超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

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Scene23 妹達の覚悟~Flapping of Little Feather~

 

 

 

 

 

リーンボックスのVRが置いてある場所にて、全員が集まっている。そこで4女神救出に向けて、候補生達が変身できる切っ掛けを掴む為、実践モードで特訓する事となった。俺とジンが敵役、アイエフは情報収集の為、スミレに案内されベールの作業場で作業をする、コンパは万が一怪我とかした場合に備えて医療品の準備をしている。

 

「兄貴、VRは何時でも行けるぜ。」

「よし、準備はいいか?」

「何時でも行けます!」

「万事OKよ。」

「頑張ってお姉ちゃん達を助けるもん!」

「頑張る…!」

 

そうしてVRのスイッチを入れようとした時だった。

 

「待って下さい。私もネプギアちゃん達と特訓します!」

 

特訓を始めようとした時に、スミレが自分も特訓に参加すると言い出した。

 

「戦闘経験は…?」

「運動はしていましたが、戦う事は初めてです…。それに、私はこんな力を望んではいませんでした…。ですが、皆さんに迷惑を掛けてしまったこともありますし、何より私もベール姉さんを救いたい気持ちはあります!それで、この力が皆さんの為になるなら、私は逃げません…!」

 

どうやら、言っている事に嘘はないようだ。志を持った目をしている。それを聞いた候補生達はスミレの元に寄ってくる。

 

「一緒に、頑張ろう、ね。」

「ロムちゃんの言う通り、一緒にお姉ちゃん達を助けるわよ!」

「アンタ、いい事言うじゃない。ま、アタシ達と張り合えるよう頑張りなさい。」

「…私を、責めたりしないのですか?」

 

ネプギアがスミレの手を両手で握り、真っ直ぐと見つめる。

 

「ううん、スミレちゃんは何も悪い事なんてしてないよ。だから、一緒にお姉ちゃん達を助けれるよう、頑張ろうね。」

「…はい!」

 

どうやら、妹達とも打ち解けたようだ。

 

「ジン、弓の扱いは分かるか?」

「完全に扱えるかどうかと言われるとあれだが…。戦国時代の演劇時に、弓道をチョロっとやった程度だ。」

「なら、スミレとの特訓は任せた。」

「少し、納得はいかねぇが、しゃーないな。分かったぜ、兄貴。」

 

俺は、今回の危険度を叩き込みつつ士気を上げる為、全員に告げる。

 

「今回の相手は、今までのクエスト等で戦ったモンスターと比べてはならない。向こうの作戦勝ちとは言え、4女神達を封じる程の力を持つ相手だ。失敗は死を意味する可能性もある。だから、VRだからって手抜きや、いい加減な練習は、自らを散漫にし、おごりを生む事にもなる。」

 

それを聞いた途端、全員息を飲むように黙り込む。この程度で委縮するのなら、特訓はやめた方がいいと考えている。だが、あの姉あってあの妹だ…。皆いい目をしている。

 

「逆に、全力で取り組めば集中力をも養える。全てにおいて一つの行動が、どのような結果を生むか…。だが、考えすぎると恐怖で委縮する可能性もある。“助けたい。”この言葉を念頭にする事だ。」

『はいっ!!』

 

ネプギア達は互いに目を合わせて相槌をしつつ、いい返事をした。

 

「話が長くなってしまったな。さぁ…始めようか。…女神を、助ける為に。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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それから暫くVR特訓をし、全員の戦い方を分析し修正していく。

 

ネプギアは、潜在能力は恐らく高く、ファルコムと数度手合わせをしたこともあって、雑魚相手なら単独での切り込み隊長も問題なく行える。だが、戦い方が単調であり、パターン化されやすい為、思考の働くモンスターやベテラン相手では読まれると考え、攻撃パターンを考えつつ連携をするよう忠告する。

ユニは、以前の射撃訓練場での事もあり長銃の扱いに長け、動く敵に対しても正確な射撃が出来ている。狙撃手としては申し分ないが、接近された際も、肩越しを心がけており構えながらの機動力に難あり。更に、弾数を把握し切れていない場面もある為、体で残弾数を覚えなければならない。

ロムとラムは似ているが、ロムは支援寄り、ラムは攻撃寄りの魔法を得意としている。流石魔法大国だけあってか、強力な魔法を持っており合体魔法も扱えるようだ。接近されると打撃技術が単調な為、何かしらの対策が必要だが、二人の持っている杖が恐ろしく頑丈な為、簡単な棒術を教える。

俺は最近超能力に頼りっきりだった為、今一度、銃や能力に頼らず体一つでどこまで出来るかを試してみる事にした。

 

「これで、止めです!はぁああああっ!!」

 

最終チェック及び、更なるレベルアップを考えエンシェントドラゴンを筆頭に、360度の全方位からモンスガ―が襲い掛かってくるという、通常ではあり得ない状況設定での特訓をした。最初こそブーイングの嵐だったが、ゾンビパニックのように、下からワラワラ出てくることもあり得るかもしれない、という事も想定している。そんな状況下でも諦めず、候補生達は互いに協力し合い、今まさにネプギアが最後の敵である、VRのエンシェントドラゴンに止めを刺した所だ。因みに俺はその後、ジンの申し出により一対一での勝負をし、負かしておいたり、作られていた自分自身と戦ったりしてみた。

 

「ふぅ…。」

「凄いです、皆でエンシェントドラゴンを倒したです!」

「これが、女神候補生の実力…。」

「…見事な連携だ。」

「でも、随分と倒したけど、変身できるようにはならないわね…スミレはどうやってるのよ。」

「わ、私は、初めから出来たから何とも…。」

 

この特訓によって、ネプギア達は確実にレベルアップしたのは確かだが、候補生はまだ女神化できるまでには至っていない。

 

「でも、もっと倒してコツを掴めば…!」

「もう、その時間はないみたいよ。」

 

そう言って、アイエフはスマホを全員に見せるように出す。そこには一枚の画像が表示されており、その画像にはズーネ地区の廃棄物処理場で捕まっていたパープルハートの姿だった。更に、画像をスライドさせて、同様に捕まっているブラックハート、ホワイトハート、グリーンハートの画像もあり、当然ながら、全員それを見て驚く。

 

「アイエフさん、これって…?」

「無名による投稿だったけど、この画像が上がっているのを見つけたの。それも捕まった経緯も事細かく書かれていたわ。」

「他の人も見れるのか?」

「ええ。そうなると、間も無くゲイムギョウ界中に、この事が広まる事になるわ。つまり、これを国民が知ったら、急激にシェアが下がる事になりかねないわ。もしそうなったら…。」

「シェアクリスタルから、私達に与えられる力が無くなる。」

 

(さら)いになるが、女神は国民からの願いや信用によって生まれる“シェアエナジー”によって存命でき、同時に女神化する際にも必要となる。シェアエナジーが強ければ強い程、人望も厚いと言え、女神としての戦闘能力も飛躍的に高くなる。逆に、この力が少なくなれば、力が弱まるだけでなく、存命する事も厳しくなる。

 

「奴らの狙いは、4女神の抹消だけでなく、候補生の弱体化も狙っている。そうなれば、俺達だけでなく国民にも影響が出る。そして、誰も奴らを止められなくなる…。」

「なら、影響が出る前にお姉ちゃん達を助けなきゃ!」

 

全員がその事に同意したかのように頷く。だが、俺はバイクが破壊されて移動手段が難しい。ジンも乗り物は持ってないという。そんな時、スミレが試作段階だけといいのがあると言う。それを聞き、全員準備の為に部屋を出る事となる。俺はスミレの案内の前に、客間に置いていたアタッシュケースを取りにいく為、ガレージ集合という事で一旦別れる。

 

「こいつを試してみる時が来たか。」

 

M500のハンターモデル2丁。元いた世界で扱っていたリボルバーだ。流石に此奴の弾はこの世界では売ってない為、残弾は2丁に入ってる5発と2ローダー分だけだ。遠距離からでは弾かれるが、ゼロ距離でお見舞いすれば恐らくあのバリアは突破できるはずだ。M500をガンホルスターに入れ、ガレージの方へ向かう。

 

「兄貴、待ってたぜ。」

「永守さん、お待ちしてました。」

「…こいつは…。」

 

そこには、赤と緑色を基準としたバイク…。いや、これは伝説の海賊が使っていたようなエアーバイクだ。オプションとして更に2人乗れるサイドカーが付いている。此奴もエアーバイクと同じ性能を持っているらしい。

 

「本来であれば、水辺の上も浮いて走る事が出来る設計らしいのですが、上手く機能しないそうです。ですが、普通のバイクとして扱うのであれば、そこらにあるバイクとは比べ物にならない馬力を持っていると、ベール姉さんが言ってましたよ。」

「勝手に使って怒られないのか?」

「多分、怒るかもしれませんね…。」

「その時はその時だぜ兄貴。怒られたら謝る。それだけだろ?」

 

確かに、今は考えている時間はない。刻一刻と時間は過ぎ、本当に勝ち目がなくなってしまうかもしれない。

 

「…分かった。ここは有難く使わせて貰おう。」

 

そう言いつつ、ジンとスミレがサイドカーに乗ったのを確認し、エアーバイクにエンジンを掛ける。

 

「今度こそ、逃げも隠れもしない…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ネプテューヌ達が捕まってから数十時間が経過している。ズーネ地区の廃棄物処理場では依然と変わらず、結界の中に4女神が閉じ込められている。相当暇だったらしく、最初こそ“ゲームしたい!”とか要求したものの拒否され現在まで至る。ただ一つ、違う事を告げるなら、ネプテューヌ達が捕まっている結界の下に、黒い沼のような液体が少しずつだが、確実に溜まってきている。

 

「随分と溜まって来たわね…。」

「あれに飲み込まれたら、わたくし達はどうなってしまうのかしら…。」

 

得体の知れない結界の中に閉じ込められるだけでなく、徐々に溜まっていく黒い液体に不安が積もっていく。

 

「こんな事になるんだったら、対策を練るべきだったわ。わたしは自分から遠ざける事しか…。」

「まぁ、皆元気だそうよ!今んとこ大丈夫な訳だし、まだまだ希望はあるって。」

 

全員が不安になっている中、そんな空気を吹っ飛ばすようにネプテューヌが言うが、状況が状況なだけに、フォローになってないとネプテューヌ以外の3人は思ってしまう。

 

「貴方のそういう前向きさは嫌いじゃないけど…こういう時は流石に鬱陶しわね。」

「現実逃避ね…。」

 

ノワールとブランが、ネプテューヌの発言に対して反論染みた事を言う。

 

「だって、態々希望がないとか言うよりはさぁ。」

「可能性のない楽観だって訳に立たないわよ。」

 

現状、まだ何も起きてないのだから考える位は出来る。だが、情報が少ない上に身動きがとれない以上、打開策が全く見えてこないのである。そんな時だった。

 

「可能性ならありますわよ。」

「ねぷっ、もしかしてえい君のこと?」

 

永守なら、対策をして戻って来るとネプテューヌ、ノワール、ブランは考えていた。あの性格だ。いざとなったら再び一人で来るのでは無いかという不安もあった。エンデが言っていた右腕の事、そして逃げる際に一瞬だがサングラス越しに見えた紫色に輝いた瞳…。だが、ベールの答えは違った。

 

「それもありますが、居るじゃありませんか。貴女方の妹が…。それに、永守さんの仲間や、わたくしの所にも…。」

 

ベールの口から出た言葉に3人は驚く。永守なら分かる。しかし、そこには自分たちの妹に永守の仲間と言うのだ。それに対して3人は答える

 

「ユニ?あの子、実践では私抜きで戦った事は無いのよ?」

「ロムもラムも…まだまだ、わたしが守ってあげなきゃいけない歳だわ。」

「ネプギアだって、真面目だけど甘えん坊だから、無理じゃないかなぁ?えい君は分からないけど…。それに、えい君の仲間ってのも協力してくれるのかな?」

 

各々答えは違うが、実力や経験不足と言った答えだ。しかし、ベールはそれを覆すようにネプテューヌ達に言う。

 

「それは、貴女方のエゴではなくて?あの子達は、確かに可愛らしい。わたくしだって、あの子達は何時までも、あのままで居て欲しい…そう思いますわ。それに、わたくしも、本当の妹という訳ではありませんが、似たような子が出来ましたのよ。だから、貴女方の言う事も分かりますわ。でも、そんな想いが、あの子達を変身出来ない可愛らしい妹にしてしまっている。そうは思いませんこと?」

「ベール…貴女…。」

「それに、永守さんが居なければ、わたくし達は“転生者”という存在も知る事が出来なかった…。彼が居たからこそ、そんな人達、スミレちゃんと出会うことが出来ましたのよ。だからこそ、永守さんなら、きっとあの子達を纏めてくれるはずですわ。ここは一つ、あの子達を信じてはみませんこと?」

 

彼女達は振り返ってみる。獨斗永守…彼はゲイムギョウ界出身ではない完全な部外者であり、元の世界に帰る方法も分からないが、ゲイムギョウ界に忠を尽くすかのように動き、女神達の手助けを、時には命を掛けても守り通し、ゲイムギョウ界の平和に貢献してきた事を思い出す。彼が居なかったら今頃死んでいたかもしれない、彼が居なければシェアが下がるだけで無く、妹達を救えなかったかも知れない。彼がいなかったら、色々な人と出会えてなかったし、エンデによって殺されていたかもしれない…。

 

「来たっチュよ。案の定、女神の妹が、仲間を連れて戻ってきたっチュね。しかし、随分と多いっチュよ?」

「ふんっ。女神の妹を含め、何人来ようがここまで辿り着ける事など出来まい。そうだろう?お前達。」

「いいや、彼ならここにやってくるよ。きっと。」

「ほう、何か根拠でもあるのか?」

「まぁね。彼は僕と殺り合う為に再び戻ってきたに過ぎない。じゃなきゃ面白くないじゃない。」

「理由になってないぞガキ。奴らが何をしようが、ここまで辿り着くのは出来んのだよ。」

「おばさんも、万が一来た時の為に備えておきなよ。負けそうになっても僕は手伝わないからね?僕は永守という名の玩具と遊びたいだけなんだから。」

「…ふんっ。」

 

4女神達は、妹達が来たことに驚いたが、それでもここまで無事に辿り着く事を祈ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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[ズーネ地区:廃棄物処理場]

 

ズーネ地区へ到着した時には、既に日が暮れてしまっていた。リーンボックスの管理下であるが、今はマジェコンヌとワレチュー、そして宿敵ニグーラのエンデによって敵地と化している。

 

「ギアちゃん達、まだ変身できないのに…。スミレちゃんだけで大丈夫ですか…?」

 

ネットに女神が囚われている写真が掲示されてしまった為、特訓は中止しざるを得なかった。実質変身できるのは特権による恩義を受けたスミレ、そして半女神化が出来る俺だけだ。

 

「女神が失敗しても、国民は納得するでしょう。その方が、シェアの低下は少なく済むはず…。」

「それに、俺達も…兄貴も居るんだ。これ以上のチームは中々ねぇと思うぜ。」

「そうですけど…。」

「それにね、わたしも信じたいの。ネプギア達ならって。」

 

後ろからアイエフ達の会話が聞こえる。練習や実戦で出来なかった事が、急に出来るようになるというのは虫が良すぎる。…だが、今はその“奇跡”ってのを信じよう。彼女達なら出来ると…。

 

俺はNギアのカメラ機能を付け、念動力(テレキネシス)により天高く上げ、進行方向の周囲を撮影する。手元に戻ってきたNギアに映る画像を確認する。更に、アクティブ・ソナーを使い周辺の物体を探知する。

 

「反応から見て、ざっと20…見えない範囲も考えればそれ以上か…。」

「そんなのカンケーないよ。モンスターがいくらいようと、倒せばいいんだから!」

「モンスターがたくさんいても、やっつける…!」

「あれだけ多対少数の練習をしたんだから、アタシ達なら出来ないはずがないわよ。」

「ユニちゃんの言う通り、あれだけの練習をしてきましたからね。きっと上手く行きます…。」

「うん、きっと大丈夫。うまく行く。」

「そうだな…。厳しい戦いにはなるだろうが、派手な事は要らない。自分に出来る事を100%発揮してやる。そして、自分を信じる事だ。いいな?」

『はいっ!!』

「それじゃあ、準備はいい?」

『うん…!』

 

今の所自身に溢れている。戦意消失しない限りは問題ないだろう。だが、彼女達をここで消耗させる訳にはいかない。俺はエアーバイクに乗り、エンジンを掛け直す。

 

「永守さん?」「永守、どうしたのよ。」「永守お兄ちゃん…?」「永兄、何してるの?」

「ジン、隣に座れ。」

「兄貴、アンタ一体何を考えてんだ?」

「お前と俺が、このエアーバイクに乗りポイントマンとして先行する。先行して、討伐しつつ撹乱させる。発進して10秒ぐらいしたら、全員続くように突撃してくれ。」

「…切り込み隊長ってやつか?」

 

当然、それを聞いたジンとスミレ以外は驚き、大人しくしている訳がない。

 

「なっ!?アンタ、また無茶するっていうの!?」

「何言ってるのよ、永守!連携を大事にしろって言ったのアンタでしょ!」

「だ、ダメです!永守さんに、危険過ぎます!」

「ダメだよ永兄!!」

「やめて、お兄ちゃん…!」

「…何か、考えがあるのですか?」

 

全員が止めようとする中、スミレは俺の考えを聞こうとする。

 

「ああ、このエアーバイクの馬力ならまず追い付かれる事はない。今回の勝利の鍵となるのは、お前達女神候補生だ。だから、こんなところで大きく消耗させる訳にはいかない。そして、恐らくエンデは俺をターゲットにするはずだ。ならば、ここで少しでも温存して、マジェコンヌとの戦いに余力を全て掛ける。スミレは、ネプギア達のサポートに回ってくれ。」

「それで兄貴、俺は何をすればいいってんだよ。」

「こいつを使って討伐なり牽制なりしてくれ。予備弾が尽きたら俺が渡す。」

「…OK。」

 

サイドカーに座っているジンに、俺は突撃銃と357マグナムを渡す。一応、見様見真似は出来るらしい。だが、候補生達は納得できないようだ。ネプギアが俺の服の裾を掴む。

 

「それでも、永守さんが無茶する事は…。」

「あるさ。」

「え?」

「俺は、自分自身の本能で動いている。理由なんかない。俺はネプテューヌを助ける為に、突撃する事…。」

『………。』

「そして、最後まで決して諦めず、窮地に立たれようが、成功する事を考える。それだけの事だ。」

「全く、そういうとこは何処かの女神と妙に似てるわね。」

「アイエフ…。」

 

そう言って、アイエフは俺の元に来て肩を叩く。

 

「そこまで言うなら、必ず成功させなさいよ?失敗なんてしたらタタじゃ済ませないわよ?」

「だとよ兄貴。」

「…恩にきる。ジン、いいか?」

「何時でもいいぜ。」

 

そして、俺はハンドルグリップを捻り直し、エンジンを吹かせる。ある日を境に、戦いにこの身を捧げた、そして呪われたようなこの負の連鎖に終止符を打つ。

 

「今度は逃げも隠れもしない…。さぁ、ショータイムだ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【用語集】

○M500
 S&Wが誇る超弩級のリボルバー。今回登場させたのは、10.5インチのハンターモデルを二丁持ち。同じ50口径の砂漠の鷹とも言うデザートイーグルよりも、その威力も反動も桁違い言われ、撃ち手の保証がない銃とも言える。ただし、ある情報では一定距離以降は44マグナム弾と威力が大差ないと言われていたり、発砲時の火炎ガスの強烈な量(端から見たら、発砲と言うより爆発)が凄まじく、この火炎ガスは銃を劣化させてしまうとも言われている。また、片手打ちなんて好んでする人は先ず少ないと言う。今回はとある海外の某防衛ゲーのM500の二丁持ちを基準とする。

○これは伝説の海賊が使っていたようなエアーバイクだ。
 エアーバイクのモデルは、宇宙海賊で左手に銃を持つ男”コブラ”(アニメはスペースコブラ、またはCOBRA The Animation)に登場したエアーバイク。近未来的な世界なのに、宙を浮く乗り物がない…ような気がしたので登場させてみました。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


いよいよ、前半戦の終盤にさしあたる所まで書けました。要所要所の展開は考えているものの、構図が上手く出来てない…。どうやってバトルシーンを書こうか\(^o^)/

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