暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜 作:さんめん軍曹
今回は前編含め3話構成の予定です。
そしてアクションシーンですので、表現にかなり気を使いました…
UAが2000超、お気に入りが41件と、大変嬉しい限りです。
それに加え、励ましのご感想もいただいて大変恐縮です…!
ちなみに今更ですが、設定は2016年辺りでアニメに準拠、獠の服装はアニメ1期&2期のものを使っています。
あとは、途中から皆様の脳内再生機能を拝借してMidnight lightningが流れます。タイミングはセルフサービスでw
では、本編をどぞ!
「いらっしゃいませ。ご注文は何にしましょうか」
「残念ながら、俺たちは客じゃない。そこの化け物供に用があるんだ」
「はて、化け物などどこにもおりませんが?強いて言うなら、私の目の前に猿供が二匹見えるだけですが。…客ではないのなら、こちらも遠慮する必要はないな」
殺気100%の営業スマイルを込めて、海坊主が接客を開始する。そして最後の言葉を合図に艦娘達は艤装を展開、全員が一斉に銃を向けた。
「遅い!あいつらいったい何してんだ?…お前、様子を見てこい」
「はっ!了解しました!」
下っ端と思われる黒スーツが店内へ行こうとした途端、変化が起きた。
ガシャーンと派手な音を立てて、人間が2人路上に飛び出す。
いや、正確には投げ出されたと言ったところだろうか。
外で待機していた敵どもが戦闘体勢をとるが、一瞬遅かった。
中から手榴弾が飛び出し、獠たちの車を掠めて反対側に停めてある黒のベンツに当たったのだ。
自分の足元に転がって来たそれを目視した男達は一目散に逃げ出す。そして、ベンツも巻き込んだ派手な爆発で敵があっけにとられている間に、獠と海坊主が飛び出し、海坊主がMG42、獠がパイソンと、反撃の隙を与えずに掃討していく。
獠達がそうしている間に、残りの女性陣はそれぞれの車に乗り込んだ。
特に艦娘2人は艤装を展開しているため、普通の弾丸では効果がない。そこで、彼女らを有事の切り札として、買い物に行った後そのまま停めてあった海坊主のM151に乗せた。
M151とは、いわゆるベトナム戦争に投入されたジープのことで、海坊主の所有している車は幌がないオープンタイプとなっており、艦娘達が遠慮なく砲を撃ち出せる構造である。
ミニを香、ポルシェは冴子、そしてジープの運転席には美樹が座っている。
3台のエンジン音を確認した獠たちは、ジープに飛び乗った。
「人通りがないな。まさかとは思うが…」
「ああ、そのまさかだ。ここら一帯はやつらの手で封鎖されているだろう」
「やっぱりな。鈴谷、相手の無線を傍受出来るか?何か情報がつかめるかもしれん」
「うん。実はねー、さっきからやってるよ。鈴谷たちを追って5台は来てるみたいじゃん?」
「後ろにいるガラの悪い車がそうじゃないかしら?」
バックミラーを見た美樹が声をかける。
後ろを振り向けば、確かに距離を取りつつ張り付いているベンツがいた。
「っかぁ〜〜、しつこいねぇ。どうする?」
「俺に任せろ」
海坊主は背負っていたグレネードランチャーを構え、後ろに向けてブッ放す。
榴弾は直撃して車を破壊するが、彼は不満な様子だ。
「フン!バズーカの方が威力はでかい。こいつは好かんな」
「んなこと言ってる場合かよ!車に乗ったらバックブラストでやられるって言ったのはお前だろうが!」
「るせぇ!女子供を傷つける真似はしたくねぇだけだ!」
「2人とも、喧嘩はやめてください!私が撃ってもいいんですよ?!」
「「道路に穴を開けるのはもっとダメだ!!」」
とても追われているようには思えない調子ではあるが、ここで獠のスマホが鳴る。相手は冴子からだ。
獠は話し終えると、全員に向かって呼びかける。
「冴子と香は先に例の場所に向かっているらしい!二手に分かれて、俺らが囮役をやれとさ!」
「あの女狐め!今度会ったらただじゃおかん!」
鈴谷と大和は同時に溜息をついた。
「「先が思いやられる…」」
獠と海坊主といえばドタバタですね。
そして海ちゃんにバズーカを持たせたかったのですが、バックブラストの問題がありあえてグレネードランチャーにしました。アニメだとバンバン撃ちまくってますよね(←ぉぃ)
海ちゃんといえばランクル!という方も当然いらっしゃるかと思いますが、私はどちらかと言うとアニメ版のジープが好きです。
ベトナム戦争モノの映画や他のアニメでちまちま見るこの車ですが、正式名称を知る方は少ないと思い、解説の意味も含めて書きました。
では、またお会いしましょう!次回もお楽しみに!