戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
「俺が奇跡を殺すと言っている!」
キャロルの攻撃でメタルグレイモンと響が吹き飛ばされた。
「くっ…!」
なんとか響はメタルグレイモンにより助けられた。しかし、響はシンフォギアを纏おうとはしなかった。
「何故シンフォギアを纏おうとはしない?」
「世界を壊す…その理由が知りたいんだ。私はあなたと戦いたくない!」
響は戦うのを拒んだがデーモンがあざ笑っていた。
「理由など聞いてどうする?キャロルには戦っても欲しいものがあるのだ!」
その様子を青年が写真に撮っていた。
「こういうのってどうやってテレビ局に送るんだっけ?」
「あれ〜盗撮なんかしちゃって…」
青年が振り返るとバレリーナの格好をした青い少女が立っていた。
「躾のほどが伺えちゃうわね…」
そして少女は青年に口付けをかわした。
青年の黒かった髪は一気に白くなり、その場に倒れた。
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一方、東京では未来たちが帰宅しようとしていた。
未来は以前響からクリスの家の合鍵を渡されていたが、安藤たちに聞かれた時はさすがにそんなことは言えなかった。ちなみにクリスのあだ名は"きねクリ先輩"である。
途中で調、切歌と別れた4人も帰ろうとしていた。
「にしてもヒナは心配じゃないの?ビッキーのこと」
「ううん、今心配なのはお腹空かせて帰ってくることかな…」
未来はただ響の帰りを待っているようにしたのだ。帰りを信じて…
そして調と切歌は帰り道で自分たちも役に立ちたいと言っていた。
「あの人たちは私たちに笑いあえる日常をくれたデス…」
「うん、私たちに学校に通わせてくれた。」
「切ちゃんと調ちゃんも毎日笑いあえるようになったね。」
「おまけに友達も出来てるしな!」
「何とかして力になりたいデス…力はここにあるんデスけどね…」
切歌が胸に手を当てた。
「けどそれで何も出来なかったのが昨日の私たちだよ?切ちゃん」
その時、街頭モニターから横浜でさらに爆発事故が発生したことを知った。
「行こう!」
「はいデス!」
2人は横浜へと向かった。
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数分前、響が救助を行うのと同じ頃クリスも被害の調査に当たっていた。
「あのバカが頑張ってんだ。いいカッコさせ…」
その時ヘリが撃ち落とされた。クリスが正面を見ると高いところに奇怪な立ち方をした女性が立っていた。
「クリス!キヲツケテ、コイツフツウジャナイ!」
S.O.N.G本部でもヘリが撃ち落とされたことと翼が交戦したことが同時に起こり弦十郎が冷や汗をかいていた。緒川もメガネを外し翼の元へ向かった。さらに拓実と爽谷にも出撃するよう要請した。
「こちらの準備はできてる。さあ来い!」
そういうと女性は両手にコインを持ち戦闘態勢に入った。
「抜いたな…?だったら貸し借りなしだ!
あとで吠え面描いても知らねえぞ!ハグルモン、ここはあたしがやる!」
クリスがペンダントを構えた。
「Killiter Ichaival tron」
(ここから先はTrust Heartを聴きながら読むのを勧めます)
「鉛玉の大バーゲン!バカにつけるナンチャラはねえ!」
女性はクリスのボウガン攻撃を素早い身のこなしでかわして行った。
(変幻自在どこじゃねえ!まるで人外だ!けど…やりやすい!)
クリスの攻撃を女性はコインを弾いただけで対処していた。その様子を少女が見ていた。
「屈指の戦闘力とフォニックゲインを持っていても今の彼女ではレイアには勝てない!早くこのドゥヴェルグダインの遺産を届けないと!」
埒が開かなくなったクリスはボウガンからガトリングに変形させた。しかし、女性__レイアはビルを歩きながら素早くかわし上空に飛んだ。クリスはその隙を見逃さず、無防備となったレイアに腰からのミサイルを発射した。
<MEGA DEATH PARTY>
「直撃!?」
しかし、クリスは険しい表情を浮かべていた。
「勿体ぶらずに出てこい!」
「クリスちゃんどうしたの!?」
クリスは距離を置きながら友里や響に敵が現れたことを告げた。
「危ない!」
上を見ると船が何隻か頭上にあった。
「嘘だろ〜!」
「アブナイ!」
クリスが爆発に巻き込まれた。
「私に地味は似合わない…だが、これは派手すぎる…」
レイアが海を見るとゴーレムのような巨人が立っていた。
「あとは私が地味にやる。お前はこれを使え。」
レイアが体から何かを取り出した。そこには土と記されていた。
「さてと…どうしたものか…」
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一方ロンドンでは翼が謎の人形と交戦するも、剣を弾かれてしまった。しかし、とっさに巨大化させたため人形を押しつぶすことに成功した。
「やったか?」
「いいやこれは地面に沈めただけだ!」
すると何かを決心したかのようにマリアは翼の手を引いた。
「退くわよ!」
「え?えええ!?」
赤面する翼とともにマリアは逃げ出した。2人が会場の外を出ようとするとエージェントたちにマリアは大人しくするよう言われた。しかし、その場に駆けつけた緒川により何とか逃亡を果たした。
「緒川さん!?」
「悪いが翼は好きにさせてもらう!」
そういうとマリアは車に乗って逃亡した。
「何故逃げたのだマリア?」
「簡単なことだ。あそこでやりあったら多くの人間が被害にあう。それをマリアは望まない…」
その中で彼女はエージェントにされた時もことを思い出していた。
アメリカ政府はフロンティア事変に関するデータは個人PCにいたる全てを削除したことを告げられ、マリアは彼らから実質調と切歌と爽谷を人質に取られたため止むを得ず承諾した。しかし、本人は意外と乗り気だったらしいがそれを知るのは彼女のパートナーのアグモンだけだった。
その間にマリアのデジヴァイスからアグモンが答えた。しかし、目の前に人形が先回りしていた。一気に駆け抜ける2人だったが当然車は剣で切断された。
「くっ!厄介ね!」
切断寸前のところで何とかかわせた2人は人形と向かい合った。
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一方二課本部は同時多発する敵の攻撃に狼狽えていた。
「響ちゃんは敵と向かい合い、翼さん、クリスちゃんは交戦中です!」
「水琴くんと爽谷くんは!?」
「現場に急行中ですが、現在交通規制により到着が遅れています!」
「くそ…!」
弦十郎が唇を噛み締めた。
「弦十郎、今厄介なのは響くんのほうだ。あのキャロルとかいう少女の横にいるのはリヴァイアモンと同じ七大魔王の一体____憤怒のデーモンだ!」
「またもや魔王…」
横浜ではクリスが攻撃を避け、距離を取っていた。
「ったくハチャメチャしやがる。助かったぜ、メカノリモン。」
「ウン!ブジデヨカッタ!」
「あの!」
クリスが振り返ると赤面した。目の前にいたのはほぼ全裸でコートを来ていた少年のようで少女のような雰囲気を感じさせる子供だった。
「ナンダ?ソノキバツナカッコウハ?」
「あなたは…」
「わ、私は怪傑歌ずきん!国連とともに国を問わず日夜無償で世直しを…!」
(クリス…カクセテナイ、カクセテナイ)
メカノリモンが苦笑いを浮かべていた。
「イチイバルの雪音 クリスさんですね?僕はエルフナイン。キャロルの錬金術から世界を救うためにあなたたちを探してました。」
「錬金術だと?」
「錬金術って…科学と魔術が混じったオーバーテクノロジーのあの?」
「となると我々が戦っているのはもう1つの異端技術?」
「新たなる敵…錬金術師…」
一方、拓実と爽谷は二手に分かれた。爽谷は響を、拓実はクリスの援護に向かった。
「急いでくれスナイモン!」
「分かっている!ミセス立花の危機だしな!」
「クリスの奴無事だろうな?」
「わからない!けど何か胸騒ぎがする!」
「何?とにかく急ぐぞ!」
拓実と爽谷は途中で分かれて救援に向かった。
一方、響はキャロルとデーモンと向かい合っていた。
「戦ってでも欲しい真実…?」
「貴様にもあるのだろう?」
するとキャロルがデーモンを制止して一歩前に出た。
「そしてお前はそれで月の落下を止めた。その歌__シンフォギアの力で戦って見せた!」
「違う…そうするしかなかったんだ!そんなことしたいわけじゃ…」
「響?」
戦いを拒む響をメタルグレイモンが心配そうに見た。
「シンフォギアで守りたかったんだ!」
しかしキャロルは響の言葉などに聞く耳持たず今すぐ戦えと言いながら生身の彼女を攻撃しようとした。依然響は戦うことを拒否し、何故世界を壊すのか理由を聞いた。キャロルは父親に遺された命題のために自分は戦うと告げ、響はお前には何が残っていると言われた。
「高エネルギー反応が!!どうして戦わないんだ響ちゃんは!」
藤堯は戦わない響に焦りを覚えていた。
「こうなったら俺たちがでる!」
弦十郎が出撃しようとした。
「ダメです!司令が出ては指揮系統が麻痺してしまいます!」
友里に止められた。
「こちら爽谷!間も無く響さんの救援に向かいます!」
爽谷がスナイモンに乗って、響の元に向かっていた。キャロルが攻撃しようと構えたため、メタルグレイモンも構えた。
「ダメ!戦っちゃダメだよメタルグレイモン!」
「けど…!」
「ふん、なら戦うようにしてやろう!」
デーモンも構えるがキャロルに制止された。
「お前は手を出すな!こいつは俺がやる!」
するとデーモンは大人しく構えを解いた。
「さあ、戦え!できることをやって見せたらどうだ!」
「嫌だよ!人助けの力で戦うなんて!」
「"お前も"人助けで殺されるクチか!?」
オレンジ色の魔法を放とうとキャロルは響に向けた。
「そこまでだ!」
「シャドウシックル!」
上空からスナイモンがキャロルとデーモンを攻撃した。
「大丈夫?立花さん?」
「爽谷さん、やめてください!
あの子とは戦わないで!
ねえ、どうして世界を壊そうとするの?キャロルちゃん!」
「まだ言うか!お前にはないのか?"父親に託された命題"が!」
キャロルが響を睨み付けると響は棒立ちになってしまった。
「めんどくさい奴ですね〜」
「おや?ガリィか…"想い出"は?」
「聞いてくださ〜い、マスター!
全然集まらないんですよ〜!"ミカ"ちゃんはいっぱい食べるのに〜!」
ガリィが泣いているのにも構わずキャロルは彼女を"性根の腐ったガリィ"と言い、一旦撤退しようと言った。
「待て!まだ勝負が…!」
「この勝負などつかずともしかるべき敗北をくれてやる!」
「なんならこの場でわたしが吹き飛ばしてくれよう!」
デーモンが構えた。
「まずい!」
爽谷がホルダーに手をかざしてメモリを取り出し、デジヴァイスに挿入した。
<ナイトモン!アトラーカブテリモン!シャッコウモン!デジメモリオン!>
「ケイオスフレア!」
凄まじい業火が響たちを焼き尽くした。
「さあ、戻ろうかキャロル」
「ああ!計画を次の段階に移行する」
「はーい!」
するとキャロルとガリィは壺のようなものを割った。
「次は戦え…出ないとお前の何もかもを破壊できないからな。
俺に踏み込み、汚したお前を…」
キャロルは響を睨みながら消えて行った。デジモンたちが盾になったおかげでなんとか爽谷と響は助かった。
「逃げられたか!」
「託されたものって…私はお父さんから何も…」
すると響は気絶してしまった。友里が爽谷に響の回収に当たるよう言った。
(なんだ?この拭えない違和感は?)
弦十郎はただ一連の出来事を見ることしかできないでいた。
「マスター〜わたしって可愛いですよね〜!」
「なっ、何を分けのわからんことを言ってるんだ!?」
「だってだって〜私たちオートスコアラーはみーんなマスターから作られたんですよ〜」
(ガリィ踊る)
「キャロル、どうなのかここはズバッと言ってみるといい」
「そうそうデーモン様の言う通りですよ〜?」
「あ…ああ…か…」
「か?」
「かわ…ああああああ!!!」
(キャロル悶絶する)
「計画通り…マスターいじんのも楽しいわ〜」
第54回 ガリィ、キャロル、デーモン(inキャロル居城)
ガリィちゃん書くのが難しい!キャラ的に言うセリフが結構書きにくいと言うか何と言うか…