聞きたいが、あえて言おう。お前は何者だ…」

 

「隊長!?」

 

「クラリッサ、考えてもみろ。いくら武器を持っていたとはいえ生身の状態でISから逃げ切ったのだぞ。普通に考えてもみろ。現代で最強の兵器と言われているISをわずかな時間でも生身で抑えられると思うか?」

 

「っ!!」

 

「…そういうことだ。答えてもらおうか」

 

「…なんて答えるべきかね。答えはいくつもあるからな」

 

「・・・」

 

「日本の一般人、世界最強のブリュンヒルデの弟。だけどお前らが望む答えはきっとこうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はNEVECの創設者、そして技術開発部顧問の織斑春也だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

「NEVECの創設者!?そんな馬鹿な!?」

 

クラリッサが叫びだすが

 

「事実よ、ガールズ。彼が私の、私たちのボスであることはNEVECの一メンバーとして責任を持って承認させてもらうわ」

 

こうなることを見越してディアナには来てもらったのだ

俺みたいなガキの言葉なんて信じないだろうからな

 

「…世界最大の企業、NEVEC。その設立者は今までわかっていなかったが…」

 

「俺は基本的には表には出ないからな。NEVECの運営は今はほとんど手を出していないしな」

 

「…はぁ、クラリッサ。ここで話されたことは全て極秘とする」

 

「隊長!?」

 

「NEVECが相手となると流石に分が悪すぎる。それに大方武装も自衛のためだろう。ブリュンヒルデの弟、篠ノ之博士の知り合い、そこにNEVECの設立者という肩書までくわわるんだ。どれだけのものに狙われるかは想像に難くない」

 

「…了解」

 

お、思ってたよりも簡単に引いてくれたな

まあ、そのほうが都合がいいがな、なんか後味が悪いな

 

「…簡単に引いてもらったことは感謝する。だが、こちらとしてもメンツというものがある」

 

「春也、それなら私が1年間ドイツ軍にISの技能向上のため出向することが決まっている」

 

「姉貴、それは織斑家としてのメンツだ。そこんとこは姉貴の負担になっちまうが、俺の言っているメンツはNEVECとしてのものだ。それだけは譲れん」

 

「…そうか」

 

「さて、ディアナ」

 

「ええ、何かしら、ボーイ?」

 

「αテストは終わったか?」

 

「ええ、先日。ああ、そういうことね」

 

「ああ」

 

疑問に思ったのか隊長が聞いてくる

 

「何の話だ?」

 

「VRは知っているか?」

 

「virtual realityのことか?」

 

「ああ、今度フルダイブ型のVRを開発することになってな。そのαテストが先日終わった。調整などはもう少しかかるがそれをアンタらに無料提供しよう。無論安全性は保証する」

 

エクストルーパーズにはVR訓練というものがある

それを個人でも扱えるように束さんと改良したのだ

安全性は俺自身で確かめた上で先日社員にαテストとして体験させたのだ

来年までにはSA〇やオーバー〇ードのユグ〇ラシルみたいなゲームを売り出す予定だ

それにこいつらに提供のはデータを取る為でもあるからな

 

「そんなもの貰っても意味が」

 

「いや、意味はあるぞ、クラリッサ。設定次第ではよりリアルな訓練を行うことができる。現実ではやりづらい訓練でもな」

 

「…なるほど」

 

その通りだ

データさえ打ち込めばどんな状況の訓練をいつでも行うことができる

それこそ命の危険があるようなものでもな

現実ではないからこそやれるものもあるからな

 

「だが、ISの訓練となると機体のデータを入力しなければならないか…」

 

「そこんとこは契約書にでも書いてくれればいい。俺らは決して情報は漏らさない」

 

そういったものはウィズで全て管理してあるのだ

束さんか俺以外には閲覧することは出来ないだろ

 

「…一度上と話をする。このことが決まったらお願いしよう」

 

「了解。さて、それじゃあいいか?」

 

「ああ、長い間拘束して悪かったな」

 

「気にしてない。姉貴、帰るぞ」

 

「私は会社に戻るわ。それじゃあ、またね、ボーイ」

 

「ああ、ありがとな、ディアナ」

 

「ええ。ああ、言い忘れてたけど、ブリュンヒルデ、二連覇おめでとう」

 

そう言い残してディアナは帰っていった

 

「はあ、春也、私達も帰るぞ」

 

「ああ、今行くよ、姉貴」

 

俺は姉貴に連れられてホテルに戻った

その後、姉貴を残して俺と一夏は日本に帰った

その時一夏が若干渋ったが割愛させてもらう

一夏にはバレていなかったが更識の護衛があったこともここに記しておく

 

 

 

こうして織斑兄弟誘拐未遂事件は幕を閉じた




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