戦姫絶唱シンフォギアDigitalize 作:ジャン=Pハブナレフ
神様自体、せっかく生み出したのに自分と並ぶこと自体許せず、大人しくさせるはずが勝手に争う光景を見てしまった以上己への不信感は嫌でも募るのではないでしょうか?
そしてなぜ未来さんにギアを用意しなかったのかもお答えいたします。個人的に彼女は神の力として利用され最終的にアヌンナキをただの力を持たない人間代表として説得する役になるのかなと思ったからです。響たちは力を持った人代表ということでキーマンは未来さんなのかなということで今回、装者たちにとんでもないパワーアップをさせました。
ついに装者とアヌンナキが対峙した。
「はあっ…」
アヌンナキがため息をついた。
「なんて威圧感、これが神だというの?」
「悲しいものだな。」
「ああん!?」
「お前たち、まだ分からないのか?余がなぜバラルの呪詛を仕掛けたのかを。」
アヌンナキが開眼すると響たちは幻燈を見ていた。
「お前たち人は余の意思で生まれたものだ。
この地球において貴様らは余から生まれたという創造主への敬意を忘れ、我が物顔で暴れまわっただけでなく、森を焼き、海を汚し、先人たちすら踏み台とした。
それに自らの立場すら理解せず神と対等になろうという愚行をなす愚か者さえ生まれた。」
その光景に未来は1人ハッとした。
(この光景はまさかさっきの!?)
「それが今、こうして貴様らは余の監視装置を破壊したかと思いきや治し、余の命をも奪おうとした貴様らは最早愚かを通り越して憐れみしか浮かばぬ。滅びるに値する種だったとはな。」
「だとしても!私たちはあなたに伝えに来たんです!」
「伝えるだと?貴様ら、神のみが持つ歌をか?おこがましいにも程があるぞ。」
アヌンナキが身構えた。
「おこがましいとかそんなの関係ない!私たちの歌を神様に届けます!」
響たちが一斉に飛び出したがバリアのようなものを張られていた。
「行くぞマリア!」
「ええ!」
マリアと翼が斬撃を飛ばしたがそのうち一発を片手でつままれ投げ返された。
「ならこれはどうデスか!!」
「ふぅん!」
切歌と調、クリスの3人が別々の方向から一斉攻撃を放つも念動力で封じ込められてしまった。
「どうした、貴様らの歌はそんなものか?」
「うおおおおおおおお!!」
「バカッ、正面から通じるわけがねえだろ!!」
響が正面から攻撃してきたがまたも片手で振り落とされてしまった。
「バリアが原因で攻められない!」
「こうなったら行くぞマリア!」
「ええ、こじ開ける!」」
<CHANGE †HE FUTURE>
カリオストロの時の戦いに見せた技でアヌンナキの防御を無理やり突き破ろうとした。
「こんなものか。」
「月読!私たちもだ!!」
「はい!」
「響さん!」
「うん!」
調と翼も風月ノ疾走を、切歌と響も必愛 デュオシャウトで2人に続いて強引に防御を突き破ろうとした。
「みんな…負けないで!」
未来はギアを持たないのでただ祈るだけしかできなかった。
「はああああああ!!」
「ッ!!」
強引にユニゾン技を使用して正面から圧迫するかのようにアヌンナキへ迫っていたが玉座に座ったままの状態からついに立ち上がった。
「図に乗るな!」
「うわあああああああ!!」
吹き飛ばされた響たちが念動力で壁に激突した。
「響!」
未来が駆け寄って助け起こした。
「ふん、まさか余を立ち上がらせるとは思わなかったぞ。」
アヌンナキが響たちを睨んだ。
「それだけじゃ…ない!」
するとアヌンナキの腹部に切り傷と殴った跡が出てきた。
「アヌンナキに傷が!?」
「そうか、響の神殺しで!」
「一時で余にこれほどのダメージを…」
アヌンナキ自体傷口から流れる血を見て次第に形相が怒りへと変化した。
「なぜ貴様らは余を裏切るのだ!!」
「え?」
アヌンナキが苛立ちとともに片手から光線を発射した。
「ぐあっ!」
「マリア!!」
続いて切歌が狙われた。防御もままならずゼロ距離から攻撃を受けその場に倒れた。
「くっ、防ぐぞ!」
「はい!」
「ああ!」
「愚かなり!」
翼と調、クリスがそれぞれ防御壁を展開するも一撃で貫通されて命中してしまった。
「みんなのギアが、壊れている?」
「そうだ。こんなものさえなければ貴様らは余に…!」
「これ以上は!」
「無駄だ、2度も余を傷つけられるものか!」
拳を片手から受け止められて響は顔面を床に叩きつけられた。
そして背を踏みつけられ、怒りのまま響のギアも破壊された。
「そんな…響たちのギアが破壊された!?」
「所詮それが貴様らの限界、人間の限界だ。」
アヌンナキが哀れに見下ろしていた。
「そんなことはない!」
「私たちの歌に限界はないんだッ!」
響たちがギアを破壊された状態で立ち上がった。
「まだ歌えるなら!歌い切るッ!!」
「ほう?」
「Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el baral zizzl
Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzl 」
響たちが手を繋いで必死の思いで絶唱を唱えた。
「S2CA?」
未来が唖然となる中、アヌンナキは立ち尽くしていた。
「これが私たちの…「なんだと言うのだ?」」
アヌンナキに遮られ、両腕から放たれた光線は放たれる前のS2CAの威力を相殺させてしまった。
「そんな…!」
「S2CAが破られた!?」
「貴様らの歌は大罪のこもった歌だ。いくら浄化された人物がいたとてなんの意味もない!」
響たちは圧倒的なアヌンナキの力に手も足も出なかった。
「てやあああっ!」
響の一撃は空を切ってその場に倒れた。
「貴様、さっきから余に対して神殺しなどを使おうとしたが無駄だ。」
「え…?」
「それは所詮人間たちの時の中で積もった呪いで作られたもの。神である余に傷をつけようとも殺すことはできん。
いくらバラルの呪詛が失せたとて貴様は大罪の子。余の足元にすら遠く及ばぬ。」
アヌンナキがとどめを刺そうとしたその時、未来が無謀にも突進してきた。
「何かしたか?人間…」
「私は多くの人が争いあなたが泣いているのを見ました。」
「なんだと?」
「あなたは本当は泣いているのではないのですか?」
「貴様に何が分かる!?創造したものが理想と間違った歩みを遂げた以上消すのは当然だ!」
「それは、違うと思います。」
「何だと…?」
「私たちは間違いこそするかもしれません。
でもあなたのように諦めないことだって出来ます!」
「そうですよ…!」
響が立ち上がった。
「私たちは誰かを傷つけてしまうかもしれないけれど、この掌で誰かをつなぐことができる!」
「出来るものか。呪いをかけられた貴様らに!」
「出来る!だって、呪いをかけられても私たちは歌で多くの人と手を繋いできたから!」
「歌を剥奪されたのになぜ貴様らはそれを胸に秘められる?所詮力に変えることしかできないくせに!」
アヌンナキが次第に動揺しだした。
「ンなことは良いんだよ!奪われてたのをあたしたちが取り返したんだよ!」
マリアたちが立ち上がった。
「「だから私たちがここにいる!!」」
立ち上がって攻撃を仕掛けるも片手で全員吹き飛ばされ壁に激突した。
「ふん、今更なにが出来る!余の前でチリに等しい7人になにが出来ると言うのだ!!」
「7人だけじゃない…」
(ここから先はアクシアの風を聴きながら読むのを勧めます)
「師匠やエルフナインちゃん、それに地球にいる全ての人が私たちの背中にいるんだ!」
「それにこの世界だけじゃない!私たちの出会いは、世界をも超えた!」
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並行世界では奏、もう1人の響、セレナが空を見上げていた。目に見えずとも響たちに危機が訪れているのが伝わっていた。
「翼…あたしはあんたのおかげで飛べた!もう一度、飛んでくれ!」
「もう1人の私、あの子、未来…私は信じてる。私を笑顔にしてくれたあの優しさでもう一度みんなに会いたい!」
「マリア姉さん、切歌さんそして調さんは眠っていた私にもう一度家族の温もりを見せてくれた大事な人たちです!負けないで!」
並行世界以外にも現実世界で迫り来る月の脅威を前に人々は怯えていたが一部の人々は逃げずにただ祈っていた。奇跡を…
「響、あんたはアニメの主人公だよ。逆転して!」
「ビッキー!」
「あなたのお節介を…!」
「あなた!あの中でまさか…」
「ああ、俺たちの娘がいるんだ!もう一度情けなかったあの時の俺に勇気を見せた自慢の娘がな!」
響たちの同級生そして親が信じていた。
「翼、君の歌は世界に羽ばたくんだ。私は君の歌に情熱を見たんだ。
そしてマリアくん、君の歌もだ。」
イギリスではトニー氏が夜空を静かに眺めていた。
「姉ちゃん、大丈夫だよね?」
「ええ!きっとクリスたちなら!!」
「雪音さん…!」
互いに離れた日本とバルベルデの地でもクリスの同級生やヴェレーナ姉弟が彼女の無事を祈っていた。
「神主様、どうかあの子らの声を聞こしめしませ。」
調神社でも宮司が舞っていた。
「切歌さん、みんな…」
フルメーン王国でもレイライン暴走による災害が発生しており、危機に見舞われていた。
「聞こえる、みんなが祈っているんだ。」
そして彼らは無意識の内に聖詠を口ずさんでいた。
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
「Killiter Ichaival tron」
「Seilien coffin airget-lamh tron」
「Various shul shagana tron」
「Zeios igalima raizen tron」
一方地球と月の間ではロイヤルナイツたちの必死の抵抗がされていた。
「この亜空間を何としても止めなければ!」
「響いいいいいいいいい!!」
内部で必死に攻撃を続けるパートナーデジモンたちだったが落下は止まらなかった。
「もう、ダメなのか!!」
弦十郎たちが諦めかけたその時、奇跡が起こった。
「待ってください!アルゴ内部から高エネルギーが!」
「なんだと!?」
「そうか、先程拓実くんが無作為にはなった一撃が各地に散らばったがその一発がエネルギーコアに届いていたんだ!!」
八紘がモニターにアルゴのコア部分を見せたが確かにコアにヒビが入っていた。
「レイラインから送られた膨大なエネルギーが、このままだと暴走して亜空間ごと消滅してしまいます!」
「司令、今度は地球からこの月へとレイエネルギーが!!」
「なんだって!?」
地球から光が放たれそれが亜空間の入り口へと届いた。
さらに、地球では祈っていた人々が次々と口ずさんでいた。
歌を____
「Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el baral zizzl
Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzl 」
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レイエネルギーが光となって響たちへ送られてきた。そのエネルギーはすでに戦闘不能となった拓実たちの元にも届いていた。
「これは…」
目を覚ました拓実の体内から蟲が出てきて消滅した。
「傷が癒えていく?」
響たちの元にも光が注がれていた。
「響たちに光が!?」
「これは…あったかい?」
「祈りを感じる。」
「帰る場所が、見えてきた?」
「私を信じてくれる人たちがいる。」
「あれは、お父さん!お母さん!みんな!」
「あの人もこの人たちも!みんなが祈りを歌に込めているんだ!」
光に装者が包まれ一瞬でもエクスドライブモードとなった。本部でもその変化は行き届いていた。
「装者たち、エクスドライブモードに移行!しかし…」
「フォニックゲインがさらに爆発的に高まった!?」
「測定不能…もはや常識を超えています!!」
「人の呪いが上回るのか?」
アヌンナキが動揺した表情を浮かべた。
「違います、彼女たちは立ち上がった。祈りで!!」
未来が光をじっと見ていると響たちの姿がエクスドライブモードの姿を経てさらに進化した。まるで天使のように羽を生やした神々しい姿をしていた。
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「地球があのものたちを認めただと!?汚れなき魂を持った人間の歌が汚れを浄化したとでも言うのか!?」
「感じる、私達の地球がなにかを訴えようとしている!」
予想外の出来事にアヌンナキは憤慨していた。
「認めるものか!何故空っぽだった地球まで余に背くのだ!?」
アヌンナキが取り乱して攻撃するがマリアによりバリアを敷かれた。
「体が軽い!そして何かがよぎってくる…」
「これは、歴史?」
「チッ、地球そのもの、過去から今に至るまでの歴史を歌として纏め貴様らは余に立ち向かうというのか…」
「行くデース!」
切歌がアームドギアをふるったことで竜巻が発生した。
「なんだこれは!?」
「地球の風が私と調に力を貸してくれたデース!」
「行こう切ちゃん!」
<風神ω式 王ゥbぇロN>
左右から巻き起された二つの竜巻が刃の如くアヌンナキを包み込んだが拳一つで破壊された。
「続き!愛に満ちた海が私のアガートラームだ!」
<POSEIDON†REQUIEM>
アームドギアから大波が発生し左腕から光線が放たれた。
「ぬう…喰らえ!」
アヌンナキの両腕から放たれた光弾で全員吹き飛ばされてしまうがクリスと翼がすぐに体勢を持ち直した。
「果てしない大地の力、それがあたしに!」
「燃え上がる炎は防人の刃となりて!」
<EARTH STREAM>
<須佐男 一断>
「なめるなああああ!!」
2人の連携攻撃であっても余裕で受け止めるアヌンナキの懐には響がいた。
「絶え間無く降り注ぐ怒りの雷と悠級の理想___黄金!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
かつてアダムを仕留めたTESTAMENTに酷似したような黄金の気迫の元両の拳から放たれた一撃がアヌンナキを吹き飛ばした。
「バカな、こやつらが私を上回っているだと!?しかもなんだ、この者たちを覆う歌は…呪詛がかけられていたのだぞ?何故これほどの力が引き出せる?」
床に激突して頭部から青い血を流したアヌンナキに対して響たちは首を縦に振って応えた。
「「この歌も命も、シンフォギアだ!!」」
まさかの地球そのもののレイエネルギーをフォニックゲインにしました。Gの時は70億人の人々の絶唱でしたが今回は地球そのものの歴史がフォニックゲインとなっているためエクスドライブモードを超越しています。
そして今回効かないと言及された神の力ですがこれも個人的な推測にしかなりませんが結論を言うと「殺すことはできない」と思います。
そもそも神殺し自体、人の長い時の中での言葉の力によって誕生した哲学兵装であるため、その源はバラルの呪詛によるものでそれを仕掛けたアヌンナキを傷つけることしか出来ないでしょう。