戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

59 / 227
第58話 再会 暖かい絆!

 その日、拓実は大学の発表を終え帰宅していた。

 

「おめでてえな!頑張れよ!」

 

「あなたの夢を叶えなさい!」

 

「ありがとう、父さん!母さん!」

 

「よかったな拓実!これで夢のスタートだ!」

 

「ああ!ありがとうベタモン!」

 

 拓実は無事に大学に受かり、両親とパーティーをしていた。

 

 そんな中である女性が街を歩いていた。

 

「どこにいるの?私はここだよ?爽谷…」

 

 女性はキャリーバックを持ちながら歩いて行った。

 

____________________

 

 翌日、響と未来が帰宅しようとしていた。

 

「今日は何にしようか?フラワーでも行く?」

 

「この間もフラワーだったじゃない。あんまり食べてると太っちゃうわよ?」

 

「うー…ん?」

 

 目の前で紫髮のメガネをかけた女性が地図を見ていたのが見えた。

 

「困ったわね…」

 

「あのーどうかしたんですか?」

 

「ええっとね…実は「ぐわああああああああああああーーーー!!!!」」

 

 女性が何か言おうとするのを遮って暴走したミヒラモン、チャツラモン、ブロッサモンが現れた。

 

「デジモン!?」

 

「未来!」

 

「うん!」

 

 2人はデジヴァイスを構えた。

 

「アグモン進化!グレイモン!」

 

「ピヨモン進化!バードラモン!」

 

「響です!デジモンが現れました!応援を頼みます!」

 

「わかった!」

 

 通信機で応援を頼んだ2人は女性を連れて避難しようとした。

 

「さあ早くこっ「邪魔をしないで…!」」

 

 女性が懐からデジヴァイスを取り出した。

 

「あれは!」

 

 響と未来もデジヴァイスを構えた。

 

「お願い…ピコデビモン…」

 

「オッケー!任せて!」

 

 デジヴァイスが緋色に輝いた。

 

「ピコデビモン進化あああああああああーーー!!!アイスデビモン!」

 

「頼んだわよ。」

 

「任せて!行くわよ!」

 

 アイスデビモンがブロッサモンに掴みかかった。

 

「グレイモン超進化!メタルグレイモン!」

 

 メタルグレイモンがチャツラモンを吹き飛ばした。

 

「何考えてるの?助けてって言ってないわよ?」

 

「いいえ!私があなたを守りますから!私の趣味は人助けですから!」

 

「そう…」

 

「響!手伝うよ!」

 

「ありがとう未来!」

 

 未来がデジメモリを取り出した。

 

「このメモリをまずは!」

 

<ガルルモン!デジメモリオン!>

 

 ガルルモンがミヒラモンを横から突き飛ばした。

 

「フォックスファイアー!」

 

 青い炎がミヒラモンを命中したはずだったが翼でかわされた。

 

「ヴィーモハナ!」

 

 ミヒラモンの尻尾の宝棒がガルルモンを打ち倒した。

 

「メテオウイング!」

 

 バードラモンの翼から放たれた火の玉がミヒラモンを攻撃するがミヒラモンには通用しなかった。

 

「だったら!」

 

<ホエーモン!デジメモリオン!>

 

 未来がデジメモリを挿入するとホエーモンが現れた。

 

「タイダルウェーブ!」

 

 大波がミヒラモンを飲み込んだ。

 

「今よ!バードラモン!」

 

 未来がデジヴァイスを構えた。

 

「バードラモン超進化!!ガルダモン!」

 

 ガルダモンは進化してすぐにミヒラモンを掴み上空に投げ飛ばした。

 

「シャドーウイング!」

 

 ガルダモンの一撃が落下するミヒラモンに命中した。

 

「やったあ!」

 

 ガルダモンがとどめを刺す頃にはアイスデビモンが追い込まれ、メタルグレイモンがチャツラモンを追い込んでいた。

 

「アイスデビモン!」

 

「ええ!フロストクロー!」

 

 アイスデビモンの一撃がブロッサモンの顔面にヒットした。

 

「じゃあ、これで!」

 

<ワーガルルモン!デジメモリオン!>

 

 黒いワーガルルモンが現れ、さらにブロッサモンを殴りつけた。

 

「とどめよ…!」

 

「円月蹴り!」

 

「フロストクロー!」

 

 2体の連続攻撃でブロッサモンは倒れた。

 

「トライデントアーム!」

 

 チャツラモンが攻撃する間も与えずメタルグレイモンは全体を捉えて投げ飛ばした。

 

「ギガデストロイヤー!」

 

 チャツラモンは逃れられず攻撃が当たり、倒された。

 

____________________

 

「立花さん!」

 

「立花!無事か!?」

 

「って、もう片付いてたのかよ。で、そこの人は誰だ?」

 

 拓実たちもその場に遅れながら駆けつけた。

 

「実はこの人を助けようとしたら突然デジモンが現れたんです。」

 

「あ!そうだった!さっき困ってませんでした!?大丈夫ですか?何かあったら手伝いますよ?」

 

 響たちが女性を見た。

 

(あれ?どっかで見たことあるような?)

 

 拓実が女性を見て首を傾げた。

 

「実は、探してるとこがあるの。」

 

「どこですか?どこですか!?」

 

 響が目を輝かせていた。

 

「"特異災害対策機動部二課の本部"なのだけれど…どこか知ってる?そこの人と話がしたいのだけれど?」

 

 それを聞いて一行は顔色を変えた。

 

「何者だ貴様は!」

 

「お客様…っていう解釈でいいわ。」

 

 女性は薄っすらと笑みながら言った。

 

「落ち着けって!取り敢えずオッさんに用があるんだろ?」

 

「ええ、その人に連絡して頂戴。会いたい人がいるって…」

 

 翼たちが弦十郎に相談したところ連れてくるように頼んだ。

 

「いいのですか?」

 

「ああ…誰なのかは知らんが何かしらの方法で俺たちを知ったのだろうな。」

 

「それに彼女もデジヴァイスを持っていたことに関して聞かねばならないな。」

 

 クダモンも弦十郎の肩に乗りながら緒川に言うと弦十郎も首を縦に振って、モニターを見た。安全上、女性には手錠がかけられていた。

 

____________________

 

 本部の廊下を響たちは歩いていた。女性の後ろをクリスが歩いていた。

 

「潜水艦が本部って中々オシャレなのね。」

 

 手錠をかけられているにも関わらず、余裕そうに女性が辺りを見た。

 

「立花…彼女は何を考えてるのか分からないな…」

 

「ええ…若干怖い感じがします。けど、どこかでこの感じを味わったような気がするんです。」

 

「奇遇だな。俺もだ。」

 

 翼たちが小声で囁いていた。

 

「まあ、若干怖いのは否定しないわ。」

 

「聞こえてる!?」

 

「こう見えて耳はいいのよ?大体言ってることは聞こえてるもの。」

 

 そして響たちは部屋に入った。

 

「司令、お待たせしました。客人を連れてきました。」

 

 部屋に入ると緒川と弦十郎がソファーに座っていた。

 

「すまんな、翼。さあどうぞ座ってください。」

 

「はい。」

 

 すると手錠が外された。

 

「私こういうものです。日本では初対面の人には名刺が欠かせないと知ってます。」

 

 女性が名刺を全員に配った。その名刺は緑色の字で書かれていた。

 

「冷泉 アケミ…みなさんご存知の…」

 

 アケミがお茶を飲んでいた。

 

「"冷泉 爽谷の姉"です…」

 

「なっ!」

 

 全員が息を飲んだ。

 

「あんたが爽谷の姉さん!?」

 

「ええ、今日は二課の皆さんに爽谷たちがどこにいるのか知りたくて探してました。

 

 てっきり街中に何かしらあるかと思ったら、こんなオシャレな潜水艦を本部にしてたなんて気がつかなかったわ。」

 

「君は彼に会ってどうしたい?」

 

 弦十郎はアケミをただじっと見ていた。

 

「会いたい。

 

 何年も引き離されきっとあの子は私のことを恨んでいるか心配しているわ。だから、会ってあの子を安心させてあげたい。そして2人で幸せになりたい、ただそれだけ…」

 

 アケミは湯のみをじっと睨んだ。

 

「…いいだろう。」

 

「いいんですか?司令?」

 

 緒川が弦十郎を見た。

 

「家族に会いたいって言う奴のお願いだ。断るわけにはいかんだろう?」

 

「でしたら、師匠!一週間後に私達マリアさんたちのところに会いに行きますから!アケミさんも連れて行きます!」

 

「ありがとう…」

 

「はい!私は立花 響16歳!こっちが親友の…」

 

 響が胸に手を当てて自己紹介を始めた。

 

「小日向未来です。よろしく」

 

 未来も挨拶するが翼とクリスはあまり馴染めてはいないようだった。

 

「風鳴 翼…」

 

「雪音 クリスだ…」

 

「水琴 拓実です。爽谷の…友だちです!」

 

 アケミは友だちという言葉に反応し、拓実を見つめた。

 

「えっと〜どうかしました?」

 

「そう…初めて友人ができたのね。」

 

 アケミが優しく微笑んでいた。

 

「さてと、話はこれだけじゃないの。これを渡す目的もあったの。」

 

 するとキャリーバックからアケミは何か小型のものを取り出した。それは何かの意匠があった。それらにはそれぞれ鋼、木、雷、氷、闇、光の文字が刻まれ、2つずつあった。片方は人型、もう片方は獣の姿をしていた。

 

「これは…」

 

「アメリカ政府が最近極秘調査で見つけたものなんだけど、フロンティアの事件後日本政府に渡す予定のものよ。しかもこれはデジタルワールドのものだと分かったの。これをあなたたちに託したいの。」

 

「何故君はこんなものを?」

 

 弦十郎が置物を見ながらアケミに尋ねた。

 

「ドゥフトモンに託されたの。マリアたちによって解放された時に彼が私にデジヴァイスが与えられた。その時にこれを託されたの。彼らロイヤルナイツもこれを調べてるみたい。」

 

「分かった。二課の技術でどうにかしよう。」

 

 

 

 一週間後、響たちはマリアたちのところに遊びにきていた。

 

「姉…さん!?」

 

「爽谷…また会えたね。」

 

「姉さん…」

 

 アケミが爽谷に歩み寄ってきた。

 

「こんなに背も大きくなって…実に8年ぶりね…」

 

「うん…」

 

 爽谷は嗚咽しながら号泣していた。

 

「って、男の子でしょ?あんまりみっともなく泣くもんじゃないって!」

 

「でも…」

 

「なーんてね、今日はスペシャルサービスよ。」

 

「なんだ!嘘つき!」

 

「いいのよ!たまにはこう言うことしたって!」

 

 姉弟が抱擁しながらイチャイチャしていた。

 

(よかったな、爽谷…)

 

 拓実が爽谷を笑いながら見ていた。

 

「はいこれ。春からはみんなおんなじ学校だからね。」

 

「これって…いいんデスか!?」

 

「うん!」

 

「その代わり先輩としてビシバシやるから覚悟しとけよな!」

 

 クリスがえっへんと言いながら2人を見た。

 

(やはり…特機部ニに身を寄せたのは間違いじゃなかった…)

 

 マリアがホッとした表情を浮かべた。

 

「それにしても…"みんな丸くなったな"」

 

「え?」

 

「いやな、冷泉はともかくみんな丸くなったじゃないか。特にマリアだな。」

 

 翼の一言で爽谷とアケミ以外全員ずっこけた。

 

(翼さん…あんたそれを他の人の前で言うか?)

 

 拓実が突っ込むのを我慢していた。これ以上丸くなったといえばお仕置きは不可避だと感じたからである。

 

「べ、別にご飯が美味しかったからってわけじゃないから!」

 

「そっ、そうデス!気のせいデスよ!はははは…」

 

(この剣…可愛くない!)

 

 マリアは丸くなったという一言に涙していた。

 




爽谷の姉さんの登場です。ではでは紹介いきます。

名前:冷泉 アケミ
年齢:22
誕生日:3月19日
好きなもの:爽谷、アイス
嫌いなもの:極端に熱いもしくは寒い日
性格:割と暗そうに見え、沈着冷静だがある程度茶化したりはする。爽谷とは何年も会わなかったからかブラコンをこじらせている。しかし、向こうもシスコンをこじらせているため共依存に近い。
パートナー:ピコデビモン(イメージCV.永野 愛)
血液型:B型
イメージCV:M.A.O

キャラクターのイメージはデジモンワールドRe:Digitaizに登場する御神楽 ミレイを参考にしました。ちなみに拓実は02の大輔、爽谷は同じく02の賢ちゃんを参考にしてます。そして今後に出てきそうな新要素の鍵を今回出しました。何かはお楽しみを!

追記)彼女はまだクール

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。