戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
オリンポス十二神といえば何名かは未登場ですがクロスウォーズでブッチギリで扱いが悪かった人とかセイバーズでは人間の不意打ちで致命傷を負って倒されたりしていてアニメの扱いが魔王とか三大天使とかロイヤルナイツより酷い扱いを受けてるデジモンたちっていうイメージが個人的にはあります。メリクリモンとかカッコいいのが多いのにね!それでもセラフィモンやレオモンよりはマシとか思ってはいけない(戒め)
そして魔王も残りはあと5体!次は果たして誰が来るかお楽しみに!
東京の爆破から3日が経過した。デジタルワールドの空間にてアルフォースブイドラモンとドゥフトモンにハックモン、クダモンが対話していた。
「これで魔王は2体…リヴァイアモンとデーモンが倒されたわけだな。」
「うむ、しかしデーモンの奴…よもやアルカディモンを所持していたとはな。」
「あの時、我らも各国に散らばって被害を最小限に抑えるよう各国のデジヴァイス所有者に協力を促したのもあってか奴らによる被害をある程度は抑えられた。」
ハックモンがモニターに海外のデジヴァイス所有者を写した。
「デジヴァイス所有者___彼らの数は少しづつだが増えてきている。未だ増えんとする暴走デジモンも以前に比べて割合がかなり減少してきてはいるが…」
アルフォースブイドラモンがドゥフトモンを向いた。
「まだ魔王はあと5体もいる。つい先日何者かがダークワールドに潜入し、例のものを強奪したそうだ。」
「なんだと!?あれを強奪しただと?」
「ガンクゥモンとエグザモンもいち早く気づきそいつを追い詰めたんだ。けど、ダークワールドへの地の利がなかったせいで取り逃がしてしまったんだ。」
「そうか…今回の事件は弦十郎たちにより"魔法少女事変"と名付けられたわけだ。皆、今回の事件をどう思う?」
クダモンが廃墟とかした都庁周辺を指差した。
「完全な情報量が手に入らない未知の領域である錬金術師…やはり危険であることは間違いないだろう。そういうのもあって、今僕はあるデジモンを探しているんだ。」
「あるデジモン?何者だ?」
ドゥフトモンが首をかしげた。
「その名もオリンポス十二神の一体__ウルカヌスモンさ。彼はデジタルワールドの鍛冶を司るデジモンだ。彼から錬金術を学ぶことで僕らはもちろん人間側にも多少のアドバンテージがつくと思うんだ。」
「ウルカヌスモン…」
ハックモンはウルカヌスモンに対してはあまり良い印象を持ってはいないのも当然である。彼が惚れ込んだ相手こそ多くのデジモンを虐げて来た魔王の一体ベルゼブモンなのである。彼のショットガンであるベレンヘーナで多くのデジモンが撃ち殺されていたのを実際に目の当たりにしていたためハックモンはウルカヌスモンには恨みに似た感情を秘めていた。
「任せたぞ。我らは引き続き人間界での調査を続ける。幸運を祈ろう。」
「…」
そういうとデジモンたちは姿を消した。
そしてSONGたちでも、キャロルの捜索が行われたが、未だその行方は知れずだった。響たちは毎日エルフナインの見舞いに来ていた。ちなみに拓実と爽谷は無茶をしすぎて、軽く頭に包帯を巻いたり絆創膏が貼られていたりしていた。それでもアルフォースのおかげでダメージは抑えられてはいた。
「本当に助かったな。あん時アルフォースブイドラモンが来て俺らをすぐに別の場所に送ってなかったらマジでヤバかったぜ。」
「それにしても、キャロルちゃんはまだ見つからないんですか拓実さん?」
未来が訪ねて来た。
「ああ、あれから爆発したあたりのとこを探してるが特には見つからねえ。」
「キャロル自身は立花 響が救ったのだから彼女もきっとアルフォースブイドラモンには助けられたはず。その後何処に向かったかさえわかれば…」
「もしかして東京をもう出たんじゃ…!」
「それはないよ、切ちゃん。出てたら出てたで気づくはず。」
「うー、じゃあどこにいるんデスか〜!?」
「ひとまずはエルフナインに顔を見せに行くぞ。」
響たちはエルフナインの病室に入った。
「よっ、エル!お見舞いだぜ。」
「ありがとうございます。毎日来てくださって。」
「うん!いまは夏休みになったから大丈夫なんだ!ねー?未来」
「うん。」
「夏休み、結構楽しいらしいよ。」
「あたしに調は初めてなんデスよ!」
「もう、毎日がバカンスだな!」
キャンドモンがデジヴァイス越しに話しかけて来た。
「休みっていうのはいいもんだよ。リラックスできるしね。」
爽谷が花瓶に花を挿しながら言った。
「そう!なにせ夜更かしもできちゃうし早起きだってしなくていいんだよ!」
「実際、響は早起きが苦手だしね〜!」
アグモンも笑っていた。
「もう!響ったら…!」
「あんまし変なこと吹き込むんじゃねーぞ!」
(トイウカ、クリスガイエタコトジャナイヨーナ…)
ハグルモンが苦笑いを浮かべていた。
「夏休みにはね!商店街でお祭りがあるの!そこには屋台とかで美味しいものが食べられるんだよ!あとここだけの話、盛り上がりがピークになるとマリアさんのギアから盆踊りの曲が流れるんだよ!」
「なっ、なんだってええええええ!!!!」
デジヴァイスのデジモンたちが一斉に驚いていた。
「なんだって立花さん!それは本当かい!?アガートラームにはそんな機能があるのかい?」
「あるわけないでしょ!爽谷ったら、真面目に考え過ぎよ!」
「あらら〜!実はマリアったらそういう機能欲しいんじゃなあーい?」
するとマリアの背後からいつの間にかアケミが現れた。
「いつの間に…!大体、そういうのは翼にギアがお似合いよ!」
全員のイメージにはせいや〜!と言いながら和太鼓を叩く翼のイメージが浮かんでいた。
(やべえ…それはそれでも見てみたいかも)
「なるほど…日頃天羽々斬がどういう風に思われてるのかよーく分かった。」
「あっ、やべえ…地雷踏んだなこりゃ」
あたりには笑顔をが響いた。
「僕にはまだまだ分からないことだらけですね。世界や皆さんをもっと知ることが出来たら今よりもっと仲良くできるでしょうか?」
「なれるよ、だから早く元気になってね。」
全員、エルフナインの病室から出た。
病室から出ると響が突然トイレに行くと言ってその場から去った。
「行くぞ。」
「え?いいんデスか?」
「私たちも爆破した場所の調査を手伝うのよ。」
「は、はいデス!」
未来はただ1人響を追いかけた。その中では響が泣いていた。
「世の中拳で解決するような簡単なことばっかりだ…」
未来がそっと響の手を取った。
「そうかもしれない。けど、響が正しいって信じて握った拳は世界で一番優しい拳だよ。それさえあればきっと嫌なこと全部を忘れさせることができるはずよ。」
「未来…ありがとう!未来は私の陽だまりだよ…」
その後響たちは必死にキャロルの捜索や人々の救助などを積極的に行ったものの、その努力も虚しくキャロルは見つからなかった。
その夜、エルフナインの病室にはキャロルが現れた。キャロルは碧の獅子機を起動し想い出を焼却し続けたため、記憶を消失していた。
「俺は一体誰なんだ?瞼を閉じる度に思い出すお前なら何かを知ってるんじゃないか?」
エルフナインはキャロルに父イザークの遺した命題を追いかけて来たのだということを告げるも吐血し寿命ももう残りわずかとなってしまった。キャロル自身も一番大切な父親の記憶を消失してしまっていた。
「まさかお前…消えてしまうのか?」
「うん、世界を守れるんなら消えていいって思ってた。けど、消えたくないです!」
「だったら、もう一度2人で…」
そういうと2人は唇を重ねあった。それと同時にエルフナインの生命反応は消失した。
エルフナインの生命反応が消えたことを知った響たちはいち早く病院に向かった。
「ぐゎっ!」
拓実が部屋を通り過ぎて勢いよく壁に激突してしまった。そしてエルフナインの病室に入るとそこにはキャロルが立っていた。
「なっ、そんなバカな!?」
「キャロル、ちゃん?」
するとキャロルは振り返った。
「僕は…」
するとキャロルがエルフナインの一人称である僕を使った。そして、響たちはキャロルに駆け寄った。憎しみを捨てたことでキャロルはエルフナインと一つになったのだ。奏者たちの戦いにまた一つの決着がここについたのだった。
数日後、響は晄と共に実家へ向かっていた。
「あんましいい思い出のない場所なのに懐かしくなっちゃった。」
「それは、響が強くなったからじゃないか?」
「晄、今度はお前の番だ。気負わずありのままで行くんだ。」
デジヴァイスのシャコモンが諭した。
「おう!そうだな!」
「「へいき へっちゃらだ!」」
2人は実家への道を歩き出した。
そして調と切歌はクリスに宿題を見せてもらっていた。
「楽しいはずの夏休みはどこに…」
「ファイト!切ちゃん!気合いで乗り越えるしかないよ!」
ワームモンがハチマキを巻きながら2人の応援をしていた。
「にしてもよ〜クリス先輩は随分とイージーそうな雰囲気だよな。なんでだ?」
「ミーも気になってたとこだ。なんでか不思議なもんだ。」
するとクリスが成績表を見せて自分は成績優秀であることを知らせていた。するとドアをノックして爽谷が入って来た。
「お茶を持って来ましたよ。って、2人とも大丈夫?」
「大丈夫じゃないデスよー!」
「クリス先輩が意外で…」
「どういうこと?」
するとクリスが眉をひそめた。
「さっさと宿題済ませろーーーー!!!」
クリスの怒鳴り声で思わずその場にいたものたちは耳をふさいだ。
「し、失礼しました〜!」
拓実は荷物をまとめていた。
「たまには帰ってきなよ!」
「うん!まあ、連絡はするから!」
拓実も親元を離れ、一人暮らしを始めることになった。
「気いつけてけよな!なんか悩んでもだ、お前自身にはいっぱい人がいんだ!そいつらを忘れんな!それと友達とか女の子とか呼んどけよ!さみしくなっちまうからな!」
「わ、分かってるって!」
拓也と稔の励ましを受け拓実は家を出た。
「頑張れよ!未来のガーディアン!」
そして某空港では再びイギリスへと飛び立つ翼と緒川がいた。すると2人の前にマリアが立っていた。
「フッ、たまさか私もイギリス行きなのよね!」
ドヤ顔のマリアに対してクスッと笑んだ翼にマリアは赤面した。そして駐車場では八紘と弦十郎がいた。
「見送り一つしないなんて、父親失格じゃないのか?」
「いいのだ。私はここまででもな…」
一瞬だけ微笑んだ八紘は次の瞬間冷静そうな表情を浮かべた。
「ところで弦、今回の魔法少女事変…どう考える?」
「うむ…米国の失墜に乗じて欧州勢が胎動し始めたか、あるいは…」
現在、ドゥフトモンとハックモンの調査によりキャロルはもともと欧州の出身であることが判明した。欧州はルナアタックから十数年前になんらかの要因で経営破綻を起こしていた。その際、各国から暗黒大陸と揶揄されデュランダルを結果として日本に割譲したという歴史がある。そこからなんらかの陰謀の糸が引かれていることをまだ知る由はなかった。
そしてエルフナインはキャロルと一つになった今もエルフナインと呼ばれ、SONGの一員としてウェル博士の残したLinkerのレシピの解析を進めていた。しかし何十に渡ってのロックで解析は難航しようとしていた。また一つ、小さな闇が奏者たちを確実に蝕もうとしているのにはこの時気づくよしもなかった。
そして響と晄は母と祖母の2人と対話していた。
「お願いだ!もう一度やり直したいんだ!頼む!もう一度、家族みんなで…!」
晄が手を伸ばすが母は過去にしたことから手を取れずにいた。
「晄…」
手を取られなかった晄は手を伸ばすのをやめてしまった。
「ハハッ…やっぱり…勢いなんかじゃあ、手なんか繋げないか。」
すると響が2人の手を繋いだ。
「この手は正しいと持って握った手…だから、簡単には放さない!」
そして響は晄と母を引いていった。立花家はまだまだぎこちない形だが回復への第一歩を歩み始めた。正義を信じて握った手は誰かを繋ぐだろう。少なくとも今この瞬間は。
「俺、参上!どうも、娘に幻滅されることしといて最後には勇気を出せた響パパの晄です!」
「酒飲んでるお気楽マンな拓実パパの拓也です!」
「娘がぐれてしまってちょっと悲しいキャロルパパのイザークです!」
「翼のパパの…って、私もしなきゃいかんのか?」
「それにしても、このシンフォギアのアニメにはろくな父親がいないな。」
「あなたがそれを言いますかwwwww」
「まあ、否定はできないな。」
第78回 晄、拓也、イザーク、八紘 (in都内の某居酒屋)
さっきのは最終話のCMネタです。ほんとこのCMにはお前がいうなしwwって思わせられたものです。クリスパパは全力で抗議してもいいですよマジで。とはいえ、イザークもいい人っちゃいい人なんだけど、キャロルが言葉を曲解したせいで今回の事件起こしてるから悪く言えば元凶でもあるんですよねえ…
そしてAXZでもろくでなしの父親が現れることに…
まあ、何れにせよこれで3期までのストーリーは完結です。応援ありがとうございました!まだ、完結じゃないですよ!