戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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G完結です。後半になるにつれて区切りの良いシーンがあまり見当たらずGは書くのに苦労しました。GXはそれの何倍になるのか不安ですが、気長に待っててください。


第52話 終結!遥か彼方、星が音楽となった日!

 フロンティアの地下では切り札を失ったウェル博士は呆然としていた。

 

「そんな…ネフィリムと魔王が…やられるなんて…」

 

 その時、弦十郎と緒川が現れた。

 

「そこまでだウェル博士!お前の手には世界は大きすぎたようだな!」

 

「ヒッ、ヒイイイイイイイイイイッ!」

 

 逃げ出そうとしたウェル博士を緒川が拳銃で彼の影を撃った。弾丸は放物線を描き、ウェル博士が端末に触れるのを阻止した。

 

<影縫い>

 

「さあ、大人しくしてもらおうか。」

 

「あなたの好きにはさせません!」

 

 ウェル博士は必死にもがいていた。

 

「奇跡が一生懸命の報酬なら…僕にこそおおおおおおおおーーーーー!!!」

 

 ウェル博士は影縫いに無理やり抗い、体から血を流しつつ端末に触れた。

 

「何をした!?」

 

「別に!ただ"切り離せ"と命じたのさ!ネフィリムの心臓とな!」

 

 ウェル博士の行動に2人は動揺した。

 

「ヒャハハハ!!こちらの制御を離れたネフィリムはこの船体を喰らい尽くす!そしてそれが糧になって放たれるエネルギーは…1兆度だああああああーーーー!!!!」

 

 1兆度は地球全土を蒸発させる温度である。そんな状況でもウェル博士は狂ったように笑っていた。

 

「僕が英雄になれない世界なんて蒸発してしまえば…「ふんっ!」」

 

 弦十郎の一発で端末は破壊されたものの暴走は止まらなかった。

 

 ____________________

 

 緒川と弦十郎はひとまずウェル博士を確保し二課の本部に戻り、翼たちにも連絡した。

 

「確保なんて流暢なことを…僕を殺せば済むのに…」

 

 ウェル博士はうわごとを言いながら空を見ると巨大な岩が向かっていた。しかし、弦十郎はそれを拳一つで破壊した。

 

「殺しはしない…!お前を"理想に殉じた英雄"でも"ただの悪魔"でもない!"どこにでもいるただの人間"として裁いてやる!」

 

 それを聞いたウェル博士は誰か自分を殺せと泣きじゃくった。自分を英雄にしろと。

 

 そしてフロンティアの中心では雷と共に赤い姿をした怪物が現れようとしていた。その禍々しい気迫に奏者やデジモンたちも圧倒されていた。

 

「藤堯!」

 

「忙しすぎですよ!ったく!」

 

「ぼやかないで!」

 

 弦十郎たち二課のメンバーに未来、そして確保したウェル博士を乗せた潜水艦は搭載されたミサイルで岩盤を切り抜き、それによる自由落下でその場から離脱した。

 

「あれが!司令の言っていた…!」

 

「再生するネフィリム!」

 

 ネフィリムの心臓がフロンティアと融合し赤い龍に変化した。

 

 ____________________

 

「おぞましい…!」

 

「これも人間の狂気か。哀れだな。」

 

 ジエスモンと人型に戻ったドゥフトモンがそれを見ていた。

 

「行くよ、ボルトモン!」

 

「ああ!ディフィートさせてやる!」

 

「グランクワガーモン!」

 

「任せろ!」

 

 調と切歌にボルトモン、グランクワガーモンが先陣を切った。

 

「危ない!2人とも!」

 

 爽谷も2人の援護に回った。

 

「トマホークシュタイナー!」

 

「ディメンションシザーズ!」

 

「セブンヘブンズ!」

 

 調は手足のギアを分離させて巨大ロボットさながらの姿でコックピットに乗り、切歌は鎌の刃を3つにして回転させネフィリムに突撃した。

 

<終Ω式 ディストピア>

 

<終虐・Ne破aア乱怒>

 

 しかし、調と切歌は攻撃を避けられデジモンごと攻撃され、2人のギアにヒビが入った。

 

「きゃああああああああ!!!」

 

「調!切歌!ぐわあああああああ!!」

 

 爽谷もネフィリムに殴り飛ばされ、レボリューションが解除されてしまった。

 

「まずい!」

 

 咄嗟に爽谷はデジメモリを取り出した。

 

「フュージョン…レボリューション!」

 

<ダークドラモン!フュージョンレボリューション!>

 

 咄嗟にレボリューションしたダークドラモンで爽谷は体勢を立て直した。

 

「聖遺物の力を吸収するだけじゃなくそのエネルギーまで!」

 

「こんなのが地上になんか出たら…!」

 

「蒸発しちゃう!」

 

 マリアたちもネフィリムを食い止めようとしたが全員ネフィリムとリヴァイアモンにより体力を削られていた。

 

「くっ、何か奴を地上に落とさず倒せる場所はないものか…?」

 

 ドゥフトモンは戦いながら考察していた。

 

「この野郎!」

 

 拓実もイージスドラモンのまま攻撃しているとクリスが装者たちの前に出た。

 

「バビロニア…フルオープンだ!!」

 

 クリスソロモンの杖を使ってエクスドライブモードの力でバビロニアの宝物庫を拡大させた。

 

「それだ!それさえあればノイズごとネフィリムを片付けられるぞ!」

 

 ドゥフトモンがネフィリムに向かって行った。

 

「人を殺すだけじゃないってことを最後ぐらい見せてみろよ!ソロモンーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

「危ない雪音!」

 

 ネフィリムの抵抗で翼とクリスが吹き飛ばされた。

 

「翼さん!クリス!クソッ!ソロモンの杖を回収しねえと!」

 

 その時マリアがソロモンの杖を使った。

 

「明日をおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 ネフィリムが攻撃しようとしたが拓実と爽谷にドゥフトモンがそれを防いだ。しかし、ネフィリムは手から触手を生やしてマリアを捕らえた。

 

「マリア!」

 

「マリアさんから離れろ!ダークロアー!」

 

「ジオグレイソード!」

 

 ダークドラモンが腕から放ったレーザーで攻撃するがネフィリムの攻撃でバビロニアの宝物庫に入れられてしまった。シャイングレイモンもマリア動揺捕らえられてしまった。

 

「格納後に私がゲートを閉じる!ネフィリムは私と爽谷が!」

 

「自分を犠牲にするつもりデスか!?」

 

「マリアああああああああ!!!!」

 

 他のデジモンたちもネフィリムの触手に捕らえられていた。

 

「くっ!小癪な!」

 

「なんという執念だ…!道連れさえ厭わないなんて!」

 

 デュナスモンとロードナイトモンをジエスモンとスレイプモンが解放させた。

 

「助かった!」

 

「水琴!冷泉 爽谷を救いに行くぞ!」

 

 スレイプモンがイージスドラモンに言うとイージスドラモンは首を縦に振った。

 

 

 そしてデジモンたちは次々とバビロニアの宝物庫に向かって行った。

 

「こんなことで私の命は償えない…けれど全ての人の命は私が救う!」

 

「マリアのすることなら俺も付き合うぜ…」

 

 マリアとシャイングレイモンがネフィリムとの心中を決意しようとすると響たちも彼女の横に立った。

 

「じゃあマリアさんの命は私たちが守りますね。」

 

「あなたたち…」

 

 そして装者とデジモンたちはネフィリムと共にバビロニアの宝物庫に入った。

 

 そしてゲートは閉じた。

 

「響イイイイイイーーーー!!!」

 

「衝撃に備えて!」

 

 二課のオペレーターに負傷したカメモンとテントモン、未来を乗せた潜水艦は分離してパラシュートを展開し地上へと降りた。

 

 ____________________

 

 バビロニアの宝物庫___そこは武器格納庫でもあり無限のノイズプラントである。響たちのパートナーも散らばってノイズを次々と倒していった。

 

「ディメンションシザーズ!」

 

「トマホークシュタイナー!」

 

「トライデントガイア!」

 

「ハイパームゲンキャノン!」

 

「雷光一閃之突き(らいこういっせんのつき)!」

 

 ノイズたちは響たちに目をつけ攻撃しようとしたのをデジモンたちが阻止しようしていた。

 

「ブレス・オブ・ワイバーン!」

 

「アージェントフィアー!」

 

「シュベルツガイスト!」

 

「アウススターベン!」

 

「ビフロスト!」

 

 大型のノイズはすべてロイヤルナイツが一掃していった。

 

「僕たちは1人じゃない!」

 

 ビクトリーグレイモンがドラモンブレイカーを振りかざしていた。

 

「こうして一つになって!」

 

「進化して!」

 

「パートナーたちがいるから!」

 

「守りたい笑顔があるから!」

 

「「「「「負けない!!!!!」」」」」

 

 パートナーデジモン5体はノイズを倒しているのをロイヤルナイツは余裕の表情で見ていた。

 

「フッ、あいつらもいい目をするな!」

 

「美しい…」

 

「絆のなせる技…そう言いたいのだろう?スレイプモン。」

 

「うむ、私はこれを知ったことで変われたのだ。きっとデジモンの未来も変えられると信じてみたい。異なる種との絆が作る未来を。」

 

 拓実は落ちていく爽谷を受け止めた。

 

「しっかりしろ!姉ちゃんに会いたいんだろう!?」

 

「ああ…!」

 

 爽谷が拓実の手を取った。

 

「行くぞ!」

 

「うん!」

 

 2人は響たちの方へ回った。

 

「確かに私は英雄なんかじゃない。でも…1人じゃない。」

 

 ____________________

 

 装者たちが戦う中、ナスターシャも月へ向かう途上で病の身でありながらも戦っていた。

 

「フォニックゲイン照射継続…」

 

 ナスターシャも命の終わりが近いため吐血してしまうがそれでも月の落下を止めるのを諦めなかった。

 

「月遺跡…バラルの呪詛完成装置の再起動を確認…月のアジャストを開始…」

 

 月の欠けた部分が光りだすとナスターシャは光り輝く地球を見て微笑んだ。

 

(ここから先はVitalizationを聴きながら読むのを勧めます)

 

「星が…音楽となって…」

 

 一方、バビロニアの宝物庫では装者たちも各々がノイズを一掃していた。

 

「いっけええええええ!!!」

 

 左腕からガングニールの槍のようなものを展開させた響が突撃していった。

 

「はああああっ!!」

 

 翼も大型のノイズを逆羅刹で切り刻み、クリスも銃火器を大量に使い一掃した。

 

「調!まだデスか!?」

 

「もう少し…!」

 

「手伝おう!スパイラルマスカレード!」

 

 ロードナイトモンが調と協力してマリアとシャイングレイモンの拘束を解いた。

 

「喰らえ!グロリアスバースト!」

 

「俺たちも行くぜ!パワーウォーター!」

 

「ダークロアー!」

 

 ネフィリムを攻撃させ一時的に怯ませた。

 

「マリア!大丈夫!?」

 

「ええ!けどこの杖一本じゃとてもこんな数は…!」

 

「マリアさんはもう一度それで宝物庫を開けることに集中してください!」

 

「え?」

 

「外で開けられるなら内側でも開けられる!」

 

「鍵なんだよそいつは!」

 

「頼みます!マリアさん!」

 

「マリアさんのしたいことを果たしてください!セレナさんに言ったことを…!」

 

 響、翼、クリス、拓実、爽谷が励ます中マリアはぎゅっと杖を握った。

 

(私は応えなくちゃいけない!あの子たちの繋がれた絆のために!だから!)

 

「セレナあああああああああああああああああああああーーーーーーーーー!!!!!」

 

 マリアの叫びでゲートは開かれた。

 

「さあ早く!」

 

 パートナーデジモンたちとロイヤルナイツは早々に脱出し装者たちや拓実に爽谷も続くが、ネフィリムに防がれてしまった。

 

「あくまで一緒に死ぬ気か!」

 

「まさしく…"引かれ者の小唄"!」

 

 2人が苦虫を潰したような表情を浮かべた。

 

「迂回路は無しか…」

 

「なら、するべきことが一つ!」

 

「え?」

 

「手をつなごう!」

 

「手を…繋ぐ?」

 

 皆が手を繋ぐのを爽谷と拓実が手を繋いだ。

 

「マリア」

 

「マリアさん」

 

 切歌と響がマリアに手を差し伸べた。

 

「爽谷、早く。」

 

「水琴、ともに行くぞ。」

 

 爽谷と拓実も切歌と翼と手を繋いだ。そしてマリアが胸から剣を伸ばして宙に投げた。

 

「この手…この手だけは絶対死んでも放さない!」

 

 マリアと響が手を突き上げた。

 

「「最速で!最短で!まっすぐに!」」

 

 すると全員が光に包まれた。

 

「この光は?」

 

「あったかい…」

 

 その光でマリアと響のギアが左右の手を形成した。

 

「「一直線にいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」

 

 形成された手がネフィリムへと向かっていった。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 

 その手はネフィリムを貫いた。

 

<Vitalization>

 

 貫いた手で装者たちは地上に戻ったがソロモンの杖が装者たちより離れたところに刺さってしまった。

 

「くっ!大人しくしろ!」

 

 デジモンたちのネフィリムが外に出ないように食い止めていた。

 

「杖が…早くソロモンの杖を回収しないとネフィリムが爆発してしまう…!」

 

 マリアたちも落下の衝撃で、動けず爽谷と拓実はレボリューションが解けてしまった。

 

「クソッ!動けない…なんとかしなくちゃ…」

 

「まだだ…」

 

「心強い仲間なら他にもいる!」

 

「最後の切り札が…!」

 

「仲間?」

 

「私の______親友だよ」

 

 響たちが見たのは走り出した未来だった。

 

(ギアだけが戦う力じゃない!響にそう教えてもらった!)

 

「私だって…戦うんだ!」

 

 未来がソロモンの杖を取った。

 

「お願い!閉じてえええええええええええええええええええーーーーーーーーー!!!」

 

 未来の一投で杖はバビロニアのゲートに飛ばされていった。ネフィリムは白い光を放ち、爆発しようとしていた。

 

「よけろ!」

 

 ロイヤルナイツとパートナーデジモンたちもよけた。

 

「誰もが戦わなくてもいい世界にいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 杖が閉じる寸前のゲートに入り、赤黒い波動とともにネフィリムとバビロニアのゲートは消滅した。そして未来は息切れを起こしながらも笑顔だった。

 

 ____________________

 

 あたりは日が沈もうとしていた。

 

「ヒヒヒ…間違ってる…英雄を必要としない世界なんて…」

 

 連行されるウェル博士をよそに緒川が弦十郎に月の起動は正常に戻ったことを報告した。しかし、ナスターシャとは連絡が取れなくなってしまったようだ。

 

「マムが月を止めてくれた…ありがとうお母さん。」

 

「マリア…」

 

 アグモンが心配そうに見つめていた。マリアのアガートラームは砕け散ってしまいもう戦えなくなってしまった。すると響がガングニールをマリアに返そうとしたがマリアはガングニールは響にこそ相応しいとして断った。

 

「だが、また月の遺跡を再起動させてしまった。」

 

「バラルの呪詛か…」

 

「人類の相互理解が失われちまったってわけか。」

 

 クリスたちはまた人類の相互理解が失われることに不安な表情だった。

 

「へいき、へっちゃらです!だってこの世界には歌があるんですよ!」

 

「響ィ…」

 

 未来が目を輝かせて笑顔を浮かべている響を見た。

 

「で、あの2人は何やってんだ?」

 

「さあ?あまり割って入らない方がいいだろう…男児2人の会話だ。何か大事なことなのだろうな。」

 

 

 クリスと翼は砂浜で寝転んで空を見ている爽谷を見た。

 

「終わったのかな?僕たちの戦いは…」

 

「ああ、かもな。」

 

「僕は…自分のしたいことがある。けど…その前に罪を償わないと、決して許されるものじゃない。それをきっちりさせないと姉さんにだって会えない…」

 

「何いってんだ!」

 

 拓実が爽谷の肩をポンと叩いた。

 

「やりたいことが遥か遠くにあって他にやることがお前の目の前にあんなら、さっさと片付けな。

 

 それからでもいいだろう?お前の姉ちゃんと再会すんのはさ。」

 

 拓実が立ち上がって爽谷に手を差し伸べた。

 

「ありがとう、拓実。

 

 いつか僕はもう一度君達と一緒に戦う。そして見たいんだ"人が繋がりあえるような世界"を。今回は特機部ニに教えられたけど実現させるのは僕らさ。」

 

 爽谷は拓実の手を握って立ち上がった。

 

「だから、その時まで待ってて欲しい。」

 

「ヘッ!当然だ!心強い4人の仲間、期待して待ってるぜ!」

 

「おい、そこの男2人!早くしろ!」

 

 クリスが大声で2人を呼んだ。

 

「じゃあ、またあとでな。」

 

「うん!」

 

 2人が走り出した。

 

「人は繋がれるって信じてる。いつかの時間でもどこかの場所じゃない。たしかに…伝えたから。」

 

 調が響に伝えたのは今日を生きるものたちを信じたフィーネの遺言だった。

 

「立花 響______君に会えてよかった。」

 

 マリアたちが微笑みながら、去っていった。

 

「さてと、俺たちも帰りますか。」

 

「なんでお前が仕切るんだよ!」

 

「いいだろう、別に?なんやかんやの大団円というものがあってだな…」

 

「フッ、全く…」

 

クリスとくっちゃべる拓実を見て翼が笑みを浮かべた。

 

「帰ろう!未来!」

 

「うん!」

 

 ____________________

 

 その後、マリアたちの逮捕・拘束が決定し今回の事件____フロンティア事変は一応の終息を迎えた。その後、マリアたちは逮捕された日本国内での裁判にかかるはずだった。

 

 ところが、アメリカ政府はテロ行為で各国を脅かしたということで彼女たちを国際法廷で裁くことを主張し始めた。元々彼女たちはFIS所属だったため、アメリカ政府からすれば諸々の不都合な事実を知っていたのだ。よって、口封じを兼ねてウェル博士とマリアはおろか未成年の調と切歌、爽谷を含めた全員に死刑を適用しようと企てたのだ。

 

 しかし、外務省事務次官である斯波田は前以てアメリカ政府の事情を不都合な事実を隠蔽しなければ国民からの糾弾は免れないことを知った。その上で彼は「そんな事実はない」の一点張りを続けた。その甲斐あってかアメリカ政府は情報開示と操作介入を諦めた。その結果、両者が介入を辞めたことでFISという組織そのものが無かったことになった。

 

 それによりマリアたちFISは国連の元で保護対象になり、事件は完全に終結した。しかし、フロンティア事変によって救われたこともあった。それはFISによって秘密裏に処分される予定だった予定のレセプターチルドレンたちの多くがナスターシャたちの蜂起で存在が明るみの出ることを恐れたアメリカ政府により保護または解放されることになった。その中には爽谷の姉も含まれていたという。

 

 ____________________

 

 また一つ大きな事件が終息し、響たちは元の日常に戻った。

 

「おっはよー!翼さん、クリスちゃん!」

 

「立花か…聞いてくれ。あれ以来雪音が私のことを先輩と呼んでくれないのだ…」

 

「翼…」

 

 ファルコモンがデジヴァイス越しで引き気味に残念そうな顔を浮かべる翼を見た。

 

「なになに〜?クリスちゃんてば翼さんを先輩って言っちゃってるの?」

 

「ちょっと響!」

 

 響の一言でクリスは笑顔を浮かべた。

 

「いいこと教えてやろうか?あたしはあんたの先輩なんだよ!!」

 

「オチツイテクリス!」

 

「うっせー!もってけダブルだ!」

 

 翼にも呆れられながら止められクリスは渋々響に突っかかるのをやめた。

 

「ねえ?響、大丈夫なの?怪我とか平気?」

 

 すると響が他の生徒がいる前で未来の腕を抱いた。

 

「私を蝕む聖遺物があの時綺麗さっぱり無くなったよ。でもね、奏さんのガングニールは消えたけど歌は消えてない。絶対になくならないよ。」

 

 そして響は空を見上げた。

 

「それにそれは私だけじゃない。誰の胸にある歌なんだ。」

 

 70億人の人々は歌で一つになった。たとえ人の理解が遠のいたとしてもいつかまた一つになれる。歌がある限り_________

 




「マリア姉さん…私、出番が欲しい…」

「大丈夫よセレナ!あなたのG本編での冒頭50秒くらいはまさしくシンフォギアって感じで輝いてたわ!」

「なんかそれ…嬉しくないかも…」

「そんなセレナにはシンフォギアXDだ!セレナやあたしの出番もあるぞ!」
「奏さん…」

第46回 マリア、セレナ、奏(in搬送中)

追記)2018年2月にセレナ参戦!!おめでとう!

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