戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回は修行回です。


第42話 立ち上がれ!修行の時!

「未来ーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 未来のいた場所が爆破し、失意の響はギアの装着を解いた。

 

「そんな…!」

 

 ガルダモンも唖然としていた。そして、空中型のノイズが槍状になり、突撃してきた。

 

「立花!しっかりしろ!」

 

 その場に翼とクリスが現れた。

 

「そいつは任せた!」

 

 クリスとメカノリモンが先行した。

 

<MEGA DEATH PARTY>

 

「トュインクルレーザー!」

 

 腰から放たれたミサイルがノイズを一掃したが、ノイズもクリスを攻撃してきた。

 

(少しずつ何かが狂い、壊れて行く…そしてあたしの場所を蝕んで行く!)

 

「クリス、テキガオオイ!キヲツケロ!」

 

「シードラモン!」

 

 拓実が響を連れてデジヴァイスを構えた。

 

「シードラモン超進化!!メガシードラモン!」

 

「空にはこれだ!」

 

 翼もデジメモリをデジヴァイスに挿入した。

 

<ディアボロモン!デジメモリオン!>

 

 ディアボロモンがジャンプして胸から光球を放った。

 

「カタストロフィーカノン!」

 

「サンダージャベリン!」

 

 2体の技で空飛ぶ巨大なノイズとギロモンが倒された。

 

(どこのどいつがやりやがった!?

 

 お前か!お前らか!あたしがソロモンの杖を起動させたから…!

 

 なんだ…結局あたしのせいじゃねえか…)

 

「どうしたんだ、クリス…

 

 あいつ、いつもよりも荒ぶってる…」

 

 拓実がクリスを不安に思いながらも、クリスは残りのノイズを一掃した。

 

____________________

 

 その後二課により現場の捜査が行われた。その中で、響は1人消沈していた。

 

 ピヨモンも未来が行方不明となりどこにいるのかを探していた。そして、緒川によりアメリカ政府とFISの交渉を試みた跡が発見された。しかし、交渉が決裂したことから今回の惨劇を両者が引き起こすとは思えないと弦十郎が判断し、その場に第3の思惑が介入したのだろうという結論が出た。

 

「あったかいものどうぞ。」

 

 友里がコーヒーを響に渡したが、響は涙を流した。

 

「響ちゃん?」

 

「私にとって一番温かいのは…もう…」

 

「響…」

 

 アグモンは泣いている響を見て何も言えなかった。アグモンが思う以上に未来は響にとって大切な人であり、陽だまりなのだ。

 

 その後、河原にて緒川が何かを発見したようだ。ピヨモンも辺りを飛びながら未来を探していたが未来は一向に見つかる気配が無かった。そこで二課と合流して彼らに協力することになったのだ。

 

「それって!」

 

「ええ!急ぎ司令に連絡を!」

 

____________________

 

 その夜、拓実はクリスに呼び出され、レストラン"イルズベイル"へ向かった。このことを両親に言うと拓也と稔から夜のデートと言われ、黄色い声を浴びた。

 

「よお〜、よく来たな。」

 

「おう、クリ…ス?」

 

 拓実は目の前の光景に息を飲んだ。机はスパゲッティで汚れ、口にマッシュルームがついたクリスが特に動じず食べていたのだ。

 

「あっ、翼さん。どうも」

 

 翼は不機嫌そうに座っていた。デジモンたちもポテトをつまんでいた。

 

「ああ…」

 

 クリスが口にスパゲッティを含みながら翼を見た。

 

「なんか、頼めよ。奢るぞ。」

 

「夜9時以降は食事を控えている…」

 

「ったく、そんなんだからそんななんだよ。」

 

「何が言いたい!」

 

 翼が机をバンと叩いた。拓実があたふたした。

 

「怒ってんのか?」

 

 クリスが翼を見た。

 

「不愉快でいられない道理がなかろう!FISのことも、立花のことも!そして…!仲間を守れない不甲斐さを思えば…!」

 

「で、どうして俺を呼んだんだ?」

 

「ああ、一度飯を食おうと思ってな。んで、腹でも割って話そうって思ったのさ。あたしら、いつからバラバラになったんだ?」

 

「雪音、腹を割って話すならいい加減名前を呼ぶことだ。行くわよ、ファルコモン。」

 

 すると、翼は帰ってしまった。

 

「ちょ、翼さん!」

 

 拓実は翼を追いかけた。

 

「話せずじまいか…まあ、いいのかもな。」

 

「翼さん…何をそんなに怒ってるんです?」

 

 拓実が外の駐車場で翼と向かい合った。

 

「さっき言ったばかりだ!私の不甲斐なさで…!」

 

「翼さん!あなた…言いましたよね?この間俺に"何ができなかったかじゃない。これから何をするのか"って言いましたよね?」

 

「ああ!それがなんだ!それが今と一体なんの関係がある?」

 

「過ぎたことはどうにもならない。だったら俺たちで考えましょうよ。この先、何をするのか…」

 

「水琴…そうか…すまない。少し落ち着くべきだったな」

 

 そう言うと翼はバイクに乗って走り去ってしまった。

 

「さてと、クリスのトコに行くか。」

 

 拓実はクリスの元に戻った。

 

「なんだ、来たのか。帰っても良かったのに。」

 

「俺で良ければ話は聞くぜ。誰も彼もがこんな感じだ。俺たちだけでも今後について話し合おう。」

 

「そうか…んじゃ、明日もう一回行くか!今日は遅いしな!ありがとう!」

 

 クリスが拓実を見た。

 

「それはいいけど、クリス…食べ方直せよ。口にマッシュルームがついてるぞ。」

 

「う、うるせえ!」

 

____________________

 

 翌日、4人は二課本部に集められあるものを見せられた。

 

「これは未来の通信機…」

 

「そうなの、昨日の夕方に緒川さんと協力して見つけたの!」

 

「ああ、ピヨモンの言う通りこれが破損される前までの痕跡を辿ったところ未来くんは移動しているのだ。」

 

「じゃあ、未来は!」

 

「ああ!死んじゃいない!恐らく未来くんは何者かにさらわれ拉致されたのだ!そうと分かったら…」

 

 弦十郎が響の頭に手をポンと置いた。

 

「早速体を動かしに行くか!」

 

「はい!」

 

 数時間後、ジャージに着替えた響たち装者やデジモンに弦十郎とロードナイトモンが待ち合わせの場所にいた。

 

「師匠、どうしたんですか?」

 

「実は、弦十郎…今日ロイヤルナイツの1人に用事があって人間界を訪問しがてらに、この者たちの特訓をするための臨時教官を呼んだのだ。この者たちのデジモンを鍛えさせても良いかな?」

 

「ああ、軽く体を動かす感じでな!」

 

 弦十郎が空を見た。

 

「フッ、分かった。そう言うことだ!」

 

 すると上からワイバーンの姿をしたデジモンが現れた。

 

「我こそはロイヤルナイツ 情熱の闘士__デュナスモン!お前たちのパートナーの臨時教官だ!」

 

「ロイヤルナイツ!この人も…!」

 

「はへええ…かっこいい」

 

「おっさん並みにごついなあ。」

 

 拓実、響、クリスが驚いた。

 

「では、デジモンたちには一度デジタルワールドに移動してもらうぞ。ここでは目立ちすぎる。ロードナイトモン、そちらの人間たちが終えたら連絡しろ。では、パートナーデジモンたちよ、ついてこい!」

 

「じゃあ、行ってくるね響。」

 

「ガンバッテ、クリス!」

 

 パートナーデジモンはデュナスモンの生み出したゲートに入っていった。

 

「よし!俺たちも行くぞ!」

 

「うむ、美しき汗をかかせてもらう!」

 

 弦十郎とロードナイトモンが先頭を走る中、彼ら2人は"英雄故事"という歌を歌い始めた。

 

「司令、シンフォギアでもないのにとうとう急に歌った〜!」

 

 拓実は苦笑いを浮かべながら、走っていた。

 

「つーか!そもそもなんて歌だよ!」

 

 クリスが英雄故事の歌詞を知らなくて当然である。なぜなら、中国語だからである。

 

 翼は黙々とクリスの横を走り、響は自分が未来を助けるんだと決意し歌い始めた。

 

「立花さんまで歌うんかい!」

 

 これには拓実も突っ込んだ。

 

 そして彼らはバランスを保ったり、素早く縄跳びをしたり、卵の黄身だけをジョッキで飲んだりとハードモードなトレーニングを積んだ。

 

 一方、デジタルワールドではデュナスモンによるトレーニングが行われていた。

 

「アグモン!腰を入れろ!」

 

 デュナスモンが前方をゆっくり歩く中、アグモンたちは必死に走っていた。

 

「陸って、辛い…」

 

「クリスタチモキットツライハズ…ガンバロウ。」

 

 ベタモンもハグルモンに励まされながら走った。

 

「次は制限時間以内に多くの攻撃をかわせ!素早さを磨くぞ!頼んだぞインセキモン!」

 

「はい!」

 

 デュナスモンのトレーニングを普段行う係であるインセキモンが現れた。

 

「コズモフラッシュ!」

 

「これで、動体視力や敏捷性を養え!」

 

 デジモンたちが降りかかる隕石を目にしながら、避ける中デュナスモンは高速で動いていた。

 

「うわわっ!」

 

 デジモンたちも必死に動いていた。

 

「まだまだ行くぞ!」

 

 そして、すべての特訓を終えパートナーたちは人間界へ戻った。装者たちも特訓を終え、響はファイティングポーズをしながら弦十郎の肩に乗った。翼は凛と立ち尽くしていた。拓実とクリスはほぼ息切れ状態だった。

 

「やっぱ…きついな、クリス。」

 

(どいつもこいつもご陽気で…結局、こいつらの居場所はあたしにとって暖かすぎんだよなあ…)

 

「クリス〜」

 

 ハグルモンが抱きついてきた。

 

「どうしたんだ?ハグルモン?」

 

「メッチャキツカッタナ。モウダメダ…」

 

「おいおい!しっかりしろって!」

 

 響たちは特訓を終え家に帰った。決戦へ赴くために…

 

____________________

 

「で、デュナスモン。ドゥフトモンに伝えたこととは例のことか?」

 

「ああ…"リヴァイアモンが人間界に進出し、行動を起こす"と言うことだ。」

 

 それを聞くとロードナイトモンは言葉を失った。その中で、デュナスモンは言葉を継いだ。

 

「奴は恐らく人間界を喰らい尽くしてしまうことからイグドラシルは俺を出動させた。現在、7大魔王はリヴァイアモン以外にルーチェモン、デーモン、バルバモンが人間界への進出を狙っている。一方でベルフェモンやリリスモンはさしたる興味がなく、ベルゼブモンに至っては断固拒否の姿勢らしい。」

 

 ロードナイトモンは薔薇を見ながら空を見つめた。

 

「そうか…我らにとってもうデジタルワールドでは済まなくなったようだな。我らは一度イグドラシルの意思で7大魔王をすべて封印した。しかし、奴らの力の影響で生じた歪みが暴走デジモンを生み出した。」

 

「ああ…我らのことはあくまで我らが済ませるのだ。先ほどの人間界進出派もデジタルワールドですでに交戦している。デーモンはアルフォースブイドラモンが、バルバモンはガンクゥモン、そしてルーチェモンはエグザモンとオメガモンが調査を行なっている。彼らによればまだ目立った行動はとってはいないようだ。」

 

「ふむ、感謝するぞデュナスモン。我らも戦いの準備を進めよう。魔王を倒すのだ。」

 

 ロードナイトモンとデュナスモンはリヴァイアモンをどう倒すかの方法を探していた。

 

 

 

 一方、デジタルワールドの闇の世界__ダークエリアでは人間界の様子を傍観する存在があった。

 

「ふーん、人間界ねえ…私が見たところそんな魅力はなさそうだけどなんでバルバモンにデーモンにルーチェモンは欲しがるのかしら?」

 

 妖艶な花魁の姿をしたデジモンが人間界を探っていた。

 

「リリスモン…」

 

 リリスモンの背後から現れたのは刺々しい暴走族の雰囲気を醸し出すデジモンだった。

 

「あら、ベルゼブモン?何か用?」

 

「あの3体の場所を教えろ。あいつらを止めてやるんだ。」

 

「なんで?別に人間界なんてどっちでもいいじゃない。」

 

「人間は俺たちデジモンよりも弱い!こんなことをするよりロイヤルナイツともう一度戦うんだ!」

 

「そう言って…あなたはデュークモンにリベンジしたいだけでしょ?」

 

「うるせえ!あいつは澄ました感じだが強え!俺は弱いのとは戦わん!弱い奴らしかいない世界など見る必要性もない!それをあいつらに教えてやる!」

 

 するとリリスモンはため息をついた。

 

「やれやれ…誰も彼も仕方ないわねえ…はいこれ。3体の居場所よ。」

 

「恩にきる!」

 

 ベルゼブモンは走り出してその場から去った。

 

「さあて…退屈しのぎになるかしら?」

 

 リリスモンが魔王同士の争いを楽しそうに傍観していた。

 




「ワシが一番手で次に出て来たのがリリスモンか…」

「クロスウォーズで出番はあったけど、リヴァイアモンは味方キャラよねえ…」

「待て待て、ベルゼブモンはどうした?」

「ああん!?いいのよあいつは!人気デジモンでダークヒーロー臭いから色々人気だからノーカンなのよ!」

「おう…そうか…」

第36回 リヴァイアモン、リリスモン(inダークエリア)

今回デュナスモンが出演しました。今回ベルゼブモンの口から前回の戦いが語られましたが以下その組み合わせになります。

オメガモン、アルファモンVSルーチェモン

アルフォースブイドラモンVSデーモン

マグナモン、クレニアムモンVSバルバモン

デュークモンVSベルゼブモン

ガンクゥモン、ハックモンVSベルフェモン

エグザモン、スレイプモンVSリヴァイアモン

ロードナイトモン、デュナスモンVSリリスモン

一部はどっかで見たことある組み合わせになりますがロイヤルナイツは7大魔王に勝利しましたが、その結果歪みが生じることになってこの物語に繋がります。

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