戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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本気モードのキャロルを前に響たちはどう動くかが見所です。そしてあのキャラが再登場です。元々彼の登場は初期ではこの辺りを最初予定してましたが、デジクロスネタを急遽思いついたので一度彼を出して装者たちのライバルキャラとしてもいいかなと考え現在の扱いに至ります。


第87話 世界を壊す歌!シャトーを止めろ!

キャロルはダウルダブラを纏い構えを取ると強力なエネルギーが滲み出した。それにはデーモンたちデジモンも攻撃を止めるほどだった。

「切ちゃんたちにいったい何が起ころうとしてるんだ!?」

「デンジャラスだ!何かやばいぜ!」

SONG本部でもキャロルのエネルギーを解析していた。

「そんな…嘘でしょ!?」

一同は画面の表示に唖然となっていた。

「フォニックゲインだとぉッ!?」

「世界を救ったはずの歌が…初めて敵となったのか…」

クダモンも眉をひそめながらモニターを見つめた。

「マリア…!爽谷!」

アケミが手をギュッと握った。

一方、キャロルは迸る光とともに歌を歌い始めた。

(ここから先は殲琴・ダウルダブラを聴きながら読むのを勧めます)

「嗚呼、終焉のカノンが薫る!殺戮の福音に血反吐と散れ 微分子レベルまで解放して!

叛逆を永劫に断つ!」

「ッ、舐めるんじゃねえ!」

拓実がすぐに攻撃を仕掛けるべく飛びかかったが、黄金の竜巻に吹き飛ばされた。

「ぐわあああああああああ!!!」

拓実の変身が解かれ、吹き飛ばされた。装者たちもなんとか防ぎはしたものものの、ダメージは小さくはなかった。

「ルルリラ、ルルリラ、宇宙が傾き ルルリラルルリラ、太陽が凍る Genocide and Genocide 血液一滴残らず憎悪と力で掻き毟る」

キャロルの攻撃はデジモンたちに向けられた。そしてデーモンごと竜巻で吹き飛ばした。

「見境なしか!」

デーモンは結界を張ってそれを軽く防いだが、他のデジモンも吹き飛ばされてしまった。

「メタルシードラモン!」

「ジュエルビーモン!」

「デスメラモン!」

「ライズグレイモン!」

「ムゲンドラモン!」

「スコピオモン!」

「この威力…普通じゃないよ翼!」

「うむ先の一撃で把握したぞ!この威力はまるで…!」

「けどそんなことありうるのか!?」

「すっとぼけが効くのかよ!?こいつは間違いなく絶唱だ!」

「震え怖じよ 世界の崩れるLove Song!」

キャロルはドヤ顔で響たちを見下ろしていた。

「奇跡など殺すと誓ったのだ 思い出さえも微塵も焼き消して!」

「負荷もなく絶唱を!?」

「錬金術ってのはナンデモありなんデスか!?」

「これはとんでもない化け物のようだ。何か手はないんですか!?」

調に切歌、爽谷は空に飛んでかわしていたがすぐに降り立った。

「だったら、S2CAで!」

「無理だ!融合症例になれなくなった今、S2CAは危険だ!」

「ほらほら先ほどの威勢はどうした?」

デーモンを前にデジモンたちはただ守る一方だった。

「やれやれ…これでは楽しめないな。消えろ、ケイオスフレア!」

デーモンの攻撃を前に身構えたデジモンたちだったが、その時背後から銃声が響いた。

「なに!?」

「よう…」

振り返るとそこにはベルゼブモンが立っていた。

 

 

「あれは…!」

「バカな、こんな時に!」

突然のベルゼブモン出現に、SONGも息を飲んでいた。

「どでかいのが3つに増えちゃったデスか?」

「なんのつもりだベルゼブモン?」

「簡単だ。今すぐてめーは手を引け。こいつらは俺の獲物だ。」

「バカが!貴様のような若造になどに素直にイェスなどと言えるか!」

「ほう…じゃあ、やるか?」

二体が睨み合った。

「やれやれ…仕方ない。奥の手を使うか」

すると、デーモンは呆れながら術式を開いた。すると桃色のデジモンが現れた。

「なんだ、そいつは?」

「これこそが私の生み出した新たなデジモン…アルカディモンだ!」

「あんなちっこいのが切り札だっていうのか?」

SONG本部ではデーモンの切り札に困惑していた。

「まずい!早く奴を倒せ!奴が進化してしまうと大変なことになるぞ!奴は先の大戦でデーモンが生み出したとされるデジモンキラー…デジモンの中のイレギュラーなのだ!今の姿は精々成長期だが、進化して究極体になって仕舞えば地上はおしまいだ!」

すると司令室に晄が入ってきた。

「いけません!ここは…」

「頼む!俺はもう二度と娘の頑張りには目を逸らさないってことを誓ったんだ!最後まで見守らせてくれ!」

「…分かりました。」

晄もSONG本部の司令室で固唾を飲みながら、響たちを見守った。

 

 

「ヘッ、おもしれえ!何なら今すぐそのレベルにでもなってみな!」

ベルゼブモンが挑発するとデーモンはなんと自分を捕食させた。

「後悔することに…なるぞ!」

そう言い残すとアルカディモンは桃色の体から一気に羽を生やし、悪魔のような風貌の白い体に進化した。

「ほう、究極体をぶっちぎりで超えたみたいだな…楽しませてもらおうか!」

「くっみんな、あいつを止めるぞ!」

「どうやらあちらも派手に行くみたいだな。これが世界の分解だ!」

そういうとチフォージュシャトーから緑の光が発せられた。これこそが世界を分解するエネルギー波でそれらはレイラインに沿って全世界に向けられた。

「そんなことは!」

正面からキャロルを攻撃する響だったがワイヤーに引っかかって動きを止められてしまった。

「お前にアームドギアがあれば届いたかもな!」

キャロルがほくそ笑む中、マリアはチフォージュシャトーこそが力の源と考え単騎で乗り込もうと画策していた。

「シャイングレイモン!」

「おう!みんな、この場は任せた!」

「おう!」

レイヴモンとムゲンドラモンはデジモン二体を抑えていた。すると、マリアの横から調、切歌と爽谷の3人もパートナーを連れてついてきた。

「リンカー頼りの私たちだけど…」

「其の輝きは時限式じゃないデス!」

「こういうのは一人でやるべきじゃあないです。無茶をするんなら誰かと一緒にが一番いいんですよ。リスクも最小限に減らせますし」

爽谷はスコピオモンをスナイモンに退化させシャトーに向かっていた。

「フッ、それでもシャトーの守りはどうにもならん!世界の分解は終わらん!」

拓実は標的をキャロルからアルカディモンに変更し、攻撃した。しかし、腕の爪で切り裂かれてしまった。

「そう簡単に行かせるかよ!」

「やめとけ、デジモンでもねえてめえが体を張ろうが止められやしねえ。大人しく指でも咥えてろ」

ベルゼブモンがため息まじりに5体を薙ぎ払った。

「そうはいかない!やっとパパとやり直した響のために!」

「親子の絆を知って夢へと羽ばたく翼のため!」

「大切なつながりを持ったクリスのために!」

「僕らは負けられないんだ!」

立ち上がったパートナーたちを前にベルゼブモンはニヤリと笑った。

「そうか…面白え!やれるとこまできてみやがれ!」

早くも混戦状態となった都庁付近で最後の戦いが繰り広げられる。果たして勝つのは、世界を壊すキャロルか?絆を信じるSONGか?あるいはそれらをも利用した魔王だろうか?

其の行方は誰にも分からない…

 


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