戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

79 / 227
AXZ第1話でしたが自分はリアタイでは見れず録画で見ました。おかえりシンフォギアって感じです!相変わらずのぶっ飛びぶりでホッとしました。さて、前回見事にメンタルをブレイクダウンされたマリアさんですが、前回と今回を入れて原作では一話分です!ぶっちゃけ後半の尺が長くなるのはまとまり気にするからとか言ってらんないんですけどねwwwww


第78話 自分らしく!輝けマリア!

 日が西に傾きかけていた。あの後緒川たちと合流した響たちは作戦会議を行っていた。

 

「マリアさんにそんなことが…僕らが間に合っていればマリアさんが危険な目には…!」

 

「いいや、こればっかりは仕方ないわ。それにしてもオートスコアラーは妙な点が多すぎるわね。」

 

 アケミが爽谷を慰めると、ホワイトボードに何かを書き込み始めた。

 

「確かにそうだ。あいつらはおかしな点が多すぎる。特に気になるのが、どれだけ優位に進めてもトドメを刺さずに撤退を繰り返している。」

 

「確かに言われてみればとんだアハ体験デス!」

 

(は?)

 

 拓実が切歌の奇抜な語彙に首を傾げていた。

 

「いちいち盆が暗すぎるんだよ!」

 

(切歌にクリスは何をいってるんだ?まるで分からんぞ!)

 

 そんなことを思いながら拓実は腕を組んだ。

 

「なあ、俺も俺なりにいくつか仮説___もしもの例がいくつか浮かんだんだがいいか?」

 

「何かあるんですか?」

 

「それなら僕も」

 

 爽谷も立ち上がり、ホワイトボードにキャロルとその他と記載した。

 

「僕の場合奴らは何かを狙っていた場合があり得るんじゃないかな。今回の出来事はキャロルが倒されたと言うのに奴らはピンピンしていた。」

 

「確かに…リーダーやられたら仇討ちに来るかと思ったらそうでもなかったな」

 

「このことから、奴らは今は個人的に動いてるのかもしれない。いくらキャロルの人形とはいえ作られたものは時に反抗することがある。人が生み出したものなら反抗したがるのは当然と言ってもいい。きっと奴らはそのチャンスを狙って今回から本格的に動き出したのかも」

 

「うむ…では、水琴はどう思うんだ?」

 

 翼は拓実の書いたキャロルを指差した。

 

「はい、俺は爽谷とは逆だ。奴らは立花さんたちの話からするにイグナイトモジュールを狙っている。おそらくそいつと何か別のチンフォージュ…なんだっけ?まあ、それとイグナイトモジュールの効果を使ってキャロルの代わりにその野望を成就しようと考えてるのかあるいは…キャロルを復活させるのかもしれない。キャロル自身親玉のはずなのにあんなに呆気なくやられるのは幾ら何でも妙だ。絶対何か裏があると俺は読ませてもらうぜ。」

 

「けれど、これのどちらかあるいは両方が正しいとは限りません。こちら側もオートスコアラーの動きは分かりませんし…」

 

「それよりも、もっと気になるのが…」

 

「マリアさんの状態」

 

「あの子、意気込んでてコケたら一気に崩れ去るタイプだから…不安ね」

 

 響曰く、暴走中の記憶はかなり曖昧なため頭がゴチャゴチャするらしい。

 

「マリアさん…」

 

「マリア…」

 

 爽谷、切歌、調もマリアの心配をしていた。

 

____________________

 

 外では1人、マリアは後悔の表情を浮かべていた。

 

「マリア…いや何も言わねえぜ俺は」

 

 アグモンも何か言おうとしたがマリアのことを察しあえて何も言わなかった。

 

「ええ…」

 

(情けない…人形に助けられるなんて…私が弱かったばかりに魔剣の呪いに負けるなんて…強くなりたい)

 

 その時一球のボールがマリアの近くの壁にぶつかった。

 

「!?」

 

「ごめんなさい…みなさんの邪魔にならないようにしようと思って…」

 

「邪魔だなんて…私も手伝うわ」

 

 エルフナインがボールを回収し、サーブの練習を続けた。

 

「どうしてだろう?なかなかうまくいかない…」

 

 マリアとアグモンはエルフナインの姿を近くから見ていた。

 

「まあ、そう簡単にはできるものじゃないと思うぜ。」

 

「色々な知識を持ってるエルフナインならわかるかな?」

 

 するとマリアがエルフナインに強さとは何かと尋ねた。するとエルフナインが笑みを浮かべた。

 

「そんなこと…マリアさんが教えてくれたじゃないですか!」

 

 すると水柱とともに再びガリィが現れた。

 

「やって来たわよ〜!ハズレ奏者…」

 

 マリアは包帯を投げ捨てて、ペンダントを構えた。

 

「マリアさんならできます!」

 

「さあて、邪魔なデジモンはこいつの相手でもしてな!カルマーラモン!ヴァンデモン、サイクロモン!デジクロス!」

 

 海から現れたカルマーラモンはヴァンデモンとサイクロモンの二体とデジクロスしカルマーラモンX3になった。

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

「アグモン進化!!ジオグレイモン!

 

 ジオグレイモン超進化!!ライズグレイモン!」

 

 ライズグレイモンがカルマーラモンと戦う中、マリアはガリィに向かって行った。

 

「弱くないんなら戦いで示しな!」

 

 さらにアルカノイズを呼び出したガリィだったが、アルカノイズ自体はマリアの蛇腹剣に瞬殺された。

 

「ナイトストーム!」

 

 カルマーラモンX3は黒い高圧水流を放ったがライズグレイモンのトライデントリボルバーでかき消された。しかし、カルマーラモンX3のボディには傷一つつかなかった。

 

「なに!?俺のトライデントリボルバーが!」

 

「スプラッシュ…スピン!」

 

 水中に潜り一気に回転しながら浮上したカルマーラモンX3はライズグレイモンを攻撃し、一撃で進化を解いてしまった。

 

「ライズグレイモン!」

 

「くっ!」

 

 マリアはガリィの攻撃をダガーで作った三角形のバリアーで防いだが、水が流れを変え、氷塊となってマリアを凍結させた。

 

「強く…ならなくては!」

 

____________________

 

 翼たちの元にもガリィが現れたという情報が入った。

 

「マリアが危ないデス!」

 

 翼たちがひとしきり出て行くと風のようなものが施設に吹いた。

 

「風?」

 

 緒川が何かに気づいたが特に誰もいなかった。

 

 一方マリアは氷塊をなんとか破壊したが息が切れかかっていた。マリアはその場にへたりこんでしまった。

 

「マリアさん!アグモンさん!っこの!」

 

<ガルルモン!メガドラモン!デジメモリオン!>

 

「フォックスファイアー!」

 

「ジェノサイドキャノン!」

 

 二体の攻撃はカルマーラモンに直撃したものの大したダメージにならなかった。

 

「マリア…」

 

「何よ!てんでダメダメじゃない!弱すぎる!その力"よわい"あんたに使えんの?」

 

 マリアはなおも強くなることに囚われていた。

 

「マリアさん!大事なのは…自分らしくあることです!あなたが僕に教えてくれたじゃないですか!」

 

 するとマリアはハッとした。

 

「よわい…そうだ!」

 

 ガリィは何を行ってるんだこいつはと言うような表情を浮かべていた。

 

「マリア…」

 

 アグモンもマリアに手を差し伸ばされて手を伸ばした。

 

「私はエルフナインに大切なことを教わった。それは"弱くても自分らしくあること"だ。エルフナインは戦える身ではないが勇気を持って私に希望を届けた。」

 

「マリアさん…」

 

「アグモン、行くわよ!そしてエルフナイン、君に聞いていてほしい。君の勇気に答える歌だ!」

 

 マリアはデジヴァイスを構えた。

 

「アグモン!ワープ進化!!シャイングレイモン!」

 

 アグモンは光に包まれて一気にシャイングレイモンに進化した。そしてデジヴァイスが光り輝いた。

 

「これは…新しいデジモン?」

 

「きっとマリアの言葉に感化されたんだ。」

 

「何をよそ見してんのさ!」

 

 ガリィがカルマーラモンX3に命令した。するとシャイングレイモンが触手とガリィの水の結界に閉じ込められてしまった。

 

「力を貸して!デジクロス!シャイングレイモン!ディアボロモン!グラップレオモン!

 

 ホーリーエンジェモン!」

 

 するとシャイングレイモンを覆っていた結界には一瞬で消滅した。右腕はグラップレオモンの拳、胸にはカノン砲を打つための空洞が、背中は黄金に輝いた姿へとシャイングレイモンは変わった。

 

「シャイングレイモン…X4!そして…イグナイトモジュール抜剣!」

 

<Dainslaf>

 

 マリアはまたも闇に飲まれそうだった。しかし、マリアはその中で自分は弱いままダインスレイフの呪いに打ち勝つと決意を固めた。そして白かったギアは一気に黒く染まった。

 

(ここから先は 銀腕アガートラーム__IGUNITTED Arrangement を聴きながら読むのを勧めます)

 

「弱いだの強いだのとトンチを言ってんじゃないよ!」

 

 アルカノイズを呼び出したガリィだが、マリアはダガーを腕の窪みに挿入し、ボウガンのようにしてアルカノイズを一掃した。

 

「くうぇええええ!!!」

 

 カルマーラモンX3は海上でシャイングレイモンを触手で捕らえ、したり顔を浮かべたがシャイングレイモンがニヤッと笑いポカンとした表情を浮かべた。

 

「はあああああああああ!!!!」

 

 シャイングレイモンの腕力は触手をいとも容易く引きちぎった。

 

「ミサイルナックル!」

 

 シャイングレイモンの拳がエネルギー弾となって発射されカルマーラモンX3は吹き飛ばされた。

 

「銀色の左腕に愛を込めて 闇を裂け!

 

 悪を断て! 無双を放て!」

 

「ヒヒヒヒッ!いいね!いいね!」

 

 ガリィが喜ぶのもつかの間、マリアの攻撃で上半身と下半身に切り裂かれてしまった。しかし、それは幻だった。

 

「私が一番手になんのよ!」

 

 ガリィがマリアをほくそ笑むように見たが構わずマリアは素手でガリィを攻撃した。しかし、またもマリアはバリアで攻撃を防がれた。

 

「悲劇砲翔破!」

 

 シャイングレイモンX4もディアボロモンのカタストロフィーカノンとグラップレオモンの獅子王獣波断の合わせ技でカルマーラモンX3に大ダメージを与えた。

 

「スプラッシュスピン!」

 

 またも浮上した勢いでシャイングレイモンの胴体を狙ったカルマーラモンだったが、それも受け止められた。

 

「弱くてもいい!平凡な拳でもいい!絶対突き出すこと その手 覚えているのなら!」

 

 バリアを張って余裕綽々のガリィだったが、マリアの拳を前にヒビが入り唖然としていた。

 

「ナッ!」

 

 そして一気にアッパーを仕掛けマリアは大きくジャンプした。

 

「終わりだ!俺とマリアは弱さを抱えても戦う!それが自分であることなんだーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

 思い切りシャイングレイモンはカルマーラモンX3を殴り飛ばした。

 

「聖なる光よ。闇を我が炎と共に焼き尽くせ!ホーリーフレア!!!!」

 

 シャイングレイモン自身の必殺技であるグロリアスバーストとホーリーエンジェモンの聖なる力が合わさった火でカルマーラモンX3は灰となって消滅した。

 

「悔しささえも辱めでも何でも グッと握って

 

 今この身は炎となる!泥にまみれた奇跡も天は見てくれている!」

 

 ジャンプしたマリアはそのままダガーを長くして一気にガリィを真っ二つに切り裂いた。

 

「あたし…が…一番乗りなんだからああああああああああああーーーーーーー!!!」

 

 最期まで一番乗りという言葉を残したままガリィは爆死した。

 

____________________

 

「これがマリアさんの強さ…」

 

「いいや、弱さかもしれない。けどそれは私らしくあるためにあるんだ。教えてくれてありがとう!」

 

「はい!」

 

 マリアとエルフナインが笑顔を浮かべたが、その様子をファラが眺めていた。

 

「お役目ご苦労様、ガリィ…私は私の目的を果たしました」

 

 ファラは舌にチップのようなものを乗せ、その場を去った。先ほど緒川に気づかれたのは彼女が潜入していたからであり、彼女がどんなデータを奪ったのかはわからなかった。

 

 そしてキャロルの居城ではガリィが破れたのか青い垂れ幕から何かの模様が現れた。

 

 この様子を別の空間から何者かが覗いていた。

 

「まずは第一段階か…そろそろいいかもしれんな。」

 

____________________

 

 その夜、響たちは拓実に爽谷、アケミを交えて線香花火を楽しんでいた。

 

「今日は充実した特訓だったな!」

 

「先輩…それまじで言ってんスか?」

 

「何だ?お前ら特訓してたんじゃないのか?」

 

 拓実も花火を持ちながらクリスに尋ねた。

 

「フッ、当然だ!汗水垂れる過酷な訓練であったぞ!」

 

「なあ…黙っとこうか。とりあえず」

 

「うん、遊んでただけっていうのはな…」

 

 ファルコモンとベタモンが苦笑いを浮かべていた。

 

「にしても夜の海ってのもいいな…」

 

 拓実が海を見ながら笑顔を浮かべた。

 

「こんな時にどうしたの?頭打った?」

 

 ベタモンが茶化して来た。

 

「んなわけねえよ!」

 

 その中でアケミはカメラを回していた。

 

「本当は今日みんなをとって回りたかったんだけどこれだけでも収穫だわ…」

 

「姉さん、カメラ回してニヤニヤしないでよ!姉さんがこうなるから…」

 

「はいはい…みんなの水着が見たかったんでしょう?引くわー!爽谷って最低ー!」

 

「そんなわけないじゃん!」

 

 アケミはカメラをしまって自分の花火を取り出した。

 

「アケミも意地悪ね。」

 

「しーっ、ああ見えて爽谷ってさみしがり屋なのよ。マリア程じゃないけどね。酔っ払った時とかもう愚痴とかセレナあああああとか言っちゃってるし…」

 

「そういうアケミだってウェーーーーイとか言ってるじゃない!」

 

「細けえことはいいんだよ!」

 

 アケミはデジヴァイスのピコデビモンにドヤ顔をしながら言った。

 

「なんやかんや言ってあっちはいつも通りデスね」

 

「キャンドモン…大丈夫?」

 

 調はキャンドモンがなおも心配だった。

 

「水は大丈夫だが、海は…デンジャラアアアアアアアス!!!」

 

「キャンドモン…涙が出たくらいで海は克服できないよ…」

 

「なんでいけると思ったんだろう?」

 

「意味がわからないデース…」

 

 ワームモンと切歌は呆れ気味だった。

 

「さあてと!お腹も減ったこの辺で!第2回コンビニ買い出しジャンケンといきましょう!」

 

「お腹結構空くんですね…」

 

「今度は負けない!」

 

「やるデス!」

 

「負けねえぞ!」

 

「俺を忘れんなよ!」

 

「人数が増えればその分勝つ確率は低くなる!これはもらいだ!」

 

「一人勝ちすんのはあたしよ!」

 

 今回のジャンケンは拓実に爽谷、アケミも加わって10人のジャンケンだった。

 

「ジャンケン ポン!!!」

 

 

 

「なんで〜!拳の可能性を信じたのに〜!」

 

 結果、響が一人負けしてしまった。他のものたちがチョキをだし響だけがパーを出したのだ。

 

「あちゃー、一人負けが出ちゃったか…」

 

 アケミが顔に手を当てた。

 

「パーとはお前らしいな!」

 

「しょうがない…付き合ってあげる」

 

 未来がため息まじりに響の手を取った。

 

「ひゅー、久しぶりのデートね!未来!」

 

「もう…ピヨモンったら…」

 

 未来が赤面した。

 

「すごいよ未来!キノコのジュースだって!東京じゃまずお目にかかれないよ!」

 

「おでんもあるよ響!」

 

「ええっ!?どこどこ!?」

 

 はしゃいでる響とアグモンを微笑みながら未来はコンビニに入ろうとした。

 

「君は?もしかして未来ちゃんか?」

 

 するとコンビニの中から店員が話しかけてきたが未来はその人物の顔を知らなかった。

 

「晄…お前のことを知らないようだがどうするのだ?」

 

 晄もデジヴァイスを持っていた。デジヴァイスにはシャコモンが写っていた。

 

「ほら…よくうちの子と遊んでくれた…」

 

「未来、どうしたの…!?」

 

 未来が店員を見て青ざめた。

 

「おとうさん!?」

 

「響…」

 

 響はアグモンをデジヴァイスに戻して、その場から走り去った。その人物は守崎 晄_____

 

 数年前に家族を捨てて蒸発した響の実の父である。果たして響は父親と向き合えるのだろうか!?そして、1人倒されたオートスコアラーの目的とは?

 




「これから出番が増えると思ったら、まさかの響パパ?」

「まさかここで出番が来るなんて…」

「響、大丈夫かな?この機会にマリアさん同様にメンタルがブレイクダウンしなきゃいいけど…」

第67回 未来、ピヨモン(in帰り道)

さてと、GX当時散々ひどいひどい言われた響パパが登場です。どんくらいひどいのかは次回を見た後本編GX8話に凸していただければ大体分かります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。