超次元ゲイムネプテューヌ~闇夜の円舞曲~   作:KeyMa

23 / 83
まさかPAYDAY2が無料配信しているとは…思わずDLしてしまいました。
とりあえず、今回が第一脱線回の最後となります。


Scene19 宿命を継し者~Nightmare~

 

 

 

 

リーンボックスの総合大病院に同時刻、3名が緊急搬送された。1人目は17歳前後と思われる失神状態の女性。強打を受けたと言われたが、外傷は殆ど見られないが様子見という事で入院。但し、再び目覚めた時に暴れる恐れがある為、ベールと警備付きとなっている。

 

2人目はジンと言う恰幅の良い男性。意識ははっきりしているが、腹部に鋭利な物で刺された跡があり、背中まで到達しているのが分かる。奇跡的に内蔵の損傷は少なく術式(オペ)も問題なく終わり、1週間後には退院できるとのこと。付き添い人として、ジンから連絡を受けたマーベラスAQLとサイバーコネクトツー、連絡を受けて慌てて来た日本一がいる。術式終了後、1時間程で目が覚める。

 

「…ここは…。」

「目が覚めたようだね。」

『よかったぁ…。』

「もう、心配したんだからね…!!」

「ごふっ!!」

 

ジンが無事だった事に安心したのか、日本一が力強くジンを抱きしめる。

 

「ああ、力強く抱き着いちゃいかんよ。それで、気分はどうかね…?」

「今は最悪さ…まるで飲料水に大量の栄養剤を混ぜたのを飲まされた気分だぜ…。」

「ちょっと、心配したアタシに酷くない!!」

 

そんな光景を見て他の人が苦笑する。そんな中、ジンが何かを思い出すように声を荒げる。

 

「…そうだ!!兄貴…いや、永守はどうした!!っつつ。」

「こらこら!急に大声を上げると傷口が開くぞ!同時に搬送された1人だね。彼は今この病院にいますよ。」

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

そして3人目はプラネテューヌの女神を庇い、搬送時は重症と言われた男“獨斗永守”。彼の活躍の御陰もあり、ネプテューヌは大した怪我もなく応急処置のみで済んだ。その連絡を聞きつけたラステイションとルウィーの女神が、仕事があるにも関わらず手術室前に集まってきたのである。

 

「ごめんね…えい君…わたしがいながら、こんな事になるなんて…。」

「お姉ちゃん、永守さんならきっと大丈夫だよ…。」

「そうよ、ネプテューヌ。貴方のせいじゃないわ。永守が簡単に死ぬとは思えないわよ。」

「確かに、あんなタフな男は見た事ないわ。それに、妹達が誘拐されて酷いことをしたのに、わたしを庇った上に、最後までわたしを信じてくれた…。まだ彼に恩を返してない状態で死なれちゃ困るわ。」

「…そうね。私も、永守には借りがあるわね。」

 

女神同士が励まし合っている中、手術室のランプが消え、中から執刀を担当した総長が出てくる。真っ先にネプテューヌは総長に向かう。

 

「先生!えい君は、えい君は助かったの!!」

「お、落ち着きたまえ。手術は成功しましたよ。」

 

その言葉を聞いて女神達は安堵する。だが、総長が聞きたいことがあるような表情をしている。

 

「…1つ聞いてもよろしいかな?彼に対して治療魔法とか行ったりしましたか?」

「え?わたしは回復魔法使えないし、薬草も使ってはないよ?」

「永守に、何かあったのかしら?」

「…結論から言うと、彼は人間離れした再生能力を持っています。それともう1つ。彼から不思議な感覚が出ているのを感じました。」

「不思議な感覚…それは一体?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「女神に似ている力…それと、何か触れてはいけない…そんな雰囲気を感じました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

「ここは…、俺は確か…。」

 

目を覚ますと、3回目となる漆黒の空間に仰向けの状態で目覚めた。だが、今までの空間とは何かが違った。足元には白いクレヨンのようなもので描かれた煉瓦のような道標。壁と思われる角の線。そして、その壁には子どもが落書きしたような絵が描いてある。しかし、描いてあるのは枯れた木々、人の目のようなものと不気味な空間となっている。…ふと思い出したかのように、エンデによって貫かれた後と右腕の袖を捲る。体は刺された跡どころか、かすり傷一つすらない状態だ。しかし、右腕は包帯のような布がグルグル巻きになっている。指の方も丁寧に一本ずつ巻いてある丁寧さだ。動かすだけなら特に何も変化はない俺の手であり痛みもない。…俺の体に何が起きているんだ?

 

「考えても仕方ない。進むしかなさそうだ。」

 

兎に角、この不気味な空間に止まっても話にならない。前に進んで情報を得る事が大事だろう。しかし、暫く進んでも全く変わり映えのない空間が広がっている。歩いても、歩いても、まるで永遠に続いているのか、はたまたループ空間にいるのか…。とは言え、足を止める気にはならない。ひたすらこの一本道を俺は只無心に歩いていくだけだ…。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

搬送されてから、2、3時間ぐらいかな?外はもう夕焼けが見えてるくらいに、えい君の手術が終わった。それで、暫くすれば麻酔が切れて目が覚めるだろうと言われて、病室でえい君が目覚めるのを待っているんだけど…。

 

「…全然目覚めないわね…。」

 

ノワールが小声でそんな事を言っている。手術が終わってから既に数時間が経っちゃってる…。もう面談時間が過ぎているからみんなは一旦帰る事にして、ベールに任せることになったよ。時間を見てはえい君の様子を見に(正確には抜け出してるけど気にしない!)行ってる。けど、入院してから3日が過ぎてるけど目が覚める様子がない。なんだろう、このまま目を覚まさないのかなと思うと、胸の奥がズキズキと痛くて苦しくなる。今までこんなことなかったのに…。

 

「えい君、お願い…。目を覚まして…。」

 

わたしはいつの間にかえい君の手を力強く握っていた。

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

「何時まで続くんだこの道は…。」

 

あれから、暫く歩き続けている。3時間ぐらいまでは時間を計っていたが、途中から放棄してしまい、何時間歩いているか既に分からない状態だ。なんというか、一人砂漠のど真ん中に放り出されたような気分だ…一本道だけどな。流石にそろそろ休暇…というより休憩所的なところが欲しいと思っている。

そう考えている時だ。目の前から誰かが来ている…?いや、動きが俺と同じだ。鏡でもあるのかと考えつつそこへ近づいていく。そこには等身大ぐらいの鏡があった。

 

「…鏡だったか。それに、ネプテューヌが言っていたのはこれか。」

 

サングラスを外し、右目を隠して左目を見開いて鏡を見る。確かにネプテューヌ達が女神化した時の瞳をしている。鏡を見つつ身なりを確認するが、右腕以外にも、右目側の髪が一ラインだけだが白髪になっている。鏡は触っても、夢の国や魔法学校へ繋がっている訳でもない。どうにかして戻し方を知る必要がある。少し後ろに下がり左右を見ても、一本道だった時の壁しかない。

 

「ここまで来て行き止まりか。面倒だが引き返すか。」

 

そう言いつつ後ろを振り向く。そこにあったであろう道の代わりに壁がある。再び鏡の方を見ると、その鏡に映っているのは俺ではなく、ゼロが映っている。だが、その鏡の向こうにいるゼロは、拳を振りぬき鏡にヒビを入れる。

 

「なっ…!」

 

すると、急に足元にヒビが入り、ガラスが割れるように床が抜ける。しかし、大体ビル2階ぐらいの高さから落下した程度で済んだようだ。しかしながら壁や床を含め黒一色だから、どこが床になっているか分からない為に距離が掴めず、そのまま床にビターンッ!と俯せ状態で叩きつけるように着地する。

 

「…地味にいてぇ…。」

 

そこまで痛くはないが、今の衝撃でサングラスが壊れてしまったらしく、鼻掛け部分から真っ二つに割れてしまった。打ち所が悪かったのか鼻血も少し出ている。ある意味見っとも無い状態だ…。寧ろ、どうしてこんなホラー要素が含まれているのかが謎過ぎる。顔を数回横に振り、鼻血を拭って正面を見ると、そこには屈み込んでいるゼロと、ゼロにお嬢様抱っこっぽくされている見知らぬ女性がいる。だが、二人の様子が何か変だった。ラズリーハートは植物人間状態のように眠っており、ゼロは屈みながら何か呟いている。俺は近づいて声を掛ける事にした。

 

「来たか、永守…。」

「ゼロ…一体何が起きているんだ。俺の体はどうなった。」

 

今までは黒一色の空間だったが、謎の落書きやら、ラリマーハートの様子等、既にこの空間に異変が起きているのが分かる。

 

「安心しろ、お前さんの体は無事だ。先ず、この空間についてが先だ。エンデによって、ペンダントが浸食されてしまった。」

「まさか、ここは俺が受け取ったペンダントの中で、奴はお前達の存在に気づいているということか?」

「だろうな。恐らく、これが、最後の接触になるかもな。」

 

どうやら、状況は最悪の方向に進んでいるようだ。俺にとっては協力者であり、奴に取っては、邪魔な存在を潰しに掛かっていると見た方が良さそうだ。

 

「この空間が歪んでしまったのは分かった。だが、彼女は何があった…。」

「その前の、その目をなんとかしたほうがよさそうだな。元の目をイメージしつつ、力を押さえてみろ。」

 

俺は、言われた通りに自分の前の目を、力を封じ込むイメージをした。すると、先ほどから左目や体にあった違和感が徐々に収まっていく。

 

「流石だな。素質だけで無くセンスも持ち合わせている。…さて、話を戻すとしよう。」

「頼む。」

 

そう言って、ゼロは彼女を床?に寝転ばせ立ち上がる。

 

「お前さんは、エンデと接触してしまった上に悪魔の契約(ディアボロス・アグレメント)を右腕に受けてしまったようだ。詳しくは分からないが、生物を悪魔へと変身させて、配下にする禁断の黒魔術のようだ。本来であれば、死人にのみ有効なのだが、どういう訳か奴は生きている生物にも可能にしているようだ。」

「それで、悪魔の契約(ディアボロス・アグレメント)と、俺の右腕がこうなってしまったのと関係はあるのか?」

「本来であれば、浸食が進めば化け物のようになっていただろうが、ペンダント…いや、彼女の御陰でお前さんは進行を防ぐだけでなく浸食も完全に防げるはずだった。どういう訳か奴の浸食力は想定外に強かった。」

 

胸元から、ドックタグだったペンダントを取り出す。どうやら、とんでもないお守りだったようだ。だが、話を聞く限り本来成すべき効果を発揮し切れていないようだ。

 

「おまけに、お前さんは奴の攻撃により重症になった…寧ろあれだけ受けておいて生きている方が驚きだ。」

「好きで頑丈になった訳じゃないが…。」

「だが、傷が想像より酷く出血死は免れない状態だった。そこで、俺とセグゥによってお前さんを助けたわけだ。悲報込みだが。」

「…この左目のことか。それと、セグゥとは?」

「彼女の本当の名前だ…。あのまま放置していれば死んでいた。そこで彼女は、お前さんの体内に“女神の力”を、俺は“ゾディアーク:影”を分け与えた。それによって傷を回復する事ができ、尚且つ悪魔の契約(ディアボロス・アグレメント)を相殺する事ができた。だが、お前さんは中途半端とはいえ同時に女神の力と闇の力を引き継いでしまった。それは即ち、半不老と闇の呪いだ。こればかりは謝っても許されないことだが…。」

「そうか…。」

 

俺は半分程だが人間を卒業したらしい。“俺は人間を止めるぞ!”と自ら望んだ形ではないがな…。

 

「…悲観はしないのだな。」

「好きで貰った訳ではないが、俺が生きるにはそうするしか無かっただろう。彼女の助けが無かったら、俺は奴の仲間入りになっていたはずだ。毒を持って毒を制す。それも悪くはない。それに、奴とは個人的にも決着を付けなければならない。」

 

奴に悪魔の契約の最中に、ついでと言わんばかりに、映像を流し込まれた。エンデらが復活した原因は、最高政府賢者が奴らの力を我が物にしようと復活させ、吸収に失敗したからだ。…それで地球が崩壊し、その真実を知らせて悲観させようとしたのだろう。確かに最高政府賢者というふざけた奴らのせいでこんな事になっている。だが、その撒いた種を誰かが回収しなければ、再び同じ事を繰り返してしまう。

 

「それで、具体的に俺は何の能力を受け継いだんだ?」

「済まないが、女神の力の方は模索してくれ。お前さんには闇側の変身が出来る。右腕にペンダントを翳してみろ。後ろに鏡を用意してある。変身し終わったら確認してみろ。」

 

俺は言われた通りに、ペンダントを右腕に翳す。すると、正義の味方が“変身!”や“蒸着!”と言った後のように、俺の周囲に黒い光が集まる。そして、黒い光が弾ける事で変身が完了したと判断し、後ろを振り向き、鏡をみる。黒いロングコート、ケープのような黒フードに、黒いマスク、コートの内は黒色スニーキングスーツのようなコンバットスーツ。まるでペスト医師やU.S.S.のベクターのようだ。それで、扱えることもまるで最初から知っていたかのように流れ込んでくる。トラベルハットは背中に吊るされている。

 

「これがゾディアークで変身後の俺か…。」

「見事だ。恐らくエンデに対抗するなら、ゾディアークは重要になる。だが、中途半端な為に、変身できる時間は持って10分だろう。恐らく、お前さんの持っている超能力も併用できるはずだから、上手くやりくりしてくれ。」

 

変身後も本来のスタイルで戦闘が出来るのは嬉しい所だ。さながらDMCのダンテやネロといった処だ。思わず彼らのように振舞えるなら、俺としても好都合だ。

 

「これで、4女神と束になって多々帰ればいいが…奴も馬鹿じゃない。何か対策をしているはずだ。それで、もう一つ聞きたい。深紅の石とはなんだ?それと、前に言っていた漆黒の石の事もだ。」

 

なんだかんだ、イメージ通りにするとゾディアーク状態が解除された。それで、以前にも話は次だと言っていた深紅の石と漆黒の石の事を聞かなければならない。対策を知っているのであれば尚更だ。

 

「…お前さんは、賢者の石を知っているか?」

「賢者の石…?小説とかでも目にしたことはある。錬金術士が目指す究極の目標だとか…。その小説では、不老不死の源と書いてあったな。」

「そんな感じで間違いはないな。」

「だが、その賢者の石と何の関係がある。」

「ところがどっこい。二つの石は実験課程で生まれた代物だ。禁断の為に賢者の石共々、存在は愚か、製法も全て抹消したはずだが…奴は持っていた。」

「それで、二つの石はどんな力を持っている。」

「深紅の石は見たな。あれは、所持者の力を増大させる効果がある。恐らくエンデは催眠効果を強めて、あの転生者に持たせて操ったのだろう。」

「…転生者は一人ではなかったのか。」

 

まさか転生者が複数人いるとは思っていなかった。それを説明するかのようにゼロは話す。

 

「俺も一人かと思っていたがな。彼女の経緯を調べたら、不自然なところがあったんでね。あくまでそう見ているだけだから詳しくは本人から聞かなきゃ分からん。」

「だが、一つ気になる事がある。深紅の石を持った時、何かが流れる感覚はしたが特に問題はなかった。だが、連れの二人は近づけるなという感じだった。」

「一説だが、賢者の石を含め深紅の石、漆黒の石は持ち主を選ぶという。お前さんとも相性がいいと判断されたんだろう。特に、お前さんは昔暗殺術を学んでいた関係も相まっている可能性すらある。」

「女神の力を持ちつつ闇の力に関与できるとは、皮肉な話だな…。それで、漆黒の石はどんな効果だ。」

「一説では闇の力を増幅すると言われている。恐らく、奴が強い要因はそこだろう。特に、夜になると力が更に増幅すると聞いたことがある。」

「だが、奴は昼に襲い掛かってきたぞ。」

「それも恐らくだが、昼にはどれ位の力が出るか試したかったのだろう。まぁ、これも本人に聞かなきゃ分からずじまいだがな。」

「…二つの石を奴から引き離すか破壊すれば…。」

「多分、奴は弱体化するだろう。危険も伴うだろう。」

 

しかし、その方法以外に勝機があるかと言われると現時点では考えにくい。圧倒的な力があればいいが、今持てる力と戦力で打開するしかない。

 

「何か考え事をしているようだが…、何を言っても奴と戦うんだな?」

「ああ。地球で共に戦い、亡くなった仲間の為にもやらなければ。」

「そうか…お前さんのような奴と、最後に出会えてよかった。」

 

ゼロが急に倒れ込んでしまった。まさか、セグゥと同じ状態になるといのか?

 

「おい、しっかりしろ…!」

「…力を渡して、眠くなってしまった…ようだ…。俺は暫く、彼女とゆっくりする…。」

「色々世話になった。…済まない。」

「謝るな…ここまでしたんた…。男なら…行動で、示せ…だろ?俺の愛する人が…悲しんじまう…。」

「分かった。」

 

そうすると、ゼロは眠るかのように目を閉じる。俺は、ラズリーハートをゼロの近くに運び、手を握らせる。握らせた時、二人が微笑んでいるように見えた。そうして、立ち上がり横を見ると光が漏れているのが見える。

 

「出口か?…二人から貰ったこの力、無駄にはしない。」

 

そう言いつつ眠る二人に近い、光の方へ歩み始めた。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

目を開けると、見覚えのない天井が見える。首だけで周りを見渡すが、薄暗くなっておりよく見えないが、病院関係の施設にいるという事と、夜か深夜だというのは分かる。正半紙を起こし時計を見ると0時なのが分かる。外傷は縫われたかどうかわからないが、包帯が巻かれているようだ。不思議な事にペンダントは身につけたままで、右手は…異空間で見た時と同じ、指先までビッシリと包帯で巻かれた手になっている。ふと横を見ると、椅子に座りながら上半身を此方のベッドに乗せて寝ているネプテューヌと、椅子に寄っかかって寝ているネプギアがいた。

 

「ふにゅ…えい君…そんなにプリン食べられないよぉ…。」

「(どんな夢見てるんだよ。それに、二人揃って寝ちまっている…。看病していたのだろうか。)おい、ネプテューヌ。」

 

俺は数回ネプテューヌの頭をぽんぽんっと叩いてみる。すると、目を擦りながら起きる。

 

「んあぁ~何するのさ、もう少しでプリンの海にダイブし…。」

「悪かったな、夢の中の取り込み中に起こしちまって。」

 

するとどうだ、まるで幽霊でも見たように目を丸くして此方を見ているではないか。

 

「…えい君?ほ、本物だよね?」

「何だよ、俺が影武者に見えるというのか。」

「………。え゙い゙ぐぅううううううんんんん!!!!」

「うぉ!夜中に五月蠅ぇぞ。」

 

大声で泣きながら抱きついてくるネプテューヌに思わず驚いてしまう。その大声に釣られてネプギアも起き、ネプテューヌと同じような反応をするのはまた別の話。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

「そうか、一週間も…。」

 

翌日の朝、俺がどうしてここに居るのか等を女神から聞き出した。どうやら、俺は一週間ここで意識を失っていたそうだ。異空間にいた時は、1日経っているとは思えない程だったが、異空間では時の流れが遅いのか?いや、そもそもあそこは精神世界ではないのか。…考えても仕方ない。で、二人が看病していた理由を聞くと、一応は心配していたのだが、プラネテューヌの仕事が終わるまで外出禁止令的なのをイストワールに告げられ(ネプテューヌは途中で抜け出したりしていたらしい)、死に物狂いで終わらせて一日外出券的な感じで、リーンボックス総合病院に駆けつけて面会時間無視の看病をしていたらしい。

 

「しかし、驚いたよ。君は人間離れした再生能力を持っているようだ。一体何をしたらそうなるというのだ?」

「さぁな、毎日山盛りのフレークと、肉体トレーニングのお陰かな?」

 

俺は冗談交じりで担当主事に言う。因みに、精密検査の結果異常は無かった為、退院してもいいと報告を受け、俺はプラネテューヌに帰ることにした。ただ、帰ったら帰ったで、何故か退院祝いパーティーをする事になったのはまた別の話…。

 

 

 

 

 

 

 

 




【用語集】

○異界化した異空間
 TEAM PSYKSKALLARが出しているガチ恐ホラゲーのある場面を言葉的に表現してみた。因みに、私は2作目の方をコンプはしてないがそこまでやった経験あり。

○変身・蒸着
 ここでは、仮面ライダーや宇宙刑事がコンバットスーツを身につける際の掛け声という意味。

○ペスト医師
 色々とあるが、ここではSCP-049のペスト医師の事を指す。

○U.S.S.のベクター
 バイオハザード:オペレーションラクーンシティに登場する、隠密行動と暗殺を得意とするアンブレラ社の特殊部隊の一人。因みに、私はオペレーションラクーンシティは未プレイ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

次回からは、アニメ路線に戻る予定です。
あと、キャラクター紹介に2名追加しましたので、興味があればどうぞ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。