戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
チフォージュシャトーはすでにアルカノイズで溢れていた。それを知りLiNKERの効果時間に制限を持った3人は急ぎ地下へと潜った。
「ここは僕とスコピオモンで十分! 早くシャトー内部を!」
「分かったわ! ここは爽谷とスコピオモンに任せたわ!」
そして地下を駆け抜けていく3人だったが突如として何者かに攻撃された。
「くっ、2人とも平気?」
「うん、けどパートナーたちとはぐれちゃったみたい……」
そしてマリアたちを攻撃したものが何かに変形していった。
「マリア! あれはッ!」
たまたま近くにいたシャイングレイモンが前方を指差した。
「!!! マム?」
なんとそこには死んだはずのナスターシャ教授がいた。
「忘れたのですか、マリア?
あなたは血に汚れる事を恐れた女です。そんなあなたに世界など救えるとでも思っているのですか?」
「けど、私は「そう、貴方は自分が救われたいとしか願っていないのです」」
ナスターシャはマリアになおも精神攻撃を行った。
「貴様あああああああ──ー!!!!!
マリアにとってのナスターシャを汚すなああッ!!」
シャイングレイモンが攻撃しようとするがナスターシャの万能椅子に阻まれた。
「惑わされないでマリア! マムはもういないデス!」
「私たちはどこでマムが眠ってるか知っている!
きっとこの城の……「分かってる!!」」
調の言葉を遮ったマリアは唇を噛み締めた。
「いくら偽りとはいえその言葉は事実……!」
すると調がマリアを連れてその場から離れた。
「早くここを破壊しよう! このままじゃどんどん犠牲が増えてしまう!」
「とはいえ結構な数の罠がありそうデスよ!」
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マリアたちが奮戦する中、響たちはキャロルから錬金術師がなぜを歌えるのかを問いただしていた。
それによれば、錬金術はもともと先史文明期にバラルの呪詛が発生してしまった時、人間はいくつもののやりかたでそれを止めようとしていたらしい。あるものは万象を知る錬金術を、またあるものは歌でそれぞれ統一言語による人々を一つにするべく動いていたのだ。
「まあ、貴様らもその起源は知ってるだろ?」
響たちが脳裏に浮かんだのはかつて仲間でもあり敵であったフィーネだった。
「歌が、世界を壊すなんて……」
「東京中心は張り巡らされたレイラインの終点に位置するならばそこから世界を破壊する歌を拡散させることも可能というわけだ」
「くっ、そのために安全弁だった要石などを壊し続けていたというのか!」
響たちが対話する中で、デジモンたちと拓実はベルゼブモンとアルカディモン完全体に押されていた。
「ドットマトリックス!」
なんとか攻撃を交わした拓実たちだったが、近くの建物がデータへと変換されてしまった。
「勝ち目は……ないのか?」
「諦めるな、立花さんたちたちで勝てない相手がいたんなら俺たちが頑張らねえとダメだろうが!万が一をこぼさないために!!」
「さきっから面白いなお前。なぜ人間がそこまで戦おうとする?」
「知るか! そんなの……俺たちは人の未来のために戦うだけだ!
たとえ誰かに必要とされなくたって、僅かでも必要に思う人がいるんなら俺は何度だって立ち上がってやる!
ダブルスピリットレボリューション! ベオウルフモン!」
拓実はオートスコアラーの行なっていたダブルスピリットレボリューションを土壇場で成功させ、ベルゼブモンを殴りつけるが動じなかった。
「やはり人間ってのは面白えな、リヴァイアモンのジジイが負けたのも納得できる。
お前にリスペクトしてこの技で片付けてやる! ダブルインパクト!」
ショットガンの連続攻撃で拓実はあっという間に吹き飛ばされ、高層ビルへ叩きつけられた。
「みん……な……グハッ……」
拓実はそのまま倒れてしまった。
「水琴!!」
「アルティメットストリーム!」
メタルシードラモンの一撃もベルゼブモンには片手で防がれ、懐への一撃で進化を解かれてしまった。
「さあ、もっとやろうぜ! ダブルインパクト!」
「させるか! ムゲンカノン!」
ムゲンドラモンX4がなんとかベルゼブモンとアルカディモンを攻撃し、両者を軽く吹き飛ばした。
「やったか……くそっ、体が動かない……」
ムゲンドラモンとレイヴモン、そしてウォーグレイモンもダメージにより進化が自動的に解かれそれぞれのパートナーのデジヴァイスに戻っていった。
「ハグルモン、しっかりしろ! ちくしょう もう、打つ手はねえのかよ!? キャロルに魔王に……!」
「いや、ある! 一万と一つの賭けだ!」
マリアの見据えた視線にはシャトーのコントロールをしているウェル博士がいた。実は3人はナスターシャから逃走中に負傷したウェル博士を発見し、渋々シャトーをコントロールできる彼を連れてきたのだ。
「勘違いしないで、貴方との協力を断れば世界がもっと崩れてしまう!」
「出なきゃこんなとこには連れてこないんデスからね!」
「ここは俺たちが引き受けた!」
「おいしいポジションは任せたぜ!」
「しくじるなよ……」
普段ウェル博士を嫌っている切歌たちの激励を受けウェル博士はコントロールパネルに触れ始めた。そして天井を破壊して爽谷が現れた。
「遅れてごめん! 地上のアルカノイズが多すぎて! って、ドクター!?」
「今は協力してもらってるの! 彼しか世界は救えない!」
「そうだったんですか……」
「ああ!! ったく、今僕には血が足りないんだよ! だから踏ん張れないってさっき言ったろ!? だからガキは嫌なんだよ!」
シャトーのコントロールルームにもすでに大量のアルカノイズが迫っていた。しかし、大した抵抗もせずにマリアたちに葬られていくばかりであった。
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キャロルはシャトーのエネルギーの異常に気づき、シャトーのコントロールルームを見て勝手に操作してるウェル博士を見て驚愕していた。
「生きていたのかドクターウェル!? 何をしているんだ?」
「ヒヒ……錬金術のプログラムを書き換えてるのさ! 錬金術の根底は"解析"と"分解"さ。そして……"再構築"さあ!」
その一言に全員が凍りついた。
「再構築って、正気デスか!?」
「バカな! そんなことしたら、お前たちはそれに巻き込まれて死んでしまうぞ!?」
キャロルが激しく取り乱す中、ウェル博士はバカ笑いを浮かべながらどっちにしろ、世界の分解が防げると言った。
「ほんと、嫌がらせは最高だなああああああああああああ!!!!!」
そういうとシャトーが青く輝き始めた。
「ドクターウェル……」
(今、奇妙な感覚を僕は味わってる……僕たちに酷い目に合わせた敵であり味方でもあるウェル博士が僕たちを守るために共に戦ってる……
けど、ぎこちない……同じ方向に向かってるのに何かが足りない気がする……)
すると爽谷がいきなり何者かに吹き飛ばされた。
「くっ……マムにこんな力が……」
「見つけましたよ。マリア……」
「マム……」
マリアとナスターシャがにらみ合った。シャトー停止まであと数分____
「はあ〜い!私ナスターシャ17歳!笑顔を届けるために宇宙からやってきたの!」
「ま、マム!?いきなりどうしたの?」
「あの穏やかだけどどこか厳しいマムはどこ?」
「醤油ってのにはこんな成分があるんデスか?」
「惑わされないで!あんなのは嘘のマムだよ!あんな見た目じゃ17歳のはずがない!サバを読みすぎてるんだ!」
(ナスターシャ、爽谷の顔面にアイアンクローを放つ)
「な ん だ っ て?」
「い、いえ…なにも…」
第75回 ナスターシャ、マリア、調、切歌、爽谷(inシャトーコントロールルーム)
ほんとにシンフォギアのCMで17歳ネタ回収した時は思わず声を大にして笑いました。ナスターシャ教授のシーンを見ているから違和感がありすぎるんですよ。普段クールそうなキャラでしたし彼女は。実際若い頃とか17歳とか言ってたんでしょうかね?