最後まで読んで下さってる方は何人いるかも気になりますが…。
―――――私達は、過去を乗り越え、希望溢れる世界を創る事を、ここに誓います――――――
ここプラネテューヌのプラネタワー前で、今まさに新しい歴史を刻む為の“友好条約”の式典が行われている。紫色で胸元が大胆にも開いているドレスに、明るい紫色の三つ編を2つ下した髪型をしたパープルハートことネプテューヌ。黒いミニスカ風のレースドレスを身にまとい、白く輝く銀色の長い髪をしたブラックハートことノワール。白いドレスに薄水色で長い揉み上げが特徴のホワイトハートことブラン。豊満な胸を強調する緑のグラデーションが掛かったドレスに身を包み、美しいロングポニーテールを
コードネーム“エース”こと、獨斗永守。俺は今、この友好条約を一般席…でなく、プラネテューヌ代表の席にいる。場所はアイエフの隣になる。昨日着たばかりで且つ、特例で補佐となった俺が、この場に居合わせていいのか不安だったが、ネプテューヌやイストワールの許可もありこの席にいる。しかし、あれが各国家の女神であり女神化という奴か。拍手をしながらだが驚きを隠せない。まぁ、一番驚いたのはネプテューヌの女神化なのだが。
【友好条約開始の数十分前】
「ネプテューヌさん。式典のスピーチはちゃんと覚えましたか?」
「だいじょぶだいじょぶー!もうバッチリだよ!」
友好条約の式典が開始する前のプラネタワー内の一室の事。若干心配を払いきれないイストワールに、Vサインをするネプテューヌがいる。この状態でのネプテューヌが宣言しても、威厳とかないような気がしたが、どうも話によると女神は“女神化”という一種の変身ができ、それで宣言をするとのことだ。しかし、気になるのはやはりネプテューヌの女神化だ。
「そういえば、まだえい君はわたしの女神化って見た事ないよね?」
「…俺の心を読んだのか?」
「一応確認ですが、国民からの女神を信じる心がシェアエナジーの源となっていて、それを開放した状態…といえばわかりますか?」
「本来であれば、私も女神化できるはずなんだけど、私含めて、ユニちゃん、ロムちゃん、ラムちゃんはまだ女神化できないの。」
「女神だけが出来る芸当か。」
「きっとえい君も驚くよ!それじゃ、変身するから、その目でよーく見てね!刮目せよ!!」
ネプテューヌの周り輝き、変身が始まる。髪が長くなり、三つ編を2つ下した髪型となりつつ、身長も伸び美しい体つきへ変わる。普段はユニットという戦闘用スーツらしいが、今回は友好条約の件で紫色の胸元が大胆にも開いているドレスとなる。
「…変身完了。」
「おh…。」
「ふふ、どう?驚いたでしょ?…あんま表情は変わってないみたいだけど。」
「悪いな、表情硬くて。これでも結構、驚いてんだ。」
ヒーローモノの変身かと思っていたが、雰囲気がガラリと変わるとは思っていなかった。しかし、今の俺の首と視線は明後日の方向を向いている。意識してはないが、どうも今のパープルハートことネプテューヌの衣装が、俺の脳には刺激が強すぎたみたいだ。こんな時に嫌な癖に気づくとは。
「目が泳いでるようにみえるけど、大丈夫?」
「…今日初めて分かった癖なんでね。」
そんな他愛もない話?をしていると、友好条約開始の時間が近づいてきた。
「それじゃ、わたしは行くわね。えい君、ちゃんと見ててね?」
変身してもその呼び方は変わらないのか…中身はネプテューヌだと理解した。
友好条約の式典が無事終わり夜となる。プラネテューヌの教会であるプラネタワーの展望台で、祝祭パーティーをする事となっている。俺はサングラスを取りに一度部屋に戻って、展望台に向かって廊下を歩いている。今はスーツ姿であるので、周りからみたらどこかのボディーガードマンか?と思うような恰好である。
パーティー会場である展望台の扉を開けると、そこは講演会場以上の広さがあり、プラネタワーから照らされる明かりが、展望台を芸術品の如く照らしている。既に先客が多数おり、ベランダの方にネプテューヌがいて、その周りには料理や飲み物、デザート等充実したテーブルがあたりにある。
「来たわね、えい君。」
「もう居たのか。時間にルーズそうだと思ったがな。」
「こっちのわたしだと、結構真面目なのよ?」
「そーなのかー。(棒)」
「ちょっと、棒読みだし何処ぞの妖怪みたいになってるわよ…。まぁいいわ、ここから一望できる夜景、凄いでしょ?」
「確かに、これは絶景だ。」
プラネテューヌを一望でき、夜景としては打って付けの場所とも言える。超巨大な大都会の夜景っと言った感じだろうか。見渡す限り、建物の明かりがあり、それが一層幻想的に見える。ふと声が後ろから聞こえたので振り向く。
「やっぱり。ここに居たのね、ネプテューヌ、永守。」
「ブラックハート様。…いや、ノワールか?」
「あら、良く分かったわね。」
「雰囲気…か?」
「ところでノワール。何の用なの?」
「皆集まったし、乾杯するから探したのよ。こっちとしては、いつまで待たせる気?ってことよ。」
「そう、皆集まったのね。それじゃ、行きましょ。」
適当に開いているテーブルに寄り、職員から飲み物が入ったグラスを受け取る。すると、誰かが此方に来ているのが見える。
「てめぇが昨日イストワールが言っていた、異世界から来た獨斗永守だな?」
「ああ、間違いないが…。」
威圧感ある乱暴な口調でこちらに話しかけてくる薄水色の髪の女性が話しかけてくる。この人がホワイトハートかな?
「貴方は、ホワイトハート様か?」
「へぇ、良く知ってるな。一応挨拶するが、てめぇの言う通り、わたしはホワイトハート。本名はブランだ。ついでだが、改まった言い方はいらねぇよ。」
「ブラン、貴方は初対面の方に少々粗すぎませんの?横から失礼しますわ。わたくしはグリーンハートことベールですわ。以後お見知り置きを。」
「これはご丁寧にベール様。私は…」
「獨斗永守さんですわね?イストワールから聞いておりますわ。それに、様付けとか、そんな硬くならなく“ベール”で構いませんわよ?」
「…分かった。極力失礼のないようにする。」
ホワイトハートことブランとグリーンハートことベールにも軽く挨拶を交わすと、更に集まってくるかのように、二人の女の子が来る。
「いたいた!お兄さんが噂のど〇えもんね!」
「…お兄さん、ど〇えもんなの?(おろおろ)」
「死んでないのに、凄い覚えられ方だな…。この子達は?」
「わたしの妹達だ。ほらおめぇら、自己紹介しな。」
「はいはーい!ラムちゃんでーす!期待の女神候補生でロムちゃんの妹でーす!」
「ろ、ロム、です。宜しく…お願いします。(そわそわ)」
この子達はブランの言う妹で双子のようだ。内気で人見知りっぽく水色のドレスを着ているのが姉のロム。長髪で元気ハツラツなピンク色のドレスを着ている方が妹のラムという。似てはいるが、性格がまるで正反対だ。ラムの方が姉に見える。そうしている内に、またこちらに数名来ているのが見える。
「こんばんは、永守さん。」
「ユニか、こんばんは。」
「随分と賑わってるじゃないの。貴方、大人気ね。」
「はいです、永守さん大人気です!」
「…困る程大人気なのだが。」
ユニ、アイエフ、コンパも此方に来て、更に賑やかになる。まるで動物園にいる動物を見に来るかのように集まっている感じだ。
「挨拶は済んだかしら?あまり周りを待たせるのもあれですし、えい君の歓迎含め、友好条約締結の乾杯をしましょ?」
ネプテューヌがそういうと、各自グラスを持ち、それを見たネプテューヌは口を開く。
「それでは、四ヵ国による友好条約の締結により、より良いゲイムギョウ界へとなる願いを込めて…乾杯!」
そして周りからは「乾杯」の合唱が響き渡る。俺は周りの人に乾杯を交えていると、ネプテューヌがこっちに寄って来た。
「それじゃ改めて、これから宜しくね。えい君。」
「こちらこそ、暫くは頼らせて貰うがな。」
そうして、俺はネプテューヌとグラスを交わした。
「………、旨い。」
俺は今、テーブルにある様々な料理を味わって食べているが、手が止まらない。ああ、焦るな焦るな、丁寧によく味わって食べよう。…そんな事を思っている俺がいた。今までまともな食事に有り付けなかった反動なのか…。良くて即席ラーメン。時間がない時はカロリーゼリーやらエネルギースティックあたりしか食べれなかったもんだからな。ガムは許容範囲…最悪雑草や土…いや、今はあんな地獄じゃないのだから考えるのは止めよう。しかし、どいつもこいつも口の中に入れると、旨味の戦争が起きている。
「随分と美味しそうに食べるわね…。」
「今まで落ち着いて飯に有り付けなかったもんでね。空腹時は、ガムで凌いでいた時もあった。」
「なんか、話を聞いた以上に過酷だったのね…。」
「それだけ環境や物資がやばかったって事だ。」
「今日の日の為に腕に寄りを掛けて作ったですよ!」
「…これ全部、コンパが作ったのか?」
「はいです!まだまだあるので、どんどん食べちゃって下さいね!」
そんな事をしていると、ベランダの方にネプテューヌがいて、ネプテューヌの体が光り出す。
「ひゃっほーい!おわったおわった!!」
「貴方は、ホントに落差が激しいわね…。」
「ネプテューヌばかり目立つのは気にいらねぇな。じゃんけんで決めたのは失敗だったぜ。」
「んもーブランは、そういうのは無しって最初に決めたでしょ?」
「そうですわよ?今更後悔しても大人気ないですわ。」
ノワール、ブラン、ベールの体が光り出し、元の姿に戻る。ノワールは昨日見た時のまんまだ。ブランは、あの乱暴な印象から180度変わったかのような、如何にも大人しく真面目そうな女性へ変わる。一方ベールは、緑色のポニーテールから、三つ編みで後頭部を結んでいる美しい黄色の長髪へ…印象はあんま変わらない感じはする。
「それよりもさ、ノワール!どうだったわたしのスピーチ?」
「そ、そうね。よかったんじゃないの?…どうせイストワールに頼んで書いたんでしょうけど。」
「ん~!わたしだって考えたんだからね!!」
「一行だけだよな。」
「ちょ!えい君それ言わないお約束!!」
それと同時に周りから笑い声が響き渡る。
あれから数時間経ち、パーティーも終わり、参加者は元の国へ帰るか予約済みのホテル等に帰っていった。後片付けが終わり、ライトアップもなくなり薄暗くなっている展望台のベランダで、余った酒を注いでいたグラスを左手に持ち、ベランダから夜街を眺めている。
「(酒を飲むなんて何年振りだろうな。以前の世界でも、こんな光景はあった。だが、託されたとはいえ、俺は親友すら守ることができなかった…。)くそっ…。」
いつの間にか右手を手すりに手を掛けており、力強く握りしめていて手すりがミシミシと鳴り響いている。そうしてると、横からネプテューヌが覗いて来ていた。
「どーしたのえい君、難しい顔なんかしてさ?あと、手すりが壊れちゃう。」
「ネプテューヌか。…少し考え事をな。」
「考え事?そんな難しく考えると余計迷宮入りしちゃうよ。それよりさ、暇だったらゲームしよーよ!」
「…今から?」
「うん!まだまだ、夜はこれからだよ!!」
「はぁ…少しだけだぞ。」
俺は飲みかけの酒を流し込み、ネプテューヌに付いて行くことにした。
「(…今は過去のことを考えるのはやめよう。ここは地球じゃなくてゲイムギョウ界。ここへ来た理由もだが、今を生きる事、貢献する事、そして…)この世界を守る事…。」
「んん、何か言った?」
「独り言だ。気にしないでくれ。」
因みに、この後ネプギア合流し一緒にゲームをしたが、30分程度で切り上げ就寝準備をした。一方ネプテューヌはそのまま続けていたらしくイストワールに怒られていたのを就寝前に見たのであった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
ようやく本編に入った…のですが、少々オリジナルストーリーを挟む予定です。
キャラ設定もその内公開予定。