超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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現在、1~2週間ぐらいで1話が出来ればいいなという状況で作成しております。


Scene03 ネプ姉妹と一緒に洞窟探検をし隊

 

 

 

 

 

―――あの式典から2週間が過ぎた。

 

異世界であるゲイムギョウ界に来た俺は、プラネテューヌに身を置き、補佐として現在プラネテューヌに貢献をする事となっている。やる事は“書類整理”等のデスクワークに、“クエスト”というギルドが管理している依頼を熟すといったところ。ある意味ファンタジーな世界に身を置いているような感覚になる。ただ、日本語が通じるのは助かるが、一部の書類や書籍には呪文か?と思うゲイム語的な文字があり、アイエフやネプギアの教えや辞書を見てなんとか解決している。また、友好条約を利用して、各国と通話をして情報交換等をしている。どういう訳かルウィーとは繋がらない事が多い。まぁあそこは候補生の2人が幼いから仕方ないのかもしれないな。因みに、バイクの運転もするので、免許の変更講習を受け免許を取得。ついでに、アイエフの提案により非公式ながら諜報部の筆記と技能試験を受けた。結果として、まだまだ字が読めないので筆記は酷かったが、技能は今後塗り替えられないであろう記録を叩き出してしまった。まぁ非公式なので記録には残らないとのことだ。

 

 

 

 

 

しかし―――――

 

 

 

 

 

「良くこんな状態でシェアを保てるな…。」

「だって、わたしは主人公だよ!!」

「(僅かずつだが下がっているが…。)」

 

今、俺の目の前ではネプテューヌがゴロゴロしつつゲームをしている。俺の記憶が正しければ、式典後の彼女の2週間は「起きる→朝食→ゲーム→昼食→ゲーム→夕食→ゲーム→風呂→寝る」のループだ。ネプギアもしっかりしている…と思いきや、仕事を催促からの、流されて一緒にゲームやったり、御茶出したり…偶に買い物行ったりクエストで同行しているくらいしか日の光浴びてないんじゃないか?思わず溜め息をするが、側にいたイストワールも同じ事を考えていたらしく、同時に溜め息をつく。

 

『はぁ…。』

「どうしたの2人共、ため息なんかs―――――」

「ネプテューヌさんのせいです!」「(…自覚ないのか?)」

 

イストワールの気持ちが分からなくもない。いざって時はやるのだが、ぐぅたらしている時間の方が圧倒的に多い。それでも一定のシェアを確保しているって事は、支持事態は悪くはないって事だよな。そんな事をしつつ、書類整理が終わったので、イストワールに書類のダブルチェックのお願いをした。

 

「永守さんの仕事が早くなって、大分助かります。」

「褒めても何も出ないぞ?(偶には血生臭い仕事以外で褒められるのも悪くないな。)ん?」

 

俺は借りているノートパソコンでクエスト一覧を見ていると、1つのクエストに目を付けた。丁度俺がこっちに来た時の翌日に発行されたようだ。内容は以下の通りだ。

 

 

 

 

 

―――

クエスト名:勇気と力の試練

ランク:E

タイプ:調査

依頼主:不明

【内容】

 “バーチャフォレスト・最深部”の最奥に突如現れた洞窟がある。特にモンスターが溢れてくる事はないが、念の為調査をお願いしたい。

―――

 

 

 

 

 

…と具体的な詳細が載っていない上に受けたという報告者もいない。

 

「(なんだ、このクエスト名。だが、気になるな…。午後になったら行ってみるか。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家族団欒な感じで昼食を取り、時刻は午後1時過ぎ。イストワールにクエストをする為外出すると伝え、バーチャフォレストの最深部の最奥にいる。

 

「(ここがクエストの対象である洞窟か。奥は暗そうだな、ライトでも持ってくればよかったか。まぁスマホのライトで代用できるか。)」

 

そのスマホは一度水没してしまったが、ネプギアが“一晩で直せますよ?”という事で修理してもらい、『Nギア』というスマホ型端末機へと変貌した。スマホの通常機能を保ちつつ幾つかの機能も追加しているようだ。…これで商売出来るじゃないかってレベルである。あと、修理作成してる時のネプギアの顔が凄く楽しそうだった。そんな事を考えていたら、隣からひょこっと誰かが現れた。

 

「おお!これは冒険の匂いがするねぇ!!」

「………。(ネプテューヌ、なんでこんなところに…。)」

「ん、どうしたの?“なんでこんなところにいるの?”みたいな顔して。」

「人の心読むなよ…。」

「ご、御免なさい、永守さん。悪気があって付いてきた訳じゃないので!」

「ネプギアまで付いてきたのか。」

「それに、えい君がどういう戦い方するか見てみたいもんね!」

「仕方ない、人数多い方が効率はいいだろうしな。行こう。」

 

一人で行くはずが、団体様で洞窟に入ることとなった。このまま追い払う事も出来ない事だろうし、同行して良い事を伝え、洞窟へと入る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中は誰も調査したことがないと思う程明かりがなく、一行はNギア等の明かりで道を照らしている。しかしながら、薄暗いにも関わらず、不思議なことに道は整備されているかのように綺麗である。

 

「こんな所に、まだ行ったことがない洞窟があるなんて知らなかったよ。」

「前々からあれば、周知しているとは思うけど…。」

「依頼自体が2週間前からだから、その時に見つかったんだろう。」

「それにしても、モンスターとかいないね。女神の恩義でも受けているのかな?」

「女神の恩義?」

「各国共通で、一部のダンジョンは教会の管理下でモンスターの調査とかしてるけど、特定の場所では女神の力がダンジョン内に発せられて、それの御陰でモンスターが出没しないみたいですよ。」

「なるほど、ゲイムギョウ界で女神の存在はかなり大きいのだな。」

「ふふん、普段のわたしの行いが良かったからかな!」

『………。』

「ちょっと!そこで二人とも黙り込まないでよ!!わたし、主人公だよ!主人公がこんな扱いされていいの!!」

 

そんな事をしていると、奥から光が漏れているのが見えた。一行はそこへ向かうと、今までの洞窟とは思えないほど、どうしてあるのだと言う感じの神殿で、水晶のような物体が光っており内部を照らしている。周りには絵文字が刻まれており、中央の台座部分には紫色の水晶玉のようなのが見える。

 

「おお、何ここ!!」「うわぁ、綺麗…。」

 

ネプ姉妹は驚いているが、永守は冷静に周りを見渡し、直感したのか刻まれた絵文字へと近づく。

 

「えい君、どうしたの?」

「分からないが、これを解読したら俺が来た理由がわかるかもしれない。断定は出来ないが…。」

「それなら、私も手伝います。」

「それじゃあ、先ずは絵文字の解読からだね!!」

「何とか読めそうだな。兎に角、解読してみるか。」

「これ全部読み終えたら、お宝とか出たりして。…そう思ったらちょっと面白そう!」

 

最初の方は、初代女神達が争っていたこと、国民のクーデターによりタリという国が崩壊したことが書かれていた。…ネプテューヌは途中から飽きて岩場付近で座っている。続きは以下の通りとなっている。

 

“タリ崩壊後、残った女神達による争いは続いていた。しかし、突如『終焉(エンド)』という悪魔が現れる。それと同時に一人の男が『タイム・ポータル』を通じて天から降りてきた。彼もまた闇の力を持った片翼の天使でありながら、正義の心を持ち女神の味方をし、終焉の野望を阻止。彼を「ルシファー」と称えることとなる。”

 

「(タイム・ポータル…。あの転送装置を完璧にしても、ここに転送されていたのか?)魔族側でありながら、女神側に付き同族に反逆したからでルシファーか…?」

「ルシファーって何でしょうか?」

「俺が知る範囲では、神の方針に反発し天界を追放され、それでも尚自らの信念を通し、天界と戦った…と記憶している。まぁ、ここに書いている事が正しければ、悪魔からしたら裏切り者扱いだろうな。」

「空から降ってきたってのは、えい君と同じだね。」

「馬鹿言うな。俺に翼はない。」

「あはは…。」

 

そんな事をしていると、永守の胸元から光が出ているのに気づく。正確にはドックタグが光り出してる。水晶玉の方を見ると、水晶玉の方も光っている。

 

「ドックタグが、共鳴しているのか?」

「ちょ、えい君!?」

「あ、危ないよ!」

 

永守は水晶玉の方へ歩み寄っており、ネプテューヌとネプギアも心配そうに後ろを付いてく。すると、水晶玉からドックタグへ力が流れているのを感じる。そしてドックタグが急に強く光り出す。

 

「くっ…!」「わぁ!」「うわ眩し!」

 

光が徐々に弱まっていくと、3人は互いを見る。特に異変はないようだ。ただし、ドックタグがアミュレットみたいなのに変わっているのだった。

 

「ドックタグが…。」

「一体、何だったのかな?」

「さぁな。只、こいつから不思議な力が入ったのは事実であり、ここに来た理由が1つ増えてしまったくらいか。」

「結局お宝じゃなくて、歴史の勉強って感じだったね。それじゃあ教会に帰ろっか!」

「うん!」

 

「(…入口から殺気を感じる。)」

 

 

 

 

 

“ドグオォォオオォォーーーーーーーン”

 

 

 

 

 

突如、入口側の天井から何かが降ってきたのである。3人は入口の方へ視線を向ける。そこには3m級の「ゴーレム」がいた。しかし、ネプテューヌとネプギアが知っているゴーレムとは何かが違う。そのゴーレムは、両足はあるが両腕がなく、右腕側に巨大な鎖鉄球が付いており、頭部分には水晶玉がめり込んでいる。こっちの世界でのモンスターは非常に個性や可愛さがあるが、今目の前にいるのはとてもゲイムギョウ界としては、場違いな雰囲気で悪魔の城や最後の物語的なRPGに帰ってくれ的な存在である。突然の出来事でネプ姉妹は固まっていたが、ネプテューヌと永守は鉄球を振りかぶろうとするのを目視した。が、ネプギアは驚きを隠せず動けない状態であった。

 

「わわっ!」「くっ…!」

 

永守はネプギアを抱えつつ、ネプテューヌとは反対方向に横へ飛び移る。元いた場所には鉄球がめり込んでおり、間一髪で避けた感じである。

 

「大丈夫か、ネプテューヌ!」

「うん、こっちはへーき。」

「す、すみません永守さん…!」

 

永守はネプギアを下し、懐に手を入れ、右手に軍式のバタフライナイフ、左手にリボルバーを取り出し持つ。すると短剣に鎌鼬が集う。

 

「おお?それが、えい君の能力?」

「まぁ、その1つってとこだ。」

「ここは倒さないと通れなさそうだね。ネプギア、えい君、行くよ!」

「うん、お姉ちゃん!」

「おう。」

 

ゴーレムからの追撃が来るが、3人の能力が高いのか軽くあしらい攻撃態勢に入る。ネプテューヌは太刀、ネプギアはビームソードを構え3人は接近する。

 

「ちぇすとぉ!」

「行きます!」

「ふんっ!」

 

永守は牽制射撃をしつつ、ネプテューヌとネプギアが交差するように胴体に斬りかかり、永守の風を纏った右手を水平に振ると、真空刃とも言える鎌鼬が現れ斬撃の如く当たる。…が、効果は今ひとつのようだ。ゴーレムからの更なる追撃が来るがこれを軽く回避する。

 

「ねぷぅ!効いてない!?」

「手加減してないのに…!」

「攻撃事態は単純だが、奴の装甲は堅いようだ。」

「これじゃジリ貧だよ、早く終わってゴロゴロ出来ると思ったのにぃ。」

「お、お姉ちゃん。本音が漏れてるよ…。」

「恐らく弱点は、頭の水晶玉だろう。」

「でも、あの高さじゃ遠距離攻撃じゃないと届かないよ。」

「むむむ、これは変身した方がよさそうだね。」

「…俺にいい考えがある。俺が奴の注意を引き動きを止める。ネプテューヌは変身後に奴の頭部を破壊してくれ。ネプギアは万が一に備えてネプテューヌの援護を頼む。」

「それじゃあ、えい君が一番危ないよ!」

「永守さんに何かあったら…!」

「信じろ、多くの死線を乗り越えた酔狂を見せてやるさ。」

「おぉ、よく分からないけど、信じてみるよ。」

 

そう言いつつ、全員が頷くと永守は格闘の構えをしつつゴーレムに向かって猛ダッシュをした。そこにゴーレムの鎖鉄球が飛んでくるが、永守は前宙で飛び越える。

 

「体は堅くても足下はガラ空きだ。はぁあっ!」

 

そのまま勢いよくゴーレムの手前に落下しつつ、岩床にめり込むように拳を叩き付ける。すると、ゴーレムの足下が爆発するかのように崩壊し下半身が埋まる状態になり、上半身が転倒する。それと同時に永守は声をあげる。

 

「今だ!」

「変身するには十分だったわ。ネプギア、行くわよ!」

「この距離なら…!スラッシュウェーブ!」

「クロス、コンビネーション!」

 

ゴーレムの水晶玉目掛けて、ネプギアから放たれた地を這う衝撃波と、パープルハートによる華麗な連撃があたり、水晶玉が砕ける。それと同時に、ゴーレムの体は砕けて岩場だけが残る。

 

「終わったか。」

「ふぅ、なんとかなった…。」

「変身するまでもなかったかしら?」

「もう少し長引くかと思ったが、3対1じゃこうなるか。」

「まぁ、わたし達にかかれば余裕だよね!!」

 

ネプテューヌはいつの間にか元の姿に戻っており、早く帰ろうオーラを漂わせていた。

 

「それじゃあ帰ってゲームしようか。行こう、ネプギア、えい君。」

「うん。」

「…さっさと報酬頂く為に戻りますが。」

 

一行は神殿から出ることにした。突然、永守は足を止め水晶玉があった方を向く。

 

「っ!?(なんだ、視線?)」

「ん?どうしたの、えい君?」

「何か、あったのですか?」

「(この感じ、ニグーラに近いが…。気にしすぎか?)いや、何でもない。手伝ってくれたお礼だ、プリンでも奢るぜ。」

「プリン!わーいプリンー!!」

「永守さん。いいんですか?」

「これくらいしておかないと、なんか気が済まないんだ。まぁ、あいつが仕事頑張ってくれるかは別の話だが…。」

「多分、ご褒美あげても、お姉ちゃんは何時も通りだと思う…。」

 

ネプテューヌ一行は神殿を出ることにした。それを水晶玉がある場所の影から見ている、少年と本に乗った黒い妖精のような小さい少女がいた。

 

「ふ~ん。あれが、オメェが言った、地球を攻めていた“エンド”という奴を倒した男の1人なのか。感も鋭いし、中々面白い奴じゃないか。」

「本当だったら、エンドが2人とも殺っちゃって、悪魔の契約(ディアボロス・アグレメント)でボクらの右腕になる予定だったんだけどね。まぁ、1人はタイム・ポータルに巻き込まれたが、瀕死だしどのみち助からなから頃合いをみて契約しちゃうけど、あの男が女神側にいるのは誤算だよ。」

「でもオメェなら、今すぐあの3人を簡単にやっつけちゃえるんだろ?だったら暴れちゃってもいいじゃないか。」

「まーまー、焦らない、焦らない。確かに、今の女神含め、奴を殺すことは容易い。でも、今はその時じゃない。もう少し力を付けたうえで、圧倒的な力の差を見せ、少しずつ絶望を与えて、ゲイムギョウ界を滅亡に追い込むのも面白いじゃない?」

「確かにそれも面白そうだけど、でも万が一やられたら元もないだろ?」

「心配はいらないさ。今、とある魔女みたいな奴と、マスコットキャラ的な奴が、女神を陥れる為の計画を立てているんだ。そして、ボクはそれに便乗する。」

「ふーん。ま、オレは面白くなればなんでもいいけどな。ただ、早く知れくれよ?待つのって結構暇で面倒くさいからよ。」

「直、面白くなるさ。今は女神と平和を楽しむといい、獨斗永守。このボクは、エンドのようにはいかないよ。そして、必ず、ボクらの右腕となり、ゲイムギョウ界の崩壊に貢献して貰うよ。」

 

そう言い終わると2人はそこから一瞬で姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

初の戦闘シーンを導入してみましたが、こちらもまた言葉で表すと難しい。

まさかの評価が来るとは思っていませんでした。この場をお借りしてありがとうございます!

一応次回から本編開始予定です。

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