超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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話の内容自体は脳内である程度出来てましたが、いざ文章にしてみると、中々難しいですね。


BFE~ようこそ、こんにちは、ゲイムギョウ界編~
Scene01 空から舞い降りた傷だらけの戦士


 

 

 

 

 

『友好条約』

 

 

 

 

 

それは、現実とは別の世界と言っても過言では無い、次元に存在する世界“ゲイムギョウ界”で各国の女神によって交わされた条例の一つである。西方にある、女神“パープルハート”が守護している斜め上の尖った技術を持った未来志向都市プラネテューヌ。東方に女神“ブラックハート”が守護する技術都市ラステイション。北方に女神“ホワイトハート”が守護する白き魔法国家でもあるルウィー。海を越えた南方に女神“グリーンハート”が守護する独特な技術を持つリーンボックス。嘗ては初代女神たちによる、シェアの奪い合い、即ち自分の国がNo1だということを“力”、“武力”で証明する為だけに、四女神は長い間争いを続け、周囲にも膨大な損害を与えたという歴史がある。その中でも“タリショック”はこの世界ではかなり有名な歴史となっている。それを打開する為、現在の四女神達は交渉の末、武力でのシェアの奪い合いを禁ずる条約『友好条約』を結び、過去の争いの際に使っていた武器を、各国に封印する事で成立した。

 

これは、そんな友好条約宣言が開催される前日に起きた事である。

 

 

 

 

 

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「ねーねー!これどうかなぁ?あ、ここはちょっとセクシー路線でこんなのもいいかな!」

 

時刻は午前10時前後。プラネテューヌの教会の一室で、とても選んでいる本人にはサイズ的な意味で着れそうにないドレスが並んでおり、それを選別している少女が騒いでいる。彼女の名前は“ネプテューヌ”。ここプラネテューヌを守護する女神パープルハート本人である。その光景を、女神候補生であるネプテューヌの妹“ネプギア”が苦笑しつつ見ている。そこに、ふわふわと浮いていて、妖精のようであり、プラネテューヌの教祖でもある“イストワール”がネプテューヌに怒り気味に言う。

 

「ネプテューヌさん!衣装決めよりも、明日の宣言文は考えましたか?」

「え~、そんなのアドリブでいいじゃないの?ほらわたし、主人公だし!」

「一体その自信はどこから来るのですか…。」

 

Prrrrr―――――

 

そんな会話をしていると、電話が鳴り響きネプギアが電話に出る。

 

「あ、ノワールさん?」

「ノワールから?珍しいね、これから雨でも降っちゃう?」

 

電話の相手はラステイションのノワールからだった。ネプテューヌは電話の相手が珍しいのか、衣装選びをやめてネプギアの元へ歩み寄る。ネプギアは相槌を入れつつ、電話を切り内容を伝える。

 

「ノワールさんからだけど、今からラステイションの教会に来てほしいって…。」

「何々?友好条約前に寂しくなって会いたくなっちゃったのかな?」

「いや、それはないと思うよ?ちょっと慌てた感じだったし。」

 

具体的には、ラステイション教会付近の湖で、強いエネルギー反応が一瞬だけあり調査をしたいところだが、明日の友好条約の準備の件で少々席を外すことになるので、どうせ暇してるだろうという事で、代わりに調べてくれないかという内容だった。それを聞いたネプテューヌは、どうしようかなぁっという面倒そうな態度を醸し出している。それを見たイストワールは、溜め息をつく。

 

「はぁ…、宣言文は私の方で考えておきますので、ネプテューヌさんはラステイションに向かって下さい。ネプギアさんもお願いしますね。ネプテューヌさんだけじゃ心配なですので。」

「え~?わたし一人じゃ心配なの?」

「心配です。」

「あれぇ…?」

 

そんなことがあり、ネプテューヌとネプギアは渋々ラステイションへ向かう事となった。

 

 

 

 

 

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【数十分前】

 

ラステイション教会付近にある湖の屋根付きテラスに、一人の少女が落ち込んだ様子で、ため息を付きつつ椅子に座っている。彼女はラステイションの女神ブラックハートこと、ノワールの妹であり女神候補生の“ユニ”である。褒められたい為に頑張っているが、現段階では空回りしており仕事が上手くいかず、ここで心を落ち着かせているようである。

 

(はぁ…、どうしたら、お姉ちゃんみたいにうまく出来るのかな…。)

 

そんな事を考えていたが、顔を両手で優しく叩いて気持ちを切り替えようとする。

 

(ダメダメ…、こんなの私じゃない。こんなことで悩んでたらネプギアに負けちゃうじゃない。)

 

そんな事を思いつつ背伸びついでに上を向いたら、空から何か落ちてきているのが見えた。なんだろうという疑問を持ち、テラスの手すりから少し身を出して覗いてみた。よく見えないので目を凝らしながら見てみた。

 

―――人だ。人が紐無しで、パラシュートなしでスカイダイビングをしているのが見えた。

 

「え…えぇーーー!?」

 

軽くパニック状態である。その混乱状態に更に追い打ちをかけるかのような驚くべき光景でもある。最初こそ凄い速度で落下していたが、なんと少しずつであるが、徐々に減速して落下しているのである。まるで夢でも見ているのかと思う光景である。そして湖の水面へ着水し、勢いよく水飛沫が飛び散る。助けにいったほうがいいのか悩んでいると、直ぐ近くで水面に空気が溢れているのが見えた。

 

「ぶはぁ…!!

「わわっ!?」

 

あまりの出来事に驚いて、尻餅をついてしまう。先ほど空から降ってきた人なのか、軍服のような服を着た男が水面から出てきたのだ。その男はテラスの手すりにつかまりよじ登り、雪崩れ込むようにテラス内に入ってきた。軍服のような服は、所々ボロボロになっているが、驚くべきことに“親方!空から人が!”と思う程で、それなりの速度で着水したにも関わらず、無傷に近いのだから…。

 

「し、死ぬかと思った。星占いでも確認しときゃ良かったぜ…。」

 

どうやら、男の方も結構驚いているようだ。色々と思考を巡らせていたが、何者なのか気になるので、勇気を振り絞り、声を掛けてみた。

 

「あ、あの、大丈夫ですか…?」

 

 

 

 

 

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俺は声のする方に顔を向け話し出す。そこには長い黒髪でツーサイド結びをしつつ、黒いノースリーブワンピースのような服を着た女の子が前かがみでこっちを見ていた。一部始終を見ていたのか、驚きを隠せてない表情をしている。兎に角、事を大きくしたくはないし、情報収集もしなければならない。大丈夫的なのを言いつつ、ここは何処なのかも聞いておこう。

 

「ああ、何とか…。一つ聞きたいのだが、ここはゲイムギョウカイか?」

「え…?ええ、ここは確かにゲイムギョウ界で、ここはラステイションですが…?」

「ラステイション?この街の名前か?…聞いたことない名前だし、転送は出来たのか。」

「転送…?一体何の話を…。」

 

まぁ、いきなり空から降ってきた上に、転送とか言っちゃ疑問を感じるよな。とりあえず、軽く自己紹介した方が良さそうだよな。

 

「失礼、名前ぐらいは言わなければ…。俺は、永守、獨斗永守(どくとえいす)だ。」

「あ、アタシはユニって言います。このラステイションの教会の女神候補生です。とりあえず、教会に来てください。そのままじゃ、風邪引いちゃいますよ?」

 

確かに。ボロボロの軍服も一般の人から見たら怪しいとか、心配な目線で見られてしまうな。しかし、女神様の候補生とな?どうも俺の知っている女神と違うなと思いつつ、“分かった”と告げてついていくことにした。

 

教会の目の前まで来て、教会に入ろうとした時だった。

 

「おーい、ユニちゃーん!」

 

後ろから声がしたので振り返って見る。そこには、二人の少女がいて、元気そうな方が手を振りながら、ユニの名前を言っていて、その後ろからもう一人の女の子が追いかけてきている。姉妹だろうかと俺は思った。

 

「あ、ネプテューヌさん!それにネプギア!なんでここに?」

「ノワールさんから電話があって、強いエネルギー反応があったって事だから、代わりにその調査をしてほしいって連絡があったの。」

「…で、このずぶ濡れの人、誰?」

 

ネプテューヌという子が俺の方を向きつつ首を横にして言う。とりあえず、俺はこのずぶ濡れの状態をどうにかしたいのだが…。

 

「お、お姉ちゃん。詳しいことは中に入ってから聞こうよ。」

 

お姉ちゃん?そっちの方が妹さんなのか…なんか変わった姉妹だな。そうして教会の中へ入るのだった。

 

 

 

 

 

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ラステイションのとある一室で、用意されたタオルで体を拭き、用意された服を着る。サングラスはヒビが入っているので仕舞っておくことにした。服は何故かスーツだったが、濡れた服よりはいいし、サイズはぴったりだから文句はない。ちなみに、道具一式は調査という形で預けられている。ドックタグだけは回収されなかったが…。

 

「しかし…なんだ、このマークは…。」

 

一見ただのドックタグなのだが、表側にPCの起動ボタンの印が付いている。まぁ、押しても何も起きないのだが…。今は考えていても仕方ないと考えつつ、4人の集まるところへ向かった。

 

 

 

 

 

そんなことをしている間に、ここラステイションの教会の女神であるノワールが帰ってきていたので、全員軽く挨拶をして事の話をした。それから、永守は地球という別世界から来たこととここまでの出来事、超能力が使える事、「ニグーラ」という化け物との戦いの件等隠さず説明をした。ケンシの事も一応話したが、こっちの時間の流れがわからないし、過去か未来かも分からないから生死は不明である。あと、言葉は気を遣わなくていいとの事なので、だいぶ砕けた感じに話している。敬語は色々と堅くなるのだから…。

 

「ちょっとちょっと!わたし主人公なのに重要人物である“えい君”に自己紹介の場面省かれたってどういうことなの!!」

「お、お姉ちゃん…誰に言ってるの…?」

 

そんな中、一人騒いでるネプテューヌにノワールは呆れた感じをしており、ユニは苦笑している。永守は早速ニックネーム呼ばわりされており、え?っという表情をしていた。

 

「それにしても女神…か。俺の知っている女神は、実態がなく空想上の存在であり信仰として讃えている感じだが…。」

「でも、ここゲイムギョウ界じゃ、女神は当たり前のことだよ!」

 

兎に角、永守は自分の知っている、持っている常識が一部食い違うという事は把握した。

 

「にしても貴方、軍人というには随分と物騒な物持ってるのね…。」

 

映画が持っていた荷物を広げておりノワールは言う。ガンホルスターに入っていた357口径のリボルバー1丁。50口径のリボルバー2丁。先端が曲がっている45口径拳銃が一丁にそれぞれの銃に対応した弾丸。軍用タイプのバタフライナイフ。それに携帯電話(スマホ)に財布、ジッポライター。軍手でなく籠手がある。オマケに50口径のリボルバーにはオプションがかなり付いている。あと、さっきから出ている銃を触りたそうにユニがチラッチラッと見ている事に気づく。

 

「まぁ、銃は俺のお気に入りなんだが。…触りたいなら触ってもいいぞ?」

「い、いいの?じゃあお言葉に甘えて…。」

 

永守がそう言い、ユニは銃を調べ始める。結構手慣れた手つきをしていると永守は理解する。それと、思い出したかのように、首に掛けているドックタグを取り出す。

 

「一つ確認したい。こっちに来た時に気づいたんだが、この模様、なんだかわかるか?」

「これ、私達女神と同じマークじゃない!?」

「あー!ホントだー!」

 

ノワールとネプテューヌが驚いたように言う。

 

「なるほど、このマークは女神の象徴とも言えるのか。しかし、何故俺のドックタグに刻まれているのかが気になる。」

 

それを言うと皆悩んでしまう。そんな悩んでいる中、ハッと思いついたかのようにノワールは言う。

 

「ところで、これからどうするの?こっちは明日の友好条約の事もあって、教会とかに部屋がないけど。泊まる場所とかどうするの?」

「そうだな。金を稼げる場所があれば、そこで稼いで寝床でも探すさ。」

 

永守は持ち物を身につけつつ、そう告げる。そうすると、ネプテューヌが手を上げて永守に話しかける。

 

「じゃあさ、プラネテューヌに行って考えようよ。多分住めると思うよ!難しい事考えても仕方ないし、いーすんなら何とかしてくれるでしょ!」

「住まわせるのは大丈夫かと思うけど、いーすんさんが許可出してくれるかな?」

 

何か閃いたかの如く、ネプテューヌが言うが、ちょっと心配そうにネプギアが言う。…なんかこの子不安要素が多い気がする。ノワールも溜め息ついてるし、ユニも苦笑するしかない雰囲気を出している。

 

「ネプギア、ここは考えるより行動あるのみだよ!そうと決まれば帰るよ!」

「ま、待ってよ、お姉ちゃーん!」

 

そう言って、ルンルンステップで教会から帰ろうとするネプテューヌ。ネプギアはそれを追いかける。ノワールは、”もう帰っちゃうの!”とか言ってるが全く聞いてない感じである。

 

「ああいう友達持つのって、苦労してそうだな。」

「と、友達!?ね、ネプテューヌは友達じゃなくて、ら、ライバルよ!」

 

…この反応、これがリアルツンデレって奴か。まぁそれは置いといて…。

 

「明日の、友好条約だっけか?あの子の事だから、多分俺も参加する事になるよな…。参加する事になったら明日も宜しく頼む。」

「あ、ちょっと待って。街の外はモンスターが生息してるから、ネプテューヌから離れないようにしてよ。」

「…化け物なら前の世界で見飽きるくらいみたがな。気をつけるよ。」

 

軽く挨拶をし、ネプテューヌを追いかける。どうも帰りも歩きのようだが、特に好戦的なモンスターはいないので、危険もなくプラネテューヌに着くことができた。しかし、ここのモンスターは随分と可愛い見た目のが多いなと実感した永守であった。

 

 

 

 

 

時刻は夕方になっていた。ここプラネテューヌ教会内での出来事。

 

「全く、ネプテューヌさんは…。明日友好条約の宣言があると言うのに、どうしてこう問題を一つ増やすのですか。」

「ね、ねぷぅ。」

 

案の定、叱られてしゅんっとなっているネプテューヌであった。提案としては、見知らぬ世界を彷徨う俺を教会に住まわせ、あわよくば仕事を手伝ってくれ的な事をイストワールに告げていた。ネプギアも前者の件には同意している。そうそう、教会に着いたら女性が2人いて、青いロングコートを羽織っていて、四つ葉のクローバのような髪飾りをつけている諜報部所属の“アイエフ”、桃色のカチューシャにセーターのような服を着ている看護師見習いの“コンパ”、最早読者には説明不要でもあるいーすんこと“イストワール”に軽く挨拶を交わした後の光景である。

 

「そうよ、ネプ子。明日の友好条約はただの宣言じゃないはずよ?」

「でも、あいちゃん。特に問題は起きてないし、いいんじゃないですか?」

 

そうしている内に、叱り終わったのかイストワールが永守のところに来る。

 

「お待たせしました。事情は聞いております。恐らく不安な事もあると思いますが、暫くはここプラネテューヌの教会で保護する事になりますが、宜しいですか?」

「野宿するよりは、有り難い。承知した。」

「ところで部屋はどうするの?空き部屋とかあるの?なかったら、私とネプギアと一緒に?」

「後者は全力でお断りする。」

「安心してください。空き部屋はありますよ。必要最低限整ってるので、ご自由に使っても構いませんよ。」

「それは有り難いな。」

「それじゃ決まりだね!これから宜しくね、えい君!」

「此方こそ宜しく頼む。それに、ネプギア、イストワール、アイエフ、コンパも、皆、宜しく頼む。」

 

ネプテューヌと右手で握手を交わしつつ、全員にも交わす。

 

 

ちなみに、今後寝泊まりする部屋は個室だが、一人暮らしの小さなアパートよりは広く困ることはない感じだった。あと、イストワールが俺の役職を特別枠として『プラネテューヌの女神補佐及びハンター見習い』と言う席を貰い、明日開催される友好条約にも参加する事になった。これでゲイムギョウ界は平和になるとは言ってるが、俺はこれを見る為に来たとは到底思えない…。

 

 

 

 

 

 




 ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

 今回はテストを兼ねて、会話の鉤括弧部分の間を入れない状態で投稿してみました。行き成りオリジナル展開な上、前回同様、スタート地点をラステイション。出現時期を友好条約宣言の前日にしてみました。少々オリジナル路線が続くかと思いますが、もし興味があれば、次回も宜しくお願いします。

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