戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
名前:冷泉 爽谷
年齢:19歳
性格:穏やかな口調で話し相手に対しては基本敬語で、よく相手に薀蓄やことわざなどをいう(本人曰く色々勉強して覚えた)。
好きなもの:メロンのシャーベット
苦手なもの:理不尽なこと、孤独
血液型:B型
イメージCV:山本 匠馬
目的地に到着すると友里が手続きを行なっていた。響たちは満足そうな顔を浮かべているとウェル博士が声をかけて来た。
「さすがは、ルナアタックの英雄です。確かめさせてもらいましたよ!」
ウェル博士に褒められたため響は浮かれ出した。
「もっと褒めてください〜普段あんまり褒められないですから〜あはは!」
「そうだね〜僕も褒めて欲しいな〜」
アグモンも感心していた。その時、響とアグモンはクリスのチョップを受けた。
「図に乗んなっての!そう言うのが褒められないんだっての!」
「やれやれ…」
拓実が少々呆れながらウェル博士をみた。
「頑張ってください。俺らが頑張ったら次はあなたの番ですから。」
「ええ、こんな世の中です。僕らは英雄になるんです。誰からも信奉される真の英雄に!」
ウェル博士が大きく目を開き、笑いながら言った。それを友里は不審そうに見ていた。
「不束なソロモンの杖ですが、よろしくお願いします!」
「頼んだからな!」
「頑張ってください!」
4人は研究センターへの移送任務を終えた。
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「よし!これで完了だ!」
ガッツポーズを決める拓実だった。
「ええ!翼さんのステージに間に合うね!」
「翼さんとマリアさんだ。立花さん。」
「拓実さんってマリアさんのファンなんですか?」
「いや、うちの親がマリアさん推しになっちゃってさ。今日、そのライブに行くんだと。」
「じゃあ、行きましょう!」
「早く任務が終わったから司令がヘリで東京まで送ってくれるそうよ。」
「マジすか!?」
喜ぶ響だったが、背後の研究センターが爆発した。
「マジすかーー!?」
「マジだ!」
「ケッ、こんな時に!」
研究センターはノイズの大群が暴れまわり人々が次々と炭化させられ爆発を起こした。さらには暴走したサーチモンにキュウビモン、ドルガモンも暴れていた。
「行くぞ!」
「ああ!」
「うん!」
3人がデジモンに立ち向かおうとした。
「待ちたまえ。君たちはこのまま東京に戻りたまえ。」
その時、近くの公衆電話からデジタルのコードが現れそれがロードナイトモンに変化した。
「日本とアメリカは端末だと少々長かったな。」
「なんでこんなとこに来たんだよ!?」
クリスが驚くと弦十郎から通信が入った。
「ノイズが突然現れたと知っていち早くうちの端末を経由して研究センター付近から出て来たんだ。」
「約束を破るとは美しくない。私もよく約束はするが破ろうとは思わぬ。だから、君たちは翼のライブに向かいたまえ。」
「わかりました。」
「でも!」
拓実が首を振ると響がロードナイトモンを指差した。
「案ずるな。私はロイヤルナイツのロードナイトモンだぞ?なんならここやつらを2分で片付けてやろう。」
そう言うとノイズたちとドルガモンが攻撃を仕掛けていた。
「パワーメタル!」
ドルガモンの口から出た鉄球による攻撃を受けたロードナイトモンだったが傷1つ付かなかった。
「ジャミングヘルツ!」
サーチモンも続け様に錯乱効果を持った電波を放った。
__残り1分___
「鬼火玉!」
キュウビモンは尻尾から鬼火を放った。
「無茶だ!あんなのを受けたら!」
響とクリスは青ざめた顔を浮かべていた。しかし、デジモンの攻撃を受けてもなおロードナイトモンは動じることなくその場に立っていた。
「それで…お終いか?」
ロードナイトモンは素早くドルガモンの懐に入り込んだ。
「アージェントフィアー!」
右腕のパイルバンカーで打ち出した衝撃波により、ドルガモンはデジタマに戻った。
「どうした?怖気付いたか?」
その場にいた全てのノイズたちや残りの暴走デジモンもまとめてロードナイトモンに襲いかかって来た。
___残り15秒___
「フッ、私に倒されるのを誇りに思え!さあ、花と散れ!スパイラルマスカレード!」
高速移動したロードナイトモンは鎧から伸びた4本の帯刃で切り刻んだ。
「フッ、たわいのないものよ。しかし、それなりの運動にはなった。」
「すげえ…!あんなのをこうも簡単に倒すなんて!」
「じゃあ、東京に戻りましょう!」
響たちはヘリで東京に戻った。
ロードナイトモンは周辺の様子を見ていたが、そこにあったのはソロモンの杖が無くなったため投げ捨てられたアタッシュケースだけだった。そしてその後の調査でウェル博士も行方不明になったらしい。
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響たちが東京に向かう間にQUEENS OF MUSICの会場で風鳴 翼とマネージャーの緒川 慎次が控え室にいるとノックが響いた。
「はい?どちら様ですか?」
ドアが開くと2人の男女が入って来た。1人は彼女のマネージャーらしき人物でメガネをかけていた。そしてもう1人は今話題となったマリア・カデンツァヴナ・イブ本人だった。
「挨拶に来たわ!今日は精々私の足を引っ張らないでちょうだいね!」
いきなりマリアは女王様のような雰囲気で話して来た。
「うむ!今日は経験が不足している私を引っ張て欲しい!今日は思い切り歌おう!マリア・カデンツァヴナ・イブ!」
緒川とマリアのマネージャーはただぽかんとしていた。
「え、ええ…そうね!じゃあ、ステージで会いましょう!」
「ちよっ、マリアさん!あっ、今日はよろしくお願いします!」
一礼をしてマリアとマネージャーは去った。
「あれが全米トップの貫禄ですが、どう思いました?翼さん」
「なんと言うか、気が合うかなと思いました。アーティスト的に自分と何か似たようなのを感じた気がします。」
「そうですか…ははは…」
(似てるのかな?翼さんと…)
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そして、マリアの楽屋ではマリアとマネージャーの2人の携帯が鳴った。
「マム?」
「こちらの準備は完了です。サクリストSが到着次第に…」
「モタモタしてる場合じゃないって訳ね。オーケー、マム。世界"最後"のステージの幕を開けましょう。」
会場から離れた場所では2人の少女と老年の女性がマリアの様子をモニターで見ていた。
すると、別のモニターからメッセージが届いた。
「思いの外、手間取りましたね。」
会場は熱気に包まれていた。未来たちもその中にいた。
「さすがに生で見ると学祭じゃ真似出来ないな〜」
「元から無理だよ。あの貫禄じゃあねえ…」
「すごいの一言ね。」
「確かにこれを参考には出来ませんわ、板場さん。」
「にしても、ビッキー遅いね。」
「うんうん、せっかく招待してくれたのにね〜」
「きっと来るはず…」
すると辺りが暗くなった。
「抜き身のあなたを見せてもらうわ!」
そして不死鳥のフランメが始まり、観客たちは味わったことのない熱気と喜びを味わった。
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その様子を緒川とマリアのマネージャーが見ていた。
「やはり、風鳴 翼さんは素晴らしい。マリアさんと同じか上を行かんばかりの気迫だ。」
「傷ついた人の心を癒す。それが、翼さんの歌ですから。」
「ええ、癒す上に心を高ぶらせてくれる。」
マリアのマネージャーは微笑んだ。
「さて、ここからどうなることやら…」
緒川はその言葉に疑問を持った。
「何を言ってるんです?」
「いえ、これからについてですよ。このステージでマリアさんが語ることによって世界は一気にひっくり返る。」
観客たちは2人が歌い終えたため、熱気は最高潮に達した。
「マリアああああああああああ!!!!」
「翼さん!!マリアさん!!最高!!」
「すっごーーーーい!!!」
「いええええええええーーー!!!!!」
「私が歌えたのはみんなのおかげ…だから!今日のライブでみんなに勇気を分けられたら嬉しく思う!」
観客の歓声が上がった。
「私の歌を全部、この世界中にくれてあげる!決して振り返らない!全力疾走だ!ついてこれるやつだけついて来い!」
世界中の観客たちの歓声がモニター越しに高まった。
「今日、この大舞台に日本のトップアーティストの風鳴 翼と歌えたことを感謝している。」
「私も、あなたと歌えたのを光栄に思う。」
翼とマリアが握手を交わした。
「私たちは頑張らないとね。歌には力がある。」
「そして、それは世界を変える。」
マリアが翼に背を向けた。
「そして…もう一つ…」
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マネージャーたちには不穏な雰囲気が漂っていた。
「世界がひっくり返る?どういうことです?」
「文字通りですよ。これから起こることが世界を変える。所謂"革命前夜"ですから。」
「革命前夜?」
「知ってますか?世界で初めて政治的な意味での革命は1688年イギリスの名誉革命から始まった。その時から今の革命はあるのだという!」
すると会場にノイズの大群に加えて、スナイモン、マンモン、アイスデビモン、コカトリモンが現れ会場は一瞬でパニック状態になった。翼はそれを唖然としながら見ていた。
「うろたえるな…うろたえるな!」
マリアの一喝により、観客とデジモンたちは静まった。
「アニメじゃないのよ!?」
「こうなったら僕らがやるしか!」
「待って、ここで戦っては被害が増えるだけですわ!」
「まずは観客の人たちを避難させないと…!」
「無理だ!クリーたちだけじゃこの人数は厳しいよ!」
「響…!」
未来たちも突然の出来事に驚いていた。
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響たちも岩国から東京へ向かっていたが40分はかかるらしい。
「クソッ!よりにもよって翼さんのステージに現れるなんて!」
「疲労の上の連戦だけど頑張って!」
「またしても操られたノイズか…」
「にしても変だな。このタイミングはあまりにも出来すぎだ。ソロモンの杖を奪った奴が会場に現れれば変とは言い切れないが…」
拓実が疑問に思っていた。
「確かに…強奪を目論んだ連中と何か関連性があるのかも…」
一方の翼もマリアと戦おうとしたが観客はノイズとデジモンに囲まれているのに加え、今変身したら全世界にバレてしまうという危機にただ指をくわえて見ているしかなかった。
「マリア…やるか?」
「ええ!そろそろ頃合いかしらね!」
マリアが黒いデジヴァイスを取り出した。
「さあ!ショータイムよ!」
デジヴァイスからは黒いデジモンが現れた。
「うをおおおおおおおおおお!!!!!!」
そのデジモンの咆哮によりデジモンや観客は悲鳴をあげた。
「これが私の…ブラックウォーグレイモンよ!そして我らは世界に対しノイズを操る力を持って要求する!」
マリアがマイクを宙に投げた。観客たちと翼に緒川はその宣戦布告に青ざめていた。
「さて!始まりますよ!終焉がね!」
「あなたたちは何なんですか!?ノイズを操るだけでなく国家に宣戦布告までするなんて!」
「そうですね…もう少し、そこで見ているといいですよ…」
「Granzizel bilfen gungnir zill」
マリアが聖詠を唱えると光に包まれ、ギアを纏った。二課本部でも藤堯が分析を済ませた。
「この波形パターンは…まさか!」
「ガングニールだと!?」
「聖遺物は本来かけらからできるわけで同じ聖遺物のギアはあってもおかしくはないのだが…よもや、テロリストがもう一つのガングニールの奏者とはな…」
ロードナイトモンがバラをモニターに向けた。
「あれは…ガングニール!?」
「さて、質問に答えましょうか。そういえば自己紹介がまだでしたね。僕は
「フィーネ!?」
「まあ、あなたはご存知でしたがね。マリアさんこそあなた方、特機部二のお抱えと同じ、装者です。」
ステージでもマリアとブラックウォーグレイモンが横に並んでいたのを響たちも見ていた。
「黒い…ガングニールとウォーグレイモン!?」
マリアがマイクを取った。
「私…いや、私たちはフィーネ!終わりの名を持つものだ!」
「はああ!!!もうダメ!絶対変なふうに思われたーーー!!!」
「マリアさん…あの、」
「何も言わないで、爽谷!私って妙に引っ込み思案だからつい常識のない話し方や態度になっちゃうのよ!でも、どうにもできないのよ!うう…」
「落ち着いて、ください。うろたえないで!」
「へっくしゅん!ああ、今この瞬間に私の悪口が〜!セレナーーーーーーー!!!」
第26回 マリア、爽谷(inライブ前のマリアの楽屋)
若干たやマが出てますが、彼女のパートナーは響がグレイモンならもう順当なチョイスだと個人的に思います。そして、爽谷の能力は区切りの都合上次回になります。