戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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次回からG編です!今回はトノサマゲコモン+次回シリーズからの登場キャラの2回目の顔出しがあります。実際次回からラストで1人出てきたオリキャラの紹介をします。能力は結構知ってる人は知ってると思います。



第26話 目覚めよトノサマゲコモン!新たなる戦いの序章!

 未来と響が二課本部のロビーのようなところで飲み物を飲んでいた。

 

「そういえば、シンフォギアを纏った時にみんなが戦う時に歌が流れるけど、あれってどう言う仕組みなの、響?」

 

 響は少し首を傾げながら考えた。

 

「まあ、端的に言うとあれってカラオケ装置なんだよね」

 

「カラオケ!?」

 

「そうそう、シンフォギアに変身した途端に伴奏が流れて次の瞬間、歌詞が胸に湧き上がってくるんだ」

 

「胸に…歌詞?」

 

 その時、クリスと翼と拓実が現れた。

 

「まあ、そう言うこったな」

 

「え?」

 

「装者の心象__つまり心の思い描いたものが歌詞になるとかつて櫻井女史が言っていたんだ」

 

「へえ…心の内ねえ。まさしく十人十色とはこのことですね」

 

 拓実の言葉に翼がうなづいた。

 

「そうだ。水琴に小日向も考えても見ろ。"疑問 愚問 衝動インスパイア"などまさに雪音じゃないか」

 

(まあ、確かに色々荒んだ感じがしてたしなあ…)

 

「え、ええ!まあ…そうっちゃそうですね…」

 

翼の突然の発言にただ同意しかしなかった拓実に対して響がニヤケだす。

 

「おまけに羅刹インストールだもんね〜」

 

 響がクリスの横に立った。

 

「ちょ、やめたげてください。恥ずかしさで悶えてしまいます」

 

 拓実が笑いを堪えていた。

 

「やめなよ、響。そんな"傷ごと抉る"ようなのはさ…」

 

(全然、フォローになってねえ!)

 

 未来の便乗したかのような発言であまりの恥ずかしさにクリスはずっこけてしまった。

 

「雪音はどこまでも奔放だな~」

 

 翼が感心しているとクリスが起き上がり翼をにらんだ。

 

「そうは言うがな!お前のだって大概あれだぞ!医者も裸足で逃げ出すレベルなんだからな!」

 

(あー、確かに…"宵にきらめいた斬月"とか結構変わってるしなあ…)

 

 翼が目を丸くしながらクリスを見ていた。

 

____________________

 

 その時、警報が鳴った。

 

「何だ!?」

 

 5人は司令室に入った。

 

「どうしたんですか?師匠!」

 

「デジモンが現れたんだ!名前はトノサマゲコモン、完全体だ!」

 

「じゃあ、すぐに向かいます!」

 

「待ちたまえ…そのトノサマゲコモンだが、今は眠っているのだ。しかも、奴は暴走デジモンとは違って誤って人間界に来てしまったようなのだ」

 

 ロードナイトモンが振り返った5人の前に現れた。

 

「びゃああああ!!」

 

「響!」

 

 響の背後にロードナイトが気がついたらいたので驚いてしまった。

 

「おや?驚かせてしまったか?」

 

「脅かすんじゃねえ!」

 

 クリスも尻餅をついていたがすぐに立った。

 

____________________

 

 現場に駆けつけた5人は周りにテントのようなものが敷かれていたのに気がついた。

 

「幸いあたりに人影がほとんどないのが救いでしたね」

 

 藤堯がモニターで様子を確認していた。

 

「あの巨体ですから、被害はえらいことになっとるはずでっせ」

 

 テントモンがお茶を飲みながらモニターを見ていた。

 

「とはいえ、どうやって返すかですね」

 

 友里も真剣な表情で見ていた。

 

「ロードナイトモン、何かトノサマゲコモンに対して有効な術はないか?」

 

「ふむ、強いていうなら…歌だな。トノサマゲコモンは歌が大好きだ。歌でも歌わせて起こせばデジタルワールドに戻せるやもしれん」

 

「歌か…」

 

____________________

 

「歌…それで目を覚ますと?」

 

「ああ、こういうのも何だが翼頼めるか?」

 

「翼さん頑張って!」

 

「でも、相手はデジモンですよ?」

 

「されどこれを打破する術ならここで何とかしなければならない」

 

 そして数十分後に二課のメンバーがカラオケマシーンを出した。

 

「いつでも、大丈夫です!」

 

 緒川が翼に連絡した。

 

「防人の歌を聞けぃ!」

 

「何でその口調なんだよ!」

 

 クリスのツッコミをよそに翼がマイクを握って「Flight Feather」を歌った。

 

「さあ starting!始まる シンフォニー!伝説は ここからと…」

 

 翼がライブでない中の熱唱の途中、トノサマゲコモンが寝返りを打った。

 

「これなら!」

 

「よし、行け!」

 

 響とクリスが翼を見た。そして翼は歌い終えた。

 

「ライブ以外で翼さんの歌が聴けるなんて貴重な機会をどうも…」

 

「響、まだ仕事中でしょ?」

 

 しかし、トノサマゲコモンは眠ったままだった。

 

「ダメだ!眠ったまんまだ!」

 

「そんな…!」

 

 翼がいじけてしまった。

 

(奏…うう…)

 

「だったら、私と未来の2人でやりましょう!もしかしたらいけるかもしれません、師匠!」

 

 今度は響と未来の2人がステージに立って、「いつかの虹、花の思い出」を歌った。

 

「今日の夜、何食べる?響(未来)」

 

 まるで夫婦のような歌詞にクリスは赤面していた。

 

(なんじゃこりゃ!普通じゃねえだろ!)

 

(立花と小日向らしいな)

 

 翼は首を縦に振りながら感心していた。

 

(これは…もしかするか!?)

 

 曲に途中でトノサマゲコモンの鼻ちょうちんが割れた。

 

「よし!これで、あとは返すだけだ!」

 

 拓実がガッツポーズをした。

 

「ぐがあああああああ!んじゃここは!

 

 わしは寝てたはずじゃぞ!

 

 なんじゃ貴様らは?さては、暗殺者だな!」

 

「ちょっと、待ってください!話を聞いてくださ…」

 

 未来が説得しようとしたがトノサマゲコモンは聞く耳を持たず、襲い掛かってきた。

 

「まずい!」

 

 拓実がデジヴァイスを構えた。

 

「ベタモン!ワープ進化!」

 

 ベタモンがシードラモン、メガシードラモンのビジョンをすり抜け、クロンデジゾイド合金に覆われたボディで未来と響を守った。

 

「メタルシードラモン!」

 

「ここは俺に任せて下さい!水中ならメガシードラモンの本領を発揮できます!」

 

 メタルシードラモンはトノサマゲコモンを海に投げ飛ばした。

 

「貴様!コブシトーン!」

 

 トノサマゲコモンが必殺の超低周波を放ったがメガシードラモンはそれを全く受けずにそのまま懐に潜り込んだ。

 

「喰らえ!アルティメットストリーム!」

 

 頭からのエネルギー波でトノサマゲコモンは吹き飛ばされ海上に上がった。

 

「メタルシードラモン!今ゲートを上空に作った。もう1発だ!」

 

「おう!アルティメットストリーム!」

 

「ッ!」

 

 アルティメットストリームが命中して無理やりゲートに戻されるかと思った。

 

その時、横からエネルギー弾が飛んできてトノサマゲコモンを打ち抜き、一撃でデジタマに戻してしまった。

 

「ぐっ…!」

 

「何!?」

 

「どこからだ!一体誰の攻撃だ!?」

 

 クリスが辺りを見回した。

 

「私たち以外の人がやったの?」

 

「ぐをおおおおおおおおおお…」

 

消滅していくトノサマゲコモン、デジタマが水面にぽちゃんと音を立てて沈んだ。

 

「何者なんだ?」

 

 弦十郎がその映像を見ていた。

 

____________________

 

 街外れの建物の屋上にはトノサマゲコモンを倒したデジモン__シルフィーモンが立っていた。そして光を放つと人間の姿に戻った。

 

「こんなものか」

 

薄紫の髪をした青年がデジヴァイスから二枚のデジメモリを取り出した。

 

「何をやっているの?」

 

 背後から3人の人影が現れた。

 

「ちょっとデジモンが現れたから、運動がてらに始末したんだ。どの道僕らにも邪魔になると思ったから…」

 

「でも、無抵抗のデジモンを倒すのは良くない。それは力で弱い人を虐げる奴のやり方…」

 

「そうデス!調の言う通りデス!」

 

 調という少女ともう1人が怪訝そうな顔を浮かべた。

 

「そうね。これから私たちは忙しくなると同時に、慎重にならなければならない。あなただけで派手に動くのは控えなさい」

 

「はあーい…マリアさんには逆らえないなあ…」

 

 少年は機嫌が悪そうに歩き出した。

 

「もうすぐ、世界が変わる。新時代の幕開けよ!」

 

 マリアを入れた、4人は階段を降りていった。新たなる目的のために___

 




「さあ!次回からG編だよ!気合い入れな、翼!」

「ありがとう奏!」

「クリスちゃんも頑張ろうね!」

「こら、響!」

「分かってるよ未来。」

「放せって!お前本当のバカ!」

「こりゃ、Gでも関係はあんまし変わんないかもな。むしろ安心だ。」

「やはり君たちの友情否、愛は美しい!!!!」

「うっせえ!」

「ったく、みんな青春真っ盛りだな。」

第24回 奏、翼、響、未来、クリス、拓実、ロードナイトモン、弦十郎
(in二課本部)


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