戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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さあ!いよいよGもあとわずかです!


第48話 先輩として!大好きをぶつけるために!

「全く、世話の焼ける弟子たちのおかげでこれだ。」

 

「きっかけが出来たと思うべきなのでは?」

 

 弦十郎と緒川の2人もウェル博士の確保目的についに動き出した。

 

 月を支えに浮上したフロンティアでは現在、調VS切歌に翼VSクリス、拓実VSブラックウォーグレイモンVSリヴァイアモンの対決構図がとられていた。

 

 翼はクリスのハンドガン攻撃をアームドギアで防ぎ、蒼ノ一閃で反撃した。しかし、いつもよりも身軽になったクリスの反撃を受けそうになったが、弾丸を切り捨てて防御した。

 

「なぜ弓を引く!雪音!?」

 

 しかし、クリスは黙ったままだった。

 

「甕布都ノ神!」

 

「ジェノサイドキャノン!」

 

 2人の真上ではヤタガラモンとメガドラモンが一進一退の攻防を繰り広げていた。

 

「その沈黙こそが答えと受け取らねばならないのか!?」

 

 クリスが走り出して翼に連続攻撃を浴びせた。しかし、近距離においては翼の方が技術が上なのであっという間にクリスの攻撃を止められた。

 

「何を求めて手を伸ばす!」

 

「そうだ!FISについたってなんの意味もないじゃないか!」

 

「あたしの十字架を他の誰かに負わせるわけにいかねえだろ!」

 

「僕とクリスでしか背負えないんだ!邪魔をするな!」

 

(あれは…そういうことか!)

 その時、翼はクリスの首に奇妙な首輪をつけていることを知った。しかし、クリスの攻撃で翼が吹き飛ばされてしまったが翼自身は健在でクリスには徐々に苛立ちが見え始めていた。

 

「いいんですか〜?早くしないと、首のギアスが爆ぜてしまいますよ〜?」

 

 その近くで2人の戦いを見物していたウェル博士だったが、彼は最初からクリスを信用してはおらず、自分の配下であるためとクリスの目当てであるソロモンの杖の割譲を交換条件にギアスを付けさせ翼と戦わせたのだ。

 

「分かってる!」

 

(ソロモンの杖…人を殺すようなのを人が持ってちゃいけないんだ!)

 

「犬の首輪まで付けて何をなさんとするのだ、雪音?」

 

「汚れ仕事なんざ、居場所のない奴がこなせばいい。違うか?」

 

 すると翼がフフッと笑い出し、アームドギアを構えた。

 

「だったら…首根っこ掴んでも連れて帰ってやる。"お前の帰る場所"にな!」

 

「なっ!」

 

 翼に連れて帰ると言われ、クリスは予想外の言葉だったのか動揺をあらわにした。そして翼から目を逸らし、涙を流した。

 

「お前がどんなに拒絶しようとも!私は…"お前のやりたいこと"に手を貸してやる。

 

 それが"片翼では飛べぬこと"を知る私の…先輩と風を吹かせる者の果たすべき使命だ!」

 

(そうだったよね、奏!)

 

 翼は空を見上げ、かつて彼女の仲間であった天羽 奏を思い浮かべていた。

 

 彼女の死で一度は翼自身、1人でも飛ぼうとがむしゃらに足掻いていたが響と出会い皆を引っ張って戦おうという決意を固めたのだ。

 

「そうさ!翼のしたいことは私が、周りのみんなが助けてやる。」

 

 奏の幻が翼に微笑みながら、答えた。

 

「へっ、その仕上がりで偉そうに…!風鳴…"先輩"」

 

 クリスの一言で翼は何かを察したようだ。そしてウェル博士にもうじきギアスが爆発するから早くしろと急かされた。

 

「次で決める…昨日までで組み立てたあたしのコンビネーションで…!」

 

「ほう、ならこちらも真打をくれてやる!」

 

 翼とヤタガラモン、クリスとメガドラモンが向かい合った。

 

<蒼ノ一閃>

 

 翼のアームドギアから放たれる斬撃を前にして、クリスが足を止めようとハンドガン攻撃を放った。さらにハンドガンをボウガンに変化させたが、片方のハンドガンは蒼ノ一閃で破壊された。翼はボウガンの攻撃で動きを止められたが、防御には成功した。

 

「ジェノサイドキャノン!」

 

「甕布都ノ神!」

 

 デジモンたちも最後の力で必殺技を放った。

 

 クリスと翼もMEGA DEATH PARTYと千ノ落涙を切り札で発動するも両者は攻撃によって生じた爆発に巻き込まれてしまった。

 

____________________

 

 翼とクリスが同時に倒れたのを遠くから見ていたウェル博士はそれを笑いながら見ていた。彼はもとよりクリスの望みを叶える気は毛頭なく、用が済んだら首のギアスで殺害し仮に翼が勝っても体力を消耗したところにノイズをけしかけて潰すというどちらの状況になっても2人とパートナー2体は彼の手で踊らされていたのだ。

 

「イェーイイェーイ!!願ったり叶ったりの〜!してやったり〜!!エーィ!」

 

 ウェル博士が笑いながらその場を去った。

 

 翼とクリスの反応が消えたことは弦十郎と緒川にも友里により、伝えられた。

 

 翼たちが決着をつける少し前、調と切歌も譲れない戦いを繰り広げていた。

 

「ヘビーメタルファイアー!」

 

「スパイクバスター!」

 

 デジモン同士での戦いとしてはデスメラモンの方が圧倒的に有利だった。

 

「切ちゃんでいられるうちって…どういうこと?」

 

 切歌は自分がフィーネの魂に塗りつぶされそうなのだということを調に拗ねながら告白した。

 

「切ちゃんは大切な人の思い出を残したいんだ!俺はただそれについていくだけだ!」

 

「レセプターチルドレンだから…こうなるのは分かってたデス…」

 

「そう…だったら私はなおのこと切ちゃんを止める。大好きな切ちゃんを守る。」

 

「ああ!世界滅亡なんていうデンジャーなことは望んじゃいねえんだ!」

 

 調の言葉に切歌は逆上してアームドギアを構えた。

 

「大好きとかいうな!私の方が調がずっとずっと大好きデス!」

 

<緊急φ式双月カルマ>

 

<封伐 PぃNo奇お>

 

 調が頭部のノコギリをプロペラ状に回転させ、切歌は肩のパーツを鎌に変化させた。

 

「切ちゃん!」

 

「調!」

 

 2人が互いに技を放った。

 

「「大好きだって言ってるでしょおおおおおおおーーーーーーー!!!!!!!」」

 

 2人はただただ大好きを伝えるという無意味だったりでなかったりの戦いをぶつける他なかった。

 

(あの2人…)

 

(なんか、めんどくせえなあ…)

 

 パートナーデジモンも2人のメンドくささに呆れながらも戦いを続けていた。

 

(ここから先はEdge Workess Godeess of ZABABAを聴きながら読むのを勧めます)

 

「分からず屋にはいいお薬を処方してオペしましょう」

 

 切歌も連続攻撃でとにかく攻めに転じていた。

 

「ターゲットには容赦はしない 感情をアンインストール」

 

 とはいえ、調と切歌はLiNKER頼みの装者であり時間が限られた上手の内もほとんど分かりきっているのである。調が切歌から離れた。

 

「お願い!デスメラモン!」

 

「あいよ!」

 

<Σ式 禁月輪>

 

「ヘビーメタルファイアー!」

 

 禁月輪が炎を纏い切歌に突撃した。

 

「交錯してく刃の音が なぜか切ないラプソディーに」

 

<双斬 死nデRェラ>

 

「「早くこんな(叫んで見てもCall Now) 涙は

 

(涙ごと全部)切り刻んであげましょう」」

 

 二本の鎌で禁月輪を挟み込んだ切歌はそのままノコギリを破壊してしまおうとしたが調が素早く離脱したことで次に調が足からローラーのようなものを出し切歌に近づいた。

 

 切歌も触手のようなもので調の動きを止めるが、素早く立ち回られ戦況はふりだしに戻った。

 

「引く気はないの?切ちゃん?」

 

「引かせたかったら力ずくでいくデスよ!」

 

 埒があかないと判断した切歌はLiNKERを調の足元に投げつけ、自らにも投与した。

 

「なぜ、しらちゃんにまでLiNKERをあげるんだ、切ちゃん!」

 

 ジュエルビーモンが切歌を見た。

 

「ままならない想いには力で押し通すしかないじゃないデスか…!」

 

 そういうと切歌はジュエルビーモンをデジヴァイスに戻した。

 

「何をするんだ切ちゃん!」

 

 調もLiNKERを投与し、2人は聖詠を唱えた。

 

「絶唱にて繰り出されるイガリマは相手の魂を刈り取る!分からず屋の調からほんの少し負けん気を削れば!」

 

 切歌はアームドギアの鎌を地面に突き刺し、現れたブースターの勢いで鎌を魔女の箒の要領で乗りこなした。

 

「分からず屋はどっち?私の住む世界には切ちゃんも一緒にいないとダメなのよ!」

 

 調も負けじと手足を拡張し、ロボットのような姿になって迎え撃たんとしていた。

 

「寂しさを押し付けるような世界は欲しくない!デスメラモン!ここから私がやるから手を出さないで!」

 

「え、ああ…」

 

 切歌が鎌ごと一回転して攻撃するが、調の守りで防がれ再び攻撃しようとした。そんな中デスメラモンは呆然と立ち尽くしていた。

 

「私が調を守るんデス!例えフィーネの魂に塗り潰されたとしても!」

 

 アクセルのような部分を踏み、さらに勢いがついた鎌で切歌は調の片腕のノコギリを破壊した。

 

「ドクターのやり方で生き残ったってその世界に住む人も大切な人を失っちゃうんだよ!?そうなったら、私は二度と歌えない!」

 

「ダメ!そうしないとダメなんデス!そうしないと!たとえ私が調に嫌われてもおおおおおおおーーーーー!!!!」

 

 渾身の一撃で調の守りは全て破壊され丸裸同然になった。

 

「お願い…もう戦わないで!私から"大好き"な切ちゃんを奪わないで!」

 

 咄嗟に攻撃を防ごうと両手を翳した調からかつてフィーネの使っていたバリアが展開された。

 

「嘘…!調だったのデスか?」

 

 切歌が唖然としてしばらくするとハハ…と笑い出した。

 

「フィーネは調の魂に宿っていた。調を悲しませないよう頑張ったのに…結局調を泣かせてしまった。」

 

 すると切歌はワームモンをデジヴァイスから出した。

 

「どうしたの?切ちゃん?」

 

 調がポカンとしながら切歌を見た。

 

「私って、ほんとにヤな子だね…いっそ消えて無くなっちゃいたい…」

 

 涙を流した切歌はアームドギアを自動的に回転させ自害しようとした。彼女は今まで大好きな調のために多くのことをしようとしたがどれも空回り。挙句、してきたこと全部が無駄だと知りこの上ない絶望感に苛まれた。

 

「だめええええええええ!!!!」

 

 調が切歌を庇い、倒れてしまった。

 

「調!?おい調!おい!しっかりしろ!」

 

「調?調!調えええええええええーーーーー!!!!!」

 

 切歌が叫ぶも調は目を閉じたままだった。

 




「4期?へえ!ついに来たんだ!楽しみだな!」

「うん!翼さんたちの活躍はリアルに見とかないとね!」

「防人の剣は4期でも健在だ!安心しろ水琴!」

「ったく…けど、悪くねえな。あたしも楽しみだ。けどなあ…」

「ドウカシタノ?」

「いや、ちゃんとやってくるボケに対して突っ込んでくるやつらとかいんのかな?」

「いないんじゃねえの?たぶん…」

「いいのかそれで!どうかしてるぞ特機部二!」

第43回 拓実、ベタモン、翼、クリス、ハグルモン(inフロンティア洞窟)

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