オリ主が挑む定礎復元   作:大根系男子

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今回は一万字から一万二千字ぐらいまで若干のグロ描写ありですのでご理解いただける幸いです。

今回予定していた話の流れに小さな矛盾が生じたため、予定より一章早くそして原作よりもかなり遅くですがあの子に登場してもらいます。
後、一二話にもちょっぴり登場した『あの子』の一人称が間違えていましたので訂正しました、申し訳ありません。



The Dignity of Lords

一夜明け、私たちは生き残ったローマ市民たちが隠れ住んでいるベルガムムの拠点へと歩き出した。

 

「召喚が確認されたサーヴァント六騎の内、聖杯を持っているとすれば十中八九ルキウスの奴よ」

「ほう、君の考えをお聞かせ願えるかな?レディ」

 

息を潜め、私と孔明先生の魔術で物理・魔術を問わず気配と痕跡を消しながら私たちは静かに森の中を歩く。

鬱蒼と木々が茂り、陽の光がほとんど入ってこない欧州独特の陰鬱とした森に辟易しつつも私は自分の推理を披露する。

 

「ルキウス・ヒベリウスは建国の祖ロムルスが人類繁栄のために袂を分けた幻想と、神代がとうに終わった五世紀に、よりにもよってそのローマで再び手を結んで領地を拡大した男。人類のみが頂点に立つ繁栄をお題目に掲げる人理とは相容れない、だから人理の守護者(英霊)にはなれない」

「名高いアーサー王伝説群。派生の数こそ多いですが確かに座であの皇帝を見かけることはありませんでしたね。最も私はあまり他所の座に出歩きませんでしたが」

 

ギリシャ神話(出身)が出身ですので、と告げるメドゥーサに納得しつつも戦慄する。

え、なに、座って自由に行き来できるの?

突撃隣の晩御飯とか出来ちゃうの?

形而上のそれこそ皆概念的な何かになってる世界じゃないわけ?

噓でしょ、私長いこと魔術師やってるけど初めて知ったわよ、そんな事。

というか知りたくなかったわよ、そんな残念な感じの裏事情。

もっとこう、崇高な感じの、何というかこれぞ真理!……みたいな感じだと思ってたのに。

 

思わぬところから衝撃を受けつつ私は話を再開する。

 

「おまけにアイツは建国の意志を否定する形で領土拡充と大陸支配を狙った男、だから後の歴史書からも名を消されて違う皇帝が居たことになって、結局残ったのはアーサー王の敵役っていう配役名だけ。そんなルキウスがこの特異点に居る、幻想を率いて、その果てに世界からも人々の記憶からもなかったことにされた『空位の皇帝』が」

 

言い得て妙とはこのことね。

確かに座していた皇帝の位を、文字通り存在そのものから抹消されたあいつは空位を冠すに相応しい。

そして皮肉なことだ。

冠位を示す探索を課せられた私たちの敵が、位を破棄された存在なのだから。

本当、最悪の配役だ。

そしてそんな存在を召喚する、そんな馬鹿げたことが許されるのは恐らくこの世界には一つしかない。

 

「それも不確かな存在(幻霊)ではなく力ある確固たる存在(英霊)として。世界から抹消された霞のような存在を()()()()()()()()なんて、幾ら人理の力も世界からの抑止力すらも焼却された特異点だからって、いいえ辛うじて人理焼却を免れた特異点だからこそ不可能よ。なら、そんな奇跡を起こせるのは……」

「聖杯、か。成程、君たちの言うレフ・ライノールだったか。()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、人理焼却に加担したというなら話は別だ。彼が聖杯によって人理を破る存在として招いたのが、あの皇帝というわけか」

「原典でも知られるようにあいつは戦士としての技量もとんでもない。だけどそれだけでブリテンを脅かしてきたわけじゃない。滅亡寸前の自国を僅か数年で立て直す手腕、幻想種たちすら心酔させるカリスマ、そして純粋に戦闘に特化させた魔術師としての技量」

 

最も嫌いなところ(恐ろしいところ)を挙げろと言われたら、私は魔術の腕だと言う。

ギネヴィア()の魔術は汎用性に特化している。

そもそも戦闘なんて考慮していない、ごくごく普通の魔術だ。

だけどルキウスは違う。

最初から、敵を蹂躙し駆逐し圧制し支配するその為だけに最適化された魔術に特化させている。

霊脈の支配、負担を度外視して尚自壊しない高度な自己改造、宝具による魔力負担の軽減と威力上昇。

どれか一つでもできれば、その国で十指に入れると断言できるほどの高度な魔術を全て完璧に御し行使する。

最高位の近接技術と魔術を振るう最高クラスのサーヴァント。

サーヴァントとしての戦力で言えば、白兵戦がこなせる程度の私の上位互換に他ならない。

正直、此処にいる面子では正面からぶつかっても勝ち目が薄い。

唯一まだその戦車以外の宝具を明かしていないイスカンダル王なら或いはと考えられる程度だ。

 

やるなら、士郎君クラスの防衛に長けた前衛が抑えている隙に超遠距離から逃げ場のない大火力でもぶつける位しかない。

生前のアルトリアはそれが出来たからこそ勝機があったのだが……今はいない。

 

だからもし正面から激突するなら、カルデアの最高火力(衛宮桜)が最低限必要だ。

 

「魔術師としてのルキウスの技量はこと戦争においてはずば抜けてるけれど、それ以外が駄目なわけじゃない。もしあいつがサーヴァントとして召喚できたのなら、燃費は度外視するけど剣士と魔術師、どちらのクラスでも勝ち抜けるだけの実力がある。だから自分を確立するために使った聖杯を隠蔽するのだって、それこそ高位の魔術師と同等の技量があるアイツなら難しくないわ」

『恐らくギネヴィアの発言に間違いはないだろう。僕らが観測しているデータでもルキウスと対峙した時に僅かにだが聖杯の反応があった』

「ほう、という事はあの益荒男こそが連合の首魁であり、あ奴に勝利することがこの聖杯戦争での勝利目標といったところか?異国の魔術師よ』

『仰る通りですよ、イスカンダル大王』

 

でも幸いだったわ。

 

「確かローマに居るのは二騎、という話でしたね孔明?」

「ああそうだ、メドゥーサ。一騎は既に判明しているランサー。ならば最後の一人は」

「消去法でルキウスってことでしょうね。夜中に英霊が守護してる拠点から消えるのも、多分聖杯の所持者(ルキウス)の下へ行って魔力供給してるってことでしょう」

 

敵の全容はまだ見えないけれど、勝利条件も敵の首魁もこれで判明した。

果ての見えないブリテンでの最後の戦い(あの戦場)とは違う。

 

『ローマに居るサーヴァントの反応だが今も変わらず二騎が常駐しているようだ。そしてこの先にもサーヴァントの反応はない。こちらのデータでも観測したがギネヴィアの言っている通り空位の皇帝(ルキウス・ヒベリウス)は随分と厄介な英霊の様だけど、まあ今は危険視しなくてもいいだろう。少なくともこちらで確認したステータスにある陣地作成(スキル)を見る限り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようだし残りの四騎も皆それぞれの拠点に居ることが確認取れているよ」

 

勝つための明確なゴールがある。

なら、もうすぐ抜けるこの森の様に必ず勝利に到達できる。

 

そんな安堵が私たちに広がった。

 

「そろそろ森を抜ける。ミス藤丸、体調はどうだ?」

「大丈夫です、孔明先生!休み休み来てるからばっちし!」

「……先生は止め給え。今の私は王に仕える一介の軍師だ」

「えー、じゃあグレートビッグベン☆ロンドンスター……とか?」

「止めろォッ!君はどうしてそのあだ名を知ってるんだッ!?というか何故アニムスフィアが出資している国連機関にまでその不名誉なあだ名が浸透しているのだッ!?誰だッ!誰に聞いたのだね!?フェルヴェッジか!?それともペンテル姉妹か!?居るのは知ってるのだぞ!」

『『イエ、ソンナ名前ノ職員ハイマセン』』

「貴様らァッ!」

 

格好良く少女の体調を気遣って見せた紳士ぶりは何処へやら。

額に青筋浮かべて尋ねてくる孔明先生に立香はあははと苦笑いを浮かべながら答えを言った。

 

「えーっと、カルデアに来る前に知り合った人なんですけど……なんかアメリカから来たばっかの若い人で初めて魔術っていうのを見せてくれたのもその人なんですけど、TMitterからヘイコウ世界の人にメッセ送るとかなんとかっていう魔術で……」

 

それが縁で駅裏に貼ってあった隠蔽された招集文書(カルデアの募集)に気づいてカルデアに来ることになったんですよと立香は笑うが孔明は笑ってくれていない。

なんかアメリカって単語聞いた瞬間に青筋が二、三本増えたし。

……というかマスター適正はあったんでしょうけど魔術の魔の字も知らないこの子が如何やって魔術組織に参加できたのかしらとは思ってたけど、そんな理由があったのね。

ぐっじょぶよ、名前は知らないお若い魔術師くん。

でも後でちょっと城の裏まで来なさい、平行世界に疑似的にでも接続できるとか何それ怖い。

 

「えっとですね、その人はなんかこう『こっちのほうが楽しそう』って理由で()()()()泥沼にクロールで飛び込んでいきそうな感じの人で」

(ファック)ッ!」

 

その立香の言葉を聞いて思いっきりスラングを言い出す先生。

 

「やはり貴様かフラットォッッ!!どうせそんなことだろうと思ったが(ファック)ッ!よりにもよって素人に魔術見せた挙句余計なことまで吹き込みおって!」

「そこまでにしとけ坊主」

 

叫んでそのお若い魔術師君、フラットだったかしら、を罵るけどそれも言葉と共に降りてきた拳骨で鎮まる。

流石征服王、やることなすこと豪快だ。

 

「……ッッ!??ライダーッ!!」

「おうおう、お前が落ちつかんでどうするのだ。良い休憩にはなったが仕舞にしておけ」

「……分かってるさ」

「坊主の時の口調に戻っておるのも分かっておるのなら余は構わんがな」

「……っ!」

 

あれーおかしいぞー。

一九〇cm近い身長の妙齢の紳士が顔を赤らめて王と話すだけでどうしてこんなにヒロインオーラが出るのかしら?

あれー変だなー。

……あれ、私若しかして孔明先生よりも女子力(ヒロイン力)低いの?

え、うそ……へこむ。

 

「うむ、善き余興の時間となった。余が手ずから褒めて遣わすぞ、立香、孔明」

「いえいえ、それほどでもー」

「……もう好きにしてくれ」

 

ふふんと笑うネロはそのまま私たちより一歩前に出て、森の出口へと向かう。

両手を大きく広げ、出口から眩く輝く午前の光に照らされて、その姿はまるで美の女神(ヴィーナス)のよう。

その美しさを彩る形のいい唇から、嬉し気に言葉をネロは紡ぐ。

 

「この森を抜ければ余のローマ、その最後の砦にして至高の都ベルガムムだ。かくして目を見開き拝謁せよ!」

「はいはい、あんまり先に行かないの」

「ふふん!心配してくれるのだなギネヴィア!口では拒んで見せてもやはり余の美貌と愛らしさにメロメロとみた」

「誰があんたなんか!」

「立香、そなたの国ではギネヴィアは確か『嫌よ嫌よも好きの内』とか『ツンデレ』というのであったな。うむうむ愛い奴よ」

「そうでーす」

「立香ぁっ!!」

 

そんな、あまり認めたくはないが楽しい一時を過ごして。

()()()()()()()()()の当たる出口を超えて。

私たちは朝から歩き続けてきた森を抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

『今すぐ全員引き返すんだッッ!そっちはッッ!』

 

 

 

抜けてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「なによ……これ……」

 

誰も言葉が出なかった。

あのイスカンダル王ですら驚愕の顔を浮かべている。

 

「あ……嘘だ……何故、ベルガムムが……余の町が……」

 

それはあまりにも、あまりにもあり得ない光景だった。

 

「馬鹿なッ!私たちの索敵を抜けてこんなッ!?」

 

そうだ、あり得ない。

だってそうだろう。

私も孔明先生も歩きながらではあったがずっと魔術で索敵をし続けてきた。

そうだ、だからあり得ない。

だってさっきまで、ベルガムムの街には人ひとりの生命反応も魔術反応もなかった。

 

況してや、一つの街を破壊できるほどの火力(宝具)の行使なんて、反応なんてなかったのだ。

今だって目の前に広がる文明そのものが破壊しつくされたかのようになっている街並みの残骸を見なければ到底信じられない。

 

あり得ない、あり得ない。

存在を完全に秘匿して、魔術師(キャスター)二騎の索敵もカルデアからの観測も掻い潜って、まるで虚空から転移したように忽然と宝具をしようするなんて、出来るはずがない。

 

そんな非常識な転移魔術(手段)、それこそ霊脈と完全に同調してその空間を完全に支配・制御しなければ……え?

 

あれ、嘘、だって、なんで……嗚呼そうか、そういうことか。

 

「糞ッ!やってくれたわねルキウスッ!!」

 

自分の馬鹿さ加減に辟易して首を絞めたくなる。

魔力をベルガムムの地に通して、理解する。

その上で探索をさらに広げて、確信した。

やられた、完全に騙された。

 

「逃げるわよ!違ったのよ、間違えてたのよ私たちは!初めからッ!」

 

そう言って立香とマシュの手を引いて後ろを振り向こうとして、

 

『魔力反応ッ!この規模と霊基パターンは……上位(Bランク)ッ!それも結界系の宝具だッ!』

 

後ろを()()()()()で閉ざされた。

その赤は士郎君が纏う聖骸布よりもずっと濃く、そして後悔の念に満ちている。

それが何を意味するのか、このローマの成り立ちを少しでも知る者ならば直ぐに気づくだろう。

長い『ローマ帝国』の歴史の中で、数多くいる英霊達の中で、血を注がれた高き城壁を宝具として持つ英霊などそう多くはない。

何より、ここは()の国なのだから。

 

「血色の城壁……七つの丘(パラディウム)の城壁……馬鹿な、そんなッこれはあの御方のッ神祖ロムルスのッッ!!」

 

ああ、つまりだ。

そうなのだ。

私たちは初めから間違えていた。

()()()()()()()()()()

 

カエサル(剣士)クレオパトラ(暗殺者)レオニダス(槍兵)ダレイオス三世(狂戦士)

そしてまだ真名が分かっていなくて、そして目の前の残骸を創り上げた張本人を除けば後はルキウスだけだと思っていた。

 

そう、もう一人いるという可能性を完全に失念していた。

だから六騎それぞれの霊基反応が拠点にあるということで安心していた。

そうだ、ずっとローマに居たのだと思っていた。

違うのだ、あいつは、ルキウスは。

 

聖杯どころか自分の存在を完全に隠蔽して、あたかも敵は六騎だけのように見せかけたうえで、このローマ全土の霊脈も支配下に置くために放浪していたのだ。

 

レオナルドの言った通りそんなこと一つの場所に留まっていたら出来ない。

だから、一人だけ私たちが来るまでずっと戦場に姿を現さないで、延々と土地を巡って霊脈の掌握(下準備)をしていたのだ。

ああ、そうかだから、だから半月も連合は動かなかったのか。

 

これを済ませるために、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「破壊する」

 

言葉が聞こえる。

無機質な声だ。

目の前で光を纏った長剣を握る剣士からだ。

 

「私は文明を、輝きを、営みを、世界を」

 

目の前の剣士が構えるそれは感知せずとも理解させられる高位の格を持つ宝具。

剣士自身も溢れ出る魔力と星の輝きを秘めたように均整の取れた究極の肉体。

その紋様がどことなく嘗て幾度も戦った蛮族を想起させるが、やはりそれそのものに見覚えはない。

 

「遍く全てを」

 

だがそんなことは関係がない。

間違いなく難敵であり、後方は宝具(城壁)によって封じられ逃げ場がない。

だからこれは宣言なのだ。

 

 

 

「破壊する」

 

 

 

文字通り目の前の街であった物の様に破壊し尽くすのだと、そう宣言し戦闘(蹂躙)が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かこみ(剥離)かため(硬化)かたどる(結界化)ッ!」

「ライダーッ!」

「応さ!」

「立香ッネロッ!貴方たちは私の傍へ!」

「分かった!マシュ!」

「諒解しました!戦闘ッ開始しますッ!」

 

 

空間の剥離による次元の壁を作り、その壁を固めることで結界として模る。

 

最早戦線から離脱はできない。

だから魔力を練り上げ、話術も魔力重点も起動し結界を張る。

目の前では戦車に乗った二人が突撃していくが、

 

「―――邪魔だ」

 

それを物ともせずに剣を薙ぎ払う、ただその一動作で戦車が進む先の道を叩き割る。

嫌な汗が流れる。

足りない。

高が三小節程度の魔術行使ではあの女は防げない。

使用冷却時間(クールタイム)まで時間はある。

 

やれることをする。

 

まもれ(守護)ッ!まどえ(思考誘導)ッ!まどろめ(威力減衰)ッッ!」

 

守護の加護に立香達を狙わないように思考誘導と攻撃力の減衰を引き起こす呪いを結界に仕込む。

孔明先生の魔術が女に当たるが微々たる傷しか与えられていない。

恐らくは高ランクの対魔力。

戦車の突撃を地上だけでなく空中からも繰り返すが、機械のような精密さで完璧に防いでいる。

 

まだ足りない。

 

こう(幸運)ッ!ねがう(運命干渉)ッ!うたう(詠唱重複)ッ!」

 

幸運を引き寄せ、不運を弾く小規模の運命干渉を行い、魔力を結界自体に注いでこれまでしてきた話術(術式)を自動で繰り返し続けさせる。

結界の発動を確認したメドゥーサも戦線に加わる。

マシュも身体能力的には追い縋っているが圧倒的に戦闘経験が足りない。

孔明先生の多彩な妨害もイスカンダル王の縦横無尽な突撃も、効果は成しているが前衛が足りないが為に決定打にならない。

もう一人、必要だ。

あの女の攻撃を、防御を邪魔する手数が必要だ。

 

安心はできないが、これで行くしかない。

 

「良い子でそこで待ってるのよ、立香……()()()()()()()()()()()()()()()

 

王剣、並びに疑似魔力放出起動。

 

返答を聞かず、私も戦線へと飛び出す。

後ろから何か聞こえた気がするが今は無視だ。

兎に角、早くこの場から逃げ出さねば。

最悪なのは、ここに他の英霊も転移してくることだ。

 

「新手か」

「あらこんにちは?ご機嫌用、お加減はいかが?あ、答えは聞いてないわ、死になさいッ!」

 

幸い霊脈の状態を見る限り、術者本人(ルキウス)が不在の地で転移を行うのは相当霊脈に負担をかける様だ。

おまけに逃亡防止のための宝具まで遠隔発動させている。

恐らくはそうそう直ぐには転移を再使用できない。

 

「……躱すか、羽虫」

「何ッとでもォッ!」

 

なら今は兎に角、この場からの離脱が優先だ。

宝具の破壊なんてできない。

なら壁は後回しだ、目の前の女を叩き潰す。

 

「チィッ!二人相手でも、かッ!」

「くッ!これほどとは……厄介なッ」

 

王剣を振るうがその度に容易く弾かれる。

反対に押し込まれるように女の刀身が肉薄する。

それを横から投げた鎖と鉄杭で防ぎつつ、自身も肉弾戦へとメドゥーサが持ち込む。

蛇のようにしなやかで流動な動き。

それをちらりと一瞥し、機械の様に無駄のない動きで捌く女。

 

「はあああああァッ!」

 

僅かに出来た隙、それを掻い潜って後ろから突撃するのはマシュ。

大盾を鋭く、重く、一直線に女へと叩き込む。

だけど、

 

「がァッ!?」

「くぅッ!」

 

だが、その一撃が触れる前に組み付かんとする私やメドゥーサを蹴り飛ばし、その勢いで反転。

女はマシュの一撃を膝と肘を使って流れる様に、淡々と捉え、

 

()()()

「きゃあッ!?」

 

膝で盾を押し上げ、無防備に晒されたマシュの腹部を蹴り穿つ。

三対一、基本能力の差があったとしても十二分以上の戦力差を簡単に埋める実力。

元から高火力の宝具と機動力を生かした閉所での攪乱を得意とするメドゥーサ。

基礎能力こそ高いものの圧倒的に経験不足のマシュ。

そして身体能力が低すぎる上に、次郎丸は兵士たちを守っている為に使えずスキルも冷却時間中で何も使えない私。

前衛としては明らかに足りない。

 

だけど、

 

「んなことォッ!百も承知でやってるわよッ!」

 

そうだ、敵わないのは分かっている。

でも必要だった、

 

「待たせたなッ!今この時こそ勝機と見たッ!!」

「強化、補助、魔力の補給、何れも完了だ。好きに吹き飛ばせッライダーッ!」

「応ともッ!いざ征かんッ!蹂躙の彼方へッ!」

 

この時の為に!

 

遥か上空で魔力の回復に努めていた二人が、宝具の準備を完了させる。

神牛が率いる戦車は、雷神(ゼウス)の御子足る所以を示すように稲光を唸らせ天空より降る。

 

遥かなる(ヴィア)

 

重き神牛の蹄が虚空を割り、世界に嘗て何時の日か征服王が歩んだ覇道を今再び刻んでいく。

そのランクはメドゥーサの騎英の手綱(宝具)と同じくA+、つまり神霊規模の魔術行使の一歩手前。

間違いなく人の身で辿り着ける最高位に等しい格。

その威が今現界する!

 

 

 

「―――蹂躙制覇(エクスプグティオナ)ッッッ!!!」

 

 

 

上空からの突撃によってその勢いは増し今や人が捉えられる速さを超えた。

それに対する女は、

 

「限定接続、承認。魔力供給、始動」

 

笑みも、

 

「因子同調率、臨界。英雄現象(ノーブルエフェクト)

 

畏れも、

 

「起動まで二秒。軍神よ我を呪え。星穿つは神の剣」

 

唯一つの感情すら浮かべず、

 

 

 

「―――軍神の剣(フォトン・レイ)

 

 

 

虹が如き極光を纏った螺旋の魔力によって上空から迫る征服王を迎え撃つ。

 

「AAAALaLaLaLaLaieッッ!!」

 

宝具同士の衝突。

閃光を伴う膨大な魔力の余波によって世界が文字通り蹂躙される。

 

「うぅっ……!」

 

思わず目も開けられないまま呻く。

それでも魔力感知を高め、限界まで状況を把握する。

 

戦車と螺旋。

全く異なる宝具がぶつかり合い、互いに拮抗している。

恐らく両者は同ランク(A+)同系統(対軍宝具)

それでも征服王が押している。

孔明先生の補助と、そして王剣による自陣への強化。

それらによって僅かに、それでも決定的に軍神の剣と呼ばれたその一撃を押し込んでいっている。

 

勝てる。

勝機が、見えた。

 

 

 

『それは駄目だな』

 

 

「ぬゥゥッッ!!」

「……なっ!?」

 

突如霊脈が悲鳴を上げながら奮起し、その不安も顧みず女へと魔力を注ぎ込む。

 

(ローマ)としてはここでアルテラを喪うのは酷く胸が苦しいが、それもまた戦争だ。時にそう言うこともあるだろう。だが』

 

あの男の声が響き、アルテラと呼ばれた剣士の魔力は膨張し続ける。

そして遂に、

 

「こりゃいかんな、ウェイバー退くぞッ!」

 

征服王が押していた拮抗が、極光の螺旋によって完全に崩れた。

それを刹那で判断し、すぐさま己の宝具を離脱の為に捨てでも逃走に移ったのは不幸中の幸いだった。

征服王と軍師が戦車から飛び上がったその間際、極光は臨界を迎え天に架かる幾重もの暈にすら届かん勢いで立ち上った。

 

『お互いこんな()()()()で命を喪うのは惜しかろう。(ローマ)とて同じだ、出来るなら互いに全力でぶつかり合って、その上で世界もお前たちも何も飲み干した方がずっと楽しかろうさ』

 

そう言って、ルキウスの声は途絶えた。

馬鹿の考えなんて分からないし、こみ上げる憤怒は消えないが返答する余力もない。

吹き荒れる砂塵。

それを一蹴、いいえ、剣の一振りでアルテラが消し飛ばす。

 

「―――不要な気遣いをする男だ。己の欲の為ならば理も常道も意志さえも踏みにじる……前回と変わらず浅ましいな、人間は」

 

そう何事かを呟き、それからアルテラはこちらを見据え、

 

「目標、補足」

「させませんッ!」

「ッ!?いけませんッマシュッッ!!」

 

大振りに剣を振るった。

それに対するように前面に大楯を構えマシュは突撃する。

宝具の発動なら、耐えきれただろう。

でも、違った。

 

「えっ!?」

 

鞭のように撓る宝具。

先程までの無機質で硬質な印象とは違う。

刀身がまるで生きているかのように自在に、獣の尾のように唸りを上げて、蛇のように地を這って。

大楯では守れない背後からマシュの足首を掴み取り、

 

「壊れろ」

 

砕け瓦礫と化した町並みへとぶつけ出す。

 

「メドゥーサァッッ!」

「言われずともッですがッ!」

 

幾度も幾度も、叩きつけ、徹底的に壊れた玩具を磨り潰すように丹念に、丹念に、丹念にぶつける。

虹の極光はマシュを鞭ではなく暁の戦槌(モーニングスター)の様に弄びながら高速で空間を駆け巡る。

それは光の結界となって、侵入者を阻みメドゥーサの救出さえもままならない。

 

「さっさと起動しろォォッ!とらえろとらえろとらえろとらえろ(速度減衰)とらえろ(速度減衰)とらえろ(速度減衰)たすけろ(空間掌握)ォォッッ!!」

 

スキルの冷却時間を無視。

霊基を無理やり弄る。

組成なんて気にしない。

あの子を助けられるならそれでいいッ!

 

霊核がぎしりと嫌な音を立てる。

 

「それがどォしたァッッ!!」

 

いらない知らない興味がない。

マシュ。

マシュッ。

マシュ(■■ラ■ッ■ド)ッ!

私の大事な大事な愛しい子。

 

必ず必ず、助ける。

 

口に出して話術を起動させる。

最初こそ意味を成さなかったが、それでも何とか起動に成功し、速度減衰の呪詛と空間掌握で一時的に鞭の速度を殺す。

 

「めどゥッ「分かっていますッ!」はやぐッ!」

 

喋りすぎだ。

霊核が軋む。

煩い。

そんなことどうでもいい。

マシュ、マシュッ、マシュッ!

 

メドゥーサが宝具に捉えられたマシュを怪力(スキル)も併用して無理やり助け出す。

その間を軍師の補助を受けながら戦車を失った征服王が剣を手にして白兵戦を挑み、何とかアルテラの動きを妨害する。

 

「……ギネヴィア、マシュを頼みます」

「ええ、ええッええッ!分かってるから早くッ!」

 

メドゥーサは急かす言葉に嫌な顔を見せず、けれど暗い顔で抱き留めたマシュを私に託す。

 

「うぅ……あぁ……」

 

胸に抱いた幼い少女、大事な大事な私の仲間。

それが今苦し気に呻いている。

高い耐久値、そしてスキルの恩恵で致命傷は受けていない。

けれど、大小様々な怪我を負っている。

疑似サーヴァントだから、致命傷でないだけだ。

本当だったら、とっくの昔に死んでいる。

 

「ごめんね、怖かったわね、もう大丈夫よ、すぐ治すからッ」

 

そう言ってすぐさま治療の魔術をかける。

 

胸を占めるのは憎悪。

なんて無様、なんて未熟。

この子が気負って突撃するなんて考えれたのに。

自分が、生きているのか死んでいるのか分からない私が行けばよかったのだ。

生者のこの子に、どうしてこんな目にあわせるのか。

 

嗚呼糞。

 

「ぎ……ね、ヴぃあ、さん」

「ッ!駄目よ、マシュ。大丈夫だから喋らないで待っていて。ね?いい子だから」

 

治療と同時にかけた痛み止め、そして結界の術式によって落ち着いたのかマシュが声をかけてきた。

大丈夫。

大丈夫。

そう何度も自分に言い聞かせるように言う言葉のなんて薄っぺらいことか。

 

それでもマシュは、自分の怪我なんて知らないように。

 

「泣か、ないで……くだ、さい」

 

痛み止めで和らいでもまだ蝕む痛みを無視して、

 

「せん、ぱい……を、おねがいし、ますね。ぎね、ヴぃ……あさ、んがなお、してくれるから、私だいじょうぶ」

 

私に、

 

「だ、から……泣、かない、で」

 

精一杯笑いかけてくれた。

 

「……ええ、任せなさい。必ず、私が立香は守るわ。だから、貴女はちゃんと寝て、早く元気になりなさい」

 

もう、それしか言えなかった。

それによかったと安堵の微笑みを零し、マシュは静かに寝息を立てだした。

痛みとここまでの行軍での疲労もあるのだ。

穏やかな表情で胸を上気させ結界の中で眠っている。

 

「ええ、約束よ」

 

びきりと音がする。

 

「私が」

 

がちりと音がする。

 

「必ず」

 

ぎぎぎと音がする。

 

「必ずッ」

 

ぐるりぐるり、廻る回る周る。

 

「―――アナタ達ヲ守ッテ見セル」

 

遠くで何かがほんの少しだけ、開く音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我ガ身、我ガ憎悪、我ガ誓イ」

 

歩く。

目の前の戦況は変わらない。

撓り唸る神の鞭を前に純粋な意味で白兵戦に長けたサーヴァントが居ない自陣ではあのアルテラという女には一歩届かない。

 

関係ない。

 

「全テ、全テ、全テッ!」

 

そんなもの、私なら超えられる。

こんな身体一つを使い潰せばいいのだから、安いものだ。

 

「全テヲ喰ライテ奔レッ!」

 

使えない?

スキルが。

霊基が。

魔力が。

全て足りないから、だから使えない?

 

「銀ノ閃光ォッ!!」

 

だったら全部くれてやる。

刹那でいい。

五分も要らない。

僅かな、僅かな時間でいいのだ。

時間でいいのだ。

霊基と霊核を構成するすべての魔術を代償に。

立香と繋がっているパスとカルデアからの供給を無理やり貪って。

霊基情報を後のことも忘れてめちゃくちゃに弄って。

そうしてやっと一分だけ。

 

 

 

過剰充填・王剣執行(クラレント・オーバーロード)ォォッッ!!」

 

 

 

王剣の異常稼働を引き起こす。

 

「……羽虫か」

 

答えは返さない。

灼熱を宿し空色の燐光を迸らせる王剣。

それと同時に肉体を滅茶苦茶に犯し焼き払いながら暴走した魔力が銀の閃光となって溢れかえる。

 

一歩、飛び込む。

身体能力が低い私でも、今は平均的なサーヴァントとなら十二分に競い合える能力まで過剰暴走している。

元より剣の才はあるのだ、身体能力さえ補えれば三騎士とだって打ち合える。

 

撓る鞭を飛び越え、それでもまだアルテラの方が速い。

右足に霞めた、焼いた匂いがする。

それがどうした、痛覚なんてずっと昔からないじゃないか。

肉薄し、剣を振るう。

まだアルテラの剣の方が重い。

 

左の頬を抉られた、咥内が剥き出しになる。

それがどうした、今更交わす言葉なんてない。

アルテラの剣が迫る。

弾き返し、次の一手で魔力を纏い最早剣ではなく光の束へと変貌したそれを打ち込む。

 

左腕を切り飛ばされた、焼け焦げ炭化した肉体から

それがどうした、剣は右腕で持てる。

光束を螺旋が削る。

ぶらりと虚を生むことになった。

 

腹を貫かれた、どろりと何かが零れていく。

それがどうした、元からあの人の子すら産めない自分に胎など愛着もない。

虚を突かれ腹をぶち破られたが、こちらも魔力でできた弾丸を撃ち込む。

過剰な魔力で編まれたそれは対魔力の上からアルテラの皮膚を焼いた。

 

「ッ!」

 

駄目だ、まだ足りない。

もっと、もっと、もっとッ!

 

アルテラの表情が初めて崩れた。

僅かに負った火傷の痛み、最も単純な呪詛である憎悪の意志で編まれたそれの痛みは焼けた石を押し付けられるものに似ている筈だ。

ああだから、今度は私の番。

 

さぁ。

さぁッ。

さぁッ!

 

サァ殺ソウ。

 

その一歩を踏み出して、ごろんと何かが転がった。

ずじゅりと嫌な音と腐った臭いがする。

 

「ア……エ……」

 

焼け焦げた異臭がする。

 

「ウゥ……Aaa」

 

何より、身体が動かない。

よく見れば炭化した両足が崩れ落ちていた。

剣を握っていたはずの右腕が肩からなくなっている。

 

「……勝てると、そう思ったのか」

 

何も聞こえない。

ただよく見えた。

 

「哀れだな。お前は蟻だ、もう翼はない。だから羽ばたけない」

 

午前の光が目一杯差し込んで、逆光で暗くなったアルテラの顔は伺えない。

ただ剣を振り上げ、私、わたし、ワタシ、わタしを殺そうとするのだけよく見えた。

 

「沈め、そして砕け散れ」

 

あ、そうか。

私、

 

「―――夢見るままに」

 

死ぬのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ギネヴィアと一緒に居たかったんだ、ただそれだけ』

 

……だ。

 

『だ、から……泣、かない、で』

 

…やだ。

 

『私を―――』

 

いやだ。

 

『幸せにすると』

 

いやだ。

嫌だッ。

嫌だッ!

 

死ねない死にたくない生きていたいッ!

やっと生まれ変わったのにッ!

今度こそもう誰にも家族を奪わせないって決めたのにッ!

もう二度と逃げないって、もう二度と約束を破らないって決めたのにッ!

 

嫌だ嫌だ嫌だァッ!

 

そうだ嫌だ。

嫌なのだ。

負けたくない。

守りたい。

誓いも。

家族も。

仲間も。

幸福も。

愛も。

 

やっとやっと手に入れたのだ。

やっとやっと取り戻したのだ。

やっとやっとあの頃に戻れたんだ。

 

だからだからだからッッ!!

 

何をどうしたって何を犠牲してでも何を踏みにじっても()()()()()()()()()()()()!!

 

 

 

 

 

 

 

―――嗚呼、正解だ

 

 

 

 

 

 

 

不意に声が響いた。

 

―――やれやれ、遊星の使者が相手とは君もつくづく運が悪い

 

何処かで聞いた声だった。

 

―――まあこの特異点に限っては全て君の所為なんだけどね、ギネヴィア

 

知らない筈の声だった。

 

―――こんなところで躓く予定、君にも僕にも、そして君達にもないはずだ

 

けれどそれは何処まで良く馴染んだ。

 

―――本当は時間外労働はしない主義だけど、君はしっかり契約を守っている

 

気持ちが悪い程に私の、僕の、俺の中に沈み込む。

 

―――あのろくでなしと違ってボクは誠実だからね、ほんの少しだけ君に力を貸そう

 

嗚呼知っている。

 

―――大丈夫だよ、ここに魔神柱(獣の指)は居ないからばれはしない。まあ彼らは怒るかも知れないけれどそこは君が言い訳してくれ給え

 

そうだ、知っている。

 

―――今の君の霊基()ではボクの力はそう多くは引き出せない

 

だから、

 

―――だから安心して全力を振るうといい……もう思い出しただろう?君の役割()

 

だから、

 

―――比較し天秤を測る(謀る)といい、それがボク()の在り方なのだから

 

私は、

 

―――さあ起きなさい、もう目覚めの言葉は思い出した筈だから

 

それを口にした。

 

―――そうだろう?■条■歌の現身、『忘却』の剥離人格(アルターエゴ)

 

 

 

 

 

 

 

形態変化(フォルムチェンジ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚める。

嗚呼いい気分だ。

目の前に剣が迫ってる。

だから、()()()()()()()

 

「馬鹿なッ!?」

 

思いのほか、気持ちよく身体が動いた。

嗚呼熱い。

子宮が疼く。

久しぶりだ、いや初めてだろうか。

何せ随分遠い昔にあの女に凌辱されてから不感症になってしまったのだから。

 

あれそうだっけ?

 

まあいっか。

なんでか皆目を白黒させてる。

如何したのかしら。

 

嫌だなぁ、そんなゴキブリ見るママの目みたいなそれで私を見ないでよ。

本当失礼しちゃうんだから。

でも乙女なギネヴィアちょっぴり気になっちゃうの。

だから()()()()()()()投影魔術で鏡を作る。

不思議と魔力消費が気にならない。

うんいい気分。

 

それに私の姿もとってもキュート。

そーきゅーと。

 

だって趣味の悪い喪服は真っ白なドレスに。

むき出しの肩と胸は可愛い水色のボレロできっちりガードよ。

右から栗鼠みたいな犬みたいな、うん、()()()()、猫のキュートな耳が一つ。

そして左からは真っ青な角、クールでかっこいいわギネヴィア。

 

ね、()()()()()の可愛いギネヴィアちゃんよ?

 

嗚呼、キモチワルイ。

 

でも良いの。

 

おはよう(こんにちは)こんにちは(こんばんは)こんばんは(おはよう)?うーんどれかしら!」

 

だってやることは決まってる。

 

「でもきっと、そうね、そうだわ!それがいいわ!」

 

早く早く目の前の女を片付けて、さっさと立香とマシュの所に帰らなくちゃ!

 

「では改めまして、紳士淑女の皆々様?」

 

だからぁ、

 

ご機嫌よう(お休みなさい)、地獄の窯で蕩けて頂戴な?」

 

 

 

 

 

 

 

■■の為に、死ね。

 

 

 

 

 

 

 




低評価も辞さずに独自設定という名の地雷原を突き進む、そういう男に私はなりたい。
というわけでタグの『幼女の形をしたナニカ』『独自設定』『蒼銀のフラグメンツ』の描写回、そして今後に向けての戦力アップ回でした。

いやあ見事な地雷ですね、うん。

ちょっと自分でもこれ書いてて大丈夫なのか不安なので、感想・批判・疑問等なんでも大丈夫ですのでもしよかったらコメントしてやってください、よろしくお願いします。

あ、後明日はようやくお休み貰えたのでのんびり更新しますね。
ではまた明日

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