戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
ナスターシャ教授の救助以降に世間は一気に動き出した。マリアは国連との司法取引により、フロンティア事変での彼女は国連所属のエージェントととして活動していたということになった。とはいえ調と切歌に爽谷も国連の保護観察処分にされ、彼女自身もあまり自由と言えるほどでは無かった。それでも響は彼女が歌で世界を繋ぐと信じていた。
さらに、特異災害対策機動部二課はナスターシャ教授の一件の後正式にその活躍を認められ、国連指揮の元超常現象対策機動部タスクフォース____Squad of Nexus Gurdians通称S.O.N.Gに再編成されたのだ。主にメンバーは旧二課メンバーに冷泉アケミも加わりその行動範囲が大幅に広がった。しかし、その裏では日本政府が持つ異端技術を目の届く範囲に置こうという各国の思惑も同時に含まれていた。
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3月某日
風鳴 翼はイギリスへと旅立とうとしていた。見送りには二課のメンバーに響、クリス、拓実が来ていた。
「翼さん…」
「寂しくなるな立花。」
「いえ!へいき、へっちゃらです!」
「ガンバレよな…」
クリスがそっぽを向いた。
「クリス、イイノ?」
「う、うるせえ!」
クリスは若干涙目になっていた。
「頑張れよ!翼!」
「応援してるからな!」
「お元気で翼はん!」
「頑張ってください!」
「さみしいよ〜!」
弦十郎、藤堯、テントモン、友里、カメモンも手を振っていた。
「翼さん!あなたから託されたもの…絶対に枯らしません!」
「ああ!みんな、行って来ます。」
そして翼はゲートを通っていった。
(奏、行ってくるね。)
翼が空を見上げ、飛行機はロンドンへと向かって行った。
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「行っちまったか…」
「寂しくなるね」
「そうだな、けどあの人なら海向こうでも頑張るさ」
空を見上げながら響たちは翼が乗ったと思わしき飛行機を見て手を振るのだった。
翼を見送った後に、突然空港周辺にデジモンが現れた。
「デジモン出現!その数3体!」
周辺ではデスメラモン、オオクワモン、イーバモンが暴れまわっていた。
「させるか!行くぜ!」
「「おう!」」
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
「Killiter Ichaival tron」
国連指揮の元に動くので響とクリスは人から隠れてシンフォギアを纏う必要がなくなったのである。その代わり2人は純粋な戦闘用から一般人の救助用に役割がシフトしたのも事実である。
「立花さんとクリスは一般人の救助を!」
「お前1人で平気か?」
クリスが尋ねた。
「大丈夫だ!今この瞬間で助けられるひとがいるんだ早く!」
「水琴さんも気をつけて!」
2人は街へ向かった。
「さてと…ここからは俺の出番だ!防人__水琴 拓実!推して参る!」
拓実がデジヴァイスを構えた。
「ベタモン進化!!シードラモン!」
<デルタモン!カブテリモン!デジメモリオン!>
デルタモンとカブテリモンが現れた。
「トリプレックスフォース!」
「メガブラスター!」
「アイスアロー!」
3体のデジモンの攻撃が攻撃を放つも、デスメラモンに受け止められてしまった。
「ヘビーメタルファイアー!」
デスメラモンの一撃で他の2体は消失した。
「ぐわあああああああああ!!!」
シードラモンもオオクワモンの攻撃を受けた。
「シードラモン!立つんだ!翼さんはもういない。だから俺たちが戦うんだ!」
「ああ!!」
シードラモンが起き上がり、オオクワモンの顔面にアイスアローを命中させた。
「シードラモン超進化!!メガシードラモン!」
「お次はこれだ!」
<トノサマゲコモン!ヤタガラモン!デジメモリオン!>
「クラッシュシンフォニー!」
「甕布都ノ神!」
現れたと同時にトノサマゲコモンとヤタガラモンがデスメラモンを攻撃した。
「ヘビーメタル…!」
「させるか!サンダージャベリン!」
メガシードラモンがデスメラモンの背後からオオクワモンごとサンダージャベリンで撃ち抜いた。
「残るは究極体だけだ!」
拓実は今まで動かずに沈黙していたイーバモンを見た。
「ブレインラプチュアー!」
するとメガシードラモンが退化してしまった。
「ベタモン!大丈夫か?」
「うん、拓実!ここは究極体で行こう!」
「ああ!!」
拓実がデジヴァイスを構えた。
「ベタモンワープ進化!!メタルシードラモン!」
メタルシードラモンがイーバモンに突進したが、あっさり避けられた。
「アルティメットストリーム!」
アルティメットストリームはイーバモンに受け止められてしまった。イーバモンのブレインラプチュアーには相手のデータを吸収する機能があったのだ。
「だったら!」
<レイヴモン!デジメモリオン!>
レイヴモンがイーバモンの背後から現れ、イーバモンを投げ飛ばした。
「天尾羽張!」
空中へ向けて雷撃を纏った一撃が放たれ、イーバモンの左腕が破壊された。
「アルティメットストリーム!」
空中から落下しようとしたイーバモンはアルティメットストリームで貫かれ、爆散した。
戦いの後、拓実は響たちと合流した。
「立花さん!どうだった?」
「幸い被害は出てないです。」
「そうか。」
拓実は安堵した表情を浮かべた。
「なあ、これからあたしたちは先輩なしで行くわけだけど、あいつらもいるんだよな?」
クリスが不安そうな表情を浮かべた。
「うん!冷泉さんに調ちゃん、切歌ちゃんだね!」
「あいつらをどうするかだよな…あいつらはLiNKER頼みの装者、純粋なシンフォギア運用は危険だ。」
「まあ、シンフォギア纏えなくても戦えてる人ってのはいるんだ。
消火器とかそういうのの使い方教えてあげりゃいいだろ?俺だってデジヴァイスがなけりゃただのレスキュー要員なんだ。」
拓実がデジヴァイスを見せた。
「確かにそうですね。これからは6人で頑張りましょう!」
「ああ!翼さんが頑張るんだ!俺たちも頑張らないとな!」
「だから、なんでお前が仕切るんだよ!」
「いいだろ、雰囲気的に!」
3人は歩き出した。分かれた友を見送り、それぞの道に歩き出した。
「新天地ロンドン…ここで私は夢を…「大変です翼さん!」」
「どうしたの緒川さん!?」
(緒川が息切れを起こして翼の部屋に入る)
「イギリスのテレビから翼さんのオファーが殺到してます!」
「海を越えても私にですか!?」
「はい!とある島で翼さんの生活に密着するドキュメンタリーだそうです…」
「くっ!なんの当てこすりなの!」
(翼、唇を噛みしめる)
第51回 翼、緒川