超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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Scene62 再燃する想い~Counterattack~

 

 

【ルウィー:外郭深部】

 

―――――永守脱出から暫く前………

 

私達は、謎の女性の手助けもあり、牢屋から脱出ことに成功しました。エースさんは自力で脱出したらしく、既に別行動をしているそうです。それで、現在はブランさんの案により、警備員に見つからないルート、ルウィーの外郭の深部に当たる場所を通り、そこにある使われなくなった洞窟通路を通り、再び教会に戻るというルートを通っている。流石に殆ど使われてないだけあってか、少数ですが何処からかモンスターが入ってきて、戦わざるを得ない状況にもなったりしています。

 

「ところで、プルルート。」

「ほぇ、なぁにノワールちゃん。」

「この国を取り返すって言ったはいいけど、何か案でも考えてるの?」

 

休憩できるスペースに移動し、唐突にノワールさんがプルちゃんに対して、どういう案でこの国を取り戻すかとプルちゃんに聞いてきました。…あぁ、なんだろう。一緒にいる時期が長いせいか、なんとなく次の返答がわかるような…。

 

「それはぁ…えっとぉ~………。ねぇ、ナナちゃん。なにかなぁい?」

「あぁ、やっぱり…。」

「…分かり切ってたけど、聞いた私が馬鹿みたい…。」

 

今回は国を揺るがしかねない出来事にも関わらず、いつも通り平常運航のプルちゃんだった。此方としても、出来る事なら一番いい結果になるのがいいのだけれど。

 

「…本当に漫才みたいね、あなた達の会話は。」

「えへへ~、それほどでもぉ。」

「プルちゃん、褒め言葉じゃないですよ…。」

「そう思うなら、あなたもツッコミに回ってくれると助かるんだけど?」

「…わたしは観客として見てるので満足よ。」

 

そんなことはお構いなしに、“ねぇねぇ~”と私とノワールさんの袖を無邪気に引っ張るプルちゃん。そんなプルちゃんにノワールさんも、“考えてるから待って!”とヤケクソ気味になってしまう。

 

「…今更、普通に大臣を倒したとしても、意味がないわね。」

「そうですね…幾ら大臣が悪い人だったとしても、それを広める手段がなければ…。」

「わたしのシェアは失われたまま…。」

「そういえば、あの兵士さん達が言ってた全国放送って何するんでしょうね…。」

「まぁ、あの大臣からして考えられるのは、この国のトップは私だ!と全国放送するんじゃないかしら…。」

「…そうだとしたら、随分と手回しのいい…クソムカつくぜ…。」

「ブランちゃん~、喋り方おかしくなってるよ~?」

 

全員で兎に角考えてみるも、中々いい案が出てこない。…が、突然と電が降ってきたように、閃きが…!!

 

『放送…それだっ!!』

「わぁ!どうしたのぉ、二人共ぉ。」

 

どうやら、ノワールさんも放送という事で何か閃いたらしい。恐らく、同じことを考えているはず。

 

「放送でどうする心算…?」

「ピンチでもありますが、チャンスでもありますよ。」

「ナナも気づいたのね。そう、その放送を逆に利用して、あの大臣の悪事を全部暴けば…。」

「…!!全て、ひっくり返るわね…。」

「わぁ、ノワールちゃん、ナナちゃん、あったまい~!!」

「後は、あの男が変に騒ぎを起こさないことね。…ま、頭脳派と思ってたどこぞの女神様は、この程度の事も思いつかなかったみたいだけどね。」

「…あんま調子に乗ってんじゃねーぞ…。わたしは今、本調子じゃねーだけだからな。」

「はいはい、分かりやすい負け惜しみをどうも。」

「てめー…。」

 

なんでしょう。協力すると言っても、表面上は協力するという雰囲気ですね。まぁ…第一印象が最悪なのも拍子に掛かってるのでしょうね。

 

「もぉ~、喧嘩しちゃだめだよぉ。」

「まぁまぁ二人共、今は喧嘩する場面じゃないですよ。」

「ふんっ。今だけは協力するけど、この件が終わっても私は手抜きはしないわ。アンタの国なんて…目じゃない程、シェアを集めるんだから…!」

「はっ!それはこっちのセリフだ。本調子になったら、てめーなんか直ぐ抜いてやらぁ!!」

「むぅ…。」「はぁ…。」

 

どうもこの二人は、仲良くなるにはきっかけがない限り、犬猿の関係が続きそうですね。

 

 

 

 

 

【ルウィー教会:城内】

 

とりあえず収集はつき、再び教会へ戻る事ができました。とは言え、目を合わせた途端、火花が飛び散りそうな程まだまだ険悪といいますか…。そんな時、廊下の曲がり角から何かがやってきた。

 

「あ~!!ネズミさんまだいたんだぁ~!!」

「ぢゅぢゅっ、女神…!!ひぇー捕まったっちゅ、は、HA・NA・SEっちゅ!!」

 

来た何かを一瞬で理解したのか、プルちゃんは人形を抱くように“ソレ”をムギュゥっとする。そう、二足歩行の二頭身ネズミ“ワレチュー”がそこに居たのだった。

 

『あんた(てめー)…!!』

「お、オイラは今回呼ばれただけで、オイラは何も悪くないっちゅよ!!…オイラは悪くねぇっちゅよ!!」

「…何で言い直したんですか。」

「でもぉ、ブランちゃんに酷い事した事は、確かだよねぇ~。」

 

…いつの間にかプルちゃんが女神化し、尻尾を掴んでワレチューが逆さまになっている。

 

「ぢゅー!ゆ、許してっぢゅ!な、何でもするっぢゅからぁあああ!!」

『へぇ(ほぅ)(ふーん)…」

「な、何っちゅか。その目は…。」

「あなた、今何でもするって言ったわよね。」

「ええ、間違いなくコイツは言ったわ。」

「はっきり言いましたね。」

「…はっ!!しまったっちゅ…。」

 

余りの必死さに、自分が何を言ったかを理解し、更に青ざめてしまう。…どれだけプルちゃんがトラウマになっちゃったのか分かりやすい。

 

「ま、まさか、オイラを取って食べるつもりっちゅか!!いくらネズミが食べられるからって、それは一部の団体が黙ってないっちゅよ!!」

「そんな事はしないわよぉ。ただぁ、さっきみたいにカメラを持って回してほしいだけ…。」

「か、カメラを?どういう事っちゅか?」

「これから、大臣の所に向かうのですよ。」

「それで、あなたにカメラを回して、今回の悪事を認めさせて潔白させるって訳。」

「…ねぇ、簡単でしょ?だからぁ、このお願い聞いてくれるわよねぇ?」

「も、もちろん、YESっちゅ!!」

 

流石に、この状況で“No”とは言えないですよね。言ったら言ったで違う未来が待ってそうですが。しかし、ワレチューが“あっ”と何かを思い出したかのように言いだす。

 

「そ、そういえば、オイラが逃げる前に、あの男が現れたっちゅよ…!!」

「あの男…もしかして、そいつサングラスとフード付きパーカー着てる…。」

「そ、そうっちゅ!!でも今頃、あのオッサンのエリート集団にやられてるかもしれないっちゅよ。」

 

それを聞き、ワレチューに大臣の元まで道案内をしてもらう事になった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「お前達如きに、右腕を開放する必要もない…。」

「ば…馬鹿な…わ、わしの目に狂いがあったと言うのかっ!!」

「狂いはない。全員素質はある…だが、接近戦は銃よりナイフの方が上だ。おまけに、持っている武器を過信しすぎていた。敗因はそれだけだ。」

 

ワレチューの道案内もあり、大臣を見つけることが出来た。…が、私達の心配とは裏腹に、顎が外れたように口を開けている大臣、その片隅にエリート兵士と思われる人達が倒れていた。

 

「大臣…!!」

「ぬぅ、なんと…!!嫌なタイミングで女神共も合流するとは…。」

「まさか殺してはないですよね…?」

「神経を絞めて、少しの間眠ってるだけだ。時期に起きる。」

「その銃は…?」

「そこの警備兵が持っていた、内臓電池で熱を発して放出する熱光線銃{ブラスターガン}だ。女神に風穴開けるには若干物足りないが、耐久面以外では申し分ない。」

「あなた…そんなことも知らされてなかったの?」

「う、うるせー…!!」

「…で、誰だアンタ。」

「もぅ、何言ってるのよぉ。あたしよ、あ・た・し。」

「…こりゃまた随分と…女神化は摩訶不思議だ。」

「ふぅん、その割には、あんまり驚いてないわねぇ…。」

 

兵士達は生きているそうです。見た限り外傷もないので、本当に絞め技で落としたというべきでしょうか。プルちゃんの女神姿を見たエースさんは、どういう訳か一瞬目を見開いたように見えたのですが、あまり驚いていない様子。…まぁ。これで心着なく、大本命と渡り合えるって事ですね。

 

「…覚悟しろよ、てめー…。」

「おお、怖い怖い…。だが…あれ程嫌っていた女神共と協力するとは、節操のない事で…。」

「う、うるせー!!こうなったのも、全部てめーのせいで…。」

 

大臣の言った言葉が不服なのか女神化はするものの、不満げな表情のノワールさんがいる。本当譲れないんですね、そこは…。あっと、私とブランさんだけ女神化してない。この流れに乗っておかないと…。

 

「別に、私はルウィーの為に動いてるわけじゃないわ。…個人的に、あなたを思いっきりぶっ飛ばしたいだけよ!!エース、今回は余計な真似をするんじゃないわよ。そこの特等席で、私の実力を見てなさい!!」

「ふふ、いいわねぇ。あの豚さんが、泣きわめくのを見るのも悪くなさそうねぇ…。えー君、戦わないのなら、これ持ってて頂戴。」

「ぢゅー!!オイラはボールじゃないっちゅよ!!」

「っ…。…ここは女神でやる事に意味があるのは確かだが…。」

 

エースさんは、戦わないことを最初から決めていたのか、素直に従っています。それで、投げられたワレチューをキャッチする。なんだか、キャッチした時の力強さがあったのか、“ムギュゥっ”ワレチューが言ったような気が…。

 

「…ん、んん。エースさん。そこのカメラを、そのネズミさんに持たせて下さい。撮影タイミングは、此方から出しますので。」

「分かった。」

「降参するなら今の内ですよ。まさか、女神4人とまともに相手する心算で?」

「っ…。」

 

この状況に対して、後退りをしようとする大臣に不服なのか挑発し、大臣の負けシーンを世界中に見せしめたいプルちゃん。しかし、大臣は悔しがっていたが突然笑いだす。

 

「本当に、その映像を流してしまっていいのかのぅ?」

「はぁ?何よ、突然。時間稼ぎの心算?」

「まぁ…少々、放送的に問題ありそうな場面にはなりそうですね…。」

「ん~、ナナちゃぁん。何か言ったぁ?」

「…いえ。」

 

こんな時に漫才をしている場合ではないのですが、どうやら大臣が言いたいことはそういう事ではないらしい。

 

「そういう事ではない。さっき、女神が4人と言ったが、3人の間違いじゃないか?」

 

大臣がそう言いつつ、顔でブランさんの方を刺している。私達はブランさんの方を見ると、まだ変身していない。それどころか、大臣の言った事が図星だったのか、顔を俯かせてしまう。

 

「ちょっと、何ぐずぐずしてるのよ。さっさと変身しなさいよ!こっちはあなたの国の為に、仕方なくやってるのよ!!」

「…変身…できない。シェアが、少なすぎて…わたしは…。」

「ふぅん、あの映像を流していながら、まだ信仰心があるのは予想外じゃ。だが…いやはや、変身もままならないのでは、女神の力とは不便じゃなぁ!!」

 

まるで、この状況や作戦を、見透かしたかのような言い回しを試笑い出す大臣を前に、手も足もでない状態です。

 

「何言ってるのよ。こいつが居なくたって、私達3人で済ませばいいことじゃないのよ!」

「…ノワール。大体の予想はつくが、牢屋の中でこの国を取り戻す為に、今ここにいるんだろ?」

「だったら何よ。こいつをぶっ飛ばす事になんら変わりはないじゃないの!!」

「女神ホワイトハート抜きで事を済ませば…ルウィーの住民は、お前達3人。厳密に言えば、プラネテューヌとラステイションに信仰する事になる。…後は、分かるな。」

「あ…そっか…。面倒な事を…。」

「迂闊でした…あの放送でそれほど信仰心が無くなっていたなんて…。」

「ふぅん、ブランちゃん変身出来ないんだぁ…。」

「ぐふふふふ…僅かながら信仰心があるのは不可解だが、それでもいいのなら、このわしを好きにするがいい。女神自らの手で、ルウィーに幕を降ろすというのならなぁ!!」

 

…何となくですが、その僅かな信仰心を出している人物には見当がつく。ですが、それだけではブランさんを女神化させる程には至らない。作戦事態に間違いはない。しかし、土台作りを怠った為に、ブランさんの変身が出来る、出来ないの判断材料を省いてしまっていた。うん、とりあえずプルちゃんはブランさんをペットにしちゃおう見たいな目で見るのはやめようよ…。ブランさんの方を見ると、また自分のせいと思われる表情で、拳を力強く握っている。

 

「くっそぉ…なんだよ、この状況…。また、わたしが足を引っ張るなんて…。」

「ねぇ、また泣いちゃうのぉ?本当にブランちゃんは、泣き虫なんだからぁ。」

「な、な、泣いてねーよ!…けど、こんなの、悔しすぎるだろーが…!」

「ふふ、いいわぁその表情…見てて飽きないわぁ…。でもぉ、あたしねぇ、とぉーっておきのを閃いたのよぉ。」

「な、なんだよ、閃いたって…。」

 

若干、聞き捨ててはならないような言葉はあったものの、プルちゃんが何か閃いたらしい。ただ、今までの事があったからか、ブランさんはプルちゃんに後退りしている。

 

「あたしねぇ、意地っ張りで、プライドが高くて生意気で…それでいて、本当は内気で泣き虫な可愛らしいブランちゃんを、信仰してあげる。あなたもそうよねぇ、えー君?」

「………。」

「…なんだよそれ…貶してんのか、褒めてんのかわかんねー言い方しやがって…。」

 

僅かながら感じていた信仰心というのは、やはりエースさんでした。エースさんの態度が“こいつ、見破ってたのか”ともとれるように顔を背けている。女神中のプルちゃんは、普段からは想像できない程に流れの掴み方、閃きは群を抜いて凄い。しかし―――――

 

「ねぇ、ナナ…そういうのってアリなの?」

「分かりません。」

 

そう、ルウィーの人々から信仰心としてのシェアは分かる。しかしながら、他国の女神が信仰して、シェアを増やせるかどうかは未知数です。

 

「…ですが、信仰心…その人を想う気持ちがあれば、もしかしたら不可能ではないはず…。だから、ブランさん…。私も、あなたを信仰します。」

「…!!シェアが、集まってくる…。」

「な、なんじゃとぉ…!?」

 

どうやら、上手くいっているようで流石の大臣も驚きを隠せていない様子です。しかし、女神化するには僅かシェアが足りないらしく、ノワールさんにも信仰するよう促す。

 

「わ、私も?…なんか納得出来ないけど、まぁ…女神の先輩として、ほんの少しだけ信仰してあげてもいいかもね。」

「あなた達…、…これならっ!!」

 

次の瞬間、ブランさんの身体から光が放ち、捕まる前に見た女神ホワイトハートへと変わる。

 

「ば、馬鹿なぁ!!あの少ないシェアで、女神化出来るなどと…!!」

「出来た…変身、出来たぜ…!ははは…はははははは!!これで舞台は整ったってとこか…心置きなく、てめーをぶん殴れる訳だぜ。覚悟しやがれ!!」

「あらあら、変身出来た途端にこの強気…でも、こっちのブランちゃんも可愛くて、悪くないわぁ。」

「…全く、世話の焼ける女神様なんだから。」

「さて、これで女神4人となりましたが…もう、降参しても遅いですよ?」

「ぬぬぬ…まさか、このような事態になるとは…。」

 

まさに、追い詰められた小物と言うべきでしょうか。明らかに想定外な事が起き、更に大臣は後退りをし、渡り廊下の壁に背を当てる。だが、大臣は悪あがきの如く、エースさんに交渉をしようとする。

 

「おい、そこの!!さっきの話、飲んでくれぬか!!交渉金額を倍にする…いや、上手くいった暁には、世界の半分を渡しても構わん…!!」

「………。」

 

どうやら、お金で動かそうと企んでいたらしく、幾らになるか分からないですが、更に跳ね上げて大臣側に寄せようと企んでいる。…しかし、エースさんも芯が強いようで―――――

 

「所詮、アンタも小物か…。」

「な、なんじゃと…わしが、小物…!!」

「仮にも、上に立つ気でいるんだろ?ならば、この場を乗り切ってみろ。こんな状況で、助けを求めるトップに従う気はない。ブラン…いや、女神ホワイトハート。思う存分やってしまうといい。」

「はっ、てめーに言われなくても、わたしはもうあのヤローを許す気なんか、これっぽっちもねーよ!」

 

内心、私とノワールさんは安心している。確かに、今日雇ったばかりの状態で、契約金無し、給料も無しで同行している状態。もしも、お金で大臣側に回ったら、まだあの人は何かを隠している以上、苦戦を強いられる可能性は十分あったでしょう。ですが、それも消えた…後は目の前にいる大臣をフルボッコにすればいいだけの話。…ワレチューは今のエースさんが、無意識にヘッドロックしちゃったらしく、黙り込んでしまっています。

 

「だが、ここで女神をまとめて葬り去れば、全ての国がわしの手中に…!!」

「出来もしねー事を口にしてんじゃねーぞ。」

「くくく、今の言葉、わしの切り札を見てでもいえるかのぉ?」

 

大臣がポケットに手を突っ込んだ次の瞬間、何処からとも無くロボットのようなのが現れ、大臣はそれに乗り込む。

 

「見よ!女神を研究し、練りに練りつつルウィーの国家予算を横領して作った、このパワードスーツを!!」

「………!!」

「な、なんだと…!!」

「…あなた、国家予算まで…と言うより、大臣に管理させてた訳?」

「…流石に、管理が杜撰じゃないでしょうか?」

「う、うるせーな!!今は、あのヤローを打っ潰す事に集中しやがれ!!」

 

何でしょう、パワードスーツというからには、着込むタイプかと思いましたが、まさかの乗り込むタイプだったとは…しかし、大臣が用意したパワードスーツ、どこかで見た事があるような…。それに、そのパワードスーツを見たエースさんも、まるで見覚えのあるのが登場して驚いたように、前のめりになっているのを見てしまう。…ですが、今はそんなのを考えてる場合ではありませんね。

 

「ぐふふふ、ふははははは!!女神共め、このパワードスーツの性能の前に、ひれ伏すがいい!!」

「阿保か、んなだっせーの、粉々にしてやんぜ!!私を怒らせた事、あの世で後悔させてやらぁ!!」

「待ちなさいよ。殺しちゃったら、悪事を暴けなくなるわよ。」

「…半殺しならいいんじゃないですか?」

「ナナ…あなたねぇ…。」

「ふふ、やっと始まるのねぇ。…それじゃあ、ネズミさん。カメラ、よろしくぅ。」

「っ!!ら、らじゃーっちゅ!!」

 

プルちゃんの言葉が気付け薬になったのか、気絶していたワレチューが起き上がり、直ぐにカメラを取り出し撮影を開始しているのが分かる。…完全にプルちゃんがトラウマになっているのでしょうね。

 

「来るわよ!!構えて!!」

「いくぞぉ、女神共ぉ!!」

 

 

 

 

 

 


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