暁のスイーパー 〜もっこり提督と艦娘たち〜   作:さんめん軍曹

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こんばんは、さんめん軍曹です!
お待たせしました、冴羽鎮守府、始動です…!!

やっと書くことができました…!!
ちょっと感激してますw

着任式、一体どんな流れになるんでしょう…??

本編行きましょう、ではでは!!





今宵はドンチャン騒ぎ!!粋な提督と艦娘たち

 

 

夕刻、鎮守府の大食堂。ここは艦娘たちが食事をする場所であり、カラオケや催事が出来るように舞台も作ってある。

トラブル続きであった獠達だったが、もうすぐで提督に着任する時がやってくる。鎮守府の艦娘達や仲間達はもちろんのこと、元帥と大和、大将や冴子の父でもある警視総監に麗香といった野上一家。そしてキャッツアイ本店を臨時休業にしてまでやってきた麻生かすみなど、実に大勢の来賓がやって来たのだ。

 

「こんばんは!鎮守府で艦娘兼記者をやってます青葉です!冴羽さんについて一言をいただければと存じます!」

「獠のこと?そうねえ…。あ、私は野上麗香よ。野上冴子の妹で、私立探偵をやってるの。よろしくね!」

 

麗香はご丁寧にも青葉に名刺を渡した。

 

「ありがとうございます、いただきます!早速ですが麗香さん。冴羽新提督とはどういった関係ですか?」

「私?今は彼の家の隣に事務所を構えているわ。彼とはいわばライバルであり協力関係といったところかしらね」

「実際のところは…?」

「いつもいつも獠ともっこりしようとすると香さんに邪魔されるの!くやし〜い!」

 

麗香は気づいていないだろうが、とんでも無いことを口走っていた。もちろん、青葉はそれをしっかりと記録する。

 

「あら大和さん」

「冴子さん…!あの時はありがとうございました」

「いえいえ。元帥もお元気そうで何よりですわ」

「ほっほっほ。まだまだ若いもんに負けたりせんわい。わしの目の黒いうちは、ブラック提督なんぞに好きにさせんぞ」

「もし必要でしたらいつでもお呼びください。この馬鹿娘がお手伝いしますので」

「まあ、お父様!」

「いい親子じゃのうて。それよりも、槇村くんの事は気の毒だったな」

「ええ。ですが獠が組織を壊滅させましたし、今は特には」

「しっかりした娘さんじゃのう。総監殿も鼻が高いだろう」

 

と、そこへちょうど通りかかった武蔵が声をかける。

 

「大和!」

「あら武蔵。お久しぶりじゃない」

「まさかここで会えるとは思いもよらなかった。どれ、あちらで話をしないか」

「私は構わないけど…」

 

大和は元帥の意思を確認しようと目を合わせる。

 

「行って来なさい。姉妹同士、水入らずで話をしたいだろう?」

 

元帥がそう言いながら歳に似合わずウインクをすると、彼女の顔がぱあっと明るくなる。

 

「あっ、ありがとうございます!武蔵、行きましょ!」

「あっ大和!引っ張るんじゃない!慌てなくてもこの武蔵は逃げないぞ!」

 

彼女ら以外にも思い出やこれからについて語り合うもの、大飯を食らう一航戦たちに群がる者などがいた。

そうこうしているうちに時間がやって来る。

 

「ん、あー。んんっ。み、みなさま、きょうはおこしいただき…」

 

会場の皆が一斉に振り向くと、その体格に似合っていないタキシードを着た海坊主が司会席に立っていた。

 

「ファルコン、しっかり!」

「美樹!俺はこういうのが大の苦手なんだ!」

「冴羽さんの晴れ舞台なんだから、ちゃんとして!」

「あの野郎、こんな仕事を押し付けやがって…。今度会ったらただじゃおかん」

「それは提督さんに言いなさい。ほら、みんな見てるわよ!」

 

海坊主が会場を見ると、大勢の艦娘や知り合いたちがこちらに注目していた。その期待の眼差しを感じ取った彼は、途端に顔を真っ赤にして蒸気を吹き出してしまった。

その様子を見ていた艦娘たちからくすくすと笑い声が聴こえてくる。

 

「ファルコンは不器用デスネ」

「そんな海ちゃんかわいいじゃん?」

「ん、全くもってその通りだねぇ」

「海坊主さん…頑張って…!」

 

吹雪のエールが通じたのか、蝶ネクタイを結び直した海坊主は気を取り直して喋り始める。

 

「さて、おふざけはここまでだ。今から獠の着任式を始める。早速だが登場してもらおう。出てこい」

 

途端に会場の全員がズッコケる。海坊主らしい喋り方ではあるものの、全員の感想を摩耶が代弁した。

 

「これじゃ作戦前のブリーフィングと変わらねえよ…」

 

とは言うもの、しばらく経っても出てこない。どうしたのかと会場がざわついた時、獠の叫び声が聞こえた。

 

 

「いーーやーーだーーっ!離せ!」

「ごちゃごちゃ言うな!みんな待ってるんだ早くしろ!」

「俺はこんなの着たくない!普段着の方が性に合うんだっ!」

「いたたっ!噛み付くなこのぉっ!!」

 

舞台の袖から飛び出してきた獠。そしてすぐ背後にはハンマーを持った香が立っていた。

 

「ここは公式の場なの!ゴタゴタ抜かさずちゃんとやれ!」

 

そして会場に向き直ると、

 

「皆さんごめんなさいね、このバカのせいでグダグダになっちゃって。をほほほほほほ」

 

と言い、袖に引っ込んで行った。

 

「いっでぇー…覚えてろ!」

「ほら、せっかく出て来たんだ、なんか喋れ」

 

海坊主に催促をされ、彼を睨みつける獠。だがすぐにマイクの前に立ち、自分の想いを全員に喋る。

 

「まあなんだ…、どう言うわけか提督になっちまったが、仕事を引き受けた以上は最後までやりきるつもりだ。しかし、これだけは守ること。絶対に死ぬな。無茶な進撃や仲間割れはご法度だ。お前らの前の提督は俺と海坊主の戦友であるからして、お前らも俺の戦友であり娘だ。今回、色々な事件が起きたものの、それに向けて全力で対処した皆に対して、それを率いることが出来るのを誇りに思う。特にブラック提督の排除、武蔵や赤城、加賀と島風がここに来たことと吹雪が改2になったこと、そして球磨達を救い出せたことがその証だろう。それから最後に、俺は提督になってもこれまでと変えるつもりはない。よって、制服は基本的に着ないし呼び方もこれまで通りでいい。さあ、今日は乾杯だ!」

 

乾杯の一斉とともに、その場にいる全員がグラスを持ち上げる。そして、酒豪たちが早くもビールのジョッキを空けてしまった。

 

「いいんでしょうか、元帥…?」

「なんだ?冴子くん」

「この後、元帥から辞令の授与があるのでは…」

「構わんよ。あやつもそうガチガチした事は好まんだろうて。それよりも、今日は楽しもうじゃないか」

 

そう言ってにっこり笑うと、自分もさっさと艦娘たちの中に入っていってしまった。

 

「さえちーん!こっちに来ていい女の極意ってのを教えてよー!」

「暁はレディよ!そんなの聞かなくてもわかってるわ!」

「あらあら、ちっちゃなレディーさん。それなら私にどうやったらレディーになれるか教えてもらえないかしら?」

「ちっちゃいって言うな!」

 

「気合い!入れて!作りました!!」

 

別の場所では、比叡が特製のカレーを駆逐艦たちに振舞っていた。

それを見た最上は、疑問を口に出す。

 

「ねえねえ比叡さん。これを食べて倒れない?大丈夫?」

「いつもは実験してて、それが失敗に終わってるだけです!今日はちゃんとしたレシピで作りました!!」

 

そう言って、カレーの皿を最上に差し出す。

彼女は恐る恐る口にすると、そのあまりの美味しさに驚いた。

 

「えっ、うそ?!美味しいや…」

「私だって元々はお召し艦ですよ!?世間一般ではとんでもない兵器を作ってると言われてますけど、本当はちゃんとしたのだって作れるんですから!」

「比叡さん、お代わりなのです!」

「いつもと違ってうまいわね…」

「この味に落ち度は…無いですね」

 

駆逐艦たちや最上の評価に安心した比叡は、

 

「ひえぇ…よかったです」

 

と、胸を撫で下ろしたのである。

 

「これ、うまいですよ冴羽さん」

「流石に気分が高揚してきました」

「どれどれ…おーーっ」

 

赤城からステーキを一欠片分けてもらった獠は、そのあまりのうまさに感動していた。

 

「この焼き加減、最高だな!牛肉もそれなりのものを使ってるだろう。いったい誰が作ったんだ?」

「主食は鳳翔さんが、サラダやデザートは間宮さんと私が作りました」

 

彼が振り向くと、間宮と鳳翔、そして伊良湖が立っていた。

 

「あらー、そうだったの!こんだけの量作るの大変だったでしょ?」

「いえ、皆さんのためにと腕によりをかけさせていただきました」

「お気に召したようで何よりですわ。良かったら私たち特製のデザートも食べてください」

「美人の頼みとあっちゃ聞かないわけにはいかないさ。良かったら今度、うちの香や美樹ちゃんに教えてやってくれないか?」

「もちろんです。でも、どうして?」

「海坊主と美樹ちゃんは喫茶店やってるんだよ。ここに2号店を作る予定だから、君たちにも手伝ってもらおうと思ってね」

「まあ、それは素敵!ぜひやらせて下さい!」

 

獠たちがそんな話をしていると、彼を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「ヒャッハーーー!!新提督ぅ、飲もうぜ飲もうぜ!」

「行けェ、高雄ォ!!」

「負けるな妙高ォ!!」

 

なにやら盛り上がっているようなので、間宮たちと別れてそちらへ行ってみると、高雄と妙高がビールの一気飲み比べをしていた。

そして、炭酸に耐えきれなくなったのか妙高が盛大に吹き出す。

 

「妙高姉、大丈夫か?!」

「馬鹿め…と言って差し上げますわ!」

「ぐやじい〜〜、負げだぁ〜」

「お前ら、早くもこんなに出来上がりやがって…俺も混ぜろォ!!!」

「「「ヒャッハーーー!!!!」」」

 

そして高雄や隼鷹たちに飲み比べで勝った獠は、そのままの勢いでカラオケを歌い、艦娘たちとデュエットを披露、元帥とダンスをして会場を盛り上げた。

 

「北上ぃ、私たちも行くわよ!!」

「くもっち飲みすぎじゃね?」

「私は沈む前に提督たちと飲み明かしたの!これくらいわけないわよ!」

「あぁ、そう…。んじゃ、やっちゃいますか」

 

そして2人が入れた曲は、なんと加賀岬であった。

 

「重雷装巡洋艦、北上!」

「駆逐艦叢雲改2!」

「「出撃します!!」」

 

イントロを聴いた張本人は、飲んでいた日本酒をぶちまけた。

 

「うおっ、加賀さん?!」

「飛龍、急いで雑巾取って来て!」

「あいよ、ちょっと待ってて!!」

「あぁ加賀さん…、動揺しすぎですよ…!」

「頭に来ました」

 

そして2人が歌っているところに飛び入り参加。3人で歌いきると同時に歓声が上がる。

 

「私も歌いますわ!とおおぉぉぉーーーう!!」

 

鈴谷と熊野がGet Wildをリクエスト、そして歌い終わると、

 

「雪風も負けません!!」

 

雪風が歌うのは吹雪。これはその名の通り吹雪の持ち歌である。

歌いきった雪風は見事100点を出し、幸運艦であることを知らしめた。

 

そのあとは某24時間番組のエンディングテーマ曲を会場にいる全員で歌って大爆笑。

 

まだまだ夜は続くのであった。

 

 

 




さあ、いかがでしたでしょうか…?
今回はあまり喋らせることができなかった艦娘たちにスポットを当てて見ました…!!
それぞれの個性がうまく出せてればと思ってます…!!

獠がいる式典だと、こんな感じになるのかと色々な想像をして書いていたら、ウキウキしてとても楽しかったです…!!

さて、次回は早速仕事に取り掛かってもらおうかと考えております。
皆様も飲み過ぎには気をつけてくださいね()

では、おやすみなさい!
次回をお楽しみに!

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