暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜   作:さんめん軍曹

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おはようございます、さんめん軍曹です。
今回は題名の関係で短めのテイストでお送りしますが、シリーズは続きます。

では、本編です!





奪還せよ!助け合いの勇者たち【後編】

 

 

とある鎮守府の一室。

ここには、先ほど捕らえられた獠達が閉じ込められていた。

 

「いやー、まいったねぇ。大井っち、怪我はだいじょぶ?」

「ええ、大丈夫です。北上さんに怪我がなくてよかった」

「へ?」

「ああ、いや…。とにかく、皆に危害が加えられなくてよかったわ」

「そう…まぁ、そうねぇ」

「でも、一体どうしたらいいんでしょう?この状況では…」

「心配ないぜ。…よっと」

「?!」

 

突然獠が喋ったのでそちらを向いてみると、そこには拘束を解いた提督、海坊主、そして彼が立っていた。

 

「えっ?!冴羽さん?!」

「こんなチャチな縛り方じゃ、俺らを捕らえることは一生できないさ」

 

そう言って、その場にいる槇村や艦娘全員の拘束を解いていく。

 

「…っさて!大どんでん返しと行きましょうかねえ」

「ねえ冴羽っち。なんか忘れてない?」

「?」

「いや、艦娘が1人足りないなーって…」

「摩耶はさっきどっかに走ってったろ?」

「いや、そうじゃなくてさ…」

「私も気になってた所です。誰かがいません…」

「言われてみればそんな気がしてきたな…」

 

 

 

所変わって執務室。

閉じ込められた獠達とは別に、天龍だけがこの場に連れてこられていた。

 

「…」

「天龍。貴様には期待していたのに、残念だな」

「ハッ。期待してただと?オレらを馬車馬のように扱い、休む暇さえ与えてくれなかったのに、期待だと?笑わせんなよ!」

 

ダンと机に手を叩きつけ、怒りを我慢しながら発言する。

 

「そうか。ならば貴様にはこの処置を下そう」

 

そう言って突き出された紙には、解体命令書と書かれていた。

 

「使えるだけ使っといて、言うことを聞かなくなった途端用済みかよ。テメェはイカれてやがる」

「好きなだけ言え。これは決定事項だ」

 

司令官が目で合図を送ると、側に控えていた憲兵が彼女を羽交い締めにした。銃を向けているものもいる。

 

「っざけんなよ…これで終わってたまるかよ…」

「艤装をつけていない艦娘などただの人間。抵抗もできまい。連れて行け」

「ハッ!」

「クソ!やめろよ!!テメェ殺してやる!!!!」

 

もうこれまでかと思った次の瞬間、激しい轟音と振動が鎮守府を襲った。

 

「な、なんだ?!」

 

刹那、閉じられたドアが蹴破られる。

否、蹴破られたように見えて、粉々に粉砕されていた。

 

「どうした!何が起こったんだ!」

「…その汚い手を離すデース。Hurry up.」

 

煙が晴れていくと同時に、1人の少女の姿が見えてくる。

 

「お前は!」

「金剛型1番艦の金剛デース。貴方達、一体何をしてるデスか?」

 

 

 

「ひえっ?!」

「随分派手ですね!」

「…摩耶のやつ、成功したんだな」

「いた!おーい!!」

 

比叡達が次々と襲う振動と轟音に驚く中、廊下の角から摩耶が顔を出した。こちらの姿を確認すると、たたたっと走ってくる。

 

「やったぜ槇村のアニキ!みんなも無事でよかった!」

「どうしたんだ、これは」

「1つだけ無傷なバーナーが落ちてたからよ、残りの1人を高速建造したんだ!」

「と言うことは…」

「金剛姉さま!」

「そう言うこと。遅くなってすまなかったな!」

「でも、いくら戦艦とは言え、これは流石に砲撃のしすぎでは…」

「あぁ、実はな…」

 

 

 

「ヒャッハー!やっとあたしの出番だねぇ!こういうド派手なの、一度やってみたかったんだぁ!!」

 

付近の海上では、戦闘機が矢継ぎ早に飛び立っている。

 

「置いてけぼりにされたから酒保に忍び込んで正解だったぜ!誰にもバレずに飲めたし、こうして美味しいとこ持ってくこともできたしな!一石二鳥ってもんよ!」

 

実は隼鷹、車の人数オーバーの関係で残留していたのだが、カーチェイスに参加できないのがよほど悔しかったのか、トイレに行くと言って酒保に忍び込んでいたのだ。

 

「ほらほら艦載機達、どんどん飛びな!この話に登場して以来酒ばっか飲んで艦娘らしいことしてねえからな!派手にやろうぜ!」

 

メタ発言も気にせずに有る限りの艦載機を飛ばし続ける隼鷹。ダメなように見えて、仕事はしっかりとするのがこの艦娘である。

 

「まるでジャンキーだな…」

 

彼女の様子を双眼鏡で観察していた槇村は、思わずそう呟いてしまった。

 

 

 

その後、囚われていた伊168を含め全員の艦娘を救出。問題の司令官は逮捕され、摩耶や天龍、伊168の説明もあってか、全員が提督の鎮守府への転任を希望したのだった。ちなみに酒保に忍び込んだ隼鷹は、罰として1週間の禁酒を命令されたのだった。

 

 

 

 







「なあ大井」
「どうしたの摩耶?」
「今回短いって作者が言ってたけど、にしても後半ハショリ過ぎじゃないか?」
「彼曰く、後半はいつもの展開だから読者の皆様の頭脳にお任せしますって」
「うわぁ…」
「やめてあげて。あそこで彼泣いてるから。今のところヒロイン扱いされてる艦娘は彼の好みだそうよ」
「マジか」
「今回出番が少なかったイクちゃんやゴーヤちゃんの見せ場は、後半で設けるそうよ」
「てことは、奪還せよの話はあくまで導入ってやつか」
「そうなるわね。だけど過去編はまだ続くから、画面の向こうの皆様は楽しんで見て行ってくださいね!」
「おう!大井と摩耶様の活躍、楽しみにしててくれよな!」


お ま け

「蒼龍ちゃんのおっぱ〜い…ムフフ」
「ひいっ?!」
「こらーーーっ!冴羽ーーっ!!!」
「げえっ!飛龍!!」
「また蒼龍に手を出して!今度こそ死ねーーーっ!!!」
「ぎゃあああああっ!!」

ヒ 行 甲 板 ! !



と言うわけで、続きは午後UPします。宜しくお願い致します。




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