戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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今回しないシンフォギアネタを入れてイイハナシダナーと思わせておいてからのギャグ回です。レアモン軍団を前に二課の取った行動が今回の見どころになります。初代とかでも時々面白おかしな回がありましたが、今回はそのつもりで書いてます。


第25話 レアモン軍団東京大襲撃!

「知らなかった…特機部二に入ると給料もらえるんだな…

 にしても、何に使おうかな。まあ、あのバカはきっと食費に溶かしてそうだしあっちはあっちで乗り捨てようのバイクとかも買ってんだろうな…

 

 まあ、拓実は知らねえからいいか」

 

「ダイジナキュウリョウダカラ、パパトママニホウコクスルノガサキジャナイ?」

 

「パパとママ…! ハグルモン、お前最高だな!」

 

「エ?」

 

 その後クリスは休日で暇を持て余していた弦十郎と拓実を連れて仏具店で仏像を買った。

 

「ハアハア…お疲れ様です」

 

「ああ、お疲れ様。にしてもなんで仏像なんだ?」

 

「確かに。もっとオシャレとかするためのものかと買うかと思ったな」

 

「そんなのよりもあたしだけが帰るとこ見つけたらパパとママが悲しむだろ?」

 

(そうか…ここまで来るのに7回も気絶した甲斐があったな)

 

 弦十郎がクリスを見て感心していた。

 

「いい奴だな…うう、感動したぜ…」

 

 拓実が弦十郎の横で感動していた。

 

「何泣いてんだよ! そんなにあたしがあれな奴だったのか!?」

 

「いや、そういうわけじゃなない」

 

「まあ、今日はありがとうさん」

 

2人は仏壇が部屋に置かれたのを確認するとすぐに帰宅の途についた。

 

「ああ、水琴くん。どうだ? アクション映画でも探すか?」

 

「いえ、今日はめっちゃ疲れたのでまた今度お願いします」

 

「そうか? しかし、明日はお互い筋肉痛だな」

 

「ええ、覚悟するしかないですね」

 

 弦十郎と拓実がクリスの家を出て路地を歩くうちに夜になった。

 

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 ここは都内のゴミ捨て場。ここには多くのゴミが漂着して来ていた。そこには暴走したレアモンを筆頭にベーダモン、ヌメモン、ゲレモン、カラツキヌメモン、べジーモン、ガーべモン大群が徒党を組んでいた。

 

「我らは人間界を汚すべく蜂起する!」

 

「おお!」

 

「行け! レアモン様のためにな!」

 

 ベーダモンの命令でヌメモンたちは街に出た。

 

 その日から、街周辺部ではゴミの不法投棄が相次いで発生し、東京都心部では不法投棄されたゴミが大量に投げつけられることになった。

 

 その中には粗大ゴミやスプレー缶などのようなものも含まれ、それが原因で打撲や爆発などの事故が発生し、多くの人々が怪我をすることになった。

 

 また、何名かの人々が夜の小道で怪しい影を見て、その後何らかの要因で頭を打って病院に搬送されたというニュースが流れた。

 

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「ったく、物騒なもんだな」

 

 拓実が夕方二課本部で新聞を見ていると、響たちもやって来た。

 

「最近このニュースばっかりだ。全く怖いというか、バカバカしいというか…」

 

 拓実が響たちに新聞を見せた。

 

「とはいえ、廃棄物を散らすのは人として難ありだな」

 

「アハハ…そうですね」

 

 響は腕を組んだ翼を見て呆れながら笑った。

 

(あんたに部屋も十分やべえよ、翼さん)

 

 拓実も奏の殉職前に翼の部屋を訪れたがその汚部屋っぷりに息を飲んだくらいである。

 

「つーか、こんな事件はどう考えたって人間業じゃねえよな…」

 

「まあ、デジモンの大群による要因かもな」

 

 弦十郎が現れた。

 

「今日から実は二課で大規模な調査を行うことが決定したんだ。政府はこの事件をデジモンたちによる犯行と判断したんだ」

 

「って! 政府が動くのかよ!」

 

 クリスがズッコケながら突っ込んだ。

 

「雪音、デジモンが起こした事件なのだぞ。それくらいで動じてどうするのだ?」

 

「うるせえ! んなこと言ったって、いくらなんでも政府が動くか普通!?」

 

「確かに…」

 

 拓実も相槌を打った。

 

「何をいうか!? 汚らしいままの街など美しくないだろう?」

 

 ロードナイトモンがバラを向けて、クリスと拓実に反論した。

 

「分かったよ。やりゃ良いんだろ! やりゃ!」

 

____________________

 

 その夜、二課たちは捜査網を展開した。

 

「で、何でこんな格好すんだ!?」

 

 響に翼にクリスに未来もサングラスをかけ、男装したような格好をしていた。そんな中拓実が仕事帰りのOLらしき格好をしていたが、そこそこ似合っていた。

 

「何で、拓実が女装すんだよ!?」

 

 クリスが赤面していた。

 

「水琴…今回お前は囮だそうだ。私達見張りの数が増えて、お前が囮になれば確実に目標のデジモンが現れる」

 

 翼が肩にポンと手を置いた。

 

「だからってこんなんはあんまりでしょ!」

 

「未来〜こういうのって苦労するよね〜」

 

 響が苦笑いをした。

 

「う、うん! そうだね…」

 

 響から目を背けた未来は赤面しながらニヤニヤしていた。

 

(この響…かっこいい! ああ〜こんな響を私のものにしたいかも…!)

 

「未来、顔に出てるよ」

 

「ええ!?」

 

 ピヨモンの一言で未来は普通に戻った。

 

「まあ、ともかくだ! さっさと行こうぜ!」

 

「オッホン!」

 

 未来と響が咳払いをした。

 

「拓実さん、もっと女の子っぽく喋ってください!」

 

 未来と響が微笑んだ。

 

「は!?」

 

「おいおいおい! そこまで徹底すんのか!? やっぱどうかしてるぞ、特機部二!」

 

「分かった…分かったわよ! さあ、行きましょう!」

 

 拓実__もとい実香(偽名)は路地裏を歩き出した。

 

____________________

 

「俺らの基地の近くの路地裏を歩き出した獲物がいるぜ。か弱そうな奴だし、やっちまおう! 今日は本当にやれるとこが無かったからな」

 

 実香は鼻歌を歌いながら歩いていた。

 

(ったく早くしろってんだよ!)

 

「おい、そこの女!」

 

 実香が振り返り、背後にいたガーべモンを睨みつけた。

 

「何かしら?」

 

「お前、ここが俺らの縄張りってことしってんのか? え!?」

 

「さあね。知らないわ」

 

「そうかい! じゃあ、あばよ! ウ○チバズーカ!」

 

「きったねえ!」

 

 汚物を避けると、拓実はベタモンを呼び出した。

 

「な、何!? 女か、お前!?」

 

「残念ね。私はちょっぴり強い女なのよ!」

 

 拓実__否、実香のデジヴァイスが光った。

 

「ベタモン進化! シードラモン!」

 

「やっちゃって、シードラモン!」

 

「うん! アイスアロー!」

 

(ノリノリだなぁ…)

 

 アイスアローでガーべモン二体が倒された。

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

 しかし生き残ったガーべモンは技を受けて、逃亡した。

 

「待ちなさい!」

 

 実香が追いかけたが、逃げられてしまった。

 

 その後、ガーべモンは先程の出来事をレアモンに報告した。

 

「何!? 貴様ら、ここを勘付せたのか!?」

 

「申し訳ありません。人間たちもかなりの強さで…」

 

「もういい! 貴様らはここで消えてしまえ!」

 

 怒ったレアモンはその場にいたデジモンたちをまとめてヘドロで溶解させてしまった。

 

「なんということを!」

 

「ああん!? 失敗した奴には責任を取ってもらっただけだ! 文句あるか!」

 

「いえ…」

 

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 その頃、翼たちはゴキモンを捕縛し、尋問に成功したらしく5人は都内のゴミ捨て場に着いた。

 

「レアモン様〜!」

 

 その時、ゴキモンが爆破に巻き込まれデジタマに戻された。

 

「ふん、よくもやってくれたな! 東京を汚しまくって我らの住処にする計画だったがもうどうでもいい! 貴様らを始末してくれる!」

 

「あんたの思い通りにはさせない!」

 

 拓実たちがデジヴァイスを構えた。

 

「そうか、なら来い!」

 

 5人のデジヴァイスが輝いた。

 

「ベタモン進化! シードラモン!」

 

「アグモン進化! グレイモン!」

 

「ファルコモン進化! ペックモン!」

 

「ハグルモンシンカ! メカノリモン!」

 

「ピヨモン進化! バードラモン!」

 

 5体のデジモンがレアモンに向かっていった。

 

「アブダクション光線!」

 

 バードラモンとペックモンが光線を受けた。

 

「まだいたの!?」

 

「くっ、闇討ちとは卑劣な!」

 

「喰らいやがれ!」

 

 レアモンがヘドロを放った。

 

「メガフレイム!」

 

「トュインクルレーザー!」

 

「効くかそんな物!」

 

 レアモンはなんとか踏ん張った。

 

「こいつはどうだ!」

 

<クリサリモン! デジメモリオン!>

 

 クリサリモンが現れレアモンの目元を攻撃した。

 

「データクラッシャー!」

 

「ぐわああああああ!!!!」

 

 レアモンは吹き飛ばされた。

 

「何故だ、何故こんな女の子5人に俺が苦戦を…」

 

 あたりに静寂が訪れた。

 

「5人って、私と未来に翼さんに、クリスちゃんに…拓実さん!?」

 

 響が順番に指を差して数えると拓実も含まれていた。

 

「はあ!?お前…ッッッッ!!」

 

 拓実がキレた。

 

「落ち着け、水琴!一応任務中なんだし最後まで…」

 

「こればっかりは我慢できないですよ、翼さん!」

 

「何を言ってるんだ!? お前は女じゃないのか!?」

 

 レアモンは驚いていた。

 

「いいことを教えてやるよ。俺は…」

 

「俺は?」

 

 レアモンが拓実を見た。

 

「こんな見た目なんだがな…本当は、正真正銘の! 男なんだよおおお──ー!!!!!」

 

「何い!?」

 

「何だと! あいつ男、だったのか!?」

 

 ベーダモンも呆気に取られていた。

 

「今だ!」

 

 クリスのデジヴァイスが光った。

 

「メカノリモン、チョウシンカアアア!!

 

 メガドラモン!」

 

 メガドラモンがベーダモンを弾き飛ばし、レアモンに激突させた。

 

「ジェノサイドキャノン!」

 

 メガドラモンの両腕からの攻撃でレアモンとベーダモンは倒された。

 

「うわああああああ!!!」

 

「男の娘って、強えええええええ!!!」

 

 そう言うと2体はデジタマに戻った。

 

「やった!」

 

「うむ!」

 

 響たちが喜ぶ中、拓実は消沈していた。

 

「はあ、何だよ…女の子に間違えられるって…しかも…気がつかないって…」

 

「拓実、クヨクヨしないの」

 

 ベタモンが慰めた。

 

「青春ってのは色々あるんだなあ…」

 

「とはいえ、これで解決ですね」

 

 その場に駆けつけた弦十郎と緒川も笑いながら見ていた。

 

(さて、今回のこともあったし、私も部屋を片付けてみようかな?)

 

 翼はゴミ捨て場を見ながら決意を固めた。

 

____________________

 

 翌日、二課には拓実の女装がニュースに移り学校では大して話題にはならなかったが装者や拓也、稔、オペレーターたちに晒されることになった。

 

「もう、女装なんてこりごりだあああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 本部で拓実の叫びが木霊した。




「拓実、バカやろおおおおおおおお!!!」

(殴られる)

「お前、どうして女装なんかするんだよ!防人の使命ですか!?それとも目覚めちゃいましたか!?」

「違うって!これには訳が…!」

「はあ、もう嫌…息子が目覚めたのって全部私の所為なの?」

「だから、違うって!」

「違くないだろ!もう…なんなんだよ!?」

「だから…ああもう!女装なんてやだああああああああ!!!」

第23回 拓実、拓也、稔(in水琴家)

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