戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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あと2話でGが終わります。そして日常回を何回かやってからGXに入ります。かれこれ50話達成ですが、シンフォギア本編の話数は少ないというねwwwww



第50話 生きるのを諦めるな!響の光!

 歌を歌い終えたマリアの部屋にソロモンの杖を失ったウェル博士が彼女を二課の装者にぶつけようと画策した。そして、調と切歌の方はというと調がイガリマで自害しようとした切歌をかばって自ら傷を負い眠ってしまったのである。

 

「調!目を開けて…調ぇ!」

 

「しらちゃん!しらちゃん!」

 

「なあ、調!お願いだ!目を開けてくれ!オープンユアアイズ!」

 

 泣きじゃくりながら切歌にワームモンやキャンドモンが調の名前を呼ぶが、目を開くことはなかった。

 

____________________

 

 調が目を開くとそこは深い海の中だった。今にも調は深海の闇の中へと沈もうとした。

 

「ここは…?」

 

「あら、気づいた?」

 

 すると調の頭上にローブを纏った人影が現れた。

 

「切ちゃんじゃ…ない?まさか、あなたは…」

 

「どうだっていいじゃない。そんなことは。」

 

 その姿はかつてルナアタックを引き起こし、ノイズの被害を生み出したとも言える先史文明の巫女フィーネだった。

 

「どうでもよくないよ。私の友達たちが泣いてる…」

 

 するとフィーネから光の粒子が溢れた。

 

「そうね、このまま誰の魂も塗り潰さずに大人しくしてるつもりだったけどそうはいかないわね。魂を両断する一撃を受けちゃったしね。長くは持たないわ。」

 

 フィーネは今まで調に魂を宿していたが、響の言葉を受け魂を塗り潰さずにずっと眠っていたのだ。

 

 ところが一度LiNKERの過剰投与による疲労で調が死にかけた時に咄嗟に彼女を守ったのだ。つまり切歌は勘違いしていたのである。切歌が放ったかに思われたバリアーは調を守るために彼女の魂が放ったものなのである。なぜ、自分をかばったのか調はフィーネに問いただした。

 

「あの子に伝えて欲しいのよ。」

 

「立花…響に?」

 

「そうよ。だって何千年までもの間悪者だったのよ?いつかの時代にどっかの場所で蘇っていざ善人ってのも出来やしないわ。だから…今日を生きるあなたたちがなんとかしなさい。」

 

 フィーネはかつて人を分かり合えないと判断し力でまとめようとした。しかし、響によりたとえ分かり合えない人がいてもきっと分かり合え繋がれることを知った。だから、彼女は響を信じることにしたのだ。

 

「いつか未来に人が繋がれるのは"亡霊が語るもの"じゃないわ。」

 

 そういうと安らかな表情でフィーネは消えていった。

 

「調!目を開けてよ…調!」

 

「そうだよ!調のパートナーである俺は誰といればいいのさ…!」

 

 キャンドモンと切歌が涙を流していると調が起き上がりジーっと切歌とキャンドモンを見た。

 

「調!」

 

「うぉおおおおおお!!!よかった!!」

 

 切歌が調に抱きつきながら涙した。

 

「でも、どうして助かったの?しらちゃん…」

 

「たぶんフィーネの魂に救えれたのかも。」

 

「フィーネに…デスか?」

 

 すると今度は調が切歌に抱きついた。

 

「わたしはみんなかた守られている。だから、切ちゃんの力を貸してほしい。マリアを一緒に救おう?爽谷の一番したいことがそれなんだって…」

 

「がってんデス!爽谷に先を越されないように頑張るデス!そして調と一緒に今度こそみんなを助けるデスよ!」

 

____________________

 

 一方、ブラックウォーグレイモンと爽谷はマリアのいる場所の近くに飛ばされていた。

 

「この近くにマリアが…!」

 

「急がないと…」

 

 一方のマリアはナスターシャからもう一度歌うように頼んだが、マリアは完全に心が折れてしまった。そこにウェル博士が現れたが、棒立ちしていたマリアは裏拳を受け倒れてしまった。

 

「月が落ちなきゃ好き勝手できないだろお!?」

 

「マリア!?」

 

 ウェル博士が装置に触れた。

 

「ああん!?やっぱりおばはんか!」

 

 ナスターシャは必死にウェル博士に対して月の落下を止めるよう説得するも彼はこれを無視した。

 

「そんなに月に行きたきゃあ…自分でいけばいいだろお!?」

 

 ウェル博士が端末をいじるとナスターシャのいる場所が宇宙へと飛ばされてしまった。

 

「有史以前に多くの英雄が偉業を成し遂げられなかったのは人の身が余るからだ!だったら、支配可能なまでに減らせばいい!僕だから閃いた必勝法!英雄に憧れる僕が英雄になってみせる!」

 

「ふざけるな!」

 

 ブラックウォーグレイモンがウェル博士を攻撃しようとするとリヴァイアモンにより弾き飛ばされた。

 

「マリアさん!大丈夫ですか!?」

 

「爽谷…?」

 

「貴様にはうんざりだ。そろそろ消えてもらおうか!」

 

「マリアああああああああああああ!!!!!!!」

 

 ブラックウォーグレイモンが両腕を合わせた。

 

「これは最後の一撃だ!マリア!生きろよ…!爽谷!後は任せた!」

 

 ブラックウォーグレイモンは高く舞い上がった。

 

「最後の…ブラックトルネードーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 

 ブラックウォーグレイモンの渾身の一撃はリヴァイアモンの尻尾の片方に穴を開けることに成功した。

 

「ぐっ!おのれえええええ!!」

 

 リヴァイアモンが宝玉に戻りウェル博士の元に戻った。

 

____________________

 

「そんな…いやああああああああああああーーーーー!!!」

 

 マリアがデジヴァイス越しで相棒の死を知ると息を切らしながら立ち上がった。

 

「よくもマムとブラックウォーグレイモンを!」

 

「ドクター…!堕ちるところまで堕ちましたね。あなたはもはや悪魔だ!」

 

「ああん!?僕に手をかける気かい!?僕が死ねば全人類を殺すことになるんだぞ!?」

 

「殺す!」

 

「ええええええええええええーーーー!?」

 

 しかし、その間に響が立ちはだかった。

 

「なっ!立花さん!?」

 

「そこをどけ!融合症例第一号!」

 

 一方、傷だらけのロードナイトモンの元に連絡が入った。

 

「ロードナイトモン…遅くなった。」

 

「フッ…遅くなったどこでは済まないのだが?」

 

「そうだな。そんなになるまで戦わせて申し訳ない。助っ人を連れてきていてな。」

 

「ご苦労だな。ロードナイトモン…」

 

 その影にロードナイトモンは笑みを浮かべた。

 

「ほう…無事完了というわけか。確かにリヴァイアモンと交戦したことのあるお前なら勝てるかもしれない。」

 

「ああ!立てるか?」

 

「フッ!もちろん!」

 

 ロードナイトモンと何体かのデジモンが合流する頃、世界中に響とマリアの姿が映っていた。

 

 

 

「あれって…!」

 

「ビッキー!?」

 

「やっぱり立花さんが関係していたのですね!」

 

 東京でモニターを見ていた安藤たちも驚きながら見ていた。

 

「違う!私は立花 響 16歳!融合症例なんかじゃない!」

 

 フロンティアでも響がマリアと話し合おうと間に立ったがマリアは自棄に陥り、ウェル博士をアームドギアで殺そうとした。そして自分も死ぬことを響に伝えた。

 

「世界も守れない私に生きる意味なんてない!」

 

 アームドギアを振りかざしたマリアだったが、響はそれをなんと素手で受け止めた。

 

「なんてことを!」

 

 爽谷がそれを呆然と見ているだけだった。

 

「生きる意味なんて…後で考えればいいじゃないですか!」

 

 響の腕から真っ赤な血が滴っていた。

 

「だから…生きるのを諦めないでっ!」

 

 マリアはポカンとした表情で響を見た。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

「聖詠!?なんのつもりで!」

 

 するとマリアと響が光に包まれ、マリアのギアが強制的に解除された。その光はフロンティア全体に広がった。

 

「あれは…!」

 

「フッ、どうやら急ぐ必要があるな!」

 

「ああ!!」

 

「この戦いを終わらせましょう!」

 

 ロードナイトモンたちが光の源へと向かった。

 

「あれは!」

 

「マリアを助けるデス!」

 

 調と切歌も向かった。

 

「あのバカの仕業か…」

 

 クリスが苦笑いを浮かべた。

 

「ああ!立花らしい…」

 

「じゃあ、行きましょうか!」

 

 クリス、翼、拓実も響の元へと向かった。

 

 そしてこの様子は全世界に中継されていた。

 

「なんじゃこりゃあああああ!!!」

 

 拓也も突然の出来事に驚くばかりだった。

 

 フロンティア内部に侵入した緒川と弦十郎、本部に残った二課メンバーと未来もそれを見ていた。

 

「何が起きてるの!?こんなのってありえない!融合者は適合者じゃないはず!」

 

「すごい光だ!くそっ、どうなって…!」

 

 爽谷もあまりの光に目をそらした。

 

「これはあなたの歌!?あなたがして見せたことなの?あなたの歌って何!?なんなのよ!?」

 

 それを見た未来は一息ついて拳を突き出した。

 

「響!行っちゃえ!ハートの全部でーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 そして響はガングニールを身に纏った。

 

「撃槍…ガングニールだあああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 




「4期デスか…」

「うん、切ちゃんとしらちゃんの勇姿を見ようよ。」

「どうしよう…」

「どうした調?」

「GとGXの可能性は大体わかるけど…AXZの可能性が分からない…」

「なんデスと!?」

「何いいいいい!!?」

「大丈夫だよ。きっと本編の後のCMでそれらしいのが分かるから。」

「流石はワームモンデス!」

(いいのだろうか?それで…)

第44回 切歌、ワームモン、調、キャンドモン

さて、今回ブラックウォーグレイモンが退場したわけですが元々彼はマリアさんの今後から退場させる予定でした。そもそもパートナーをブラックウォーグレイモンにしたのも黒いガングニールを纏っていたからっていう単純な理由です。そんなマリアさんの新たなパートナーとは一体?次回をお楽しみください!

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