戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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第6話 すれ違う願い!響の怒り!

 一ヶ月が過ぎ、響はノイズについてのレポート提出に追われていた。が、二課としての仕事で眠気に襲われその度に未来から「間に合わないよ」と彼女の口癖である「へいきへっちゃら」のやりとりが何度も何度も交わされていた。

 

「アグモン、このやりとりって何度目?」

 

「うーん……分かんない!」

 

「そうよねえ……何度もこのやりとりよねえ……」

 

 2人がレポートを作成していると響のケータイに連絡がとどいた。そこには「明日 二課で定例ミーティング 17:30」とあり、響はため息を吐いた。

 

「また用事なの? 夜間外出とか門限は私が何とかするけど……これはどうにかしてね」

 

 未来が見せたのはこと座流星群の動画だった。響が服を着ようとしていたがモタモタしていたため、未来が服を着せようとした。

 

「私……今のままじゃダメだ……もっと……もっと頑張らないと」

 

 響には現状に対する不安があった。

 

____________________

 

 一方、翼は和室の畳に正座していた。近くにはロウソクが灯されている。刹那、剣を抜いた翼はロウソクの火を見ていた。

 

「すべては……私の弱さが招いたこと……」

 

 翼は剣を鞘に収め、和室から出た。

 

 二課 司令室では既に翼、弦十郎、緒川、了子たちが集まっていた。

 

「「すみません! 遅れました!」」

 

 響と拓実が入ってきた。

 

「では、全員で仲良しミーティングを始めましょう!」

 

 翼はコーヒーを飲んだまま何も言わなかった。モニターに赤い点が多くあった。

 

「ん? これって……」

 

「どう思う?」

 

 弦十郎が響に尋ねると、「いっぱいですね」と響が返した。

 

「これってまさか……! 今までノイズが出たとこですか!?」

 

 拓実がモニターを見て言った。

 

「そうだ。でだ、ノイズについて響くんが知っていることは?」

 

 響が知っていたのはノイズは無感情で機械的に人間を襲うことと時と場合によらず突然現れ周囲に被害を及ぼす、特異災害として認識されていることの三点だった。

 

「以外と知ってるんだな〜」

 

 弦十郎が感心していた。

 

「とはいえ、国連の議題に上がったのは13年前なのだけれどそれ以前にもノイズは観測されてるの」

 

 了子が喋り出した。

 

「そうさ。神話などの異業はすべてノイズ由来のものなんだ」

 

(まじかよ……リアル「妖怪のせいなのね そうなのね」状態なのか。)

 

「ノイズ自体の係数は決して高くはない。けど見ての通り異常であることは明らか。となると、何らかの作為があるのかも」

 

「作為? ってことは誰かが操ってるんですか?」

 

「ノイズなんかを操る方法なんてあったのか……にしても皮肉ですね。人を襲う存在が人の思惑のままいいように操られるとは……」

 

「全くだな」

 

 弦十郎も共感した。

 

「中心はここ……私立リディアン高等科で我々の真上です。サクリストD__デュランダルがこの地に向かっている証左になります」

 

「デュランダル? 何じゃそりゃ? 俺はそんなの聞いたことないぜ」

 

「あの……デュランダルって?」

 

「ここよりも下層のアビスと呼ばれる場所に保管され我々が研究しているほぼ完全な聖遺物なの」

 

 友里が説明した。

 

「翼さんの天羽々斬や響ちゃんの胸のガングニールは欠けらだから歌でないと力を発揮できないんだ」

 

「せやけど、完全な状態ときたら話は別でっせ。何とそれには装者以外の人間にも使うことができるんや。しかも常にや」

 

「誰でもOKってやつですか」

 

 飲み物を運んできたテントモンが捕捉した。

 

「で、それを研究で発表した人がいるんだよねー」

 

(やった! 初セリフ!)

 

 友里のパートナーのカメモンが友里の近くに歩き出した。

 

「それが私の提示した櫻井理論なんだけど……完全聖遺物となると膨大な量のフォニックゲインが必要なのよ〜」

 

「フォニックゲイン……それって確認しますけど、歌のパワーってことでいいんですよね」

 

 拓実が了子に確認した。

 

「ええ、そうよ」

 

 響が頭を抱える中、弦十郎が立ち上がった。

 

「翼の歌ならあるいは……」

 

 翼は再びコーヒーを口にした。その横では友里と藤堯がデュランダルの起動実験の許可を得ようとするたびにアメリカが引き渡しを何度も要求しているのと、ここ最近何者かがその情報を得るためにハッキングをした痕跡があるというのを聞いた。

 

(結構ごちゃごちゃしてるんだなあ……)

 

「分かる、今の?」

 

「うーん……分かんないや!」

 

 ベタモンとアグモンも分かってはいないようだ。

 

「やはり、ハックモンとドゥフトモンのの言う通り一筋縄では行かないのが困りものだな。アメリカという国に関してはハックモンから聞いたが、国家関係に関しては一切公開させないつもりらしい」

 

 クダモンが弦十郎の肩に乗った。

 

「とはいえ、それらを短絡的にアメリカのせいと断定できないし何か意図があると見えるな」

 

(第3勢力かあるいは内通者がいるのか? よくは分からんがこういうのって大抵そのパターンなんだよなあ……)

拓実もコーヒーを口にしつつ現状を危ぶんでいた。

 

「風鳴司令、そろそろです。今日はアルバムの打ち合わせがあるので」

「ふえっ?」

 

 響がナンノコッチャというほどとぼけた顔をしている。

 

「表の顔は……アーティスト風鳴 翼のマネージャーなんです」

 

 響は名刺を受け取りとこれはまた結構なものをどうもと言った。アグモンもどうもと言った。

 

(どういう言葉遣いのセンスなんだ?)

 

 軽く拓実は戸惑っていた。

 

____________________

 

「私たちを取り囲んでるのはノイズだけではないんですね」

 

「まあ、そうかもね。だって、ここを狙われるって言われても誰かわからないっていうのはそうとうヤバイもんね」

 

「大丈夫よ! このテレビや雑誌に出てたりする天才考古学者の櫻井 了子が悪い奴らなんか寄せ付けないんだから!」

 

 そして休憩に入るが響の顔は浮かないままだった。

 

「どうして、私たちはノイズ以外にも人間同士で争うんだろう? なんで争いが無くならないんだろう?」

 

「やっぱ、自分らの考えを通したいのかもよ。なんていうか……色々試したけどもう無理だからヤケを起こしてやっちゃった! みたいな感じじゃない?」

 

「それは我らデジモンも同じこと。私の所属するロイヤルナイツを始めとしたデジモンも幾度となく争ってきたのだ。その度に新たな時代が来ていたのだ」

 

 クダモンも言った。すると了子が耳元で囁いた。

 

「きっと、それは……人類が呪われてるからじゃない?」

 

 了子は耳をつまんだ。

 

「きゃあああ!」

 

 響が赤面しながらたった。

 

「了子さん……今のはアウトですよ」

 

「はあ……誰かのものになるなら私のものにしちゃいたいくらい……」

 

 オペレーター2人も苦笑していた。

 

____________________

 

 翌日の夕方流れ星が見られなくなった連絡を未来にした響はノイズが現れた。現場に翼と拓実も向かっていた。ガングニールを纏った響はノイズに迫った。

 

「その中に大きな反応がある。もうすぐ2人も着くが呉々も無茶はするなよ」

 

 ノイズを倒しながら進んだ響は改札に出た。

 

「私はやれることをやるだけです!」

 

「行くね!」

 

 響のデジバイスが輝いた。

 

「アグモン進化! グレイモン!」

 

 響が走り出すもブドウ型のノイズは球体を飛ばし、それを爆弾として扱い距離を置いた。

 

「見たかった……」

 

 瓦礫が破壊された。

 

「流れ星……見たかった! 未来と一緒に!」

 

 響は怒りのまま拳を振るった。ブドウ型ノイズはなおも響から距離を取った。グレイモンは尻尾で薙ぎ払ったり、踏み潰したりしながらノイズを蹴散らしていった。

 

「あんたたちが……! 誰かの約束を犯し! 争いのない世界を、なんでもない日常を……!」

 

 響はノイズを引き裂いた。

 

「剥奪するというのなら!」

 

「落ち着いてよ響!」

 

 グレイモンが叫んだ。ノイズを蹴り一発で胴体と泣き別れさせただけでなく首を切断させたり、顔面を踏みつけたりした。ブドウ型ノイズは爆弾で地上に穴を開け脱出した。

 

 その時一筋の閃光が空を過ぎった。

 

「流れ星?」

 

 否、それは翼だった。

 

<天の逆鱗>

 

 それによりノイズは倒された。

 

「やれやれ! 先をこされちったようだな!」

 

 翼と響が一直線上に並んだ。

 

「私だって、守りたいものがあるんです。だから……!」

 

 翼は又しても刀を構えた。

 

「待てって翼さん! せっかくいい感じになってんだからここは温厚に行こうぜ! そうすりゃ……」

 

「だったら、んで? どうすんだよぉ?」

 

 目の前に人影が現れた。しかし何かは見えなかったにもかかわらず翼にはなんだかすぐに分かった。

 

「誰だ!? 人のセリフ妨害しやがって!」

 

「ああん!? うっせーぞ!」

 

 雲が流れ月の光が射した。そこにいたのは銀色の鎧を纏った少女だった。

 

「ネフシュタンの……鎧?」




さあ、現れました。ネフシュタンの少女その正体は誰なのか…原作を知る方はやっと出番かと思いますが次回彼女が大暴れです。
では後書きどうぞ。

「なんか、ネフシュタンの少女の目元がなんかさあ、ガッチャマンみたいじゃない?」

「そうだな、ベタモン。それにしても微妙だよな。あの鎧。なんかほかの奏者と比べると見た目が地味だしな。」

「聖闘士星矢のセイントだと青銅聖闘士がそうだろうな。」

サッサ、(誰かが歩く音)

「「おっと誰か来たようだ。」」

第7回 拓実 ベタモン(in第8話の時の街中)

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