戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回、リヴァイアモンが暴れまわります。拓実と爽谷、ロードナイトモンがどう戦うのかが見どころでもあります。


第49話 魔王の進撃とマリアの決意!

 シンフォギア装者が戦いを終え次々と倒れる中、拓実達の元へヴァルキリモンにロードナイトモン、ヘラクルカブテリモン、ジャンボカメモンが現れた。

 

「待たせたね、水琴。」

 

「お前…爽谷なのか?なぜそいつらといる!」

 

 ブラックウォーグレイモンが攻撃をやめて唖然としていた。

 

「僕のやりたいことが見つかったんだ。

 

 だから、自分にだけは嘘を付かないで戦うことをマリアさんに伝えたいんだ!」

 

「お前…!いいだろう。俺もお前を信じよう!

 

 一緒にマリアを助けよう!その前に…」

 

 ブラックウォーグレイモンはリヴァイアモンを見た。

 

「待たせたな!」

 

「ん〜!ほう、小虫が増えたか。久しいなロイヤルナイツ!」

 

「これ以上貴様の好きにはさせん!ロイヤルナイツの名にかけて!」

 

「わいらも戦うで!」

 

「僕らがいればきっと…!」

 

「ハッ、笑わせるな!カウダ!」

 

 尻尾を振り回すと、デジモン達が吹き飛ばされそうになった。

 

「これで!」

 

<エビドラモン!デジメモリオン!>

 

 エビドラモンが現れ勇敢にもリヴァイアモンに向かって行った。

 

「ツインネプチューン!」

 

「ああん!?でしゃばるな!」

 

 リヴァイアモンの体にはツインネプチューンで傷をつけられないままエビドラモンはリヴァイアモンの顎で噛み砕かれた。

 

「ふん、腹の足しにもならんな!」

 

「ギガブラスター!」

 

「ジャンボクレーター!」

 

 ヘラクルカブテリモンの角とジャンボカメモンの全ビーム砲から発射されたレーザーはリヴァイアモンに命中した。

 

「やったか!?」

 

 周囲に煙が立ち込めたが、すぐにリヴァイアモンが2体をなぎ払った。

 

「ふう…少しは効いたぞ。」

 

「くっ、スパイラルマスカレード!」

 

 ロードナイトモンが高速でリヴァイアモンを切り刻もうとしたが、リヴァイアモンの体が大きいためすぐに足で蹴飛ばされてしまった。

 

「ぐわあああああああ!!!」

 

「あの時戦ったエグザモンとスレイプモンは楽しめたがそれに比べ貴様は期待はずれだな。」

 

「アルティメットストリーム!」

 

「ガイアフォース!」

 

「フェンリルソード!」

 

 メタルシードラモン、ブラックウォーグレイモン、ヴァルキリモンが一斉に攻撃した。

 

「ぬるいわ!」

 

 ロストルムでメタルシードラモンがベタモンに、ヴァルキリモンが爽谷にそれぞれ一撃で戻ってしまった。

 

「ベタモン!」

 

「くっ、強すぎる。勝てないよ…!」

 

「これが魔王の…力…!」

 

 爽谷とベタモンが傷だらけになりながらリヴァイアモンを見た。

 

「まだだ!パートナーが戦えなくたって!」

 

<エンジェモン!レオモン!グレイモン!メタルグレイモン!ワーガルルモン!デジメモリオン!>

 

 デジメモリを使って拓実は必死に立ち向かって行った。

 

「敵わなくたってやってやる!立花さん達が戦ってるんだ!こんなとこでおめおめとリタイアできるかよ!」

 

「そうだ!スレイプモンに託された任務をしくじる訳にはいかん!この命をかけてでも、戦う!」

 

 ボロボロのロードナイトモンも立ち上がった。

 

「ヘブンズナックル!」

 

「獣王拳!」

 

「メガフレイム!」

 

「ギガデストロイヤー!」

 

「カイザーネイル!」

 

「ええい!どいつもこいつも!ロストルム!」

 

 リヴァイアモンのロストルムでデジメモリによって現れたデジモン達は皆噛み砕かれてしまった。

 

「アージェントフィアー!」

 

「ブラックトルネード!」

 

 ブラックウォーグレイモンとロードナイトモンがリヴァイアモンを横から攻撃した。

 

「ぐっ!貴様ああああ!!カウダ!」

 

 リヴァイアモンは今までよりもさらに大きなパワーでデジモン達と拓実、爽谷を吹き飛ばした。

 

「ぐわあああああああ!!!」

 

____________________

 

 一方、各地で激闘が繰り広げられる中マリアは全世界同時生中継を行なっていた。弦十郎たちも出撃前にそれを見ていた。

 

 それによると自分は月の災厄から人々を救うためにフィーネと名乗ったことを告白し、月の災厄に関する情報はアメリカ政府はもちろんパヴァリア光明結社という組織により不都合な事実で自分たち特権階級が助からんがために隠蔽されたことも告げた。

 

 そんなことを知らぬまま1日1日を生きてきた各国民は狼狽え、戸惑いを見せていた。

 

「なんじゃ…そりゃ!?」

 

 拓実の父である拓也も会社の休憩中にテレビを見て青ざめていた。

 

「今まで自分を散々偽り続けた私だが…どれだけ私の言葉が届くのかは分からない…

 

 だが、"歌は力になる"この事実だけは信じて欲しい!」

 

 各国民は何を言ってるんだと言うような表情でマリアを見た。

 

「Granzizel bilfen gungnir zizzl」

 

 世界中に中継される中、マリアはギアを纏った。

 

「私1人では月の落下は止められない!だから頼む!私に手を貸してくれ!そして皆の歌を届けて欲しい!」

 

 マリアは全世界に向けて自らの歌である烈槍・ガングニールを力の限り歌った。歌には力があるというかつて翼に言った彼女の言葉でもある。その下で彼女は今人々を歌でがむしゃらにも束ねようとしていた。

 

(セレナが助けてくれた私の命…それで誰かを救う!それがセレナの死に報いるたった一つの方法!)

 

 響もマリアのいる場所目指して進む以外答えなどない決意のまま走り続けた。そしてようやく中への入り口を発見するのだった。

 

 そんな中歌い終えたマリアに告げられたのは月の機能は以前沈黙という残酷な結果だった。

 

「私の歌では誰の命も救えないの!?セレナ…」

 

 マリアが全世界生中継の最中で凹み泣き崩れる中、彼女の歌が届いた者もいた。

 

「この人、ビッキーと同じだね。」

 

「うん、誰かを助けるために…」

 

「歌うなんて…」

 

 安藤、板場、寺島の3人は響が誰かのために戦うのを見たことがあり、それがマリアと重なって見えた。

 

(拓実…気張れよ。お前の防人としての仕事だ。困ってる人がいるんなら気合い入れて行け。)

 

 拓也もコーヒーを飲みきった紙コップを握りしめながらテレビを見た。

 

 

 

 一方、拓実たちはリヴァイアモンに吹き飛ばされ洞窟のような場所で目を覚ました。

 

「ここは…」

 

「拓実!目が覚めたんだね!」

 

「ああ。しかし、他の奴らとはぐれちまった。一体どこに…ん?」

 

 拓実の近くにはウェル博士がいた。

 

「シンフォギア装者はこの先僕が統治する時代には不要…そのためにお互いをぶつけあわせたのですが…ちょろすぎるう〜」

 

 ウェル博士の"統治"という言葉に拓実は驚いてしまった。

 

「世界を統治するだって!?」

 

「だ、誰だ!」

 

 ウェル博士が振り向くと拓実がデジヴァイスを構えた。

 

「今の話聞かせてもらったぜ!ウェル博士!

 

 これ以上あんたを暴走させるわけにはいかない!ここであんたをお縄に付かせてフロンティアを止めさせてその後懺悔してもらおうか!

 

 世界中の人々と今回の事件で亡くなった人々にな!」

 

「う、うるさい!装者でもない奴がでしゃばるな!」

 

<ルークチェスモン!ビショップチェスモン!コンバート!>

 

 ウェル博士のデジヴァイスからルークチェスモンとビショップチェスモンが現れた。

 

「行くぞ!ベタモン!」

 

「ああ!」

 

「ベタモンワープ進化!!」

 

 ベタモンが光に包まれメタルシードラモンになるかと思いきやなんとベタモンのままだった。

 

「はあっ!?なんでだよ!もう一回!」

 

 拓実がデジヴァイスを構えた。

 

「ベタモンワープ進化!!」

 

 それでもベタモンはベタモンのままだった。

 

「なんじゃこりゃ!?なんで進化しないんだ!?」

 

「あーあ!リヴァイアモンの攻撃のせいでまともに進化出来無くなっちゃいましたか〜!

 

 それじゃ頼みますよ〜!」

 

 ウェル博士が立ち去ろうとする中、彼の目の前に倒れた翼と棒立ちになったままのクリスがいた。

 

「翼さん!?嘘だろ…?なんでこんなことになるんだよ…」

 

「ひいいッ!」

 

「約束通り二課所属の装者は片付けた。だから…」

 

 クリスが振り向くとギアの頭部パーツが破壊された。

 

「ソロモンの杖を渡せ。」

 

「何バカなこと言ってんだ!ウェル博士なんかと取引するなんて!見損なったぜ!」

 

 拓実がウェル博士を突き飛ばそうとしたがビショップチェスモンとルークチェスモンにベタモンが嬲られていた。

 

「だったら!」

 

 三度デジヴァイスを構えた拓実によりベタモンは光に包まれた。

 

「ベタモン進化!!シードラモン!

 

 シードラモン超進化!!メガシードラモン!」

 

「さあ、早くしろ!」

 

 クリスが急かすがウェル博士は初めから約束を破る前提で首のギアスのスイッチを押した。しかし、クリスの首が吹き飛ぶことはなかった。

 

「え?なんで!?なんで反応しない!」

 

「壊れてんだ!約束の反故たあ…悪党のしそうなことだ。」

 

 ウェル博士から無理矢理でも奪い取ろうとしたクリスを前にウェル博士がノイズを放った。

 

「今更、ノイズがっ…!」

 

「Anti-LiNKERは遅れた頃にやってくる。」

 

 しかし、赤い気体__Anti-LiNKERによりクリスは思うように力を出せなかった。

 

「ハグルモン…!」

 

 クリスが苦しむため進化もままならないハグルモンはクリスを守ろうと、必死にノイズとデジモンの前に立ちふさがった。

 

「ダークネスギア!」

 

「サンダージャベリン!」

 

「ビショップレーザー!」

 

 たった一体しかも手負いで完全体2体を相手にしたため、撃ち合いでも競り負けすぐにベタモンに戻ってしまった。

 

「だったら…!吹っ飛べよ!アーマーパージだ!」

 

 アーマーパージでギアのパーツを全て飛ばした。ウェル博士は近くの岩陰に隠れた。

 

「こいつ!おとなしくしろ!」

 

 拓実もウェル博士が近くにいたので取っ組み合いになった。

 

「このっ!」

 

 クリスも2人の間に入ったため、ソロモンの杖は弾き飛ばされてしまった。

 

「ソロモンの杖を渡せ!」

 

「うひいいいいっ!!」

 

 咄嗟に頭を抱えたウェル博士により頭をぶつけた拓実はその拍子にクリスの胸を触ってしまった。

 

「あっ…」

 

「お前何考えてんだ!バカか!」

 

 拓実はクリスの腹パンとビンタでその場に倒れた。すぐに取りに行こうとしたクリスだったがノイズに囲まれてしまった。ソロモンの杖も無いためウェル博士もノイズの標的にされた。

 

「先輩!」

 

 クリスが目をつぶり翼の名を呼ぶと次の瞬間千ノ落涙でノイズが倒された。

 

(ここから先は絶刀・天羽々斬を聴きながら読むのを勧めます)

 

 そこにはルナアタックの時のギアを纏った翼が立っていた。

 

「馬鹿な!?Anti-LiNKERの被害を抑えるためにフォニックゲインの出力の低いギアを纏ったというのか!?そんなこと可能なのか!」

 

「出来んだよ。それが、先輩だ。」

 

「先輩ねえ…ちょっと前のクリスじゃまず言わないことだな。」

 

 拓実が立ち上がった。

 

「うっせえ!文句あんのか!」

 

 そして翼は難なくノイズの大群をを撃破した。翼とクリスはウェル博士からしてみれば相打ちになったように見えたが、実際は2人の千ノ落涙とMEGA DEATH PARTYの中で翼はそれを避け、首についていたギアスを破壊しわざとクリスに倒されるよう仕向けたのだ。

 

「付き合ってられるか!」

 

 ウェル博士はその場から逃亡した。しかし、それを追いかけることはせずクリスは衣服を修復しソロモンの杖を回収した。

 

「回収完了っと。えっと…1人で飛び出してごめんなさい…」

 

「気に病むな。私も1人では何もできないことを思い出した。何より…こんな殊勝な雪音を見られたのは僥倖だ。」

 

 クリスが顔を赤らめて目を背け翼になぜあの時先輩と言っただけなのに自分を信じたのか問いただした。その答えは"ただ先輩といったから"という大変シンプルなものだった。

 

(どうかしてやがる…けどこんなにあったかいところがあたしの帰る場所なのかもな…)

 

 クリスが微笑みながら翼、拓実と共に響と合流しに向かった。

 

「さてと…!行けるか?センパイ?」

 

「まあな!」

 

「ハグルモンワープ進化!!ムゲンドラモン!」

 

「ファルコモンワープ進化!!レイヴモン!」

 

 ムゲンドラモンがルークチェスモンにレイヴモンがビショップチェスモンと戦い始めた。

 

「行け!ムゲンドラモン!」

 

「遅れるなよ!レイヴモン!」

 

 ムゲンドラモンが腕のアームでルークチェスモンを捕らえるとレイヴモンが顔面を攻撃した。

 

「天ノ尾羽張!」

 

 剣から放たれた雷で敵は怯んだ。

 

「今だ!」

 

「おう!ムゲンキャノン!」

 

 背中の方針から放たれた一撃で敵は倒された。

 

「へっ!こんなので今更止められるかってんだ!」

 

「立てるか?水琴?」

 

「ええ…まあ。」

 

「もう少し注意力に気を配れ。でないと、防人を名乗るには程遠いぞ?」

 

「はい…精進します。」

 

「ったく、んじゃ行くぞ。」

 

「ああ!」

 

 3人は響の元へ向かった。

 


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