戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
イギリスのロンドンではオートスコアラーの人形と翼とマリアが対峙していた。
「Imyuteus amenohabakiri tron」
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「邪鬼の遠吠えの残音が月下に呻き狂う!」
アームドギアを大きくした翼がオートスコアラーに向かった。
「マリア!俺たちはどうする?」
「まだ、様子を見ましょう。」
オートスコアラーも剣を取り出し、翼の斬撃を防いだ。
「剣は剣でも…私の剣は"剣殺し"」
剣殺しで翼のアームドギアが破壊されたがその素になった剣は破壊されてはいなかった。
するとオートスコアラーは小さな粒をいくつか地面に落とした。するとそこから消滅したはずのノイズが現れた。
「波形パターン合致!間違いありません!」
ノイズが現れた報を聞き、藤堯は即座に従来のノイズの波形と合致することを確かめた。
「クリスちゃん!」
友里もクリスにノイズが現れたことを伝えた。
「ああ…こっちも旧友と手合わせするとこだ!」
横浜のクリスもノイズの軍団と鉢合わせになっていた。
「アイスアロー!」
すると遠方からシードラモンが現れた。
「悪りぃ待たせた!」
「ヘッ、んじゃ行くか!」
「ああ!」
クリスがデジヴァイスを構えた。
「クソッ!ソロモンの杖にノイズもバビロニアの宝物庫と共に一兆度の熱量で消滅したのでは無かったのか!」
弦十郎が悔しそうに拳を合わせた。
「メカノリモン超進化!!メガドラモン!」
翼もデジヴァイスを構えた。
「ファルコモン進化!!ペックモン!」
「翼の援護をするわよアグモン!」
マリアもデジヴァイスを取り出した。
「ああ!!アグモン進化!!ジオグレイモン!」
「悪行即瞬殺!」
翼がノイズに向かって行った。唯一ノイズと異なるのは両腕が白く光っていたことであった。
「このままやられてくださらない?」
「そうはいかん!防人の剣は可愛くないと友が語っていた!」
剣を構えながらも翼にはノイズ相手だからか余裕があった。
「こんな時に何を!」
マリアが赤面していた。
「餓狼の光る牙は自らをも 壊し滅す諸刃のよう!」
翼がノイズを打ち倒して行った。そして体勢を崩し逆羅刹で切り刻んで行った。
「苦無羽!」
「メガバースト!」
ペックモン、ジオグレイモンも翼の援護に回っていた。
「邪魔ね…」
オートスコアラーはデジヴァイスのようなものからパルモンのデジメモリを出した。
<パルモン!コンバート!>
「スピリットレボリューション…フェアリモン」
そういうとパルモンが風に包まれ次の瞬間妖精に変化した。
「それがどうした!」
ペックモンが突撃したが、カポエイラの要領で放った蹴りに吹き飛ばされた。
「なんなのあのデジモンは?見たことないわ!」
マリアが狼狽えていた。翼はノイズを攻撃する中、武士のようなノイズが翼の攻撃を受け止めた。
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横浜のクリスと拓実もデジモンと共にノイズを攻撃していた。
「やるようだな。ならば…派手に行け!スピリットレボリューション…!
グロットモン!」
ゴブリモンのメモリを取り出したレイアがスピリットレボリューションと唱えると小人のような姿のデジモンが現れた。
「ジェノサイドキャノン!」
メガドラモンがグロットモンを攻撃したがグロットモンにかわされた。
「スネークアイブレイク!」
グロットモンのハンマー攻撃でメガドラモンは吹き飛ばされた。
「ふざけやがって!」
拓実がホルダーに触れた。
<アンドロモン!デジメモリオン!>
アンドロモンが拓実の横に現れた。
「スパイラルソード!」
アンドロモンのスパイラルソードがグロットモンに命中した。
「今だ!」
「アイスアロー!」
「ジェノサイドキャノン!」
それによりグロットモンは気絶した。
「今更ノイズになんか負けるかよ!」
クリスがノイズの攻撃を防御した。
ノイズからの攻撃を受け止めた2人だったがなんとギアが分解され始めてきたのだ。
「なっ!」
翼とクリスは隙を突かれ白い部分でギアを構成するペンダントの部分を攻撃されてしまった。
「ノイズと括った高がそうさせたようだな。」
「ふふ…敗北しないなんていう保障はないのよ?」
すると二人のギアがどんどん分解されて行った。
「嘘!」
「シンフォギアが…負けた!?」
翼とクリスのギアが分解される中マリアと拓実の受けた衝撃は大きかった。
「ノイズじゃ…ない!?」
「バカな!ではなんだというのだ?」
弦十郎とクダモンも狼狽していた。
「"アルカノイズ"…何するものぞ!シンフォギアああああああああ!!!!!!」
キャロルの座る椅子の近くでは赤い人形が奇怪なポーズのまま立っていた。
翼はギアが分解されようとしてもなお、必死の抵抗でアルカノイズを撃破した。
「翼!クソッ、邪魔するな!」
ペックモンが怒りからヤタガラモンに進化して、甕布都ノ神でフェアリモンを撃破した。すると、SONG本部にあるものとよく似たものが落ちた。
「あらら…今日はここまでかしら。まあいいわ」
翼とクリスもギアの衣服を自動修正する機能が破壊され全裸で倒れてしまった。
オートスコアラーはステップを踏むとアルカノイズと共に姿を消した。
同じ頃、シンフォギアが敗北した様子を見てSONG本部に激震が走った。
「嘘だろ?」
「シンフォギアシステムが…!」
「ノイズに負けた!?」
藤堯と友里、カメモンが唖然としていた。
「あれはノイズ特有の炭素分解ではないのか!?」
「司令、あのノイズが翼はんに斬られた時赤い砂のようなのが出てました。炭素分解ではないのは明らかやと思われます…」
テントモンが弦十郎を見た。
「ノイズが人を襲うならアルカノイズの役割は"世界の解剖"だ」
「そうなればシンフォギアなどのバリアフィールドなど簡単に突破できるわけだ。」
「クソッ!しっかりしろ!クリス!おい!」
拓実がクリスの安否を問おうとする中、レイアは気絶したグロットモンを回収した。
「フッ!次はお前だ!次なる調べは次なるキャストに!さあ、聞かせてみろ…」
レイアがアルカノイズと金貨を見せた。
「こいつ!そんなこと…!」
「させないですよ!」
3人が見上げるとそこにはファミレスののぼり旗をマントの要領で纏った切歌だった。
「やめろ!君では勝てない!」
拓実が退くよう言ったがそのまま切歌はペンダントを構えた。
「Zeios igalima raizen tron」
「ワームモン進化!!スティングモン!」
切歌はLiNKERなしでギアを纏うという危険行為を犯してでも戦おうとした。
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「君!早くクリスを連れてこの場から…」
拓実が振り返るとアルカノイズが立ちはだかっていた。
「シードラモン!」
拓実がデジヴァイスを構えた。
「ああ!シードラモン超進化!!メガシードラモン!」
メガシードラモンがアルカノイズを薙ぎ払った。
「デジモンといえど連続でアルカノイズの攻撃を受けるのは危険です!」
「だ、そうだ!」
「分かった。一気に片付ける!サンダージャベリン!」
「危険信号点滅 地獄極楽どっちがいいDEATH!?真っ二つにされたけりゃattention 気をつけデス!」
サンダージャベリンと切歌の"切・呪リeッTオ"の攻撃でアルカノイズが一掃された。しかし、ギアのバックファイアにより切歌の動きにはキレが見られなかった。
「くっ!」
「やっぱり無理だったんだよ!LiNKERなしじゃ切ちゃんが…!」
「へいき…へっちゃらデス!」
切歌は肩パーツと共に螺旋状に回転してアルカノイズを切り刻んだ。
「切り刻むことない世界に夢抱きキスをしましょう! 強くなるためには何がいるのか 求め続けるだけだと ほんとの思いたちを果たしきれはしない!」
<災輪・TぃN禍ぁBェル>
SONG本部の弦十郎もLiNKERなしの装者に頼らなければならない状況に唇を噛み締めていた。
「派手だな。やってくれる!」
「バーニングフィスト!」
上からメラモンがレイアを不意打ちで攻撃したが、ギリギリのところで避けられてしまった。
「ケッ!消し炭にできるかと思ったんだがな!」
さらに敵全体全体を調の"α式 百輪廻"で攻撃し、その内に2人はクリスたちを連れて逃亡した。
「逃げるぞ、覚えてやがれ!」
拓実もホルダーに手をかざした。
<エアドラモン!デジメモリオン!>
現れたエアドラモンに拓実が乗り切歌たちに続いた。
「いかがなさいます?追跡しますか?」
「構わんそのまま帰還しろ。」
レイアは手から小瓶を取り出した。これはテレポートジェムと呼ばれるものでこれを使えば高確率で目標地点に即座に到着できるという代物だった。
戦いが終わり、弦十郎は新たな敵と保護したエルフナインに気をかけていた。
切歌と調たちもどこまで強くなればいいのかと疑問を抱いていた。その中で彼女たちはシンフォギアとは嫌なことを吹き飛ばすような魔法のような力だと思い、フロンティア事変にて流されるだけで力を振るっても変わらない現実を知ったことを痛感していた。
「私たちのしたいことを見つけないと…」
「そうデスね。だから、私たちはあんなことに…」
「ああ!インフィニティーなゴールを目指してもそこが100%望んだものじゃねえ。それはマリアだって知ってることのはずだ。ガムシャラじゃナンセンスなんだ。」
「そうだね、僕たちが出動を許されなかったのはそれを考えるためなのかもしれない…」
スティングモンとメラモンも2人の話に首を縦に振り登りゆく朝日を見た。
「しかしな、したいことを見つけようとして絶対に焦るなよ。
何かをしたらその分の責任がのし掛かるんだ。それができなきゃ…いけないんだ!
決意を語ったら動かねえといけない時があるんだ。俺にはわかるんだよ…」
黙っていた拓実がエアドラモンから降りて2人を見た。彼も今から3年前、二課に入った時は防人になると言ってばかりで結局はなるために何もしていなかった。それが原因で助けられた天羽 奏の生命を救えなかったのだ。
「爽谷の奴もそうだった。あいつは一時期の恐怖に流されていた。あの時のキメラモンはある意味あいつの恐怖の塊だったのかもな。恐怖により揺れた心でした間違った行動をとって今責任を果たしているんだ」
爽谷もまた、マリアに叩かれ信じていた存在に裏切られたことから裏切られる恐怖を感じたのだということを拓実はフロンティア事変の後に聞いていたのだ。
「拓実さん…」
「まあ、こんなこと言う資格はあるか微妙だが俺の親父がよく言うんだ。
"無茶したきゃできると思った無茶をしろ!てめーでできると思ったらそいつはだいたい成功すんだよ!"ってね。」
「随分乱暴な感じデスね。できると思った無茶…」
「でも…!」
調と切歌が俯いているとクリスが目を覚ました。
「大丈夫?クリス?」
メガドラモンがハグルモンに戻った。
「大丈夫なわけないだろ!」
(守らなきゃいけない奴らに守られるなんて…!)
ロンドンでも、翼が今回の戦いの行方は最悪かもしれないと告げた。
何より彼女が悔しかったのは絶刀・天羽々斬が折られたことだった。そしてマリアは追ってきたエージェントたちを前に弦十郎にSONG編入を希望した。本人曰く、この状況では偶像を演じられないと言うことだ。後日2人は日本へ帰国し、ここにシンフォギア装者が一応全員再集結したのである。
「1番かっこいいギアはなんだと思う?水琴」
「え?どうしたんですいきなり?」
「フッ、とぼけるな。天羽々斬なのだろう?」
「え、あの…」
「しかしそのギアは私の不覚で壊されてしまった!おのれアルカノイズ!その顔しかと脳裏に焼き付けたぞ!」
「飛行機の時からずっとなんだよ。よほどショックだったみたい…」
「翼さん…大丈夫ですか?」
「水琴〜!私は悔しいぞーーーー!!!!」
第55回 翼、水琴、ファルコモン(in空港)