戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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前回、1人で突っ走ったまま不穏な雰囲気を醸し出してしまったクリス先輩が立ち上がります。今回は実際彼女の先輩としての覚悟がわかる回でもあります。そしてオートスコアラーも残り1人ですが、キャロル陣営はキャロル自身はおろかデーモンにウェル博士もいます。そして未だ謎なのがベルゼブモンに関してです。キャロル戦(1回目)以降まるで触れられませんがデジクロスが出るなら彼も再登場はさせます。


第84話 ぶっ放せ!逆転チームワーク!!

 クリスのした行為はあっという間に弦十郎に知れることとなった。

 

「使うなと言ってるんじゃない!その使い方を考えろと言ってるんだ!」

 

 弦十郎とクリスの口論にオペレーターや切歌たちも耳を塞いだりしていた。

 

「おっさんよお!今を置いてキャロルをやる機会はねえだろ!眠たいことを言うな!正論なんかで超常と渡り合えるか!」

 

「ったく、こんな喧嘩しちゃって…にしてもまさか爽谷が正面切ってNOって言えるのはちょっと嬉しいわね。3人ともにはやって欲しいことがるんだけど、いいかしら?」

 

 アケミが調と切歌と爽谷のモニターの前に各ブロックの隔壁とパージスイッチの確認に回した。そしてキャロルたちが現れたことを知り、すぐに追跡を再開した。しかし、クリスたちが近づくたびにキャロルは即座に別の場所に移動し、あっという間に翻弄されてしまった。

 

「妙です!まるでこっちの動きを把握しているような…」

 

「まさか…ハッキング!?」

 

 キャロルの予想外の動きにSONGはまたもや翻弄されていた。

 

「知らず知らずのうちに毒を盛られていたのか?」

 

「うむ、そうとしか思えん!弦十郎たちの動きを完璧に把握しているのも事実!」

 

 クダモンがエルフナインを見つめた。

 

「違います!僕じゃありません!」

 

「いいや、お前さエルフナイン。」

 

 その場にキャロルとデーモンが現れた。

 

____________________

 

「こんなとこに来たなんて!ピコダーツ!」

 

 アケミのピコデビモンがデーモンとキャロルを攻撃するがそれらはキャロルとデーモンをすり抜けて床に刺さってしまった。

 

「立体映像!?」

 

「まあ、エルフナイン自身が毒だなどとはわかりはしないだろうな。これができるのもエルフナインが俺のホムンクルスだからこそできた芸当だ。まあ、俺の野望のためにエルフナインをわざと脱走させお前らに力を与えてる間にもこいつの感覚器官を一方的にジャックしたのだがな。」

 

「そして君らは愚かにもキャロルの作戦に乗ったわけだ。本当に騙されやすいものだよ。とはいえいいモルモットになったよ。君らのおかげで計画は進みそうだからね!」

 

 デーモンがオペレーターたちを指差した。

 

「僕のせいで…!みなさん、僕のキャロルを止めると言う願いは果たされました!だからいっそ!」

 

 エルフナインは覚悟したような表情を浮かべたが弦十郎が頭に手をポンと置いた。

 

「なら、良かった。エルフナインちゃんが敵じゃなくて」

 

「操られてただけだもんな!」

 

「そうそう、悪いとこなんか一個もない!」

 

「気、落とさんといてください」

 

 友里と藤堯にカメモンとテントモンが励ました。

 

「貴重な愛され末っ子キャラに酷いことなんか大人として出来るわけないわよ。」

 

「君の役目はキャロルの野望を止めることを最後まで見届けることだろう?だから誰に覗き見されようと構うな!」

 

「はい!」

 

 キャロルとデーモンはエルフナインとSONGの団結が増したのを見て面白くなさそうに消えた。

 

____________________

 

「全く、そう簡単には行くものではないなキャロル」

 

「使われるだけの存在が…!」

 

「ここまでよキャロル!ドクター!」

 

 その場にクリスたちが追いついて来た。

 

「さっきみたいに行くもんかデス!」

 

「もう容赦はしない!覚悟していただこう!」

 

 爽谷がデジヴァイスを構えた。

 

「おろかな…勝てるとなぜ思う?」

 

「それにシャトーの材料はサルヴァスパの代わりを手に入れたしな。」

 

 するとウェル博士が楽しそうに踊った。

 

「子供に好かれる英雄ってのも悪くはないがあいにく僕はケツカッチンだからね!」

 

「ナニヲフザケタコトヲ!」

 

「Various shul shagana tron」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

「Killiter Ichaival tron」

 

「スピリットレボリューション!レーベモン!」

 

 4人は一気に変身した。

 

「クネモン進化!!スナイモン!

 

 スナイモン超進化!!!スコピオモン!」

 

「ハグルモンワープ進化!!ムゲンドラモン!」

 

「ワームモンワープ進化!!ジュエルビーモン!」

 

「キャンドモンワープ進化!!ボルトモン!!」

 

 究極体と完全体に進化したデジモンはデーモンをキャロルたちから引き離そうとした。

 

「懲りないものだねえ…ケイオスフレア!」

 

 ケイオスフレアをなんとかかわした5体は連続攻撃を仕掛けるがデーモンに軽くいなされてしまった。

 

「勝てないのに戦うのがそんなにいいのか?」

 

____________________

 

 その横ではクリスがレイアに1人挑むも投げ銭のコインをトンファーに変形させ近距離攻撃を苦手とするクリスを一方的に痛めつけていた。

 

「マスター、ここは撤退を!あとは私と遅れて到着する妹にお任せを!オートスコアラーの使命を派手に全うします。」

 

 それを聞いたキャロルはデーモンとウェル博士を連れて居城に撤退した。

 

「勝負は預けよう。」

 

 デーモンは背を翻してキャロルたちの元へ戻った。

 

「後は任せた」

 

「ばっははーい!!」

 

「まて!」

 

「お前の相手は私だ!」

 

 レイアがトンファーでクリスを一方的に攻撃した。その間にテレポートジェムでキャロルのたちはその場から去った。

 

「貴様らの相手はこいつらだ!」

 

<ヘラクルカブテリモン!ライズグレイモン!ガルダモン!エンジェウーモン!グロットモン!コンバート!>

 

 レイアがデジメモリからデジモンを呼び出した。

 

「こいつら!」

 

 爽谷たちデジモンもレイアが召喚したデジモンと交戦し始めた。そんな中クリスは接近戦を苦手としているのが仇となりレイアに痛めつけられていた。

 

「まずい!大火力が使えない今の先輩は…!」

 

「うん!このままじゃ流れが淀んでしまう!」

 

 アルカノイズを牽制した切歌と調は急ぎクリスの救援に当たろうとしたが、レイアがコインを巨大化させ2人を押し潰そうとした。

 

「まずい!」

 

 2人の危機を察知したジュエルビーモンとデスメラモンは2人の前に立ってなんとか攻撃するもののまとめてコインに押しつぶされてしまった。

 

 2人と2体が倒されてしまいクリスが激しく取り乱した。それに伴い、ムゲンドラモンがハグルモンに戻ってしまった。

 

「馬鹿な!?ぐわあああああ!!」

 

 爽谷とスコピオモンは善戦するもレイアとデジモン5体の袋叩きにあってしまっていた。

 

「そんな…どうして…!うわあああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

 クリスが泣き崩れてしまった。

 

「だから…嫌だったんだ…!独りぼっちが仲間とか友達なんかを持ったから…!」

 

「クリス…」

 

 ハグルモンも進化が解けてしまい、アトラーカブテリモンに跳ね除けられ重傷を負ってしまっていた。

 

「そういうのを持ったら…残酷な世界に殺されて本当の独りぼっちになっちまう!」

 

 爽谷は痛めつけられる中ゆっくりクリスへと近づくレイアを見つけた。

 

「まずい!早く防御するんだクリスさん!ぐわっ!」

 

「なんでパパとママはこんな残酷な世界を…歌で救おうなんて考えたんだよ!」

 

「そんな暇があるなら戦え!」

 

 レイアが一撃を喰らわせようとしたが瀕死の切歌と調がそれを防いだ。そしてキャンドモンとワームモンも必死に糸や火を放ったりしてレイアに立ち向かっていった。

 

「そんなつれないこと…言わないでくださいよ!クリス先輩!」

 

「私に切ちゃんは未熟者で半人前です!」

 

 レイアは煩わしいと言わんばかりに調たちを薙ぎ払った。

 

「けど、俺らをエンジョイさせてくれるクリス先輩とおんなじで俺らもせっかくのつながりを壊すわけがねえんですよ!」

 

「そうです!だからそんなに抱え込まないで!」

 

 キャンドモンとワームモンは成長期でありながらレイアに勇ましくた戦った。しかしトンファーで蹴散らされてしまった。

 

「地味に目障り…!」

 

「ボクハクリスノトモダチサ。パパトママガイナクナッテモボクガイルカラクリスハゼッタイニヒトリニハナラナインダ!」

 

 ハグルモンも両手で必死にレイアの顔面を攻撃するが舌打ちをされた後にまとめて吹き飛ばされた。

 

「くっ…」

 

 しかし爽谷とスコピオモンは敵の攻撃を受け、倒れてしまった。

 

「こっちは…限界だ。ミーに、爽谷も…」

 

「クリスさん…あなたは決して1人じゃない…2人はいつも…あなたのことを素晴らしい先輩だといってます…だから…」

 

 爽谷はフラフラになりながらも立ち上がった。

 

「諦めるなああああああああああああーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 爽谷はそういうと倒れてしまった。

 

「そうデスよ!後輩を求めちゃいけないってちょっとショックデスよ…」

 

「私たちは頼りにしてるんですよ?」

 

「お前ら…!」

 

 それを聞いたクリスは嬉し泣きをして涙を拭いた。

 

「そうか!あたしが先輩やれんのはお前らみたいな後輩がいるからなんだな!」

 

(センパイや拓実もきっとそのことを知ってたんだろうな…!だったら!)

 

「もう怖くない!イグナイトモジュール抜剣!!!!」

 

 クリスが手を伸ばすとデジヴァイスも赤く輝いた。

 

(あいつらがこんなあたしをギリギリ先輩にしてくれてんだ!そんなのに答えらんねえのは神様仏様…)

 

 黒い波動に包まれる中クリスは苦しみながらもそれを撥ね除けた。

 

「あたしさまが許さねえんだよ!!!!!

 

 行くぞハグルモン!」

 

「アア!」

 

 クリスがエビドラモンとゴリモンの他にトリケラモン、ハンギョモンのメモリを取り出した。

 

____________________

 

「ハグルモンワープ進化!!!ムゲンドラモン!

 

 ムゲンドラモン!エビドラモン!ゴリモン!トリケラモン!ハンギョモン!デジクロス!」

 

 ハグルモンは一気にムゲンドラモンに進化し、ゴリモンとエビドラモンの砲塔とハサミを装備した後に、左腕にはトリケラモンのツノを、背中にはハンギョモンの高速移動モーターを装備した。

 

「ムゲンドラモンドラモンX4!」

 

「楽しませてくれる!」

 

(ここから先はTRUST HEART IGNITED arrangementを聴きながら読むのを勧めます)

 

 クリスが早速ボウガンでレイアを攻撃したがトンファーで弾かれてしまった。その後一気に距離を詰めて来たレイアをハンドガンで迎え撃った。そんな中でクリスは調と切歌にアイコンタクトをした。

 

 ムゲンドラモンX4も圧倒的なパワーで複数のデジモンをものともしなかった。

 

「ドリルシザーズ!」

 

 両腕のツノとハサミでライズグレイモンとガルダモンを薙ぎ払った。グロットモンもギガスモンにスライドレボリューションを果たしエンジェウーモンと連携攻撃を始めた。

 

「ホーリーアロー!」

 

「ハリケーンボンバー!」

 

 2体の攻撃が放たれたがムゲンドラモンX4は高速移動でその場を交わした。

 

「喰らえ!カノンアロー!」

 

 胸のカノン砲から放たれたがエネルギー弾は矢の如く2体を襲った。しかし、ギガスモンはエンジェウーモンを盾にして攻撃を防いだ。

 

「無駄だ!誰かを盾で防ごうと僕の攻撃に死角はない!喰らえ!武器の大バーゲン!

 

 シューティングスターレイン!」

 

 するとムゲンドラモンが構え、他のデジモンたちも一斉に攻撃を始めた。

 

「トライデントリボルバー!」

 

「シャドーウイング!」

 

「アースクェイク!」

 

「ギガブラスター!」

 

 4体のデジモンの必殺技が命中したが、ムゲンドラモンX4は大したダメージを受けなかった。

 

「そんなものか?喰らえ!」

 

 そういうとムゲンドラモンが背中からムゲンキャノンを、胸からエネルギーの矢と両腕のハサミとツノドリルを連続で発射した。それによりデジモンたちは防御が間に合わず全員一撃で倒された。

 

 クリスとレイアは互いに互角の勝負を繰り広げていた。

 

(失うことの怖さから危うく温かさや強さまで手放すところだったあたしを止めたのはあいつらだ。冷泉の言う通りあたしは1人じゃない!先輩と後輩の絆は奪うかもしれない世界がくれたものだ!きっとパパとママはみんなに与えるものを少しでも増やそうとしたんだ。だから歌で平和を…!)

 

 そう思いながらクリスはライフルを構えた。

 

「ライフルで!?」

 

 レイアが怯んだ隙を逃さなかったクリスはなんとライフルを鈍器がわりにして一気に攻撃した。

 

「殴るんだよおおおお!!」

 

<RED HOT BLAZE>

 

 殴り飛ばされたレイアは壁に激突した。その隙にクリスはミサイルを構えていた。

 

「なっ…!諸共に吹き飛ばすつもりか!?」

 

 次の瞬間クリスはミサイルに乗ってレイアに特攻した。しかし、切歌の機転でギアに搭載された触手パーツのようなものに捕まったクリスは自爆せずに後方へ退避した。これこそがクリスの狙いだったのだ。

 まず自分がレイアを引きつけているうちに調と切歌に爽谷とデジモンたちを後方に下げさせ、自分は最後に大技でレイアを撃破した後に切歌のギアの触手でクリスを下げレイアを確実に倒そうと言うものだったのだ。

 

最期にレイアはニヤリと微笑みながらミサイルに押しつぶされそのまま爆死した。そして調がα式 百輪廻で自動開閉スイッチを押しなんとか前方の隔壁を下げた。

 

「ヤッタデス!」

 

「即興のコンビネーションにしては流石だ。」

 

 ムゲンドラモンX4は進化を解いた。

 

「クリス、コンナモノが」

 

「奴の持ってたスピリットか…」

 

「けど即席コンビにしてはムチャクチャ…」

 

「その無茶は頼もしい後輩がなんとかしてくれてたろ」

 

 3人は手を重ねた。

 

「うう…」

 

 爽谷が目を覚ました。

 

「爽谷!ユーは大丈夫か?」

 

 クネモンが駆け寄った。

 

「なんとかね…それよりオートスコアラーは!?」

 

「まだ、痛むんだろ?無理すんなって!」

 

 クリスに制止させられた。

 

「さっ、こっから出るぞ!ハグルモン!」

 

「オウ!」

 

 ハグルモンをメカノリモンに進化させたクリス自身は切歌と調を抱えメカノリモンは先行して負傷した爽谷を乗せながら潜水艦へと戻った。

 

____________________

 

 クリスの一撃は深淵の竜宮を破壊させる寸前まで追い詰めた。しかも運悪く遅れて巨大なレイアの妹が現れた。急ぎクリスたちは潜水艦へと戻りなんとか帰還に成功した。

 

「振り切れ!」

 

 潜水艦はレイアの妹から逃れるべく浮上したものの、レイアの妹も泳ぐ速さが速いためほぼ同時に浮上してしまった。するとレイアの妹が手を掲げた。

 

「まずい!全員衝撃に備えろ!」

 

 弦十郎の声も虚しく手が振り下ろされてしまった。

 

「フッ、これで奏者もSONGも共倒れ…いよいよ私の時が近い!」

 

 キャロルの居城でデーモンがその様子を見ていた。本当にクリスたちは殉職してしまったのだろうか?そして全て倒されてしまったオートスコアラー____彼女たちによりキャロルの最後の計画は始まるのである。

 




「チョップ!?潜水艦にチョップなんざ、前代未聞すぎてツッコミが追いつかねえよ!というか、この原作…やってくりボケに関してツッコミ役が少なすぎだろ!」

「何を言ってるの、何回もそのシーン見てたらツッコムのだって面倒になるじゃない?そういう感じよ。というかあなただってやったらと武器持ってるじゃない。」

第74回クリス、アケミ(inSONG本部)

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