暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜 作:さんめん軍曹
はい、やっちまいましたよ…
急に何かが舞い降りて、こんな短い時間で3話落とすというとんでもないことをしでかしてしまいました…
予約投稿を活用してみますかね…
では、本編どーぞ!
「冴子じゃないか。そこに大和ちゃんがいるってことは、大隈中将関連か?」
「そうね。そこの鈴谷さんがあらかた話してくれたけど、実は佐伯元帥からもあなたへ依頼が来てるのよ。大和さんはその交渉に来たってわけ」
「はい。元帥から以前、冴羽さんにはお世話になったことがあると伺っております。今回もその件に関して、お力をお借りしたいと」
「大和さん…」
「安心していいのよ、鈴谷さん。実はあなたの鎮守府の提督が生前、この事を駒場大将を通じて知らせてくれたの。元帥や大本営もこの事態は重く見てるわ」
「なるほどね。獠、この依頼は受けるの?」
「当然だ。だが冴子、俺1人だけじゃどうにもならん。お前の力も貸してもらうぞ」
「いいわよ。ただし、もっこり3発分はチャラにしてもらえるかしら?」
「ぐっ…い、いいだろう。ただし、まだ20発はあるからな…!」
「獠ちーん、そう言うハナシはここではしない方がいいと思うよ〜?」
こちらをジト目で見る鈴谷。この後、何が起こるかをすぐに察した獠の顔が青ざめていく。
「しっ、しまった!!」
「言われなくてもわかってるな?獠」
「ごっ!ごめなさっ」
三式ハンマーがホームランをかます時、獠の身体は地面にクレーターを作る。
「せっかくの雰囲気を台無しにしやがって…少しは恥を知れ!」
(私が言ったのがまずかったかしら…)
「はっ、破廉恥です!!」
「相変わらずブレないねぇ、獠ちんは」
割れた窓ガラスなど、いつもの光景なのである。気にする者は誰もいなかった。
それからしばらくして、とある喫茶店の前に二台の車が止まった。冴子のポルシェと獠のミニである。
カランカランと景気良くベルが鳴り、来客を知らせる。
「いらっしゃ…あら、冴羽さんに香さん。それに冴子さんまで。今日は大所帯ね」
「よう、美樹ちゃん!今夜一緒にデートしない?」
「はいそこまで」
美樹に飛びつこうとする獠の首根っこを、香が掴み阻止する。
「んがっ?!何すんだ、香ぃ!」
「るっさい!お前はまだハンマーを喰らいたいのか!」
言い争う2人をスルーして、3人はカウンター席に着く。
「ごめんなさいね美樹さん。コーヒー、お願い出来るかしら?」
「はーい、わかったわ。そちらのかわいいお嬢さんたちは?」
「鈴谷は紅茶で!」
「私も同じのでお願いします」
言い争いが落ち着いたところで、席に着いた獠が質問をする。
「そういえば美樹ちゃん。あのタコ入道はどうしたの?」
「ファルコンなら今、買い出しに行ってるわ。そろそろ帰ってくるんじゃないかしら」
「おーおー、あの図体に合わず使いっ走りか!接客する店員がかわいそうだなあ」
「余計なお世話だ」
全員が振り向けば、ピチピチのワイシャツに蝶ネクタイと言う、あまりにアンバランスな組み合わせのゴリマッチョが立っていた。
鈴谷と大和は飲んでいた紅茶を吹き出しそうになる。
「おかえりなさい、ファルコン」
「今帰った。だが、外に怪しい車が何台がいる。獠、お前が呼んだのか?」
「いいや、記憶にないね。しかし、この2人のストーカーである事には間違いなさそうだな」
「店の修理代は誰に請求すればいい?」
「あの…私たちが皆さんにご迷惑をおかけしてしまっているので、大本営から出るように手配します」
「冗談じゃないわ!私たちのお店を壊される前にやってやるのよ!」
「鈴谷達も協力するよー!やられてばっかじゃ割に合わないじゃん?」
「いい証拠がつかめそうね。腕が鳴るわ」
「仕返しというわけか。アタシも1発くらいお見舞いしないと気が済まないわ」
「海坊主、彼女達の艤装に使う弾薬はまだあるか?」
「大本営と言っていたが、艦娘なのか?」
「ああ、詳しい事は後で話す。だが、お前と美樹ちゃんの腕も借りたいんだ」
「フン!人使いが荒い連中だ」
獠たちがそれぞれの武器を手にした時、鈴谷が言った。
「まさか艤装があそこまで揃ってるとは思わなかった…」
「前に君達と協力した時に余った弾薬を俺の家に置くスペースが無かったんで、ここに置かせてもらったのさ」
「私の試製51cm砲まで…」
「気にするな。こいつに無理矢理押し付けられただけだ」
「気にしない方がどうかしてるじゃん?!」
「お楽しみ中のところ悪いが、そこにいる兵器どもをこちらに返してもらおうか?」
来たか、と入口を見れば黒スーツの男が2人、ゲスな笑みを浮かべながらこちらを見ていた。
海ちゃんご夫婦を巻き込んでの戦闘ですね。
冴子からとばっちりを受けていた獠ですが、1番のとばっちりはこのご夫婦ではないでしょうか…(汗)
シティーハンターならではのシーン。従来と違うのは、そこに艦娘がいるという事ですかね。
ですが、彼女らは土壇場まで何もしないでもらう予定です。なぜなら、街中で連装砲ブッ放したらクレーター作ったりビルを崩しかねないからです:(;゙゚'ω゚'):
そんな事したら流石の冴子さんや大本営でもカバーしきれないので…
あ、ちなみに一般市民は艦娘の存在を認知しています。
それが、1話目の冒頭のセリフと言えるでしょう。
ただ、あくまで艦娘という存在を「知っている」だけで、彼女らの顔とかは一切知りません。だからこそ、彼女らは街を普通に出歩けます。
最も、あくまでそれは都心部での話であり、地方ではその限りではない場合もあります。鈴谷の鎮守府は漁港の近くにあり、漁師さんたちは前提督からの馴染みなので艦娘達の顔も知っています。
ブラック提督になってからはこっそり、艦娘たちに支援をしています。
そこら辺の経緯に関しては、書けるところで書いていきたいなと思っています。
では、またお目にかかりましょう!