戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
結構話数が増えると何度も過去の話を振り返ってしまったりするのがあったりなかったりなのでここで少し総集編を書きました。前回クイズ大会でそれっぽい感じのことしましたけどね。
第94話 戦いの歴史!!覚醒の始まり!
魔法少女事変から何日か経過したある日__
SONG本部に来ていた響たちはいつも通り訓練に励んでいた。
「ふう、いい汗かいた〜!」
「はい、タオル。」
未来とエルフナインは響たちにタオルを渡した。
「いい感じだったんじゃない?2人とも」
爽谷と拓実はパートナーたちと戦っていた。
「最近みるみる強くなって来てるしな。」
「それにしてもクリス先輩と響さんの連携ってすごいですね。」
「ノイズをバッサバッサとなぎ倒しまくってるんデスからすごいデス!どうやって2人はそううまく動いてるんデスか?」
「そんなことねえよ、ただ戦ってる間にだ。」
「ソウイウクリスモサイショハチガッタヨネ。ジョジョ二ワカリアッテカラコウシテ、ミンナカラタヨレルセンシニナッタンダヨネ?」
「よ、余計なこと言うんじゃねえよ!」
「そういやその時からもう1年になんのか。まるで昔の出来事のようだな。」
拓実もタオルで顔を拭いていた。
「そういえば僕はみなさんがどうやって知り合ったのか分からないのですが皆さんはどうやってそこまで手を取り合ったんですか?」
エルフナインの一言に全員作業を止めた。
「そうだね…じゃあ話をしようか…あれはルナアタックの頃だったかな…」
響が笑顔になった。
(ここから先は響が語り部になります)
私__立花 響は、ツヴァイウィングのライブ事件の後奏さんとお父さんの言葉に未来の励ましもあってか華のJKライフを楽しもうとしてたんだ。
「いかにも普通な感じですね。」
けど、そこには目的があったの。
「目的?なんじゃそりゃ?」
「響は当時ライブ会場でノイズと戦っていた奏さんたちを見てたの。そこであの時何があったのかを翼さんから聞くのが目的だったの。」
「けど、当時の翼さんは奏さんを喪っててよく1人で突っ走ってて立花さんとの仲は悪かったよ。俺にできたのは精々サポートと人命救助ぐらいさ。ほんとあの時はマジで冷たかったぜ。」
「そうだったんですか?」
実際最初の方は冷たい感じだったよ。
「ああ、それにあの人結構向きになりやすいから危うく俺とか何度か技に当たりそうになったぜ。」
「まあ、先輩の技は当たったらやべえ威力だしな。」
「翼さんもあたしたちみたいに大変な時期があったんデスね。」
それで私はみんなと出会ったんだけど、最初は学校との両立が大変で、よく未来に苦労かけさせてたんだ。
「ほんとに、心配だったのよ?響がどこか遠くに行っちゃう気がして…」
ごめんね。未来…
「いいよ。今じゃ、響のしてることには納得できるようになったから。」
ありがとう、未来。それで数ヶ月後にクリスちゃんと出会った。
「あんとき俺はクリスを仲間にすることに躍起だった。だってよ、考えても見ろ?翼さんは突っ走るし、立花さんとの関係は悪い。だったら、2人の間に立てる上、ノイズをバッサバッサと薙倒せるようなめちゃくちゃ強え装者がいてくれた方がいいだろ?」
「けど、お前がやれば良かったんじゃないか?あたしにそんな役をやらせて良かったのか?」
「俺じゃ、力不足だったんだよ。俺が装者なら仲裁させられたかもな。あの時は時々同じ装者として共に戦えればって思ってたがそれはやめたんだ。あんましそのこと意識しすぎてなんかしくじると俺のせいで誰かが死ぬ…それが怖かったんだ。」
「すごい出会い方したんデスね。」
うん、翼さんも相打ちで絶唱しちゃって私はなんのために戦うのかって思い悩んでいた。けど未来のおかげで自分自身が強くなるために師匠のもとで特訓したんだ。
「あんときはかなりハードだったぜ。俺とか今までそんな訓練受けてねえただの一般市民だったしな。」
その後に翼さんとクリスちゃんと話し合ってみたんだ。
「あのときの響とか必死だったよね。翼さんに胸の内を明かしたり、プロフィールをクリスに紹介させてたしね。」
「そうなの、クリス?」
「ああ、いきなり生年月日に個人情報とかぶちまけられてな。揺さぶられちまったぜ。」
「そういえばマリアもそんな感じの自己紹介されてたよね。」
「ああ!エキセントリックな紹介だぜ。いつ聞いてもな」
けど、その後未来と喧嘩しちゃったけどすぐに仲直りして未来も仲間になった。
「そういや誰かさんもこの辺りからあたしのことすげえ勧誘してたよな。」
「ソーイエバ、クリスノスキナアンパンモコノトキカラタベルヨウニナッタンジャナイカ?」
クリスちゃん、その時に何かあったの?
「ああ、こいつとおっさんが立てこもってた廃屋に来てな。そんときうっかりこいつをぶん殴っちまったんだよ。」
「あんとき俺はてっきり司令は知り合いにでも会いに行くかと思ったんだ。けど誰もいなさそうだったからとりあえず声かけたらいきなり拳が来てな。冷や汗かいたぜ。」
そして最後にクリスちゃんとは手を取り合えた。私は嬉しかった。初めておんなじ奏者同士で手を繋げたのが嬉しかった。だから了子さんとの戦いで2人が倒れたのが嫌だった。もう2人と話せなくなるのが…
「というか、拓実さんは何してたんデスか?」
「俺は立花さんのお願いでリディアン周辺の防衛に当たってたんだよ。小日向さんは他の生徒の避難誘導だ。ノイズは無理だけどデジモンのちっこいの相手に俺は鉄パイプ振り回してとりあえず必死に戦ったよ。けどやっぱきつかったぜ。ただの一般市民がねえ…」
「けどよ、あのときフィーネがきたけどそんときみんなどうしてたんだ?」
「ああ、緒川さんと司令が粘ったおかげで後ちょっとで勝利ってとこまで来たんだが一瞬の隙をついて逆転されちまったんだ。んで、俺自身も攻撃したけど左肩を怪我しちまった。本当あんときはみんなの応援もできねえもどかしさがあったぜ。」
「フィーネってそんなに恐ろしかったんデスね…」
「それと渡り合う司令って強い…」
「ああ、ありゃパワーバランス崩壊だよ。」
そしてリディアンのみんなの励ましがあった。それで初めてエクスドライブモードを
纏えた。
「それは違うよ。あのとき纏えたのは響の人助けだよ。それで助けられた人たちが立ち上がった。まず、響に助けられた女の子が応援しようって言ってくれたから響たちは立ち上がれた。」
「あと、俺とクリスが助けた迷子の兄妹もいたぜ。」
「そうだったのか…」
響の話を真剣にエルフナインが聞いていた。
「ということはみなさんは最初敵として出会ったんですか?」
「まっ、そうだな。」
「でしたら、どうしてそんなに仲良くなれるんですか?敵だったのに…」
エルフナインの疑問を前に響が手を差し出した。
「それはね、私が自分を偽りたくないから。誰かと共に手を繋ぐなんでもない日常___それを私たちは守ることができる。みんながやりたいことをやれる。私はそういうのを守りたい。だから私のアームドギアは"誰かと手を繋ぐこと"でもあるんだ。」
響が奏者たちと手を繋いだ。
「だから、この手だけは放さない!絶対に!」