戦姫絶唱シンフォギアDigitalize   作:ジャン=Pハブナレフ

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第22話 新たなるロイヤルナイツ登場!

 響たちが戻ってきて一週間が経ち、生活もフィーネとの戦い以前に戻りつつあった装者たちと拓実、未来が弦十郎に呼び出された。

 

「翼さん、クリスちゃん!」

 

「立花か…」

 

 クリスも以前のような服装から年頃の女の子のようにオシャレをしていた。

 

「私も来ちゃったけど、何だろうね?」

 

「というか拓実はどうしたんだ?」

 

 クリスが見回した。その時、ドアが開き拓実が入って来て息を切らしていた。

 

「悪い、遅れた!」

 

「水琴、遅刻するのは防人として気が緩んでるぞ」

「すいません、翼さん」

 

「ったく、お前もバカだよな。待ち合わせには五分前っていうのを知ってたんだろ?」

 

「わりぃ、わりぃ」

 

 あれ以来、二課へ正式な加入をしたクリスは一応拓実の先輩というポジションだったが本人の意向でタメということになっていた。

 

 その時、弦十郎と獅子のデジモンに小型のデジモンが現れた。部屋には二課のオペレーターもいた。

 

「叔父様、そのデジモンは?」 

 

「これが、日本政府の秘匿していたしていたシンフォギアシステムの適合者とその協力者であるデジモンのテイマー…」

 

二体のデジモンの内大きい方の個体が目配せをしたのちに立ち上がった。

 

「初めましてだなシンフォギア、私はドゥフトモン。風鳴 弦十郎のパートナー兼日本政府の監視係であるクダモンと同じロイヤルナイツだ」

 

「私は、ハックモン。各国を飛びながら、暴走デジモンを止めるのに奮闘しています」

 

「ええっと、ドゥフトモンさんにハックモンさんですね」

 

 響がドゥフトモンとハックモンを見た。

 

(かっこいいなあ〜)

 

「ちょっと待て、そのロイヤルナイツが何の用だ?」

 

 クリスがドゥフトモンに尋ねた。

 

「うむ、実は今回は要件が2つあるのだ」

 

「まず1つですが、七大魔王が現実世界に現れたことです」

 

「七大魔王?何だそれは?」

 

 翼とクリスが首をかしげる。

 

「それって、クダモンさんから聞きました。7つの大罪を司るデジモンたちで存在自体が私たちの世界やデジモンたちの世界に危険を及ぼすって」

 

「そうなの?未来!?」

 

「ああ、以前戦ったメタルエテモンもその影響で力をつけたんだ」

 

「うむ、そこまでは御存知のようだな」

 

 ドゥフトモンがソファーに座った。

 

「そんなデジモンまでいたのかよ!?じゃあ、あのフィーネの最後の赤い龍みたいなのはそいつらから見たらどうなんだ?」

 

「アリのような存在に等しいでしょう、それだけ彼らは一体だけでも強大な闇の力を秘めている」

 

 ハックモンが告げ、モニターに荒廃した光景を映し出す。建物が壊れ、草原が枯れ、海が干上がるなど災害が発生した時のような荒れ果てた光景に全員唖然としていた。

 

「ゆえに我らも苦しんだのだ。底知れぬ力を元に多くの犠牲を出してしまうこともあった中で辛くも勝利を手にしたのだ」

 

 クダモンも言った。

 

「そんな…」

 

 翼は言葉が出なかった。

 

「あの!」

 

 拓実が手を上げた。

 

「何かな?」

 

「その七大魔王は分かったんですけど、名前と姿が分からないんで教えて欲しいんですが、いいですか?」

 

「すまないが姿は保存されてはいないんだ。しかし、どう言ったデジモンがいるかくらいは話そう」

 

「その前に7つの大罪ってなんだ?」

 

クリスが首を傾げる。

 

「すまないが、私も初耳なもので享受させてきただきたい」

 

「7つの大罪っていうのは憤怒、嫉妬、怠惰、暴食、強欲、色欲、傲慢という人の持ちうる負の感情なんだ。

 

 要するに怒り、羨み、怠ける、食いまくり、欲張り、性欲、身勝手みたいなものだ。よく漫画とかゲームでこういうのが使われてるんだよ。

 

 一昔前にもこれを題材にした漫画があってね。俺もそこで知ったんだ」

 

 7つの大罪が分からない翼とクリスに拓実が補足した。

 

「すごいたとえだが…まあ、感謝する」

 

「よろしいかな、では紹介しよう。

 憤怒__デーモン

 

 嫉妬__リヴァイアモン

 

 怠惰__ベルフェモン

 

 暴食__ベルゼブモン

 

 強欲__バルバモン

 

 色欲__リリスモン

 

 そして、傲慢__ルーチェモン

 

 以上が七大魔王たちだ」

 

「どれも、強そうな名前…」

 

「その、7体が私たちの世界に…」

 

「その中で今回は嫉妬__リヴァイアモンが現れた。そいつの顎は大陸1つを飲み込んでしまうくらいの大きさだ」

 

 その一言に二課のオペレーターたちは慄いた。

 

「大陸を!?」

 

「そんなことが可能なのか!?」

 

 クリスと翼も驚いた。

 

「なんてことだ…バケモノが叩き売りってか?」

 

 拓実も呟いた。

 

「今、特に彼は動く兆しは見せてはいませんが注意してください」

 

「はい…」

 

 辺りが少し落ち着くとドゥフトモンが再び話し始めた。

 

「そして、2つ目だがしばらくクダモンはデジタルワールドに戻ってもらう」

 

「何!?」

 

 弦十郎が驚いた。

 

「クダモンは君たちに希望を託して重傷を負っている。残念ながら、今の人間界では治療は不可能だ。だから治療のためにデジタルワールドに戻ってもらうのだ」

 

「すまない、弦十郎…」

 

 クダモンが顔を下げた。

 

「クダモンさん!怪我早く治してくださいね!待ってますから、私たち!」

 

 響たちがクダモンが来た。

 

「やはり、君たちは多くの人間の希望になれる。私は信じている。そして君たちに出会えたことを誇りに思う。ドゥフトモンよ、誰が後任なのだ?」

 

「うむ…ロードナイトモンだ」

 

「ロードナイトモン?」

 

クダモンが「むぅ…」と呟き、不満げな表情を浮かべていた。

 

「ロードナイトモンか…彼は善悪の基準よりも自分の正義を信じる傾向強い。何より、冷酷無比で弱者に対する慈悲はないデジモンだ」

 

「なんか、物騒な気がしますね」

 

 未来がアハハと笑いながら言った。

 

「フッ、お前にそんなことを言われるとはな。スレイプモン、いやクダモンか」

 

 モニターにピンク色の聖騎士の姿をしたデジモンが現れた。

 

「ロードナイトモン!」

 

「人間たちよ、飽くまで私はイグドラシルの意思のために協力させてもらうぞ。くれぐれも勘違いの無いようにな」

 

「ロードナイトモン、お前にも見えるはずだ。人間という生き物が何なのかな。頼んだぞ」

 

「任せておけ。この役割を美しく引き受けさせてもらう」

 

 クダモンが突如現れてゲートに向かった。

 

「さらばだ。また会おう!弦十郎、お前のアクション映画、嫌いではないぞ。装者並びにテイマー諸君よ!幸運を祈る…」

 

「ああ、あばよ。待ってるぜ!」

 

 クダモンはゲートを通っていった。

 

「今日からロードナイトモンが仲間になるけど、結構近寄りがたい感じがしません?」

 

「まあ、そうだな」

 

モニターからロードナイトモン本人が現れた。

 

「改めて二課の諸君、自己紹介をさせてもらおう。

 

 我は美の闘士__ロイヤルナイツ ロードナイトモンだ」

 

 二課に新しくロードナイトモンが加わった。

 




「美しい…」

「はあ!?」

「そなたの弾幕の容赦のなさは美しい!」

「美しい…」

「うん?」

「そなたの一太刀は美しい!」

「美しい…」

「へ?」

「そなたの愛は美しい!ああ、何と美しい!」

(変だ…) (奇抜な…) (なんか変…)

第20回 ロードナイトモン、クリス、翼、響(in二課本部)

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