戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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お待たせいたしました!今回からGXが始まります。ぶっちゃけ初見の時に本編通してで1番ハラハラしたのはGXだったりします。無印やGは一回一回でしたがGXは毎回ハラハラさせられたものです。軽くネタバレ言うと序盤はデジモンフロンティア後半あたりに近いんじゃないかなと個人的に思います。


魔法少女事変編
第62話 奇跡の殺戮者襲来!


 夜の横浜埠頭は静まり返っていた。そこを小柄な影が歩いていた。

 

「ハアッ、ハアッ…早くこの"ドヴェルグダインの遺産"を届けないと!」

 

 その時、足元が何者かに狙撃され再び動き出した。

 

「それこそが僕にできる償い!」

 

 小さな影は走り去った。その様子を黄色い衣装を纏った女性が見ていた。

 

「私に…地味は似合わない。次は…"派手"にやる!」

 

 月を前に女性は奇怪なポーズを浮かべ、その手には金貨が握られていた。

 

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 翌日、クリスは通学路を歩いていた。表向きは国連直轄の組織に属するシンフォギア装者といえどクリスは華の女子高生なのだ。通学中の彼女は今日も日常を謳歌すると思っていた。

 

「クリスちゃああああーーーーーんん!!」

 

 響が抱きつこうとするまでは…

 

 クリスは鞄で抱きつこうとした響に鉄拳制裁ならぬ鞄制裁を喰らわした。

 

「お前なあ!何回タメ口で呼ぶなって言ってんだ!?学校の時は先輩って言え!先輩と!」

 

「マータソンナコトイッテ、ホントハウレシインジャナイノ?」

 

 ハグルモンがデジヴァイス越しから小言を言った。

 

「うっせえ!んなわけあるか!この馬鹿を許してたらこいつらに示しが付かねえんだよ!」

 

「相変わらずデスね…」

 

 2人の横にいてポカンとしていた切歌と調が挨拶した。

 

「おはよう2人とも」

 

「おはようございます。先輩」

 

「御機嫌ようデース!」

 

「調ちゃん!切歌ちゃん!」

 

 2人は挨拶する時も仲良く手をつないでいた。

 

「調と切歌は毎日ホットな感じですからね〜」

 

「立花先輩と小日向先輩も変わらずのようで。」

 

 2人のデジヴァイスからキャンドモンとワームモンも響たちを茶化す。

 

「いや〜それほどでも〜!」

 

「褒めてないよ、響」

 

 アグモンがさらっと否定したが響は大してショックを受けていなかった。

 

「最近暑いから、調の腕が程よい冷たさなんデスよ〜」

 

「そういう切ちゃんの二の腕もひんやりとしてるよ?それでいて癖になる」

 

 シャトルの一件から3ヶ月経ち日本は夏真っ盛りであった。それを聞いて2人の真似を響と未来が行うが、赤面したクリスに響が蹴られた。

 

「そういうのは…家に帰ってからにしろ!」

 

____________________

 

 響は今日の授業はというとなぜか殆ど眠っており、その度に教師に叩き起こされていた。なぜなら今日はイギリスで翼とマリアのチャリティーライブが生中継されるのだ。

 

 そして放課後から数時間後、クリスの家に響、未来はもちろん響の友達や調、切歌も来ていた。

 

「で、なんでみんな私らの家に集まってんだ?」

 

 クリスが呆れ気味な態度でテーブルにお菓子を置いた。

 

「すみません、こんな時間に上がり込んで…」

 

「ロンドンとの時差は8時間!」

 

「チャリティーライブを見るのにはこうするしかないと言うか…」

 

 寺島、板場、安藤が申し訳なさそうにクリスに謝罪した。

 

「頼れる先輩のステージだよ?やっと夢に羽ばたいた翼さんだしね?」

 

「そっか、まあ先輩のステージを応援しないわけにはいかねえか!」

 

「わーいお菓子お菓子!!」

 

 デジモンたちはお菓子を食べていた。

 

「それに…もう1人…」

 

 響が調と切歌を見た。

 

「マリア!」

 

「歌姫のコラボ復活デス!」

 

 響たちがパーティをする中、拓実、爽谷、アケミはS.O.N.G本部でライブを見ていた。

 

「あーあー調と切歌も青春してるかしらね?」

 

「うーん…あの2人なら大丈夫だと思うよ姉さん。」

 

「へへっ、やっぱ仲良いなお前ら。ほんと、なんでウチは熱々なのが多いのかねえ…」

 

 爽谷とアケミは手を握っていた。拓実はそれを見て若干苦笑いを浮かべていた。

 

「あったりまえだよ!姉さんとは何年も合わなかったから今のうちに甘えとかないと…」

 

「そうそう。

 

 にしても、マリアと翼って属性が似てない?なんて言うかギャグくさい一面とかありそうじゃない?」

 

雑談をしている中で二人の番が回ってきた。

 

「確かに…あっ!始まるよ!曲は星天ギャラクシィクロスだって!」

 

 ライブが始まった。夕暮れから満天の星空を背景に翼とマリアが踊り歌う姿に会場の人々は次々と歓声をあげて行った。そして、興奮とともに2人は歌を歌い終えた。

 

「いやあ〜それにしてもこんな有名なスターと一緒に友達が世界救うとかまるでアニメだよね!」

 

 板場が興奮しながら響を見た。

 

「うん!うん!やっぱりアニメみたいだね!」

 

 ゴツモンも意気投合していた。

 

「ハハ…全くだよ」

 

 響も苦笑いを浮かべていた。しかし、調と切歌は今のマリアは偶像を強いられていることを知っていたため複雑な表情を浮かべていた。

 

「それは違うよ。きっとマリアさんが守ってるのはみんなが笑いあえる日常なんだと思うよ。」

 

 未来の励ましに2人は同調した。

 

____________________

 

 翼とマリアのライブと同じ頃、横浜の街を走るタンクローリーが突如事故を起こし、大規模な火災が発生した。それに伴いクリスと響に出動要請が出た。

 

 調と切歌も行こうとしたがLiNKERなしでは危険だとしてクリスがこれを拒否し、2人は人助けに向かった。

 

「踊れ…踊らされるがままに…」

 

 横浜では小柄の少年らしい人物が長身の女性から逃亡していた。女性がコインを取り出すとそれを銃弾の容量で打ち出す。そして近くの車を爆破させ確実に追い込もうとした。

 

 響たちが知ったのは火災現場のマンションの防火壁により人が閉じ込められていることと4時の方向に被害が拡大していることだった。

 

「響くんは救助を、クリスくんは被害状況の確認をお願いしたい。」

 

「分かりました!」

 

 ヘリの扉が開いた。

 

「任せたぞ!」

 

「任された!」

 

 響がヘリから飛び降り、デジヴァイスを構えた。

 

「アグモン進化!!グレイモン!

 

 グレイモン超進化!!メタルグレイモン!」

 

 メタルグレイモンは自分でマンションに向かった。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 落下しながら聖詠を口ずさんだ響がマンションへ向かった。

 

(ここからは 限界突破G-beatを聴きながら読むのを勧めます)

 

「一点突破の決意の右手 私と云う音響く中で」

 

 マンションの屋上を撃ち抜いた響は友里の誘導通りに進んで行った。床や壁を破りながらだが…

 

 一方メタルグレイモンは火事が燃え広がらないように周囲を監視していた。

 

 壁を撃ち抜く中で響は避難経路を作り取り残された人々を無事救出した。しかし、まだ少年が残っていた。

 

「マ…マ…」

 

 響が壁を撃ち抜いてその場で保護し、落ちてきた瓦礫はメタルグレイモンにより破壊された。

 

「うちの子が!まだうちの子が残ってるんです!」

 

「その子ならここにいます!」

 

「早く!煙を吸ってるんだ!」

 

 助け出された少年はそのまま救急車により病院に運ばれて行った。

 

____________________

 

 一方、ロンドンではマリアが一足先にステージを降り黒服のエージェントたちと共にその場を去ろうとした。そして彼女たちは人形置き場を歩いていた。不気味な人形に見守られているのにも気が付かずに…

 

 するとあたりに風が吹いた。窓も空いていない地下であるのに風が吹いていたのだ。

 

「風?誰かいるの!?」

 

 マリアが身構えた。

 

「米国政府による司法取引と情報操作によって祭り上げられたフロンティア事変の汚れた英雄_____マリア・カデンツァヴナ・イヴ…」

 

 すると近くの人形がエージェントに近づき、口づけを交わした。すると片方のエージェントは苦しみながら髪の色が白く変化した。

 

「離れろ!」

 

 拳銃でもう1人が攻撃するも風で跳ね返され、額に銃弾が命中し死亡した。

 

「纏うべきシンフォギアを持たぬお前に用はない」

 

 敵の攻撃をかわしたマリア隙をついて相手に延髄蹴りを浴びせた。すると相手は目玉を一回転させた後に剣を上空に構えマリアが突き刺さるのを待っていた。

 

「しまった!」

 

「させねえ!ベビーバーナー!」

 

 顔面に火を吹いたアグモンによりマリアはなんとか助けられた。さらに正面から人形は翼の攻撃を受けるのだった。

 

「翼!?」

 

「友の危機に鞘走らずにいられるものか!」

 

「待ち焦がれていましたわ。風鳴 翼」

 

 攻撃を受けてもなお人形が立ち上がる。

 

「貴様は一体!」

 

「オートスコアラー…あなたの歌を聞きにきました!」

 

 オートスコアラーと名乗った人形が攻撃を仕掛けてきた。敵に対して二刀流で挑む翼だが相手は刀一本だった。一旦距離を置いた翼は二本の刀を一本に合わせて炎を纏って突撃した。

 

「風鳴る刃、輪を結び火翼を以ってこれを切り荒ぶ…月よ煌めけ!」

 

 炎が青に変化し、人形にその攻撃が命中する。

 

<風輪火斬 月煌>

 

 その攻撃で近くの機材に人形が激突した。

 

「やり過ぎよ!人間相手に…」

 

 マリアが翼を非難しようとしたが、翼とアグモンは緊張した表情を浮かべた。

 

「人間なものか!手を合わせてみて分かった。こいつは…化け物だ!」

 

 機材を破壊して人形がなおも立ち塞がった。

 

「聞いていたよりもずっとショボいのね。これじゃやられてあげられませんわね。」

 

 

 

 横浜では帰ろうとした響が少女を発見した。

 

「キャロル…この炎を見るのだ。憎いだろう?お前の父を奪った炎だ…」

 

 キャロルという少女の影が泣いている彼女をなだめた。

 

「キャロル、生きてもっと世界を知るんだ。それがキャロルの…」

 

 父親は火炙りにされる寸前に最期に残された言葉が未だにキャロルの脳裏に焼き付いていた。

 

「辛いだろう?さあ、世界を知ろうじゃないか。」

 

 キャロルの影が語り掛けていた。

 

「消えて仕舞えばいい思い出…」

 

「そうさ…消すんだ。そんなもの消してやらないと…」

 

「危ないよ!今すぐお姉ちゃんが…」

 

 響に見られたキャロルは逆上し、魔法で攻撃してきた。

 

「黙れ!」

 

 間一髪で響は攻撃を回避した。その時、クリスから敵が現れたと云う情報を聞いた。

 

「敵?」

 

 響が恐る恐るキャロルを見た。

 

「キャロル・マールス・ディーンハイムの錬金術は世界を壊し万象目次録を完成させる。」

 

「世界を壊す?」

 

「その通り!そして、新世界を創造するんだよ!」

 

 キャロルの影からローブを纏った何かが現れた。

 

「誰だ!」

 

 メタルグレイモンが影を睨んだ。

 

「七大魔王…憤怒のデーモン。無限の地獄へ誘おう!そして…」

 

「俺が奇跡を殺すと言っている!」

 

 キャロルが風の魔法で響を攻撃した。新たなる敵___錬金術師との戦いが始まる。

 




「新たなる敵は錬金術師が登場!って都会の一等地を転がしたり友達を会員に誘って分配配当を得ようって輩と戦うんですか!?」

「僕らも60話近く戦うとなるとすっかり社会派だね!」

「って、そんなわけないでしょ!それじゃあ戦姫絶唱シンフォギアから宗教勧誘セルスギアってブラックな感じになっちゃうわよ」

「ごめーん未来…いまいち錬金術師とか分かんないから…」

「いいよ。別にそんなに悪気とか無かったんでしょう?」

「うん…」

第53回 響、アグモン、未来(in響、未来のお宅)

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